恒例となった勉強会の為あきらは石神家にやってきた。
チャイムを押すとほどなくして千空がドアを開けて出てきた。
「よお、あきら」
「お、おはよう、千空」
少しどもったあきらに千空は若干違和感を感じつつあきらを家の中に入れドアを閉めた。

「外暑かったろ」
「う、うん」
まぁ夏だしな、と千空は冷蔵庫の中からお茶のペットボトルを出してコップに注いだ。
水分補給してから本来の目的の勉強会を開始する。
「夏休みもあと半分か……早いね」
「そうだな、宿題終わらせたか？」
「うっっっ……ﾏﾀﾞﾃﾞｽ」
「だろーと思ったよ、ほらテキスト出せ
分からないとこ教えてやるから」
あきらが差し出したテキストを千空が受け取ろうとした時僅かに指先がふれた。
するとあきらが手を離してしまい落ちようとしたテキストを慌てて千空が掴んだ。
「っとあぶねーな」
「ごめん」
そう言うあきらの頬は僅かに赤かった。
「……おい、熱でもあるんじゃねぇか？」
「っ、ち、違うと思う、けど」
目線を横にずらしたあきらだが、ますます赤くなっている。
「まさか熱中症じゃないだろな……」
千空は手を伸ばしあきらの額に手を当てた。
「……！？！？千空！？」
「あ”ーーー、確かに熱ぃな
ちゃんと水分とったのか？？」
何故だかどんどん熱くなっているような気がする。
「ちょ、ちょっとはとったよ
あの……もういいから……」
「こりゃ勉強会どころじゃねーな……
ちょっと待ってろ」
あきらは千空にソファで横になってろ、とすごい剣幕で言われた為大人しく従った。

「とりあえず水……とスポーツドリンクも飲め
いいか水分だけじゃ不十分だからな、塩分もだ」
しばらく千空の言う通りに休憩するとあきらの熱もだいぶ収まり顔の赤みも引いてきたようだ。
「千空、ありがとう
もう引いてきたからいいよ」
「そりゃ良かった
もう顔赤くなって……はねぇな」
と確認しようとした千空が近づくとそれに逃げるかのように後退った。
「も、もう顔の確認はいいから
勉強しよう」

あきらの態度に違和感を感じつつその理由が分からない千空だった。