ようやく完成したサルファ剤をルリに飲ませて診察した結果肺に
水が貯まっている事が判明した。

問題はルリの肺炎の原因だ。

千空はネズミの死骸を発見し研究所で解剖しようとした。

衛生の為髪などが出ないよう布で覆った千空は少し笑える。

ネズミを見たコハクは何と食べるのか？と聞いてきた為、あきらとゲンは思いっきり引いた。

「え……コハクちゃん食べるの……？」

ゲンの問いにコハクは流石に食べないぞと答え安堵する。

(普通はそうだよね……)

「普段わな」

「普段は…………」

食べる事もあるのかと原始生活はそんな苦な物なのか少し気が遠くなった。

「まぁ、貴重なたんぱく質だからは
今回は残念ながら検視だ」

いや、残念て。

いくらなんでもネズミはないだろう。

千空はネズミの肺に注目する。

(肺全体に赤い発疹……)

「恐らく細菌で間違いねぇ、が、
その細菌の種類が肝心だ
その細菌が結核菌だった場合俺達に出来る手段はねぇ」

ここまで頑張ってきたのに報われないのかとコハクたちがどよめいた。

「結核菌って……
昔流行ったっていう？」

会話はしにくいものの、全く無言では周りに気を使われると思ったあきらは自ら千空に話しかけた。

決して結婚には動じてないと平静さを保ちながら。

「……あ“ーーそうだな」

一瞬空白を置いて答える。

千空はあきらにもう口を訊いてくれないのではと思っていたので少し嬉しくもあった。

「現代では抗生物質さえありゃ怖くねぇ病気だ
ただサルファ剤では結核菌に太刀打ち出来ねぇ」

するとスイカが研究所まで走ってきた。

「た、大変なんだよ！！ルリ姉が！！！