五万企画
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これは愉快な鬼退治の物語である。
やっほーやほやほ!!
どーも、通行人名前たんだぉ☆
ざっとあらすじ(笑)を話すと
わけわかんない呪霊によって悟と共に異世界に飛ばされ、山中に放り投げられた私と悟。
そして何の特典か学生時代くらいまで若返っていた。
「…………」
「なに?じっと見て」
「こう見ると学生時代幼くて可愛いなって思って」
「私はいつの時代も輝いてるわよ」
「うん、僕の次くらいにね」
「はっ倒すぞ顔面600族」
そんな呑気な会話をしながら山を歩いていると、なんとそこに化物と出くわしました。
「人間……人間、喰わせろ!!!」
人間のような姿でしたが額に角が。
咄嗟の判断により悟のチートが炸裂しましたが……なんということでしょう!!!
悟のチートでも謎の化物が死なず、何度も何度もスプラッタを目撃した名前たんはちょっと悟くんのイカレ具合を再確認しました。
そんなとき、スプラッタも限界になった化物が泣きついたのはたまたま通りかかった少年、富岡くん。
スパンっと化物の首を落とすとあら不思議!!
化物は安らかに塵となり消えていきました。
そんなこんなで私と悟は富岡くんにお世話になることになりながら、この世界についてお勉強し、出来ることなら鬼と戦える力をつけたいとお願いしたとさ☆
以上があらすじでこちらが本編です。
「胡蝶、頼んだ」
「あらあら富岡さん、意味がわかりませんよ?」
「俺は任務だ」
「富岡さん?意味がわかりません」
「頼んだ」
「人のお話を聞きましょうね?
だから皆から嫌われているんですよ」
「俺は嫌われていない」
可愛らしい女の子、胡蝶ちゃんの住む蝶屋敷というものに移り言葉の足りなかった富岡くんの説明をそのまま伝えたら笑顔で青筋が。
「そもそも鬼狩りはそんな簡単になれるものではないですよ。
ここの剣士達はそれぞれ育手の元で修行し、試練を越えて来た者達です。
貴女方のようなポッと拾われてきた大人が今から鬼狩りになろうなんて無理です」
「無理だって、悟」
「首切ればいいのに?」
「鬼の首は岩のように硬いので」
「じゃあやっぱり術式で太陽出るまで火炙りかな?」
「うわぁ……それまでスプラッタ可哀想」
R18Gもドン引くような朝日が出るまでスプラッタとかもう鬼畜じゃない?
首切らないと死なないから何度も肉体再生させるたびパーンッてなるか、ゴリゴリ削られる……生き地獄とはこのことだな。
「鬼は藤の花を嫌がります。
貴女方には藤の花のお守りをお渡しするのでそれでどうにかなさっては?」
「胡蝶ちゃん面倒だからって放置よくないよ」
「面倒だとお分かりになられているならどうぞお引き取りを。
私も暇じゃないので」
「やる前から無理だと決めつけるんだ?」
「こらこら、年下を煽るのお止めよ悟」
「見たところ鬼狩りは子供しかいないし、腕も大したことなさそうな奴らばっかだね」
「おやおや悟くん煽りますね」
「だって僕のが強いし」
「…………」
「自力で生きていけって放り投げられても構わないけど、人助けをしているはずの鬼狩り様が右も左もわからない人達を放り出すんだなーって思っただけ」
にーっこり笑う悟。
それに対してにーっこり笑う胡蝶ちゃん。
「わかりました。
そこまで言うなら貴女方の実力を見せてもらいましょう」
にーっこり額に青筋が浮かぶ胡蝶ちゃん。
おやおかしいな?
私も?ねぇねぇ私も?
地獄の柔軟
「よゆー」
「いだだだだだ!!ちょっ、いっっっった!?」
お湯掛けVS胡蝶ちゃん
「はーい」
「うわ、悟えぐっ。
女の子に薬湯ぶっかけるとかえぐっ」
「男女平等。ほら、交代」
「まってまってまって早い早い早い!!!
絶対悟が薬湯ぶっかけたからだ!!
この子無表情で怒ってる!!
笑ってるけど怒ってる!!」
鬼ごっこVSカナヲ
「はいタッチ」
「つーかまーえたっ!!」
「余裕」
「イェーイ」
瓢箪
「は?破裂するの?これが?」
「息吹けばいけるんじゃ?」パァンッ
「…………」ありえないものを見る目
「ほら名前も」
「オマエも出来て当然って感じやめて?
私無理」
「フッ、ってやったらパァンッってなるから」
「ふーーーー」プルプル
「顔真っ赤」
「ぷはっ!!ムリムリムリ」
結論、悟はおかしい。
「化け物ですか?あなた」
「僕最強だから」
「胡蝶ちゃん、こいつがおかしいだけだから」
外見が学生レベルになったせいなのか、生徒がいないせいなのか……悟くんは少しクズの本性をチラチラ出しているご様子。
そんなこんなで……
特例として試しに、ってことで
予備の刀を持たされてやってきたとある山。
「村田くーん」
「な、なんだよ」
「ビビりすぎじゃない?」
「そんな簡単に言ってるけどな、鬼は血鬼術を使うし首は固くて切れないんだぞ」
「だって、悟」
「要は首切ればいいんでしょ?」
「人間……人間!!」
「ぎゃぁぁああああ!!!お、鬼だ!!」
言ってる側から鬼が出たよ。
しかし、そこは悟ですので……スパンっと一太刀。
「あ、塵になってく」
「なるほど。スパンっていけばいーのか」
「なにお前ら!?躊躇しろよ!!」
「躊躇したら殺られるじゃん」
「思いっきり大事」
うんうん、と二人で頷きあう。
「なんやかんや鬼が出てきたけど殺れる?名前」
「任せろ。今日からこの子は私の友達錆の助だ」
「武器にイチイチ名前つけんのやめなよ」
「雰囲気」
「一般人の呼吸、壱の型"ごめんあそばせ"!!」
「ぶふっ、何それ!?」
「さっきそんな感じに技名叫んでいた人いたからノリで」
「意味は?」
「首切り落とすなら謝らないと」
「あー、時代劇とかでごめん!!って切るやつ?」
「それそれ」
「お嬢様言葉にすんなよ」
「なんとなく」
「真面目にやっっってくれないか!?
強いけど……強いけど!!!!」
村田くんに怒られた。
ちゃんと鬼退治はしてるよ。
「数多くね?」
「ねー?」
「真面目に!!やっっって!!」
村田先輩に怒られながら鬼を討伐。
しかしそこは日々呪霊と戦うエキスパートと経験者。
私と悟に不可能な首は無かった。
「村田さん!!応援に来ました!!」
「ヤダヤダヤダ!!ムリムリムリ!!」
「弱ミソ!!早く行くぞ!!」
「いやぁぁぁあああああああああ!!!
だって鬼超いるじゃん!!
俺嫌だって言ってんのになんで!?なんで応援に行かなきゃいけないの!?
俺なんて行っても足手まといだよ!?」
突然のやかましさに余所見をしたのがいけなかったのか、チリッとした痛みが頬に走る。
「一般人の呼吸、二の型!!"ご隠居あそばせ"!!」
「ぶはっ!!!何それ」
「乙女の柔肌に傷をつけた報い」
「傷ついた?平気?」
「かすっただけ」
「イチャイチャしてんじゃないよぉぉおおおおおおお!!!!!!!」
突然の大声に、頬に手を沿えてかすり傷を見ていた悟と共にそちらを見た。
額に傷のある少年。
竹筒を咥えた女の子。
金髪。
猪の被り物をした少年。
叫んでいたのは金髪らしい。
「なんで!?
なんでこんな鬼いるとこでイチャイチャイチャイチャ意味わかんない!!
イチャイチャイチャイチャするなら余所でやれよぉぉおおお!!
見せ付けるのが目的なの!?はぁ?こちとらフられすぎて借金まで背負わされてんのになんでそんなサングラスかけた白髪がモテてんの!?」
「わぁ、よく喋る子だ」
「お姉さん凄い美人ですね!!」
「ありがとー。けどこっちのお兄さんはもっと美人だよ」
「野郎はどーでもいいです」
スンッと表情が抜け落ちた金髪くん。
「あの、村田さん。あの二人は?」
「俺も詳しく知らないけど、鬼狩りの素質を見極めるために簡単な討伐任務だったはずなんだけど……」
「娘……女を喰わせろ!!」
「稀血だ!!あの女稀血だ!!」
「嘘だろ!?あんた稀血なの!?」
「悟、マレチって何かな?」
「マルチプレイ的なヤツ?」
「なるほど。じゃあこれは鬼狩りのマルチプレイ使用か」
「討伐人数達したらクリアかな?」
「今ステージ何かな?全ステージクリアで昇格?」
「意味わかんないこと呑気に話すな!!!」
村田先輩怒りすぎじゃない?
ってゆーか鬼一斉に私のとこ来たのなんで?
「突然の一斉攻撃」
「チート使う?」
「名前は呪文を唱えた!!秘技、チート」
「ははっ、了解」
一体一体相手していたら悟一人ならまだしも
私も他の隊士もいるのに無理だね、と判断し
チート【バリアー】を張らせていただく。
悟に抱えられているので目の前で鬼の爪がピタリと止まる。
「!?
な、なんだこれは!!」
「妖術か!?」
「悪いけど僕の大切な人に傷をつけた罪は重いよ」
「村田先輩にそこにいる子供達、危ないからめっちゃ離れてねー。
抉られるよー。死んじゃうよー」
ゴリゴリゴリゴリって削られる地面と共に削られる鬼。
おう、すぷらった………。
身体を再生し始めた鬼からスパスパと悟が首を落としていく。
「ステージクリア」
「次は?」
「ボス?」
「そろそろダルい」
「ご苦労様」
のし掛かってきた悟の頭を撫でる。
ポカン、とした少年達に手を振った。
「村田先輩、これこのあとどーなるの?」
「へ?鬼は……もういなくなったのか?」
「静かになったからあらかた片付いたかと」
「じゃあ終わりかな……」
「ラスボスいなかったみたい」
「チュートリアルだったね」
「チートかよぉぉぉおおお!!!!
なに今の?なんなの?あんた人間!?
意味わかんなさすぎてこっわ!!こっっっわ!!」
「勝負しろ白髪!!!」
「駄目だぞ伊之助」
「このカオスまとめんのしんどいっっ」
「ドンマイ、村田先輩」
荒れ狂う状況に村田先輩が泣いた。
「………なるほど。
確かに貴女方の実力は確かなようで」
再び戻ってきました蝶屋敷。
騒がしい男の子達も共に。
「ねーねー胡蝶ちゃん、質問」
「なんでしょうか?」
「マルチってなに?」
「………?」
「しのぶさん、まるちじゃなくて稀血です。
こちらの女性稀血らしくて」
額に傷のある少年が訂正してくれた。
その瞬間、胡蝶ちゃんは深々と溜め息をついて頭を抱える。
「よりによって稀血ですか」
「何かあるの?マルチだと」
「稀血、ですよ。
鬼にとっては稀血を一人食べるだけで数十人から数百人分食べた事になるらしくて」
「わお、私高級食材?」
「キャビアじゃん」
「あれ言うほど美味しくないよね?」
「だな」
話が脱線するとポカンとする傷の少年。
「えっと……鬼は人を食べた分強くなるので稀血は鬼にとって狙われやすいんです」
「なるほど、だから今回虫みたいに湧いたのか」
「鬼一、二体って言ってたのにね」
「やばい。私ホイホイ?」
「呪霊だけじゃなく鬼までホイホイかよ」
それは困ったねー?と悟とお互いに首を傾ける。
まったく危機感がないように見えるが、困っているのは本当だ。
「元の世界帰るまで錆の助でどーにかなるかな?」
「僕もいるしなんとかなるんじゃない?」
「えっ!?出ていくんですか!?」
「そりゃー私も悟も鬼狩りじゃないし。
私らより年下の子を守る理由はあっても、年下にお世話されながら迷惑かけられないよ」
「………待ってください。
貴女方おいくつですか?」
「「28」」
「今は若返ってるけどね」
「悲鳴嶼さんよりも年上……!?」
何やら衝撃を受けている胡蝶ちゃん。
そんな衝撃受けるほど若返っていないと思うんだけどな。
「錆の助持っていっていいなら嬉しいけど」
「しのぶさん……」
「野郎は出てってもいいけどお姉さんは稀血なので保護すべきだと思いまーーーす!!!」
「僕ちょくちょくこの金髪に喧嘩売られてる?」
「悟ステイだ。
この世界のことや戦う術を教えてもらえただけラッキーだったからね。
帰る方法探しながら上手くやるよ」
「……少し待って貰えますか?
私だけの判断では決められませんので」
胡蝶ちゃんは筆を走らせると烏に手紙を持たせた。
凄いな烏飼い慣らしてる。
「親方様の返答があるまで部屋を用意します」
「いいの?」
「親方様のお心次第です。
それまではこの蝶屋敷に滞在していただきますよ」
「上司の返答待ちによる軟禁?」
「いいえ。
こちらも人手不足なのでただで部屋をご用意するわけにはいきません」
働かざる者食うべからず。
部屋を提供する代わりに働け、と笑顔で言い放った胡蝶ちゃんつぉい。
悟は隊士の機能訓練相手。
私は怪我をした隊士達の看病。
親方様の返答があるまで蝶屋敷にて働くことになったのはいいが、この世界に来た服一着しか無いと伝えたらなんと!!服まで用意してくれました!!
し、か、し!!
胡蝶ちゃんが用意してくれた看病するときの制服がね……おかしいなぁ?
葵ちゃんやおチビちゃん三人組はエプロンだった気がしたの。
なのに……
「ねーねー胡蝶ちゃーん。
コレで看病していいの?」
「ぶふっ!!」
「わー、エッチだ」
「え!?えっ、ええ!!?」
「………」
「やれって言われたらやるけど……
現代社会じゃエロコスでしか使われないよ?
こんなミニスカナース服」
そう。
なぜかミニスナース服があった。
おっぱいがこぼれ落ちそうだし、屈んだらパンツも見えそう。
悟は仕事着の黒い上着を脱ぐと私にすっぽり被せる。
これはこれでブカブカなので彼シャツ状態ですが?
「そんなエッチな格好で年頃の子看病したら別な看病になっちゃうじゃん」
「思考がオッサンだね」
「僕の前ならいいけどそれは駄目」
「旦那からNG出たから胡蝶ちゃん、他の仕事着ない?」
「ちょっと前田さんを燃やしてきます」
笑顔でいなくなった胡蝶ちゃん。
ちなみに貰った着物全てエロさがあったので回収されてしまった。
フルボッコされた眼鏡の黒子みたいな人にこれだけは……これだけは!!って胸元が開いた服も蝴蝶ちゃんが笑顔で燃やしてた。
よくわからないが、普通の着物とエプロン貰った。
ナース服はそっと部屋の奥にしまっておいた。
そして始まった介護の日々。
「名前さぁん、ここ包帯巻き直してぇ」
「はいはい」
「名前さぁん!!手が痛くて飯が……っ」
「はーい、あーんしてくださーい」
「名前さぁん……あの、ちょっと背中拭いて欲しくて」
「わかったよー」
「お前ら全員お姉さんに甘えてんじゃねぇぞっ!!!!」
「おや?善逸くん何かあったのかな?」
「名前お姉さぁん!!
俺、ちょっとここ擦りむいちゃって…」
「葵ちゃーん、善逸くんの処置お願い」
「そのくらい怪我にも入りません。
ご自分で消毒してください」
「なんでぇ!?なんで塩対応!?俺も甘やかして欲しいよぉ!!」
「善逸くん一時間置きに来てたらそりゃ塩対応にもなるよ」
「だってぇ!!だってだってあの白髪!!!
めちゃくちゃ容赦ないし、えぐいとこ狙ってくるし、数人で囲んでも余裕ぶっこいててどこにも隙ないんだもんっっっ!!!!」
おーいおいおい、と泣く善逸くん。
「悟強いからねー」
「意味わかんない!!化け物かよ!!あいつの血は何色ですか!?」
「最強の血かな」
「どんな色!?それってどんな色?」
腰に張り付いて泣く善逸くんを引きずるのも慣れました。
悟にしごかれるたび泣いてすがってくるので。
「もーやだぁ!!あの人容赦ない!! 」
「大丈夫。死なないから」
「死ぬほど辛いんですけど!?」
「死ななければだいたいかすり傷だから大丈夫」
「いやいやいや!!!重症だから!!」
「死ななければだいたい治るから」
「なんでそんなに適当なの!?
名前お姉さんお願いだから優しくして!!!」
たった数日だが善逸くんをまともに相手しちゃいけないと学習し、私は隊士の看病を。
「やっぱりここにいたか、善逸」
善逸くん回収係の長男炭治郎くんの登場だ。
「炭治郎くん、この子よろしく」
「すいません名前さん。仕事の邪魔をして」
「平気平気。伊之助くんは?」
「五条さんに今日こそ勝つと頑張ってます」
伊之助くんは悟に下克上をしようと日々頑張っている。しかし相手は悟だ。
子供でも容赦なく指摘するし、負かす。
その結果……
「名前、不能になった」
「ヨワクッテ ゴメンネ……」
伊之助くんを引きずって来た悟が医務室に顔を出す。
私を見た途端にピュッと後ろに隠れるように背中に顔を埋めて震える生まれたてのうり坊が完成します。
「毎日心折るのやめなよ、悟」
「折ってないよ。負け続けたら伊之助が勝手に落ち込むの」
「ゴメンネ……ゴメンネ……」
「よしよし。伊之助くんは頑張ってるよー」
暫くヒヨコのように後ろをついて歩く伊之助くんを看病の合間に撫でて慰める。
「手慣れてますね、名前さん」
「飼育員だからかな」
「人を飼われているなんて変わってますね」
「真顔でボケないで?」
「冗談ですよ」
真希ちゃん達に比べたら素直なもんだよ。
って思い出すと会いたくなる可愛い子供達。
「寂しいですか?」
「………炭治郎くんや。乙女の秘密を嗅ぎ取っちゃいけないよ?」
「す、すいません……。
名前さんから悲しい匂いがして…」
向こうの時間経過がどうなっているのかわからないが、心配になるし、向こうの世界に戻りたいと思っている。
「炭治郎くん、おいで」
「はい?」
葵ちゃんには申し訳ないが、ちょっと休憩と炭治郎くんを真横に呼ぶ。
ちなみに後ろには筋肉モリモリの伊之助くんが張り付いたままだ。
素直に隣に来てくれる炭治郎くんの頭を撫でる。
途端、ボッと顔が真っ赤になる。
「えっ!?あ、あの!!」
「悟の教え子達がね、炭治郎くん達と同じくらいなんだ」
「だから五条さんは指導するの上手いんですね!!」
「一応先生だからねー」
「俺の苦手なところや足りない所的確に指摘してくれるので勉強になります!!」
「ふふふ、悟が聞いたら喜ぶなぁ」
向こうじゃこんな素直な子、ギリ悠仁くんくらいだもんな。
「素直じゃないけど皆優しくて可愛い子達なんだ」
「名前さんはその人達のこと大好きなんですね!!」
「うん。大好き」
にこにこ笑う炭治郎くんに癒されながらよしよしと頭を撫でる。
「どの子も皆負けず嫌いでね、弱音吐く自分を叱りつけて前に進む強い子達なの」
「………凄いですね。
俺らと変わらないのに」
「炭治郎くんも伊之助くん達も強い子だよ」
幼くてもしっかりと自分の足で立ち、困難にも負けず前を進む。
それは簡単な事ではないのに……。
「君たちは強いよ。心も力も。
だからたまには弱くなる時があってもいいんだから」
二人の頭を撫でる。
静かに、恥ずかしそうにしながら照れたように笑う炭治郎くん。
ぽわぽわと花が飛んでそうなくらい嬉しそうな雰囲気の伊之助くん。
可愛い。普通に可愛い。
ロリショタを愛でる尊いという気持ち……なんて無粋なことを考えていた私を誰か殴ってくれ。
「寂しいけど一人じゃないから平気だよ」
「ちょっっっとぉぉおおおおおおお!!!!!!
お前ら何してんの!?何でナデナデされてんのぉぉおおおお!!!!
俺この白髪にメッタメタのぼろ雑巾扱いされてるなか何でお前らはお姉さんとナデナデイチャイチャしてんのぉ!?」
「うわっ、善逸!?」
「うるせーぞ紋逸」
「お前らシバく!!!」
三人で始まったおいかけっこ。
その様子を笑って見ていたら背中に重みが。
「タラシめ」
「おやおや?やきもきかな、悟くん」
「超やきもき」
「可愛いねぇ」
首元に頭を擦り付けてくる悟の頭を撫でる。
そうするとお腹に腕が回ってぎゅーっと絞められた。
「苦しいですよー」
「天然人タラシに制裁中」
「中身出ちゃうよー」
「出ないよ」
「悟」
「なに?」
「早く戻りたいね。
炭治郎くん達は素直で可愛いけれど
真希ちゃん達のドツキがないと物足りない」
「変態じゃん」
「手のかかる問題児達が心配だわ」
「そーだね。僕いなきゃ皆困っちゃうし」
クスクスと笑う私達。
「早く帰ろうか」
「ね」
「そこぉぉおおおお!!!!
イチャイチャすんの禁止!!!」
「ちょっと名前さん!!まだまだ仕事あるのに何サボっているんですか!!」
「おっと、葵ちゃんに見つかった」
「善逸うるさいからちょっと蝶屋敷10週ね」
「理不尽!!!」
なんやかんやありまして……
無事に戻れた現世。
お別れもできずに戻って来たので名残惜しくはあるが……
「あんまり時間変わってなかったね」
「だね」
しかし、変わったこともあった。
隣を通りすぎる子供が
街を歩く人が
テレビのニュースに映る子が
「無事に彼らも平和を手に出来たんだね」
「そりゃー僕が指導したんだもん。
僕の生徒はいつだって優秀だよ」
昔々の物語。
とある鬼狩りの子供達のお話は
現世では優しい物語となって語られ続ける。
あとがき
リクエスト「鬼滅のクロスオーバー」
歯止めきかず途中で無理矢理終わらせましたが……
できるなら柱に喧嘩売りたかった!!!!(笑)
確実に悟くんの圧勝ですがwww
だってチート(笑)
いつかリベンジで柱に喧嘩売ろう。
そうしよう(笑)
リクエストありがとうございました!!
やっほーやほやほ!!
どーも、通行人名前たんだぉ☆
ざっとあらすじ(笑)を話すと
わけわかんない呪霊によって悟と共に異世界に飛ばされ、山中に放り投げられた私と悟。
そして何の特典か学生時代くらいまで若返っていた。
「…………」
「なに?じっと見て」
「こう見ると学生時代幼くて可愛いなって思って」
「私はいつの時代も輝いてるわよ」
「うん、僕の次くらいにね」
「はっ倒すぞ顔面600族」
そんな呑気な会話をしながら山を歩いていると、なんとそこに化物と出くわしました。
「人間……人間、喰わせろ!!!」
人間のような姿でしたが額に角が。
咄嗟の判断により悟のチートが炸裂しましたが……なんということでしょう!!!
悟のチートでも謎の化物が死なず、何度も何度もスプラッタを目撃した名前たんはちょっと悟くんのイカレ具合を再確認しました。
そんなとき、スプラッタも限界になった化物が泣きついたのはたまたま通りかかった少年、富岡くん。
スパンっと化物の首を落とすとあら不思議!!
化物は安らかに塵となり消えていきました。
そんなこんなで私と悟は富岡くんにお世話になることになりながら、この世界についてお勉強し、出来ることなら鬼と戦える力をつけたいとお願いしたとさ☆
以上があらすじでこちらが本編です。
「胡蝶、頼んだ」
「あらあら富岡さん、意味がわかりませんよ?」
「俺は任務だ」
「富岡さん?意味がわかりません」
「頼んだ」
「人のお話を聞きましょうね?
だから皆から嫌われているんですよ」
「俺は嫌われていない」
可愛らしい女の子、胡蝶ちゃんの住む蝶屋敷というものに移り言葉の足りなかった富岡くんの説明をそのまま伝えたら笑顔で青筋が。
「そもそも鬼狩りはそんな簡単になれるものではないですよ。
ここの剣士達はそれぞれ育手の元で修行し、試練を越えて来た者達です。
貴女方のようなポッと拾われてきた大人が今から鬼狩りになろうなんて無理です」
「無理だって、悟」
「首切ればいいのに?」
「鬼の首は岩のように硬いので」
「じゃあやっぱり術式で太陽出るまで火炙りかな?」
「うわぁ……それまでスプラッタ可哀想」
R18Gもドン引くような朝日が出るまでスプラッタとかもう鬼畜じゃない?
首切らないと死なないから何度も肉体再生させるたびパーンッてなるか、ゴリゴリ削られる……生き地獄とはこのことだな。
「鬼は藤の花を嫌がります。
貴女方には藤の花のお守りをお渡しするのでそれでどうにかなさっては?」
「胡蝶ちゃん面倒だからって放置よくないよ」
「面倒だとお分かりになられているならどうぞお引き取りを。
私も暇じゃないので」
「やる前から無理だと決めつけるんだ?」
「こらこら、年下を煽るのお止めよ悟」
「見たところ鬼狩りは子供しかいないし、腕も大したことなさそうな奴らばっかだね」
「おやおや悟くん煽りますね」
「だって僕のが強いし」
「…………」
「自力で生きていけって放り投げられても構わないけど、人助けをしているはずの鬼狩り様が右も左もわからない人達を放り出すんだなーって思っただけ」
にーっこり笑う悟。
それに対してにーっこり笑う胡蝶ちゃん。
「わかりました。
そこまで言うなら貴女方の実力を見せてもらいましょう」
にーっこり額に青筋が浮かぶ胡蝶ちゃん。
おやおかしいな?
私も?ねぇねぇ私も?
地獄の柔軟
「よゆー」
「いだだだだだ!!ちょっ、いっっっった!?」
お湯掛けVS胡蝶ちゃん
「はーい」
「うわ、悟えぐっ。
女の子に薬湯ぶっかけるとかえぐっ」
「男女平等。ほら、交代」
「まってまってまって早い早い早い!!!
絶対悟が薬湯ぶっかけたからだ!!
この子無表情で怒ってる!!
笑ってるけど怒ってる!!」
鬼ごっこVSカナヲ
「はいタッチ」
「つーかまーえたっ!!」
「余裕」
「イェーイ」
瓢箪
「は?破裂するの?これが?」
「息吹けばいけるんじゃ?」パァンッ
「…………」ありえないものを見る目
「ほら名前も」
「オマエも出来て当然って感じやめて?
私無理」
「フッ、ってやったらパァンッってなるから」
「ふーーーー」プルプル
「顔真っ赤」
「ぷはっ!!ムリムリムリ」
結論、悟はおかしい。
「化け物ですか?あなた」
「僕最強だから」
「胡蝶ちゃん、こいつがおかしいだけだから」
外見が学生レベルになったせいなのか、生徒がいないせいなのか……悟くんは少しクズの本性をチラチラ出しているご様子。
そんなこんなで……
特例として試しに、ってことで
予備の刀を持たされてやってきたとある山。
「村田くーん」
「な、なんだよ」
「ビビりすぎじゃない?」
「そんな簡単に言ってるけどな、鬼は血鬼術を使うし首は固くて切れないんだぞ」
「だって、悟」
「要は首切ればいいんでしょ?」
「人間……人間!!」
「ぎゃぁぁああああ!!!お、鬼だ!!」
言ってる側から鬼が出たよ。
しかし、そこは悟ですので……スパンっと一太刀。
「あ、塵になってく」
「なるほど。スパンっていけばいーのか」
「なにお前ら!?躊躇しろよ!!」
「躊躇したら殺られるじゃん」
「思いっきり大事」
うんうん、と二人で頷きあう。
「なんやかんや鬼が出てきたけど殺れる?名前」
「任せろ。今日からこの子は私の友達錆の助だ」
「武器にイチイチ名前つけんのやめなよ」
「雰囲気」
「一般人の呼吸、壱の型"ごめんあそばせ"!!」
「ぶふっ、何それ!?」
「さっきそんな感じに技名叫んでいた人いたからノリで」
「意味は?」
「首切り落とすなら謝らないと」
「あー、時代劇とかでごめん!!って切るやつ?」
「それそれ」
「お嬢様言葉にすんなよ」
「なんとなく」
「真面目にやっっってくれないか!?
強いけど……強いけど!!!!」
村田くんに怒られた。
ちゃんと鬼退治はしてるよ。
「数多くね?」
「ねー?」
「真面目に!!やっっって!!」
村田先輩に怒られながら鬼を討伐。
しかしそこは日々呪霊と戦うエキスパートと経験者。
私と悟に不可能な首は無かった。
「村田さん!!応援に来ました!!」
「ヤダヤダヤダ!!ムリムリムリ!!」
「弱ミソ!!早く行くぞ!!」
「いやぁぁぁあああああああああ!!!
だって鬼超いるじゃん!!
俺嫌だって言ってんのになんで!?なんで応援に行かなきゃいけないの!?
俺なんて行っても足手まといだよ!?」
突然のやかましさに余所見をしたのがいけなかったのか、チリッとした痛みが頬に走る。
「一般人の呼吸、二の型!!"ご隠居あそばせ"!!」
「ぶはっ!!!何それ」
「乙女の柔肌に傷をつけた報い」
「傷ついた?平気?」
「かすっただけ」
「イチャイチャしてんじゃないよぉぉおおおおおおお!!!!!!!」
突然の大声に、頬に手を沿えてかすり傷を見ていた悟と共にそちらを見た。
額に傷のある少年。
竹筒を咥えた女の子。
金髪。
猪の被り物をした少年。
叫んでいたのは金髪らしい。
「なんで!?
なんでこんな鬼いるとこでイチャイチャイチャイチャ意味わかんない!!
イチャイチャイチャイチャするなら余所でやれよぉぉおおお!!
見せ付けるのが目的なの!?はぁ?こちとらフられすぎて借金まで背負わされてんのになんでそんなサングラスかけた白髪がモテてんの!?」
「わぁ、よく喋る子だ」
「お姉さん凄い美人ですね!!」
「ありがとー。けどこっちのお兄さんはもっと美人だよ」
「野郎はどーでもいいです」
スンッと表情が抜け落ちた金髪くん。
「あの、村田さん。あの二人は?」
「俺も詳しく知らないけど、鬼狩りの素質を見極めるために簡単な討伐任務だったはずなんだけど……」
「娘……女を喰わせろ!!」
「稀血だ!!あの女稀血だ!!」
「嘘だろ!?あんた稀血なの!?」
「悟、マレチって何かな?」
「マルチプレイ的なヤツ?」
「なるほど。じゃあこれは鬼狩りのマルチプレイ使用か」
「討伐人数達したらクリアかな?」
「今ステージ何かな?全ステージクリアで昇格?」
「意味わかんないこと呑気に話すな!!!」
村田先輩怒りすぎじゃない?
ってゆーか鬼一斉に私のとこ来たのなんで?
「突然の一斉攻撃」
「チート使う?」
「名前は呪文を唱えた!!秘技、チート」
「ははっ、了解」
一体一体相手していたら悟一人ならまだしも
私も他の隊士もいるのに無理だね、と判断し
チート【バリアー】を張らせていただく。
悟に抱えられているので目の前で鬼の爪がピタリと止まる。
「!?
な、なんだこれは!!」
「妖術か!?」
「悪いけど僕の大切な人に傷をつけた罪は重いよ」
「村田先輩にそこにいる子供達、危ないからめっちゃ離れてねー。
抉られるよー。死んじゃうよー」
ゴリゴリゴリゴリって削られる地面と共に削られる鬼。
おう、すぷらった………。
身体を再生し始めた鬼からスパスパと悟が首を落としていく。
「ステージクリア」
「次は?」
「ボス?」
「そろそろダルい」
「ご苦労様」
のし掛かってきた悟の頭を撫でる。
ポカン、とした少年達に手を振った。
「村田先輩、これこのあとどーなるの?」
「へ?鬼は……もういなくなったのか?」
「静かになったからあらかた片付いたかと」
「じゃあ終わりかな……」
「ラスボスいなかったみたい」
「チュートリアルだったね」
「チートかよぉぉぉおおお!!!!
なに今の?なんなの?あんた人間!?
意味わかんなさすぎてこっわ!!こっっっわ!!」
「勝負しろ白髪!!!」
「駄目だぞ伊之助」
「このカオスまとめんのしんどいっっ」
「ドンマイ、村田先輩」
荒れ狂う状況に村田先輩が泣いた。
「………なるほど。
確かに貴女方の実力は確かなようで」
再び戻ってきました蝶屋敷。
騒がしい男の子達も共に。
「ねーねー胡蝶ちゃん、質問」
「なんでしょうか?」
「マルチってなに?」
「………?」
「しのぶさん、まるちじゃなくて稀血です。
こちらの女性稀血らしくて」
額に傷のある少年が訂正してくれた。
その瞬間、胡蝶ちゃんは深々と溜め息をついて頭を抱える。
「よりによって稀血ですか」
「何かあるの?マルチだと」
「稀血、ですよ。
鬼にとっては稀血を一人食べるだけで数十人から数百人分食べた事になるらしくて」
「わお、私高級食材?」
「キャビアじゃん」
「あれ言うほど美味しくないよね?」
「だな」
話が脱線するとポカンとする傷の少年。
「えっと……鬼は人を食べた分強くなるので稀血は鬼にとって狙われやすいんです」
「なるほど、だから今回虫みたいに湧いたのか」
「鬼一、二体って言ってたのにね」
「やばい。私ホイホイ?」
「呪霊だけじゃなく鬼までホイホイかよ」
それは困ったねー?と悟とお互いに首を傾ける。
まったく危機感がないように見えるが、困っているのは本当だ。
「元の世界帰るまで錆の助でどーにかなるかな?」
「僕もいるしなんとかなるんじゃない?」
「えっ!?出ていくんですか!?」
「そりゃー私も悟も鬼狩りじゃないし。
私らより年下の子を守る理由はあっても、年下にお世話されながら迷惑かけられないよ」
「………待ってください。
貴女方おいくつですか?」
「「28」」
「今は若返ってるけどね」
「悲鳴嶼さんよりも年上……!?」
何やら衝撃を受けている胡蝶ちゃん。
そんな衝撃受けるほど若返っていないと思うんだけどな。
「錆の助持っていっていいなら嬉しいけど」
「しのぶさん……」
「野郎は出てってもいいけどお姉さんは稀血なので保護すべきだと思いまーーーす!!!」
「僕ちょくちょくこの金髪に喧嘩売られてる?」
「悟ステイだ。
この世界のことや戦う術を教えてもらえただけラッキーだったからね。
帰る方法探しながら上手くやるよ」
「……少し待って貰えますか?
私だけの判断では決められませんので」
胡蝶ちゃんは筆を走らせると烏に手紙を持たせた。
凄いな烏飼い慣らしてる。
「親方様の返答があるまで部屋を用意します」
「いいの?」
「親方様のお心次第です。
それまではこの蝶屋敷に滞在していただきますよ」
「上司の返答待ちによる軟禁?」
「いいえ。
こちらも人手不足なのでただで部屋をご用意するわけにはいきません」
働かざる者食うべからず。
部屋を提供する代わりに働け、と笑顔で言い放った胡蝶ちゃんつぉい。
悟は隊士の機能訓練相手。
私は怪我をした隊士達の看病。
親方様の返答があるまで蝶屋敷にて働くことになったのはいいが、この世界に来た服一着しか無いと伝えたらなんと!!服まで用意してくれました!!
し、か、し!!
胡蝶ちゃんが用意してくれた看病するときの制服がね……おかしいなぁ?
葵ちゃんやおチビちゃん三人組はエプロンだった気がしたの。
なのに……
「ねーねー胡蝶ちゃーん。
コレで看病していいの?」
「ぶふっ!!」
「わー、エッチだ」
「え!?えっ、ええ!!?」
「………」
「やれって言われたらやるけど……
現代社会じゃエロコスでしか使われないよ?
こんなミニスカナース服」
そう。
なぜかミニスナース服があった。
おっぱいがこぼれ落ちそうだし、屈んだらパンツも見えそう。
悟は仕事着の黒い上着を脱ぐと私にすっぽり被せる。
これはこれでブカブカなので彼シャツ状態ですが?
「そんなエッチな格好で年頃の子看病したら別な看病になっちゃうじゃん」
「思考がオッサンだね」
「僕の前ならいいけどそれは駄目」
「旦那からNG出たから胡蝶ちゃん、他の仕事着ない?」
「ちょっと前田さんを燃やしてきます」
笑顔でいなくなった胡蝶ちゃん。
ちなみに貰った着物全てエロさがあったので回収されてしまった。
フルボッコされた眼鏡の黒子みたいな人にこれだけは……これだけは!!って胸元が開いた服も蝴蝶ちゃんが笑顔で燃やしてた。
よくわからないが、普通の着物とエプロン貰った。
ナース服はそっと部屋の奥にしまっておいた。
そして始まった介護の日々。
「名前さぁん、ここ包帯巻き直してぇ」
「はいはい」
「名前さぁん!!手が痛くて飯が……っ」
「はーい、あーんしてくださーい」
「名前さぁん……あの、ちょっと背中拭いて欲しくて」
「わかったよー」
「お前ら全員お姉さんに甘えてんじゃねぇぞっ!!!!」
「おや?善逸くん何かあったのかな?」
「名前お姉さぁん!!
俺、ちょっとここ擦りむいちゃって…」
「葵ちゃーん、善逸くんの処置お願い」
「そのくらい怪我にも入りません。
ご自分で消毒してください」
「なんでぇ!?なんで塩対応!?俺も甘やかして欲しいよぉ!!」
「善逸くん一時間置きに来てたらそりゃ塩対応にもなるよ」
「だってぇ!!だってだってあの白髪!!!
めちゃくちゃ容赦ないし、えぐいとこ狙ってくるし、数人で囲んでも余裕ぶっこいててどこにも隙ないんだもんっっっ!!!!」
おーいおいおい、と泣く善逸くん。
「悟強いからねー」
「意味わかんない!!化け物かよ!!あいつの血は何色ですか!?」
「最強の血かな」
「どんな色!?それってどんな色?」
腰に張り付いて泣く善逸くんを引きずるのも慣れました。
悟にしごかれるたび泣いてすがってくるので。
「もーやだぁ!!あの人容赦ない!! 」
「大丈夫。死なないから」
「死ぬほど辛いんですけど!?」
「死ななければだいたいかすり傷だから大丈夫」
「いやいやいや!!!重症だから!!」
「死ななければだいたい治るから」
「なんでそんなに適当なの!?
名前お姉さんお願いだから優しくして!!!」
たった数日だが善逸くんをまともに相手しちゃいけないと学習し、私は隊士の看病を。
「やっぱりここにいたか、善逸」
善逸くん回収係の長男炭治郎くんの登場だ。
「炭治郎くん、この子よろしく」
「すいません名前さん。仕事の邪魔をして」
「平気平気。伊之助くんは?」
「五条さんに今日こそ勝つと頑張ってます」
伊之助くんは悟に下克上をしようと日々頑張っている。しかし相手は悟だ。
子供でも容赦なく指摘するし、負かす。
その結果……
「名前、不能になった」
「ヨワクッテ ゴメンネ……」
伊之助くんを引きずって来た悟が医務室に顔を出す。
私を見た途端にピュッと後ろに隠れるように背中に顔を埋めて震える生まれたてのうり坊が完成します。
「毎日心折るのやめなよ、悟」
「折ってないよ。負け続けたら伊之助が勝手に落ち込むの」
「ゴメンネ……ゴメンネ……」
「よしよし。伊之助くんは頑張ってるよー」
暫くヒヨコのように後ろをついて歩く伊之助くんを看病の合間に撫でて慰める。
「手慣れてますね、名前さん」
「飼育員だからかな」
「人を飼われているなんて変わってますね」
「真顔でボケないで?」
「冗談ですよ」
真希ちゃん達に比べたら素直なもんだよ。
って思い出すと会いたくなる可愛い子供達。
「寂しいですか?」
「………炭治郎くんや。乙女の秘密を嗅ぎ取っちゃいけないよ?」
「す、すいません……。
名前さんから悲しい匂いがして…」
向こうの時間経過がどうなっているのかわからないが、心配になるし、向こうの世界に戻りたいと思っている。
「炭治郎くん、おいで」
「はい?」
葵ちゃんには申し訳ないが、ちょっと休憩と炭治郎くんを真横に呼ぶ。
ちなみに後ろには筋肉モリモリの伊之助くんが張り付いたままだ。
素直に隣に来てくれる炭治郎くんの頭を撫でる。
途端、ボッと顔が真っ赤になる。
「えっ!?あ、あの!!」
「悟の教え子達がね、炭治郎くん達と同じくらいなんだ」
「だから五条さんは指導するの上手いんですね!!」
「一応先生だからねー」
「俺の苦手なところや足りない所的確に指摘してくれるので勉強になります!!」
「ふふふ、悟が聞いたら喜ぶなぁ」
向こうじゃこんな素直な子、ギリ悠仁くんくらいだもんな。
「素直じゃないけど皆優しくて可愛い子達なんだ」
「名前さんはその人達のこと大好きなんですね!!」
「うん。大好き」
にこにこ笑う炭治郎くんに癒されながらよしよしと頭を撫でる。
「どの子も皆負けず嫌いでね、弱音吐く自分を叱りつけて前に進む強い子達なの」
「………凄いですね。
俺らと変わらないのに」
「炭治郎くんも伊之助くん達も強い子だよ」
幼くてもしっかりと自分の足で立ち、困難にも負けず前を進む。
それは簡単な事ではないのに……。
「君たちは強いよ。心も力も。
だからたまには弱くなる時があってもいいんだから」
二人の頭を撫でる。
静かに、恥ずかしそうにしながら照れたように笑う炭治郎くん。
ぽわぽわと花が飛んでそうなくらい嬉しそうな雰囲気の伊之助くん。
可愛い。普通に可愛い。
ロリショタを愛でる尊いという気持ち……なんて無粋なことを考えていた私を誰か殴ってくれ。
「寂しいけど一人じゃないから平気だよ」
「ちょっっっとぉぉおおおおおおお!!!!!!
お前ら何してんの!?何でナデナデされてんのぉぉおおおお!!!!
俺この白髪にメッタメタのぼろ雑巾扱いされてるなか何でお前らはお姉さんとナデナデイチャイチャしてんのぉ!?」
「うわっ、善逸!?」
「うるせーぞ紋逸」
「お前らシバく!!!」
三人で始まったおいかけっこ。
その様子を笑って見ていたら背中に重みが。
「タラシめ」
「おやおや?やきもきかな、悟くん」
「超やきもき」
「可愛いねぇ」
首元に頭を擦り付けてくる悟の頭を撫でる。
そうするとお腹に腕が回ってぎゅーっと絞められた。
「苦しいですよー」
「天然人タラシに制裁中」
「中身出ちゃうよー」
「出ないよ」
「悟」
「なに?」
「早く戻りたいね。
炭治郎くん達は素直で可愛いけれど
真希ちゃん達のドツキがないと物足りない」
「変態じゃん」
「手のかかる問題児達が心配だわ」
「そーだね。僕いなきゃ皆困っちゃうし」
クスクスと笑う私達。
「早く帰ろうか」
「ね」
「そこぉぉおおおお!!!!
イチャイチャすんの禁止!!!」
「ちょっと名前さん!!まだまだ仕事あるのに何サボっているんですか!!」
「おっと、葵ちゃんに見つかった」
「善逸うるさいからちょっと蝶屋敷10週ね」
「理不尽!!!」
なんやかんやありまして……
無事に戻れた現世。
お別れもできずに戻って来たので名残惜しくはあるが……
「あんまり時間変わってなかったね」
「だね」
しかし、変わったこともあった。
隣を通りすぎる子供が
街を歩く人が
テレビのニュースに映る子が
「無事に彼らも平和を手に出来たんだね」
「そりゃー僕が指導したんだもん。
僕の生徒はいつだって優秀だよ」
昔々の物語。
とある鬼狩りの子供達のお話は
現世では優しい物語となって語られ続ける。
あとがき
リクエスト「鬼滅のクロスオーバー」
歯止めきかず途中で無理矢理終わらせましたが……
できるなら柱に喧嘩売りたかった!!!!(笑)
確実に悟くんの圧勝ですがwww
だってチート(笑)
いつかリベンジで柱に喧嘩売ろう。
そうしよう(笑)
リクエストありがとうございました!!