第四章
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ゲンが石神村にたどり着く前大樹と杠は味方に引き込む為とある人物の元に向かった。
その人物とは大樹と杠をずっと監視していたニッキーと呼ばれる女性だった。
「話しがあるんだ、聞いて……」
「聞かないよ!!!」
開口一番拒否され大樹と杠は戸惑った。
「アタシの仕事はアンタらの監視だ
誰かと密会しないか?妙な動きはないか?」
司から監視の内容をばらすなとか言われるだろうけどニッキーは構わないと言う。
大方分かっているだろうと判断したためである。
そんなわけでニッキーは大樹と杠とまともに会話する気はなかった。
しかも大樹と杠の返答がハイの二文字かイエスの三文字以外……つまり四文字以上喋ったら殴ると脅しまでついてきた。
「それでも」
しかし大樹は構わずにあえて四文字の言葉を喋った。
当然喋ったのだから有言実行とニッキーは大樹の顔をぶん殴った。
ニッキーは大樹に全くダメージが入っていないと最初は思ったもののそれが耐えているだけだと気づく。
「構わん!」
引き続けてニッキーの拳が大樹に通る。
しかし大樹は喋るのをやめなかった。
「四文字ごとに俺を殴り続けて構わん!
そのかわり聞いてくれ!俺の友達の大切な話を……!」
「…………!」
(一発でも殴ったら諦めるかと思ってたのに何てしぶといんだい!)
ここまで頑固な男だとは思っていなかったニッキーはその根気さに負けひとまずその友達とやらの話を聞くことにした。
大樹と杠はニッキーを引き連れて墓標に隠された受話器を取り出した。
ニッキーはまさかこんな原始時代のような世界に電話があることに驚いた。
そして電話から聞こえてきた言葉は……
『Hi! I’m Lillan Weinberg!!』
「詳しくない俺でも分かるぞ!歌う人だアリメカの
知っているのかニッキー!?」
「バカにするんじゃないよ
知ってるに決まってる!」
杠はそんなニッキーの様子の変化に気づいた。
『あ”ー私は通訳のセバスチャンです』
セバスチャンと電話の主は言っているがどう聞いても千空本人である。
しかし千空から口を出すなと言われてるので大樹はぐっと堪えた。
リリアン?と名乗る声の主はこの電話はアメリカからかけておりアメリカ合衆国は復興していると言った。
「なにーーー!!!!
聞いたか二人とも助かったぞ俺らはーー!」
純粋な大樹はそれが本当だと信じこんでおり驚いていたが杠は別の意味で冷や汗をかいていた。
千空の意図が何となく読めたからである。
アメリカ合衆国は復興していると嘘を流し騙そうとしているのだ。
本筋に入る前にニッキーが口を開いた。
「待ちなよその前に
リリアンなら宇宙にいたはずだよ?」
リリアンが大金を支払ってISSに滞在していたことはニュースになっていて大方の人なら何故宇宙にいるはずのリリアンが地球に?と疑問を抱くはずである。
「そう地球に戻ったらすぐ石化しちゃって
起こしてもらったの最近なんだ~~」
しかしそこはメンタリスト、誤魔化しようはいくらでもある。
「リリアンアタシは……
いやこれ通訳しないでアタシはさ……!」
ニッキーは目に涙を浮かべながらリリアンの歌にどれだけ救われていたかを述べた。
普通ならリリアンだと分かって喜ぶところをニッキーは違った、むしろ……
「アタシはアンタにならいくらでも手を貸すよだけど……
もし誰かがリリアン・ワインバーグを謳ってんなら……!!絶対に許さない……!!」
一発目からガチなファンが来てしまったと千空とゲンは青ざめてしまった。
リリアンといえば有名な歌手だ。
世界中にファンはたくさんいるだろうが……まさか一発目でここまで入れ込んでいるファンに当たるとは……とゲンは冷や汗をかいた。
最初に起こした人間が司だったりなど千空は悪い意味で肝心な時に運が悪いとゲンは言った。
しかし運が悪いでは状況は覆らない。
ニッキーはどうしても声の主が本当にリリアンか確かめる為質問をふっかけた。
「これまでのCDの総売上枚数は??」
そうとうのファンでないと答えられない質問だ、とゲンはそれ以外の回答を考えた。
1、石化で記憶が消えてしまったと誤魔化す。
2、当てずっぽうでもいいから、と適当に答える。
3、そんな質問をふっかけてきた事にキレる……
三択思い付いたもののぶっちゃけどれも綱渡りである。
そんなゲンに対し千空は。
「4、当てる」
とまさかの当てずっぽうでもなく正確な数を言い当てると言った。
千空は速攻でリリアンがソユーズの席を買ったことからその値段からリリアンの収入、そして枚数がどれくらい売れたかを計算した。
「6千万枚以上だ、それよりは分からねぇ」
それだけ分かれば後はゲンの仕事だ。
随分前に5千万枚突破のパーティーをやったこととDLが主流になってしまった為それ以上は覚えてないかなとゲンは話す。
その数字が正しかったのかニッキーは最後にもう一つだけ、と答えを当てれたら信じると言った。
これはいける!千空の計算力と推察力ならどんなのが来てもと喜んだのはつかの間。
「3サイズは?」
ととんでもないクイズがきた。
「近い数字!すこしならずれてても体型変わったで誤魔化すから」
予想にもしていなかった質問に千空は冷や汗をかきつつ記憶を巡らせた。
かつてまだ石化していなかった昔、百夜が宇宙飛行士の訓練をしていたあの頃。
ロシアから送られきた写真にリリアンも映っていた。
その微かな手がかりを元に千空はサイズを割り当てたが……ニッキーはプロフィールではもっと細いという。
慌ててゲンが今のはリアルな数字と誤魔化したがそれともう意味は果たさない。
プロならばリアルな数字は言わないとニッキーは自分の疑心が正しいと悟った。
「アンタはリリアン・ワインバーグじゃない」
ほぼほぼ偽物ということがバレかけゲンは思考を巡らせた。
ニッキーのガチファンさに舌を巻きつつ歌を流すことも考えたがかえって本物と偽物の違いに気付きかねない、どうする……と詰みが見えてきたその時千空がレコードに手をかけた。
「レコード行くぞ
ぜんまいで音質も上がってんだ
ハッタリより科学に賭ける」
「音楽……?」
電話の向こう側から聞こえる聞き間違えるはずのないメロディー。
聞こえるその歌声は確かにリリアン本人の歌声だった。
目には見えないけれどニッキーにはステージ場に立って歌っているリリアンがはっきりと目に映った。
「ああ、本物だよこの歌だけは……」
何十万回も聞いた曲、リリアンの歌声。
聞き間違えるはずもない、と思うのと同時にニッキーは悟り涙を流した。
もうリリアンはこの世にはいない、とー。
そう言うニッキーは千空は、ああ、と答えた。
「でもあんたが復活させてくれた
この歌の中だけではずっと生きてる
これは科学の質問だよ
あんたの力なら他のリリアンの曲も復活させられるのかい……!?」
チャンスと言わんばかりにゲンは小声で肯定するようにと答えるように言うも科学にだけは嘘をつけない千空。
案の定当然塵に還って無理だな、と即答した。
しかし。
「テメーに約束してやれんのは一つだけだ
この最後の歌だけは俺が必ず護ってやる
科学の力で……!」
もう他のリリアンの曲を二度と聞けないんだな、と寂しく思いつつニッキーは千空という人間を少し理解した。
「あんたも不器用だね、すぐに分かるよ
科学にだけはウソをつかない
信じるものがあんだね」
そしてニッキーはこう言った。
「フフフ、ちょっと惚れそうだよ」
「それはまじでやめろ」
「危なかったな、競争相手が増えるところだったぞ」
「……仮に増えたとしても別に関係ないと思うけど……」
別に思うところがなかったわけではないけれどあきらは千空の反応の方が引っ掛かった。
「分かっちゃあいるけど全力で嫌がられるのを見るとほんとに脈ないなって思うね」
「脈がない……!?…………なんだ、あきら生きてるじゃないか、冗談はよしてくれ」
ほっと胸を撫で下ろすコハクにあきらは違う違う、と日本特有の意味合いを伝えつつ苦笑いしたのだった。
その人物とは大樹と杠をずっと監視していたニッキーと呼ばれる女性だった。
「話しがあるんだ、聞いて……」
「聞かないよ!!!」
開口一番拒否され大樹と杠は戸惑った。
「アタシの仕事はアンタらの監視だ
誰かと密会しないか?妙な動きはないか?」
司から監視の内容をばらすなとか言われるだろうけどニッキーは構わないと言う。
大方分かっているだろうと判断したためである。
そんなわけでニッキーは大樹と杠とまともに会話する気はなかった。
しかも大樹と杠の返答がハイの二文字かイエスの三文字以外……つまり四文字以上喋ったら殴ると脅しまでついてきた。
「それでも」
しかし大樹は構わずにあえて四文字の言葉を喋った。
当然喋ったのだから有言実行とニッキーは大樹の顔をぶん殴った。
ニッキーは大樹に全くダメージが入っていないと最初は思ったもののそれが耐えているだけだと気づく。
「構わん!」
引き続けてニッキーの拳が大樹に通る。
しかし大樹は喋るのをやめなかった。
「四文字ごとに俺を殴り続けて構わん!
そのかわり聞いてくれ!俺の友達の大切な話を……!」
「…………!」
(一発でも殴ったら諦めるかと思ってたのに何てしぶといんだい!)
ここまで頑固な男だとは思っていなかったニッキーはその根気さに負けひとまずその友達とやらの話を聞くことにした。
大樹と杠はニッキーを引き連れて墓標に隠された受話器を取り出した。
ニッキーはまさかこんな原始時代のような世界に電話があることに驚いた。
そして電話から聞こえてきた言葉は……
『Hi! I’m Lillan Weinberg!!』
「詳しくない俺でも分かるぞ!歌う人だアリメカの
知っているのかニッキー!?」
「バカにするんじゃないよ
知ってるに決まってる!」
杠はそんなニッキーの様子の変化に気づいた。
『あ”ー私は通訳のセバスチャンです』
セバスチャンと電話の主は言っているがどう聞いても千空本人である。
しかし千空から口を出すなと言われてるので大樹はぐっと堪えた。
リリアン?と名乗る声の主はこの電話はアメリカからかけておりアメリカ合衆国は復興していると言った。
「なにーーー!!!!
聞いたか二人とも助かったぞ俺らはーー!」
純粋な大樹はそれが本当だと信じこんでおり驚いていたが杠は別の意味で冷や汗をかいていた。
千空の意図が何となく読めたからである。
アメリカ合衆国は復興していると嘘を流し騙そうとしているのだ。
本筋に入る前にニッキーが口を開いた。
「待ちなよその前に
リリアンなら宇宙にいたはずだよ?」
リリアンが大金を支払ってISSに滞在していたことはニュースになっていて大方の人なら何故宇宙にいるはずのリリアンが地球に?と疑問を抱くはずである。
「そう地球に戻ったらすぐ石化しちゃって
起こしてもらったの最近なんだ~~」
しかしそこはメンタリスト、誤魔化しようはいくらでもある。
「リリアンアタシは……
いやこれ通訳しないでアタシはさ……!」
ニッキーは目に涙を浮かべながらリリアンの歌にどれだけ救われていたかを述べた。
普通ならリリアンだと分かって喜ぶところをニッキーは違った、むしろ……
「アタシはアンタにならいくらでも手を貸すよだけど……
もし誰かがリリアン・ワインバーグを謳ってんなら……!!絶対に許さない……!!」
一発目からガチなファンが来てしまったと千空とゲンは青ざめてしまった。
リリアンといえば有名な歌手だ。
世界中にファンはたくさんいるだろうが……まさか一発目でここまで入れ込んでいるファンに当たるとは……とゲンは冷や汗をかいた。
最初に起こした人間が司だったりなど千空は悪い意味で肝心な時に運が悪いとゲンは言った。
しかし運が悪いでは状況は覆らない。
ニッキーはどうしても声の主が本当にリリアンか確かめる為質問をふっかけた。
「これまでのCDの総売上枚数は??」
そうとうのファンでないと答えられない質問だ、とゲンはそれ以外の回答を考えた。
1、石化で記憶が消えてしまったと誤魔化す。
2、当てずっぽうでもいいから、と適当に答える。
3、そんな質問をふっかけてきた事にキレる……
三択思い付いたもののぶっちゃけどれも綱渡りである。
そんなゲンに対し千空は。
「4、当てる」
とまさかの当てずっぽうでもなく正確な数を言い当てると言った。
千空は速攻でリリアンがソユーズの席を買ったことからその値段からリリアンの収入、そして枚数がどれくらい売れたかを計算した。
「6千万枚以上だ、それよりは分からねぇ」
それだけ分かれば後はゲンの仕事だ。
随分前に5千万枚突破のパーティーをやったこととDLが主流になってしまった為それ以上は覚えてないかなとゲンは話す。
その数字が正しかったのかニッキーは最後にもう一つだけ、と答えを当てれたら信じると言った。
これはいける!千空の計算力と推察力ならどんなのが来てもと喜んだのはつかの間。
「3サイズは?」
ととんでもないクイズがきた。
「近い数字!すこしならずれてても体型変わったで誤魔化すから」
予想にもしていなかった質問に千空は冷や汗をかきつつ記憶を巡らせた。
かつてまだ石化していなかった昔、百夜が宇宙飛行士の訓練をしていたあの頃。
ロシアから送られきた写真にリリアンも映っていた。
その微かな手がかりを元に千空はサイズを割り当てたが……ニッキーはプロフィールではもっと細いという。
慌ててゲンが今のはリアルな数字と誤魔化したがそれともう意味は果たさない。
プロならばリアルな数字は言わないとニッキーは自分の疑心が正しいと悟った。
「アンタはリリアン・ワインバーグじゃない」
ほぼほぼ偽物ということがバレかけゲンは思考を巡らせた。
ニッキーのガチファンさに舌を巻きつつ歌を流すことも考えたがかえって本物と偽物の違いに気付きかねない、どうする……と詰みが見えてきたその時千空がレコードに手をかけた。
「レコード行くぞ
ぜんまいで音質も上がってんだ
ハッタリより科学に賭ける」
「音楽……?」
電話の向こう側から聞こえる聞き間違えるはずのないメロディー。
聞こえるその歌声は確かにリリアン本人の歌声だった。
目には見えないけれどニッキーにはステージ場に立って歌っているリリアンがはっきりと目に映った。
「ああ、本物だよこの歌だけは……」
何十万回も聞いた曲、リリアンの歌声。
聞き間違えるはずもない、と思うのと同時にニッキーは悟り涙を流した。
もうリリアンはこの世にはいない、とー。
そう言うニッキーは千空は、ああ、と答えた。
「でもあんたが復活させてくれた
この歌の中だけではずっと生きてる
これは科学の質問だよ
あんたの力なら他のリリアンの曲も復活させられるのかい……!?」
チャンスと言わんばかりにゲンは小声で肯定するようにと答えるように言うも科学にだけは嘘をつけない千空。
案の定当然塵に還って無理だな、と即答した。
しかし。
「テメーに約束してやれんのは一つだけだ
この最後の歌だけは俺が必ず護ってやる
科学の力で……!」
もう他のリリアンの曲を二度と聞けないんだな、と寂しく思いつつニッキーは千空という人間を少し理解した。
「あんたも不器用だね、すぐに分かるよ
科学にだけはウソをつかない
信じるものがあんだね」
そしてニッキーはこう言った。
「フフフ、ちょっと惚れそうだよ」
「それはまじでやめろ」
「危なかったな、競争相手が増えるところだったぞ」
「……仮に増えたとしても別に関係ないと思うけど……」
別に思うところがなかったわけではないけれどあきらは千空の反応の方が引っ掛かった。
「分かっちゃあいるけど全力で嫌がられるのを見るとほんとに脈ないなって思うね」
「脈がない……!?…………なんだ、あきら生きてるじゃないか、冗談はよしてくれ」
ほっと胸を撫で下ろすコハクにあきらは違う違う、と日本特有の意味合いを伝えつつ苦笑いしたのだった。