翌日、金狼は怪我が治ったと言い張っていたが、やせ我慢である事はすぐにバレていた。

「おら、ぼさっとしてねぇでさっさと準備始めるぞ」

連中らが攻めんでくるまでに完成させねぇと千空は材料の確認をする。

とはいえ、すぐに攻めこんでくるのではないだろうかと聞くと解説してくれた。

「奴らは銃を警戒して嵐を待つ……
そういう風にゲンが誘導するはずだ」

「でも、銃なんて……」
銃なんぞ作れてもいないし肝心の火薬は既に使いきったと千空は言った。
相手は某有名な武道家の氷月に加え屈強な大男に無策でつっこむとは思えないが…としかめ面をしていたら千空がにやりと笑った。

「焦んな、そこで新しい武器を作る
あきらにとっちゃあ馴染み深い武器だな」

(…………！！ まさか……！)

クククと笑い千空はカセキに耳打ちすると興奮したあまりカセキの服が吹っ飛んだ。

あわてて千空が目を押さえたお陰で色々見ずにすんだのは感謝しよう。

(とはいえなあ……)

武器としては面目ないし石なんかよりも断然いいんだけども。
これ以上の策はないしぐちぐち文句を言うわけにはいかないのであきらは口をつぐんだ。
まぁ、今話すべきの事ではないし完成した時にでも口を挟むか…とあきらは目をつぶった。




あれから三日後、風が吹き荒れみるみる天候が悪くなっていく。

予想通り氷月が引き連れた司帝国の部隊が攻めこんでくるのを見て千空は火種を用意するが、風ですぐに消えてしまった。

それを見て輩は滑稽だと笑ったがこれは演出である事に気付かない。

その時。

細長い何かを持った村民が飛び出してきた。


「に、日本刀！？！？」

あまりの衝撃に和服を着ているかのように見えた連中は驚き固まった。

「ククク、このストーンワールドじゃあ
ぶっちぎりで最強の……科学の剣だ！」

易々と石を砕く刀を見て氷月は感嘆した。

「いいですね、ちゃんとしてる」