「あさぎりげん、復活者の中にあきらって、やつはいるか」

大樹と杠の現状を聞いた後につい聞いてしまった。

石化したままなのか、それとももう既に復活しているのか、無事を聞かずにはいられなかった。

「えーーと、あきらちゃん、くん？
どっちかは分かんないけど、少なくともそんな人居なかったかな～～」

ゲンが甦った時点ではあきらは起こされてなく、千空の知り合いという点も大樹と杠以外知らない事実なので当然司の耳には入らなかった。

性格にはゲンは共演した事であきらの事を知ってはいたものの本人には結びつかなかった。

「そうか」

千空もゲンが知らないと分かると
特に気にした様子もなかった。

コハクやクロムにそれは誰かと聞かれると千空はただの知り合いだと
答えるがゲンは何となく勘で大樹や杠と同じような
大切な存在ではないかと予想していた。

ゲンが帝国に戻るとあきらと呼ばれる剣道家が復活しているのを
周囲から聞いて千空の言っていた人物が彼女ではないかと思った
のである。

そして、あきらに接近し自分の予想が確信に変わると秘密裏にこの村へと行くよう仕向けた……という事だ。


(メンタリストの野郎…………)

だが、結果的にお互いの生存が分かり安堵したのは間違いない事だ。

(後は司に計画がバレてなきゃいいんだが……)

薬の完成まであと一歩。

村の掌握にはルリの完治が必要不可欠だ。

「司のとこ出る時に怪しまれなかったか？」

「あーそれね
当日は雨降ってたから足跡は大丈夫だと思うけど……」

あきらはゲンが怪しまれぬよう細工をしたと
渡された紙に書いてあると言った。

「まぁ、メンタリストの細工なら時間稼ぎにはなるか……」

「後、多分なんだけど
向こうでは死んでる事になるかな……」

大樹と杠に何も言わずに出てきてしまったからあの二人に迷惑をかけてしまうと顔を曇らせた。

「また会う時に謝りゃいい
それにしても二人とも死んでる事になるとはな」

クククと口角を吊り上げ笑った千空に対し
あきらは笑い事じゃないと突っ込んだ。