音爆弾の音につられてホムラが動き出した。
いち早く察知したコハクが追いあきらも二人の元へと急いだのだが……
追い付くと何故か千空がホムラを組伏せていた。
「………………」
正しくは閃光玉によりで落下したホムラを千空が捕獲しただが。
あの場所で動ける者は千空のみだったし捉えるには勿論体を押さえなきゃいけないってことはわかる、けど…………
力がミジンコしかない千空が押さえたことで周囲が驚いていたが正直気が気でない。
ドキドキ純情少年とかいうワードが聞こえたような気がしたが今のあきらは
そんな風にもやもやと考えていたせいだろうか。

あきらはいつの間にかホムラが千空の腕から抜け出したことに気づくのが一瞬遅れた。
その僅かの隙を狙いホムラは俊敏に動きその場にいる全員の顔を見てから木の上に逃れてしまった。(ちなみにコハクは先ほどの閃光玉の影響でまだ動けない)
ほむら村人一人一人の名前を読み上げ当然あきらもその中に入っていた。
(いつの間にーー)
名前と顔が完全一致するくらいほむらには動向を悟られていたようだ。
そしてこの中に誰がいないかも何故いなくなったのか、それは十分すぎるほどの情報だった。
ほむらは冷静に状況を考察する。
技術のクロム、体力のマグマそしてゲン。
滅多に見られない構成組が向かう先とは……
と推理するや否やすぐさまほむらは器用に木の枝から枝へとジャンプしてあっという間に遠くの方へと行ってしまった。


「気づかれたなおそらくは
クロムたちケータイ部隊の動きに」
金狼の言葉に周囲に緊張が走る。
今すぐにほむらを追わなくてはならない。
けど追尾しようにも雪が積もった現状ではチョークの追跡は無理そうだ。

「クロムたち先発隊は司帝国本陣にまっすぐ進軍中だ、ほむらはそれを追っている
ケータイを発見されるのは時間の問題だ
破壊……もしくは司に報告されるだけでも終わりだろうな」
あんだけ頑張って作ったに壊されるなんて……とカセキは嘆いている。
「その前に捕らえるしかない！」
「クロムたちをおっかけるほむらを逆にぼくらが追っかけるってことぉ？ひい、難し～……」
ところでだが千空はいつの間にか何か背中に背負っている。
よくよく見ると背中の荷物からはかなりでかい電球がぶらさがっている。
「ククク科学のびっくりどっきりアイテム
最終兵器のレベル3が火ィ吹くな！！」
新しいアイテムを御披露目で少し上機嫌なのか千空はにやりと笑い電球のスイッチをおした。

すると電球は紫色に光りたちまち周りの至るところが光りだした。
自身の手も淡く紫色に光らせた千空は言う。

「さーて時間ねぇんだ
とっとと始めんぞ
楽しい二重追跡レースのスタートだ……！」