「良かった、目覚ましたんだね」

杠がちょうど飲み水を持ってきてくれたのでごくごくと飲む。

「心配したんだよ、あきらちゃんうなされててしんどそうだったから……」

杠の心配を取り除こうとあきらはもう大丈夫だと伝えた。

全然大丈夫ではないが、杠も辛いのは同じだ、心配をかけたくなかった。

その日の夜、眠ったらまたあの夢を見るのではないかと思うと寝付けなかった。

夜は何もすることがない、いや、出来ないとも言う。

空を見上げれば現代の街では見られないだろう綺麗な夜空が広がっている。

無限のように星が見える。

「星ってこんなに見えたんだ……」

そう、千空と一緒に星を見に行った事があった事を思い出した。

『星っつうのはな、街が明るすぎると見えねえ星があんだ
俺は……まぁ地方とか行って見たことはあるが、いつか……見せてやるよ』

望遠鏡を片手にあの星が何て言う名前でと説明している千空の顔を横目に星を見た。

たくさん泣いて涙なんて枯れたと思っていたが、目の端から涙が流れた。


「…………っ、キレイだよ、千空
たくさんこんなにも星って見えるんだね」

でも、隣に彼がいないのでは何の意味もない。

あきらはただ泣きつくし絶望した。