第一章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「千空!!待ってたぞ!!!」
千空にロケットを運んでくれと頼まれていた大樹が大きく手を
振っている。
「あ、あれ?千空くん隣の子は?」
同じく大樹と一緒に行動していた杠は千空の隣に見慣れない女子が
いることに驚いた。
「ん?そういえば!!!
誰だ!!その子は!!!
はっ、もしかして千空の彼女か!?!?」
「ワオ!!まさか既に彼女がいるとは驚きですな~~~」
勘違いする大樹と杠に千空は苦い顔をして弁解した。
「違げぇ!!!彼女じゃねぇよ!!」
あきらも真顔で頷いた。
千空は先週のいきさつを二人に話した。
「なるほど、そういう事だったんだね」
杠はふむふむと納得した。
「……にしても、こんなロケット作ってるなんて想像してなかった
これでほんとに宇宙に行けるの?」
あきらは千空に聞いたが、本人はさあなと返した。
「何回やっても失敗ばかりでな
ほんとの意味で宇宙にいけるのかはいつになるかわかんねえ」
千空は最終調整しながら答えた。
「失敗ばかりなのに、なんでそんなやってんの?
成功しないかも知れないのに」
あきらの言葉に成功は千空はピタリと手を止めた。
「いや、必ず成功する、成功してみせる
知ってるか?失敗は成功の母とも言う
失敗して失敗して、そうして失敗の積み重ねが成功へと繋ぐんだよ」
「失敗の積み重ね……」
「さーて、調整もすんだしそろそろ本番といくか」
千空はニヤリと笑った。
千空達4人はロケットから少し距離を取った後、千空はスイッチを押した。
すると、シュゴオオオと音を立ててロケットははるか空へと旅立っていく。
「…………すごい」
あきらは空高く飛んでいったロケットを見て、感嘆した。
「千空!!!今度はどうだ!?!?」
意気揚々と千空に結果を聞いた大樹だったが、
千空はパソコンの画面を見てふっとほくそ笑んだ。
「おっ、今度こそか!?!?」
「駄目だな、また吹っ飛んじまった
ククク、また再チャレンジだ」
千空は今回の失敗点をパソコンに打ち込み
ながら、改善案をぶつぶつ呟いている。
思えば、この時から私は千空の事を好きに
なっていたのだと思う。
とは言え、自覚するのはもっと後だったけれど。
「どうだ、あきら、少しは興味持ってくれたか?」
「うん」
それから私は定期的に千空に勉強を教わるために
千空の家へと通うようになった。
千空は私が分からない所を懇切丁寧に理解
しやすいよう噛み砕いて何度も説明してくれたのだ。
そのお陰で何とか期末テストでは赤点を回避する事が出来た。
「赤点回避、ってことは
この勉強教わって貰うのも今日で最後かぁ」
しみじみと呟く私に対し千空は呆れている。
「何これで最後です、みたいな事言ってんだ
夏の期末が終わっただけでテストはまだあんだろうがよ
また赤点に振りだしだろうが
何だその目は……」
千空はあきらが拍子をつかれたような顔をしているのに
疑問を抱いた。
「いや、普通に考えて別の塾に通う事になるのかなって思ってたから……
千空はまだ教えてくれるつもりだったとは驚いた」
そう言うと千空は非常に顔をしかめた。
「あ~~~~~~
成績が落ちて苦情が来るよりはマシっつう話だ
何笑ってんだ」
「ふふっ、何でもない」
あきらは素直じゃないなと思ったがそれを口にだすと
彼にまた小言を言われそうなので胸の中に大事にしまった。