第三章
夢小説設定
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(あ、千空だ)
後ろ姿の千空を見かけ声をかけようとしたが、隣にコハクもいるのに
気付いた。
遠くだし、駆け寄るのもなんだし木の影に隠れてしまう。
ちらりと、木の影から盗み見ると二人は何やら話していた。
(そういえば、二人って仲いいのかな)
このところ閉まっていた疑問が再び脳裏によぎった。
と、その時急に背後から、わっ、と驚かされあきらはぎょっとした。
「って、ゲンか」
「やっほーー」
声の主はゲンだった。
急にびっくりさせないでほしい、と威圧を込めて睨む。
「ごめんごめん、て
で何してたの??こんな木に隠れてこそこそしててさ」
あきらは無言で木の向こうを指した。
ゲンは向こうにいる二人を見て、あーなるほどねーーと察した。
「あの二人ってさ……仲いいのかな」
「いやあ、どうだかねーー
俺に聞かれても……仲悪いって事はないと思うけど
何?千空ちゃんと仲良くしてる女の子がいるとモヤモヤするって??」
うっ、とあきらは言葉に詰まった。
「別に……」
とそっぽを向いているが図星である。
そもそもこういうのは初めてではない。
石化前にもあったしついこないだも、結婚(秒で離婚)事件に頭を悩まされたものだ。
「そんなに気になるなら直接聞いたら??」
「……そんなの出来るわけない」
そんな事聞いたら千空に意識してるのがバレてしまう。
なるべく恋愛の話は避けるよう心がけていたのが水の泡だ。
……元より友達だけの関係性でそんな事を聞いても無駄じゃないだろうか。
千空から意識されてるわけでもなし、私が聞くのはお門違いだ。
あきらは目を伏せその場を立ち去ろうとしたのをゲンが引き留めた。
「え、ジーマーでいいの?
てか、どこ行くの?」
「いい、……ちょっと鍛練しにいってくる」
余計なお世話だ、と言わんばかりにあきらの空気は張りつめていて、ゲンはこれ以上発破をかけるのをやめた。
「いやあ、ほんと強情…………」
「……という感じで特訓の方は順調だ
あきらのおかげで色々組み合わせを変えれるようになったのでな
銀狼のサボり寝癖だけが気になる点だが……」
「ククク、ありゃあどうしようもねぇわな
本人がどうこうしない限り変わんねぇよ」
「そうだな……こればっかりは
そっちのクラフトの方はどうだ?」
「ぼちぼち……と言いてぇとこだが、あんま進んでねぇな、
鬼レベルで苦戦してるとこだ」
ところで……とコハクはちょいちょいと向こうの木の方面を指差した。
そこはさっきまであきらが隠れていた木だ。
当然コハクにはばっちりバレている。
「あきらが恐らく妬いているな
何も言わなくていいのか??」
千空は何も返さず図面とにらみ合いを続けている。
コハクは呆れて溜め息をついた。
「千空、君の性格は知っているから気持ちは分かるが……
あまりにもほっとくと愛想をつかれるぞ??」
「……うるせぇな
んなこと分かってる、けど電球すら作れてねぇんだ、心のケア出来るほど余裕はねぇしする気もねぇ」
なんと頑固な男だ、とやれやれとコハクは参ったとポーズをとった。
「はあ……君はどうして頑なにも気持ちを隠そうとするのだ
お互いに想いあっているのだろう?」
あきらは気づいていないが千空は分かっているはずなのに。
無言を突き通す千空にコハクはもうひと推しをした。
「僅かでもいい、気持ちが分かるような一言でもかけられんのか……?」
「それは……無理だな」
きっぱりと千空は発言した。
「決めてんだよ、中途半端な状況で気持ち伝えるなんざ男じゃねぇ、あいつが……いや、なんでもねぇ」
コハクはあいつ……?と首を傾げた。
あいつ、とは大樹の事だ。
温泉での二人の会話を千空は聞いていた。
昔からの親友がああまで言っている以上自分だけ抜け駆けするような事はしたくない、と千空は思った。
「はあ、確かに周りがどうのこうの言っても本人が変わらねばどうしようもない、か
千空が言った通り、だな」
そう言ってコハクはその場を去っていった。
千空は変わらず図面を眺めたまま呟いた。
「愛想つかれる、ね」
確かにそうかもしれない。
例えあきらが他の人物に気持ちが向いたとしても千空はきっと想いを打ち明けることはないだろう。
愛想つかれるのもしょうがないか、と自嘲気味に笑う。
でも、その眼は正反対に僅かに潤んでいた。
後ろ姿の千空を見かけ声をかけようとしたが、隣にコハクもいるのに
気付いた。
遠くだし、駆け寄るのもなんだし木の影に隠れてしまう。
ちらりと、木の影から盗み見ると二人は何やら話していた。
(そういえば、二人って仲いいのかな)
このところ閉まっていた疑問が再び脳裏によぎった。
と、その時急に背後から、わっ、と驚かされあきらはぎょっとした。
「って、ゲンか」
「やっほーー」
声の主はゲンだった。
急にびっくりさせないでほしい、と威圧を込めて睨む。
「ごめんごめん、て
で何してたの??こんな木に隠れてこそこそしててさ」
あきらは無言で木の向こうを指した。
ゲンは向こうにいる二人を見て、あーなるほどねーーと察した。
「あの二人ってさ……仲いいのかな」
「いやあ、どうだかねーー
俺に聞かれても……仲悪いって事はないと思うけど
何?千空ちゃんと仲良くしてる女の子がいるとモヤモヤするって??」
うっ、とあきらは言葉に詰まった。
「別に……」
とそっぽを向いているが図星である。
そもそもこういうのは初めてではない。
石化前にもあったしついこないだも、結婚(秒で離婚)事件に頭を悩まされたものだ。
「そんなに気になるなら直接聞いたら??」
「……そんなの出来るわけない」
そんな事聞いたら千空に意識してるのがバレてしまう。
なるべく恋愛の話は避けるよう心がけていたのが水の泡だ。
……元より友達だけの関係性でそんな事を聞いても無駄じゃないだろうか。
千空から意識されてるわけでもなし、私が聞くのはお門違いだ。
あきらは目を伏せその場を立ち去ろうとしたのをゲンが引き留めた。
「え、ジーマーでいいの?
てか、どこ行くの?」
「いい、……ちょっと鍛練しにいってくる」
余計なお世話だ、と言わんばかりにあきらの空気は張りつめていて、ゲンはこれ以上発破をかけるのをやめた。
「いやあ、ほんと強情…………」
「……という感じで特訓の方は順調だ
あきらのおかげで色々組み合わせを変えれるようになったのでな
銀狼のサボり寝癖だけが気になる点だが……」
「ククク、ありゃあどうしようもねぇわな
本人がどうこうしない限り変わんねぇよ」
「そうだな……こればっかりは
そっちのクラフトの方はどうだ?」
「ぼちぼち……と言いてぇとこだが、あんま進んでねぇな、
鬼レベルで苦戦してるとこだ」
ところで……とコハクはちょいちょいと向こうの木の方面を指差した。
そこはさっきまであきらが隠れていた木だ。
当然コハクにはばっちりバレている。
「あきらが恐らく妬いているな
何も言わなくていいのか??」
千空は何も返さず図面とにらみ合いを続けている。
コハクは呆れて溜め息をついた。
「千空、君の性格は知っているから気持ちは分かるが……
あまりにもほっとくと愛想をつかれるぞ??」
「……うるせぇな
んなこと分かってる、けど電球すら作れてねぇんだ、心のケア出来るほど余裕はねぇしする気もねぇ」
なんと頑固な男だ、とやれやれとコハクは参ったとポーズをとった。
「はあ……君はどうして頑なにも気持ちを隠そうとするのだ
お互いに想いあっているのだろう?」
あきらは気づいていないが千空は分かっているはずなのに。
無言を突き通す千空にコハクはもうひと推しをした。
「僅かでもいい、気持ちが分かるような一言でもかけられんのか……?」
「それは……無理だな」
きっぱりと千空は発言した。
「決めてんだよ、中途半端な状況で気持ち伝えるなんざ男じゃねぇ、あいつが……いや、なんでもねぇ」
コハクはあいつ……?と首を傾げた。
あいつ、とは大樹の事だ。
温泉での二人の会話を千空は聞いていた。
昔からの親友がああまで言っている以上自分だけ抜け駆けするような事はしたくない、と千空は思った。
「はあ、確かに周りがどうのこうの言っても本人が変わらねばどうしようもない、か
千空が言った通り、だな」
そう言ってコハクはその場を去っていった。
千空は変わらず図面を眺めたまま呟いた。
「愛想つかれる、ね」
確かにそうかもしれない。
例えあきらが他の人物に気持ちが向いたとしても千空はきっと想いを打ち明けることはないだろう。
愛想つかれるのもしょうがないか、と自嘲気味に笑う。
でも、その眼は正反対に僅かに潤んでいた。