「別に本人の口からそう言ってたから知ってるだけだ」
「へーー、何千空ちゃんイルミネーションデートでもしたの？」
ニヤニヤとからかうゲンに千空は違う、と即否定した。
厳密にいえば千空はデートのつもりだったのだが。
結局話は高校受験の時に出そうな電気関連の話をしてしまいそんなムードはなくなったのは遠い過去の記憶だ。(一言もそんな事があったなのど口が裂けても言えない)
相変わらずツンとした表情の千空を見てゲンはこれ以上追及するのはやめた。
そんな話をしていると急にクロムが何かひらめいたようだ。
要約すると携帯作りに必要な素材を求めバッテリーと電球さえあれば薄暗い洞窟の奥まで採掘に行ける……！とクロムは千空に訴えかけた。

「あーーそうだな
って言いたいのはやまやまだが……
悪ぃが話は明日にしてくれ」
もう夜だぞ、と釘をさされたクロムはしぶしぶ倉庫に帰っていった。
千空も寝るべく倉庫に向かう前に一言かけるかと思いあきらに声をかけた。
「早く寝ろよ」
「分かってるって
ていうか電球作ってるのは知ってたけどクリスマスツリーまで作ってたんだね」
「つってもてめえは興味なかったろ」
「それ話したの随分前だったはずだけど……」
よく覚えてるね、と言われ千空はそっぽを向いた。
前々から組んでいた計画がこうも倒れては嫌でも覚えるわ、とは言えない。
「……たまたまだ」
「ふーん
私さ綺麗とは思わないけど……すごいって思った
何も無くなった世界になってから思うけど灯りってなんだか安心するね」
と褒めたのが千空は以前として自分一人の力では出来なかっただけだと言う。
素直じゃないなあ、と思いつつあきらは胸のつかえが取れたような気がした。
(色々気にしてたけど……
何だ、普通に話せばいいのか)
気にしすぎるのも時と場合によっては逆効果となるようだ。
自分の駄目さ加減に自嘲気味にふふと笑うと。
「何笑ってんだ」
「何でもない」
「？もう話すことねぇなら寝るからな」
「うん、おやすみ、千空」
「ああ、おやすみ」
倉庫に向かった千空と離れコハクの家に向かったあきらだった。