短編
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「………が良かったよね!」
「やっぱ話題なってただけあるよな」
竜胆と2人で携帯を眺めながらメモを取る。
「次ココは?」
「そこ既に兄ちゃんチェック済み」
今、私と竜胆はモンブラン探しの会議中だ。
蘭の貢ぎ物として捧げるモンブラン。
やらかすたび、蘭お気に入りの店のモンブランを捧げるが……毎回同じ味だと飽き性の蘭の機嫌は直らない。それは私と竜胆のお仕置きの危険度も増す為によろしくないと私達はお互いに日々いかに美味しく、蘭好みのモンブランを探し求めなければいけなくなった。
最初は別々に探していたものの、ばったり同じ店で出会ってからはお互いの情報を共有し、一緒に食べて評価をし、新たな店の開拓をするようになった。身の危険回避の為に始めたモンブラン吟味会は思いの外私達の楽しみの一つとなっていた。
「じゃあ隠れ家カフェ的なココ」
「どこそれ?」
「此処路地に入った所みたいだね」
「危なくね?次ココにして行く時必ず一緒な」
2人で一つの携帯を除き見ていれば自然と距離も近くなるわけで。
「オマエら仲良しだなぁ」
「「!!?」」
何故か既に不機嫌マックスな蘭が部屋から出て来てお互いにしがみつきあってしまった。
何もやましいことなど無いのに、私達を冷えた目で見る蘭に震え上がる。
「に、兄ちゃんおはよ」
「蘭、ど、どうしたの?」
長い髪の隙間から瞳孔開き気味で見下ろされると怖い。しかし、蘭の為であり、私達の為になる最高のモンブラン探しをしていただけなので本当に起こられる事はしていないはずなのに何故か追い詰められていく気持ちになる私達。
「兄ちゃん二人が仲良しでウレシー」
「そ、そう?私達、蘭の為に美味しいモンブランのお店探ししていたのよ」
「兄ちゃんモンブラン好きだからな!」
「ね!」
此処のお店はね、と私も竜胆も蘭に聞いてほしくてモンブランの画像を見せると恐ろしい程に瞳孔開き気味の眼差しからにこぉ、と笑う蘭にほっとして意気揚々と話す。
寝起きの機嫌悪かったのか、といつもの事だし和気藹々としていたのがうるさすぎたのかもしれない。
私も竜胆も蘭にお店とモンブランの良さを語っていくのをうんうんと聞いていた蘭。
「次は此処のお店に竜胆と行くんだ」
「兄ちゃん好みだったらまた買ってくるから」
「竜胆、この店も気になる」
「そこ俺もチェックしてた」
「じゃあ次の時ハシゴしよ」
「なら最近話題のスイーツのとこも」
「私も行きたかった!」
竜胆と再び次回の予定を立てていれば、にこにこした蘭が私達の頭を撫でる。
「オマエら俺の事大好きだなぁ」
勿論と頷く。
にこにことして機嫌が良さそうにしている蘭に私達も嬉しくなる。
「俺を差し置いてデートの予定立てるなんてオマエら死にてぇの?」
「「違います!!」」
急にストンと表情を失くした蘭に私達は再び震え上がった。デートのつもりなどない。
これは蘭(と身の保険)の為の現地調査だ。
「竜胆」
「な、なに?」
「コイツ、俺のってわかっていながらつれ回してんじゃねぇよ」
「ご、めん」
「オイ」
「はいっ!」
こそこそと距離を取り、自室……いや、玄関に向かっている竜胆。
目で「頑張れ」と言われても頑張れない。行くな、友よ!!道連れだろ!!と目で訴えたが無情にも瞳孔開き気味の蘭に視界を遮られた。
ソファーに座る私の上に覆い被さるように退路を塞ぐ蘭。今や私は蘭の髪カーテンと細いのにでかい身体で前を塞がれ閉じ込められている。
「ら、蘭?」
「竜胆ばっか見てんな」
「あの……」
「彼氏差し置いて他の男と嬉しそうに出掛ける話目の前でしてんじゃねぇよ」
「へ?」
「オマエ誰の女なの」
青筋の浮かぶ額。
しかし言っている内容が理解出来てない。
「蘭?竜胆とは現地調査であって出掛けるわけじゃ」
「調査ぁ?ただのデートだろ」
「そんなつもりは」
「じゃあ、調査とやらには竜胆じゃなく俺でもいいだろ」
蘭の為の調査なのに、蘭と行く理由とは?
頭を傾げたらより青筋を浮かばせたので視線を逸らした。
怖い。怖すぎる。
「蘭を喜ばせたいだけだよ」
「俺は彼女とデートしながら新しい店行くの楽しみなのに。オマエは違ェの?」
「蘭とのデートと調査は違うというか」
「……俺より竜胆と出掛ける方が楽しいのかよ」
片手で頬を捕まれムニムニどころかぎゅむっと潰してくる蘭。痛みはないものの好きな人に潰された変な顔は見せたくないからイヤイヤと身をよじるが、体重をかけてのし掛かる蘭を退かせない。
「蘭と出掛けるよりは竜胆の方が気を遣わないかな」
調査に行くようになって判明したが、竜胆と味の好みが近しい事がわかった。なので、気になるものをお互いシェア出来るし、行きたいところ言えば文句言わず着いてきてくれるし、竜胆の行きたいところも趣味がいいので飽きない。
「………竜胆の方がいいのかよ」
おや?小さな声で呟かれた内容に頭を傾げる。
「そんなに竜胆がいいなら竜胆と付き合えば」
「イタタタタタ。言ってる事と、行動が違うな!?」
「オマエ誰の彼女?」
ジロッと下から見上げてくる蘭。
じっと見ていたらモゾモゾと人の胸に顔を埋めるのやめてくれないか?埋まるほど無い。
「……竜胆はもっとデカイのが好みだけどな」
「慎ましくて悪かったね」
「俺のだからやんねぇし」
「竜胆とは趣味は合うけど、付き合うのは無いなぁ」
「は?俺の弟にケチつけんのかよ」
「情緒不安定か」
よしよしと蘭の頭を撫でる。こら、地味に腕力ゴリラなんだからやめて。背骨逝っちゃう。
「竜胆と出掛ける方が気を遣わないけど、お出かけして一緒に居たいと思うのは蘭だよ」
「………あっそ」
「竜胆と出掛けても蘭の事しか話さないし」
「ふーん」
「蘭が一緒に行ってくれないところ竜胆と行くだけ。蘭、私が好きそうなところしか行かないでしょ?」
「オマエの為のデートなのに俺の好きなところなんて行かねぇだろ」
「行こうよ。私、竜胆といつも蘭の行きたそうな所や蘭の好きそうな所しか行ってないんだから」
ぱちくりとする蘭の頬を両手で包む。
「蘭が思っているより、蘭の事しか考えてないよ」
「……俺の事大好きかよ」
「私も竜胆も蘭が大好きだからね」
不機嫌はどこへやら。甘えるようにすり寄ってくる蘭を撫でる。
モンブランの箱片手に帰って来た竜胆は此方を見て親指を立てて頷いていた。貴様、見捨てた事は許さんぞ。
「まぁ、だからと言ってオマエらが仲良くデートすんのは違ぇだろ?
次からはちゃんと誘えよ」
「竜胆、蘭が嫉妬してて可愛い」
「オマエ最強かよ。兄ちゃんの前でよくそんなん言えるな」
「やっぱ話題なってただけあるよな」
竜胆と2人で携帯を眺めながらメモを取る。
「次ココは?」
「そこ既に兄ちゃんチェック済み」
今、私と竜胆はモンブラン探しの会議中だ。
蘭の貢ぎ物として捧げるモンブラン。
やらかすたび、蘭お気に入りの店のモンブランを捧げるが……毎回同じ味だと飽き性の蘭の機嫌は直らない。それは私と竜胆のお仕置きの危険度も増す為によろしくないと私達はお互いに日々いかに美味しく、蘭好みのモンブランを探し求めなければいけなくなった。
最初は別々に探していたものの、ばったり同じ店で出会ってからはお互いの情報を共有し、一緒に食べて評価をし、新たな店の開拓をするようになった。身の危険回避の為に始めたモンブラン吟味会は思いの外私達の楽しみの一つとなっていた。
「じゃあ隠れ家カフェ的なココ」
「どこそれ?」
「此処路地に入った所みたいだね」
「危なくね?次ココにして行く時必ず一緒な」
2人で一つの携帯を除き見ていれば自然と距離も近くなるわけで。
「オマエら仲良しだなぁ」
「「!!?」」
何故か既に不機嫌マックスな蘭が部屋から出て来てお互いにしがみつきあってしまった。
何もやましいことなど無いのに、私達を冷えた目で見る蘭に震え上がる。
「に、兄ちゃんおはよ」
「蘭、ど、どうしたの?」
長い髪の隙間から瞳孔開き気味で見下ろされると怖い。しかし、蘭の為であり、私達の為になる最高のモンブラン探しをしていただけなので本当に起こられる事はしていないはずなのに何故か追い詰められていく気持ちになる私達。
「兄ちゃん二人が仲良しでウレシー」
「そ、そう?私達、蘭の為に美味しいモンブランのお店探ししていたのよ」
「兄ちゃんモンブラン好きだからな!」
「ね!」
此処のお店はね、と私も竜胆も蘭に聞いてほしくてモンブランの画像を見せると恐ろしい程に瞳孔開き気味の眼差しからにこぉ、と笑う蘭にほっとして意気揚々と話す。
寝起きの機嫌悪かったのか、といつもの事だし和気藹々としていたのがうるさすぎたのかもしれない。
私も竜胆も蘭にお店とモンブランの良さを語っていくのをうんうんと聞いていた蘭。
「次は此処のお店に竜胆と行くんだ」
「兄ちゃん好みだったらまた買ってくるから」
「竜胆、この店も気になる」
「そこ俺もチェックしてた」
「じゃあ次の時ハシゴしよ」
「なら最近話題のスイーツのとこも」
「私も行きたかった!」
竜胆と再び次回の予定を立てていれば、にこにこした蘭が私達の頭を撫でる。
「オマエら俺の事大好きだなぁ」
勿論と頷く。
にこにことして機嫌が良さそうにしている蘭に私達も嬉しくなる。
「俺を差し置いてデートの予定立てるなんてオマエら死にてぇの?」
「「違います!!」」
急にストンと表情を失くした蘭に私達は再び震え上がった。デートのつもりなどない。
これは蘭(と身の保険)の為の現地調査だ。
「竜胆」
「な、なに?」
「コイツ、俺のってわかっていながらつれ回してんじゃねぇよ」
「ご、めん」
「オイ」
「はいっ!」
こそこそと距離を取り、自室……いや、玄関に向かっている竜胆。
目で「頑張れ」と言われても頑張れない。行くな、友よ!!道連れだろ!!と目で訴えたが無情にも瞳孔開き気味の蘭に視界を遮られた。
ソファーに座る私の上に覆い被さるように退路を塞ぐ蘭。今や私は蘭の髪カーテンと細いのにでかい身体で前を塞がれ閉じ込められている。
「ら、蘭?」
「竜胆ばっか見てんな」
「あの……」
「彼氏差し置いて他の男と嬉しそうに出掛ける話目の前でしてんじゃねぇよ」
「へ?」
「オマエ誰の女なの」
青筋の浮かぶ額。
しかし言っている内容が理解出来てない。
「蘭?竜胆とは現地調査であって出掛けるわけじゃ」
「調査ぁ?ただのデートだろ」
「そんなつもりは」
「じゃあ、調査とやらには竜胆じゃなく俺でもいいだろ」
蘭の為の調査なのに、蘭と行く理由とは?
頭を傾げたらより青筋を浮かばせたので視線を逸らした。
怖い。怖すぎる。
「蘭を喜ばせたいだけだよ」
「俺は彼女とデートしながら新しい店行くの楽しみなのに。オマエは違ェの?」
「蘭とのデートと調査は違うというか」
「……俺より竜胆と出掛ける方が楽しいのかよ」
片手で頬を捕まれムニムニどころかぎゅむっと潰してくる蘭。痛みはないものの好きな人に潰された変な顔は見せたくないからイヤイヤと身をよじるが、体重をかけてのし掛かる蘭を退かせない。
「蘭と出掛けるよりは竜胆の方が気を遣わないかな」
調査に行くようになって判明したが、竜胆と味の好みが近しい事がわかった。なので、気になるものをお互いシェア出来るし、行きたいところ言えば文句言わず着いてきてくれるし、竜胆の行きたいところも趣味がいいので飽きない。
「………竜胆の方がいいのかよ」
おや?小さな声で呟かれた内容に頭を傾げる。
「そんなに竜胆がいいなら竜胆と付き合えば」
「イタタタタタ。言ってる事と、行動が違うな!?」
「オマエ誰の彼女?」
ジロッと下から見上げてくる蘭。
じっと見ていたらモゾモゾと人の胸に顔を埋めるのやめてくれないか?埋まるほど無い。
「……竜胆はもっとデカイのが好みだけどな」
「慎ましくて悪かったね」
「俺のだからやんねぇし」
「竜胆とは趣味は合うけど、付き合うのは無いなぁ」
「は?俺の弟にケチつけんのかよ」
「情緒不安定か」
よしよしと蘭の頭を撫でる。こら、地味に腕力ゴリラなんだからやめて。背骨逝っちゃう。
「竜胆と出掛ける方が気を遣わないけど、お出かけして一緒に居たいと思うのは蘭だよ」
「………あっそ」
「竜胆と出掛けても蘭の事しか話さないし」
「ふーん」
「蘭が一緒に行ってくれないところ竜胆と行くだけ。蘭、私が好きそうなところしか行かないでしょ?」
「オマエの為のデートなのに俺の好きなところなんて行かねぇだろ」
「行こうよ。私、竜胆といつも蘭の行きたそうな所や蘭の好きそうな所しか行ってないんだから」
ぱちくりとする蘭の頬を両手で包む。
「蘭が思っているより、蘭の事しか考えてないよ」
「……俺の事大好きかよ」
「私も竜胆も蘭が大好きだからね」
不機嫌はどこへやら。甘えるようにすり寄ってくる蘭を撫でる。
モンブランの箱片手に帰って来た竜胆は此方を見て親指を立てて頷いていた。貴様、見捨てた事は許さんぞ。
「まぁ、だからと言ってオマエらが仲良くデートすんのは違ぇだろ?
次からはちゃんと誘えよ」
「竜胆、蘭が嫉妬してて可愛い」
「オマエ最強かよ。兄ちゃんの前でよくそんなん言えるな」