「なんだよ、急に」

石神村の戦闘員を急遽集める事になったのだが、その中にはマグマも入っていた。

「喜べ、新しい武器だ」

(千空、その言い方だと何かとあるパンヒーローを思い出すんだけど……)

千空は鞘に収まった日本刀を一人ずつ渡していった。


「おお！！これが日本刀か！！」

「へ、へえ……ちょっと重くない……？」

銀狼の問いにコハクはそうか？と軽々持ち上げた。

「で、だ。
日本刀を使うに当たって色々指導しなきゃいけないんだが……
おっと、ここに剣の達人様がいたなあ！」

「握り方とか指導しろって事？
別にいいけど」

あくまでもあきらの道場に伝わる方法だが
今はそれ以外ないし仕方ないだろう。

「じゃあ、私のを見て真似してみて」

あきらは基本中の構えをとり全員に見えやすいよう見せた。

「……マグマだっけ、それは強く握りすぎ
反対に銀狼、力が足りてない
それじゃ刀を振る時にすっぽ抜けちゃう」

一人一人の構えを見て細かく指導していく。

「あー、金狼ちょっと違う
いや、それでもない」

うーんとあきらはしばし考え金狼の手に自分の手を添えた。

「…………！？！？、お、おい」

動揺する金狼を気にもせずあきらは金狼の指を動かした。

「うん、この配置、忘れないでね」

「あ、ああ……」

急に触れられた金狼は少し顔が赤い、一方、千空は。

「お主、何かすごい顔になってるぞい！」

眉間に皺を寄せ仏頂面になっていた。

「あ“？元々こんな顔だろうがよ」

(千空、不機嫌なのは隠せてないぞ……)

コハクは全く尊いなと心の中で思った。

二人とも気になっているはずなのに、妙に気持ちを隠したがるのだ。