「にしても何なの…………？これ……？」

夜通しくるくる回る竹筒を見ているが一体何なのかさっぱりだ。

「おじーちゃんも寝ちゃったし……
あきらちゃんはあんな状態だし……」

千空が居なくなるとあきらはメソメソ泣き始め夜が明ける頃には泣き疲れたのか眠りについていた。

「とか、もう中身とか見ちゃってもいいよね…………？」
近くにフラスコが置かれているのでそれに入れると予想し中身をフラスコに注いだ。

するとシュワアアと泡の音がしてその液体の正体が明らかとなる。

「これって…………！！」

フラスコに蓋をしてゲンは千空への元へと急ぎその音であきらも目を覚ました。

(…………？？)

ぼんやりと周りを見渡すとすやすや眠るカセキがいたが、ゲンは見当たらない。

いつの間にか自分は寝ていたらしい。

もしかして研究所に向かったのだろうか。

歩いて向かった所、千空達が何やら喜んでいた。

「あっ！あきら！薬完成したんだよ！！！」

スイカが笑顔で伝えてくれたが、あきらは愛想笑いしかできなかった。

千空が結婚したことによるショックで何も手伝えなかった事に負い目を感じた。

「……起きたか」

「…………うん」

思わずあきらは千空から目を反らしてしまい
千空も気まずそうにしている。

「……薬飲ませないとな」

千空達が村の中へと向かうのをゲンと一緒に見送った。

「ここら辺が裏切り者の辛いところだねー
あ、あきらちゃんは違うけどね？」

とりあえず一緒に研究所へと戻るといつの間にやら机の上にコーラが置かれていた。

それは取り引きの交換条件であるコーラ。

千空はちゃんと用意してくれていたらしい。

久しぶりのコーラを味わうゲンだがはたと
あきらの存在を思い出す。

「飲む…………？」

気遣ってくれたゲンにあきらは苦笑した。

「いいよ、それゲン用のやつでしょ？
私が飲むわけにはいかないよ」

そう？とゲンはコーラを飲み干した。

「ゲン、ありがとう」

礼を言ったあきらにゲンは何の事かな？とはぐらかしつつ笑みを浮かべた。