第四章
夢小説設定
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「着いたぜついに!司帝国の本拠地によ……!」
興奮のあまり声を大きくしたクロムにゲンが慌てて注意する。
もうここは司帝国の敷地内だ。
司軍の中には耳が鋭い人物がいるためあまり声を荒げると気づかれてしまう。
冷や汗をかいて後退ったクロムの頭を何かが触れた。
クロムは自分の後ろを見て言葉を失う。
そこには屈強な男達の石像が何体も並んでいた。
その異様さに息を呑む。
するとマグマが額に血らしきもので何か書いてあると気づいた。
マグマはそれが数字であることは知らない。
「復活させる優先順位の番号っぽいね~
前俺が見た時はなかったけど」
ゲンは石像を観察して数字の番号が一番上にきているのが33ということを確認した。
それ以前の番号の石像は見当たらない、つまり……
司はゲンがいなくなってから32人以上は確実に復活させてしまっている。
それはゲンからみても遥かに早いペースだった。
これだけ大量に石像があるといくら味方に引き込もうとそれ以上に復活させる人数が上回ってしまえば意味がない。
これはまずいね……と困った様子のゲンにマグマはとんでもない事を言う。
「あ?んなもん今ここで番号付きの石像全部
ぶっ壊しちまえばいいだろうが」
いや……とマグマは発言を訂正した。
「いやそれすらめんどくせぇ
腕でも足ても適当にバキバキちぎっときゃ
もう戦力になんねぇよ」
あまりにも常軌を脱した発言にクロムは戸惑った。
今まで散々敵対してきたマグマの性格を省みればマグマにしたら至極当たり前の発想である。
容赦がないマグマにゲンは一回殺されかけた事を今さら思い出した。
しかしこのマグマの発想あながち戦術としては間違ってはいないのだろう。
その方法が仮にも人間だったものを壊すという点を除けば。
ここで芽を摘んどくのが正解なのか、それとも見逃すのか……
マグマが石像を破壊しにかかったのを見てゲンは最後まで苦悶して。
斧を止めにかかった。
斧から手を離しゲンはパッと顔を上げた。
力をこめて止めたからかゲンの手は少し赤くなっていた。
「いや無理無理!!
なんにも悪くないからさこの石像の皆は
せめて極悪人とかだったらね」
そう蘇ってはいけない犯罪者なら一応言い分は立つ。
しかしこの場にいるのは単に司に目をつけられただけの一般人だ。
戦術としては間違ってなくてもいざ壊すとなると躊躇ってしまう。
ゲンは決断が出来ない自分の事を弱いと言い張った。
が、逆に考えればそれが出来てしまう司はどこか欠けてしまっている。
彼のためにも壊された石像のためにも何とて止めないといけない。
まぁ実はマグマも同様なのだが……とゲンは改めてマグマが仲間で良かったと思った。
「そういやケータイ届けるって言ってもよ
どこに届けんだ?」
「それはね~~ここ♪」
司帝国の中心地から少し離れた場所にゲンは案内した。
広々としたところにぽつん、と木が組み立ててあってそれ以外には何もない。
なんとも寂しい場所だ。
クロムとマグマはその木の形が何を表しているのかは分からなかった。
それは言わばキリスト教に伝わる十字架……つまり墓を示唆する形なのだが勿論キリスト教など知らない二人にとっては初めて見る形だ。
墓自体はクロムもマグマも概念は知っているが肝心なのは誰の墓なのかだ。
するとゲンはまるで怪談でも話すかのような表情で。
「千空ちゃんのお墓」
ととんでもないことを言い出した。
「死んだのか!?千空が!?」
「いや生きてんだろどう考えてもよ
司に死んだと思わせるための建前だろ
つーか昨日あったばっかじゃねぇか」
「そういやそうだった」
千空が大樹と杠と別れる前千空は二人にとあるメッセージを残していた。
『ククク俺は死んだことになってんだ
墓参りは欠かすんじゃねぇぞ』
ほむらを捕縛し石神村に連行中千空達も同様の話をしていた。
「ハ!なるほど千空の墓が物質の受け渡し場所になるわけか!」
「あ”ぁククク完璧な聖域だ
司軍の連中は俺の墓なんか興味ねぇからな」
「しかも墓参りなら通いつめても疑われはしない、考えたな……!」
「確かにすごいけどこれほむらの前で喋っていいの?」
「 まぁ逃げられないように厳密に見張っときゃいいだろ」
ともかくこれで死人(仮)の千空と喋れる霊界通信機を設置できる。
アンテナを木の上に立てコードを見えないように地面に埋めていく。
埋めながらゲンは千空の発想に感嘆する。
墓なら死者と話しててもなんら不自然ではない。
不自然ではないのだがマグマが墓の周りにたくさん枯れ木を立てているのを見てゲンとクロムはそれはないと冷や汗をかいた。
いかにもここに大切な物があるとバレバレだからである。
メンタリストの観点から大樹と杠にだけケータイがあると気づくように配置に気を配り作業を続けているとガツンと大きな岩に当たった。
邪魔なのでここはどかすのが正解なのだが音を立てないとか細かく考えないマグマがなんと力まかせに割ってしまった。
ガキン!!!!と大きな音が周囲に響き渡る。
それは墓から離れた場所にいた男の耳にもきこえていた。
どこを出すとかもう関係ない、慌てて地面に全部埋めて墓から離れて物陰に隠れたが今のところ誰かが来る様子はない。
ひやっとしたな~~と安心した瞬間……
ぶすり、とゲンの荷物に矢が突き刺さった。
あと数センチ下だったら額に刺さっていただろう。
追手が迫っていると判断した三人は走ってその場から去った。
興奮のあまり声を大きくしたクロムにゲンが慌てて注意する。
もうここは司帝国の敷地内だ。
司軍の中には耳が鋭い人物がいるためあまり声を荒げると気づかれてしまう。
冷や汗をかいて後退ったクロムの頭を何かが触れた。
クロムは自分の後ろを見て言葉を失う。
そこには屈強な男達の石像が何体も並んでいた。
その異様さに息を呑む。
するとマグマが額に血らしきもので何か書いてあると気づいた。
マグマはそれが数字であることは知らない。
「復活させる優先順位の番号っぽいね~
前俺が見た時はなかったけど」
ゲンは石像を観察して数字の番号が一番上にきているのが33ということを確認した。
それ以前の番号の石像は見当たらない、つまり……
司はゲンがいなくなってから32人以上は確実に復活させてしまっている。
それはゲンからみても遥かに早いペースだった。
これだけ大量に石像があるといくら味方に引き込もうとそれ以上に復活させる人数が上回ってしまえば意味がない。
これはまずいね……と困った様子のゲンにマグマはとんでもない事を言う。
「あ?んなもん今ここで番号付きの石像全部
ぶっ壊しちまえばいいだろうが」
いや……とマグマは発言を訂正した。
「いやそれすらめんどくせぇ
腕でも足ても適当にバキバキちぎっときゃ
もう戦力になんねぇよ」
あまりにも常軌を脱した発言にクロムは戸惑った。
今まで散々敵対してきたマグマの性格を省みればマグマにしたら至極当たり前の発想である。
容赦がないマグマにゲンは一回殺されかけた事を今さら思い出した。
しかしこのマグマの発想あながち戦術としては間違ってはいないのだろう。
その方法が仮にも人間だったものを壊すという点を除けば。
ここで芽を摘んどくのが正解なのか、それとも見逃すのか……
マグマが石像を破壊しにかかったのを見てゲンは最後まで苦悶して。
斧を止めにかかった。
斧から手を離しゲンはパッと顔を上げた。
力をこめて止めたからかゲンの手は少し赤くなっていた。
「いや無理無理!!
なんにも悪くないからさこの石像の皆は
せめて極悪人とかだったらね」
そう蘇ってはいけない犯罪者なら一応言い分は立つ。
しかしこの場にいるのは単に司に目をつけられただけの一般人だ。
戦術としては間違ってなくてもいざ壊すとなると躊躇ってしまう。
ゲンは決断が出来ない自分の事を弱いと言い張った。
が、逆に考えればそれが出来てしまう司はどこか欠けてしまっている。
彼のためにも壊された石像のためにも何とて止めないといけない。
まぁ実はマグマも同様なのだが……とゲンは改めてマグマが仲間で良かったと思った。
「そういやケータイ届けるって言ってもよ
どこに届けんだ?」
「それはね~~ここ♪」
司帝国の中心地から少し離れた場所にゲンは案内した。
広々としたところにぽつん、と木が組み立ててあってそれ以外には何もない。
なんとも寂しい場所だ。
クロムとマグマはその木の形が何を表しているのかは分からなかった。
それは言わばキリスト教に伝わる十字架……つまり墓を示唆する形なのだが勿論キリスト教など知らない二人にとっては初めて見る形だ。
墓自体はクロムもマグマも概念は知っているが肝心なのは誰の墓なのかだ。
するとゲンはまるで怪談でも話すかのような表情で。
「千空ちゃんのお墓」
ととんでもないことを言い出した。
「死んだのか!?千空が!?」
「いや生きてんだろどう考えてもよ
司に死んだと思わせるための建前だろ
つーか昨日あったばっかじゃねぇか」
「そういやそうだった」
千空が大樹と杠と別れる前千空は二人にとあるメッセージを残していた。
『ククク俺は死んだことになってんだ
墓参りは欠かすんじゃねぇぞ』
ほむらを捕縛し石神村に連行中千空達も同様の話をしていた。
「ハ!なるほど千空の墓が物質の受け渡し場所になるわけか!」
「あ”ぁククク完璧な聖域だ
司軍の連中は俺の墓なんか興味ねぇからな」
「しかも墓参りなら通いつめても疑われはしない、考えたな……!」
「確かにすごいけどこれほむらの前で喋っていいの?」
「 まぁ逃げられないように厳密に見張っときゃいいだろ」
ともかくこれで死人(仮)の千空と喋れる霊界通信機を設置できる。
アンテナを木の上に立てコードを見えないように地面に埋めていく。
埋めながらゲンは千空の発想に感嘆する。
墓なら死者と話しててもなんら不自然ではない。
不自然ではないのだがマグマが墓の周りにたくさん枯れ木を立てているのを見てゲンとクロムはそれはないと冷や汗をかいた。
いかにもここに大切な物があるとバレバレだからである。
メンタリストの観点から大樹と杠にだけケータイがあると気づくように配置に気を配り作業を続けているとガツンと大きな岩に当たった。
邪魔なのでここはどかすのが正解なのだが音を立てないとか細かく考えないマグマがなんと力まかせに割ってしまった。
ガキン!!!!と大きな音が周囲に響き渡る。
それは墓から離れた場所にいた男の耳にもきこえていた。
どこを出すとかもう関係ない、慌てて地面に全部埋めて墓から離れて物陰に隠れたが今のところ誰かが来る様子はない。
ひやっとしたな~~と安心した瞬間……
ぶすり、とゲンの荷物に矢が突き刺さった。
あと数センチ下だったら額に刺さっていただろう。
追手が迫っていると判断した三人は走ってその場から去った。