「ラーメンがダメだとするとどうするのだ、千空」

コハクに聞かれ千空は出せそうの物を考えた。

「ソーセージならいけんだろ」

ヤギの肉を使ったソーセージだが、ボソボソのラーメンよりはマシだろう。

「他に食いてえもんはあるか？」

「うーん……無理だと思うけどお米かなあ……」

米、かと千空はハードルが高い要求を聞いて顔をしかめた。

米といえば、稲科の植物であり日本人の主な主食だが……

「この原始世界で自生してんのはちと難しいな
そもそも栽培にくっそ時間かかるし手間がかかる」

「だよね、米農家さんが苦労かけてるの知ってるから、無理かなとは分かってたけど」

はあとあきらは溜め息をついた。

「気持ちだけで十分だよ
携帯作りもあるし、そんなしなくていいって」

千空にこれ以上負担はかけたくないとあきらは気を遣った。
かくして食べ物はラーメン、ソーセージ等に決まったが、千空は決めかねていたがある事を実行することに決めた。


「ヤギ探しかあ」

ソーセージの材料であるヤギを捜索する。
あきらでも捕まえられるだろうか。

「何、見つけてさえすれば、私が捕獲するから大丈夫だ
獣は狩った事はないのだろう？」

「そんな経験はないねえ」

司帝国でも一回部隊に混ぜさせてもらったが躊躇してしまい狩れなかった。
痕跡を探し何とか一頭を捕獲することに成功しこれで材料は何とかなった。
軽々とヤギをかつぐコハクに驚きつつ村に帰る。
それから数日後村ではささやかな宴が開かれていた。

ヤギのソーセージをつまみラーメンを啜る。

(スープは美味しいなあ)

味を知ったからか何とか食べれるようになったけど、やっぱり現代の味とは程遠い麺。
しかし、何もないよりはマシだ。

ふと空を見上げると星空が広がっている。
千空と一緒に見る約束をいつかしたなあと思っていると千空が声をかけてきた。

「あきら、ちょっといいか」

「え？」

急に何だろうと首を傾げると千空は星を見に行かないかと提案した。