桃源郷での再会
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「けど、そっか……助けられなかったか……」
「!!」
すっかり浮かれていた私は、彼の悲しそうな顔に胸をクシャリと締め付けられました。
違います、お薬はきちんと聞いたのです。
悪いのは私です、私があなたに救っていただいた命を粗末にしてしまったのです……
でも、私はそれを簡単な動作以外で彼に伝える術を知りません。
「な、なんか首をめっちゃ横に振ってますね」
「何か事情があったんだろうね。
さすがに僕も、兎の心理をそこまで細かく汲み取ることは難しいけど……」
いつか、私も人の言葉を自在に操れるようになれないでしょうか?
そうしたら、彼に私の事情をお伝えすることができます。
彼への感謝も、お慕いする気持ちも、もっともっときちんと伝えることができたらと、僅かな間に私の中にはたくさんの欲が生まれました。
「予定より早くなっちゃったけど、どうかな?
君さえ良かったら、うちの店で働いてみない?」
「!!」
「君なら最初から内勤の仕事を教えられそうだし、月給500円と美味しい野菜からのスタートにさせてもらう」
「スタートも何も、それがここの最高賃金じゃ……」
桃タローさんは何やら呆れていますが、私にこの誘いを断る理由はありません。
今度はしっかりと彼の目を見てコクコクと頷くと、私のあの世での就職先が決まったのでした。
◆ おまけ ◆
「そういや、白澤様が扱ってる薬って現世にはまずないような妙薬だったりしますよね?
勝手に現世の生き物の運命に介入しちゃうのって、なんかいけないことなのかなって思ってましたけど、ありなんスか?」
「いや、本当は良くない。
あまりやり過ぎると生態系崩れるからね。
傷が即効で治る天国の妙薬が何かの拍子に人間にバレて研究されたらえらいことだし」
「恐ッ! そんな危ない橋を渡ってたんスか!?」
「だから、このことは絶対内緒だよ。
あの鬼人には口が裂けても言っちゃダメ」
私なんかのためにそこまでしていただいたことに感謝しかありませんが、なかなか自由すぎる発想を持っていそうな彼は私の中の「神獣様」のイメージとはかけ離れていて、ちよっぴり戸惑ったのでした。
【続く】
「!!」
すっかり浮かれていた私は、彼の悲しそうな顔に胸をクシャリと締め付けられました。
違います、お薬はきちんと聞いたのです。
悪いのは私です、私があなたに救っていただいた命を粗末にしてしまったのです……
でも、私はそれを簡単な動作以外で彼に伝える術を知りません。
「な、なんか首をめっちゃ横に振ってますね」
「何か事情があったんだろうね。
さすがに僕も、兎の心理をそこまで細かく汲み取ることは難しいけど……」
いつか、私も人の言葉を自在に操れるようになれないでしょうか?
そうしたら、彼に私の事情をお伝えすることができます。
彼への感謝も、お慕いする気持ちも、もっともっときちんと伝えることができたらと、僅かな間に私の中にはたくさんの欲が生まれました。
「予定より早くなっちゃったけど、どうかな?
君さえ良かったら、うちの店で働いてみない?」
「!!」
「君なら最初から内勤の仕事を教えられそうだし、月給500円と美味しい野菜からのスタートにさせてもらう」
「スタートも何も、それがここの最高賃金じゃ……」
桃タローさんは何やら呆れていますが、私にこの誘いを断る理由はありません。
今度はしっかりと彼の目を見てコクコクと頷くと、私のあの世での就職先が決まったのでした。
◆ おまけ ◆
「そういや、白澤様が扱ってる薬って現世にはまずないような妙薬だったりしますよね?
勝手に現世の生き物の運命に介入しちゃうのって、なんかいけないことなのかなって思ってましたけど、ありなんスか?」
「いや、本当は良くない。
あまりやり過ぎると生態系崩れるからね。
傷が即効で治る天国の妙薬が何かの拍子に人間にバレて研究されたらえらいことだし」
「恐ッ! そんな危ない橋を渡ってたんスか!?」
「だから、このことは絶対内緒だよ。
あの鬼人には口が裂けても言っちゃダメ」
私なんかのためにそこまでしていただいたことに感謝しかありませんが、なかなか自由すぎる発想を持っていそうな彼は私の中の「神獣様」のイメージとはかけ離れていて、ちよっぴり戸惑ったのでした。
【続く】