満月の夜に
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「好き、です……」
「え?」
「私、あなたのこと、好きです……」
気持ちが溢れるとは、まさにこのことでしょう。
ずっと伝えたくても言葉が紡げなかった私は、やっと唇から発することが出来るようになった想いを胸の内に留めておくことがもう出来ませんでした。
「見かけによらず、けっこう君、大胆なんだね」
「す、すみません……
いきなりこんなこと……失礼でしたか……?」
「ううん、驚いたけど嬉しいよ。
だって、一目見たときから僕も夢中だもん」
耳元で囁かれる言葉に、これ以上熱くなりようがないと思っていた胸の奥が更に疼いて燃えました。
私は人間が羨ましい。
言葉で愛を伝えられるって、なんて素晴らしいんだろう。
こんなに深く、気持ちを絡ませ合うことは、兎の私には本当は出来ないから。
「顔、上げて?」
「え?」
突然塞がれた唇。
まるで私の幸せを祝福するかのように木々が揺れ、甘い桃の香りが私たちを包みました。
初めて知った、人間の恋。
その刺激はそれだけでも充分すぎるくらい強くて、私はドキドキしすぎて心臓が砕けてしまうのではないかとさえ感じました。
「大胆なくせに、男慣れはしてないんだね。
もしかして、初めて?」
「……いや、それは……」
「ごめんね、そんな大事な初めてだったのに、いきなり奪っちゃって。
変だな……普段の僕だったら、もうちょっと余裕あるはずなのに、何だか君相手だと……おかしい……」
「それはきっと、満月のせいですよ」
「不思議な子だね、君は」
うぶなのか大胆なのか分からない。
そう笑われて、私たちはもう何度か唇を重ねました。
その後、私は先ほど見送られて出たはずの極楽満月に客人として通され、彼の寝室で唇だけではなく、全身で愛し合うこと教えられたのです。
【続く】
「え?」
「私、あなたのこと、好きです……」
気持ちが溢れるとは、まさにこのことでしょう。
ずっと伝えたくても言葉が紡げなかった私は、やっと唇から発することが出来るようになった想いを胸の内に留めておくことがもう出来ませんでした。
「見かけによらず、けっこう君、大胆なんだね」
「す、すみません……
いきなりこんなこと……失礼でしたか……?」
「ううん、驚いたけど嬉しいよ。
だって、一目見たときから僕も夢中だもん」
耳元で囁かれる言葉に、これ以上熱くなりようがないと思っていた胸の奥が更に疼いて燃えました。
私は人間が羨ましい。
言葉で愛を伝えられるって、なんて素晴らしいんだろう。
こんなに深く、気持ちを絡ませ合うことは、兎の私には本当は出来ないから。
「顔、上げて?」
「え?」
突然塞がれた唇。
まるで私の幸せを祝福するかのように木々が揺れ、甘い桃の香りが私たちを包みました。
初めて知った、人間の恋。
その刺激はそれだけでも充分すぎるくらい強くて、私はドキドキしすぎて心臓が砕けてしまうのではないかとさえ感じました。
「大胆なくせに、男慣れはしてないんだね。
もしかして、初めて?」
「……いや、それは……」
「ごめんね、そんな大事な初めてだったのに、いきなり奪っちゃって。
変だな……普段の僕だったら、もうちょっと余裕あるはずなのに、何だか君相手だと……おかしい……」
「それはきっと、満月のせいですよ」
「不思議な子だね、君は」
うぶなのか大胆なのか分からない。
そう笑われて、私たちはもう何度か唇を重ねました。
その後、私は先ほど見送られて出たはずの極楽満月に客人として通され、彼の寝室で唇だけではなく、全身で愛し合うこと教えられたのです。
【続く】
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