過去編
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大会当日になった。
「じゃあ、あきらちゃん頑張ってね」
「千空の分も応援してるからな!!!」
「ありがとう、大樹、杠」
観客席に移ってからも手を振ってくれる二人に嬉しくなるけれど、その席に一人居ないことに気づくと胸がきゅっと締め付けられた。
「……あきら、あきら?」
「……あ、ご、ごめんなさい
聞いてませんでした」
……今頃千空は何をしているかな、とつい上の空になってしまう。
父は大会当日になって気が弛んでいると怒っていた。
怒るのも仕方がない。
ちゃんとしなくては、と気を入れ直す。
いつも通り……いつも通りにしてれば…………
あれ……、いつも通りってどうしてたっけ……
「おい、あきら、どうしたんだ
熱でもあるのか!?」
「だ、大丈夫です、大丈夫……」
一回戦、あきらはなんと力を出しきれずあわや負けるところだった。
まさかの優勝候補が早くも負けそうな雰囲気に呑まれ周りはざわめいている。
早く平常に立て直さねば……と己を鼓舞するも心臓はバクバク動いて頭はパンク寸前だ。
先程の試合を思い出す。
体が異常に重たく、脳裏ははっきりとしてなくてぼんやりと霞がかかったようだった。
ぶっちゃけるとあまり試合内容を思い出せない。
何とか勝てたようだが、次はそうはいかない。
(どうして…………??)
こんなにも駄目駄目で情けない。
一体何が原因なのか、さっぱり分からない。
そろそら次の試合だ。
重たい体を何とか起こし足を進める。
何とか精神状態を元に戻そうとしたが、上手くいかなかった。
相手の選手の陣は優勝候補が自滅してくれるかもしれない、と僅かながらに喜んでいた。
ああ、もう、駄目だ、と思い込んだ、その時。
「あきら!!!!」
背後から聞こえないはずの声がした。
振り替えって確認は出来ないけど、その声が彼だと気づいた。
それだけで、もう十分だ。
名前を呼ばれただけでこんなにも力が沸いてくる。
両手に力を入れ直しぐっと相手選手の方に向き直った。
もう体の重さなんて気にならなかった。
無事に対戦に勝ち観客席に行くと杠、大樹、そして千空がいた。
「来てくれたんだ」
「会場がちーっと近かったからな
昼休憩のついでだ」
実はは試合に間に合おうと急いできた為、駆けつけたあとは息切れで少し席に座って疲れていたのだが、あきらは当然知るよしもない。
それを知っている大樹と杠は後ろでクスクス笑っているのはいうまでもないだろう。
「つってもあんま長居出来ねぇぞ
あと数十分で戻らなきゃいけねぇ」
「来てくれただけで十分だよ、ありがとう」
と言うと千空はそっぽをむいた。
そこで緊張感が抜けたのかあきらはペタンと座りこんでしまった。
なにしてんだ、と呆れつつ千空は手を差しのべた。
あきらはその手に触れるととある事に気付きしばし固まった。
「?どうした」
「ううん、なんでも」
さ、お昼食べにいこ、とあきらは千空の手を離した。
(千空の手ってあんなだったけ……?)
「じゃあ、あきらちゃん頑張ってね」
「千空の分も応援してるからな!!!」
「ありがとう、大樹、杠」
観客席に移ってからも手を振ってくれる二人に嬉しくなるけれど、その席に一人居ないことに気づくと胸がきゅっと締め付けられた。
「……あきら、あきら?」
「……あ、ご、ごめんなさい
聞いてませんでした」
……今頃千空は何をしているかな、とつい上の空になってしまう。
父は大会当日になって気が弛んでいると怒っていた。
怒るのも仕方がない。
ちゃんとしなくては、と気を入れ直す。
いつも通り……いつも通りにしてれば…………
あれ……、いつも通りってどうしてたっけ……
「おい、あきら、どうしたんだ
熱でもあるのか!?」
「だ、大丈夫です、大丈夫……」
一回戦、あきらはなんと力を出しきれずあわや負けるところだった。
まさかの優勝候補が早くも負けそうな雰囲気に呑まれ周りはざわめいている。
早く平常に立て直さねば……と己を鼓舞するも心臓はバクバク動いて頭はパンク寸前だ。
先程の試合を思い出す。
体が異常に重たく、脳裏ははっきりとしてなくてぼんやりと霞がかかったようだった。
ぶっちゃけるとあまり試合内容を思い出せない。
何とか勝てたようだが、次はそうはいかない。
(どうして…………??)
こんなにも駄目駄目で情けない。
一体何が原因なのか、さっぱり分からない。
そろそら次の試合だ。
重たい体を何とか起こし足を進める。
何とか精神状態を元に戻そうとしたが、上手くいかなかった。
相手の選手の陣は優勝候補が自滅してくれるかもしれない、と僅かながらに喜んでいた。
ああ、もう、駄目だ、と思い込んだ、その時。
「あきら!!!!」
背後から聞こえないはずの声がした。
振り替えって確認は出来ないけど、その声が彼だと気づいた。
それだけで、もう十分だ。
名前を呼ばれただけでこんなにも力が沸いてくる。
両手に力を入れ直しぐっと相手選手の方に向き直った。
もう体の重さなんて気にならなかった。
無事に対戦に勝ち観客席に行くと杠、大樹、そして千空がいた。
「来てくれたんだ」
「会場がちーっと近かったからな
昼休憩のついでだ」
実はは試合に間に合おうと急いできた為、駆けつけたあとは息切れで少し席に座って疲れていたのだが、あきらは当然知るよしもない。
それを知っている大樹と杠は後ろでクスクス笑っているのはいうまでもないだろう。
「つってもあんま長居出来ねぇぞ
あと数十分で戻らなきゃいけねぇ」
「来てくれただけで十分だよ、ありがとう」
と言うと千空はそっぽをむいた。
そこで緊張感が抜けたのかあきらはペタンと座りこんでしまった。
なにしてんだ、と呆れつつ千空は手を差しのべた。
あきらはその手に触れるととある事に気付きしばし固まった。
「?どうした」
「ううん、なんでも」
さ、お昼食べにいこ、とあきらは千空の手を離した。
(千空の手ってあんなだったけ……?)