第一章
夢小説設定
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「これ以上の捜索は無意味だ、中止しよう」
行方が分からなくなってから数日が経ったが未だ発見できず司は捜索の中止を言い伝えた。
「でも…!!」
「あきらが居なくなった夜は大雨が降っていたね、万が一滝から落ちて生きていたとしても増水した状態でとても生きているとは考えられないな」
司の言っている言葉は確かであり、実際下流の付近からあきらの髪留めが発見されそう考えるのが普通だ。
「……せめて体だけでも見つけてやりたいと俺も思うよ
でも、捜索ばかりしてられないんだ、すまない」
そっと目をふせ司はその場を後にすると共に杠の体が崩れ落ちるのを一緒に聞いていた大樹が支えた。
「杠…!!」
「大樹くん…」
どうすれば良かったのだろう、彼女が千空が居なくなった事を知った日から思い詰めているのは察していた。
千空が密かに生きている事を伝えたい、でも、出来なかった。
この敵だらけの帝国で千空の存在を知られるわけにはいかない。
ああ、彼に再び会う時、何て伝えたらいいのだろう?
--------------------------------------------------------
同じ頃、鬱蒼とした森を紙と睨めっこしながら歩く女の姿があった。
「ほんとにこの方向であってるのかな…」
それは死んだと思われていたあきらだった。
時は数日前に遡る。
『今日中にここを出て西に向かってほしい
そこに君に会いたがっている人がいる』
『…………!!!』
ゲンは周囲には見えないよう、こっそりとあきらに小さく折り畳まれた紙を渡した。
あきらは無言で受け取りそっと服の中に忍ばせる。
『後はここにビンタお願いね』
怪しまれぬよう、平手打ちするように自身の頬を指差してサインを送るゲン。
意図を察してあきらはゲンに平手打ちをしたーーー。
そしてその日の夜。
足跡の形跡がなくなる雨が降っていてラッキーだったとあきらは思う。
ゲンに渡された紙には簡単な案内図と色々なゴタゴタはこっちでやっとくから、と墨で書かれていた。
(杠と大樹に何も伝えられなかったな)
ゲンとの会話で誰にも言うなと口止めされていたからである。
密かに抜け出した事がバレれば、恐らく支障が出る人がいるのだろう。
それは誰か。
自分に会いたい、と言っていた人は誰か。
その答えを知りたい、と思う。
それはきっとこの地図に書かれた目的地のいけば分かるはず。
もし、もし、あの人が生きているならば。
杠と大樹は恐らく理由あって自分には違う事を話したのだろう。
今のあきらのように。
(多分今頃私は死んでる事になってるのかな)
そうなると、あの二人を悲しませる事になる。
再開した時に謝るから。
何ならビンタでもパンチしてくれてもいいと心から思う。
「ごめんなさい、杠、大樹……!」
でこぼととした舗装されておらず、
走りにくい土を踏みしめるあきらの目から涙が溢れた。
行方が分からなくなってから数日が経ったが未だ発見できず司は捜索の中止を言い伝えた。
「でも…!!」
「あきらが居なくなった夜は大雨が降っていたね、万が一滝から落ちて生きていたとしても増水した状態でとても生きているとは考えられないな」
司の言っている言葉は確かであり、実際下流の付近からあきらの髪留めが発見されそう考えるのが普通だ。
「……せめて体だけでも見つけてやりたいと俺も思うよ
でも、捜索ばかりしてられないんだ、すまない」
そっと目をふせ司はその場を後にすると共に杠の体が崩れ落ちるのを一緒に聞いていた大樹が支えた。
「杠…!!」
「大樹くん…」
どうすれば良かったのだろう、彼女が千空が居なくなった事を知った日から思い詰めているのは察していた。
千空が密かに生きている事を伝えたい、でも、出来なかった。
この敵だらけの帝国で千空の存在を知られるわけにはいかない。
ああ、彼に再び会う時、何て伝えたらいいのだろう?
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同じ頃、鬱蒼とした森を紙と睨めっこしながら歩く女の姿があった。
「ほんとにこの方向であってるのかな…」
それは死んだと思われていたあきらだった。
時は数日前に遡る。
『今日中にここを出て西に向かってほしい
そこに君に会いたがっている人がいる』
『…………!!!』
ゲンは周囲には見えないよう、こっそりとあきらに小さく折り畳まれた紙を渡した。
あきらは無言で受け取りそっと服の中に忍ばせる。
『後はここにビンタお願いね』
怪しまれぬよう、平手打ちするように自身の頬を指差してサインを送るゲン。
意図を察してあきらはゲンに平手打ちをしたーーー。
そしてその日の夜。
足跡の形跡がなくなる雨が降っていてラッキーだったとあきらは思う。
ゲンに渡された紙には簡単な案内図と色々なゴタゴタはこっちでやっとくから、と墨で書かれていた。
(杠と大樹に何も伝えられなかったな)
ゲンとの会話で誰にも言うなと口止めされていたからである。
密かに抜け出した事がバレれば、恐らく支障が出る人がいるのだろう。
それは誰か。
自分に会いたい、と言っていた人は誰か。
その答えを知りたい、と思う。
それはきっとこの地図に書かれた目的地のいけば分かるはず。
もし、もし、あの人が生きているならば。
杠と大樹は恐らく理由あって自分には違う事を話したのだろう。
今のあきらのように。
(多分今頃私は死んでる事になってるのかな)
そうなると、あの二人を悲しませる事になる。
再開した時に謝るから。
何ならビンタでもパンチしてくれてもいいと心から思う。
「ごめんなさい、杠、大樹……!」
でこぼととした舗装されておらず、
走りにくい土を踏みしめるあきらの目から涙が溢れた。