十万企画
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ボフンッ、と煙に包まれた。
白髪や前髪と美少女が焦っていた気もしたが……なんせ真後ろから何かが当たったのでよくわからないまま煙に包また。
「うえっほ!!えっふ……げふっ」
いや、まじ煙多すぎだろ。
どーなってんのこれ?
「はぁぁああああ!!!
吹き過ぐ風の精霊達よ、盟約の言葉により我が手に集いて力となれ……
風裂弾(エアロ・ボム)!!」
うらぁっと、煙から普通に抜け出した私。
いや、まじで、煙多すぎだから。
うっすら煙が晴れたらそこには……
「………」
「………」
頭に大量のモヤシでも植えてるの?って感じの白い頭の人。
しかし、皆!!聞いてくれ……
頭にモヤシ栽培しているだけじゃなく、そいつ……目隠ししてんだぜ(声震えてドン引き)
しかも、なんか子供もちらほら……
「誰だ!!」
「うわぁ……まじかぁ」
「え?五条先生知ってる子?」
「見たことある顔だけど……制服?若返ってないかしら?」
「むしろ馬鹿さが上がってねーか?」
「そこの可憐な眼鏡女子!人のこと初対面でディスるの良くないと思いまーすっ!!」
つか、美人ですね!!!
怪しいモヤシと髪の毛の配色どーなってんの?って元気そうな男の子と、クールビューティーな……多分男の子と、オレンジの美少女と、眼鏡の美少女と、口元隠したおかっぱ……え?どっち?スカートじゃないから……男の子、かな?そんで……
「パンダ?」
「おう、パンダだ」
なんでパンダが話して動いてんの?
チャック?着ぐるみ?
「ヘイ、パンダ」
「なんだ」
「ちょっと回転プリーズ」
「こうか?」
くるくる回るパンダ。
その背中にはチャックがない。
「……なるほど。首を取ればわかるか」
「スゲー怖いこと言ってる」
「オレの首取られるのカ……?」
ビクビクするパンダ。だって着ぐるみはだいたい首スポーッンって抜けるじゃん?
しかし最近の着ぐるみは表情も豊かで凄いな……え?まじのパンダ?
「どーなってんの?何で10年くらい前の名前が?」
「オイ、何で私の名前知ってんだ?
頭にモヤシ栽培した不審者が……通報すっぞ」
「「「ブフッ!!」」」
「そこ、吹き出したキミらあとから訓練増しね」
震えながら笑う眼鏡ちゃんと、口元隠しと、パンダ。
「名前、キミなんでここに?」
「知ったような口振りで話しかけてくるのやめてくれますぅー?不審者と知り合いとかまじ卍。あと馴れ馴れしい」
「ふっ」
「………あのね、ここはキミがいた世界の未来で」
「頭湧いてんの?そんな格好してる時点で薄々気づいていたけど……ヤバいよ?捕まるよ?」
「ふふっ」
「僕の格好は置いといて、真面目な話して」
「こちとら真面目にお前の不審者具合を指摘してんだよ」
「ぶっ」
「………殴りたい」
物騒な言葉が出て来て身構える。
なんなんだコイツ……!!やっぱ不審な格好しているからヤバい奴なんじゃ?
後ろではプルプル震えている少年少女達。
「僕は不審者じゃなくてここの先生」
「お前が先生として認められてる世の中どうなってんの?」
吹き出してケラケラ笑い転げている少年少女達。不審者は頭を押さえて黙っている。
「五条……ん?」
「ん?」
なんかまた美人な人が出てきたぞ……。
じっ、と見つめていたら、なぜか私は自然と美人さんの手を握りしめていた。
「艶やかな長い髪、何を考えているのかミステリアスな瞳、そしてエロい泣き黒子……なぜだろう。私は貴女を知っている気がする」
「コイツどうしたんだ?いい年した女が学生服着て何かの罰ゲームか?学生の頃みたいだな」
「多分学生の頃の名前だよ」
「まじか」
「まじ」
不審者と美人が話してじっと此方を見る。
ん?何か……あれ?見たことある?
「白髪と美少女?」
「今さら?」
「は?なんで一瞬で年老いた?」
「むしろ何でオマエはここにいるんだ?」
「………ここどこ?」
よく考えたら、さっきまで私白髪と前髪と公園でジャングルジム登って遊んでたのに。
ちなみに円になってて、めっちゃ回る奴。
白髪と前髪に乗せられ、私めちゃくちゃ回されていたはずなのに……。
古き時代にありそうな奥ゆかしい建物があるここどこ?まじどこ?
あと何で前髪と美少女が大人になってんの?
「白髪のお父さん?」
「僕本人」
「白髪は僕なんざ言わぬぇ!!!」
「この顔見ても?」
グッ、と下ろされた目隠し。
そして晒された美少女フェイス。
「うわ……」
「ほら、僕だろ?」
「顔がいい!!だが、ガタイが良くなったからアンバランスがキショイ!!」
「………オマエのだーーーい好きな顔だぞ?」
「近寄るな!頭のモヤシ抜き取るぞ!!」
シャアッ、と猫のように威嚇するが、真顔で白髪らしき男に舌打ちされた。
「あのー」
「ん?なんだい?髪色愉快な元気くん」
「えっ?俺そんな髪色愉快?」
「パリピっぽい」
「そんなことどーでもいいのよ」
「アンタ……本当に名前さんか?」
パリピ系元気くん、オレンジ髪の美少女、クールビューティーに囲まれる。
じっ、と三人を見るが……
「いかにも私は苗字 名前だが
………誰?」
「えーっと……未来の名前姉にお世話なってる?高専の生徒……かな?」
「未来?」
「何が起こったかわからないけど、突然過去のアンタが現れたのよ」
「………つまり?」
「アンタにとっては此処は未来ってことになる」
ふむふむ、なるほど?
ここは私の居た世界よりも未来だと。
「私の携帯……!!は、そのままかぁ…」
「なになに?どうしたの?」
「幼馴染に電話しようと思って」
「僕連絡先知ってるけどなんで?」
「何で知ってんだよ白髪!!
何でってそりゃ……未来の可愛い幼馴染と出会うって当たり前田の展開じゃん?」
「「「古っ」」」
「ジェネレーションギャップ…!!」
当たり前田のクラッカーとかもうだめ?
じゃあゲッツもだめ?
「まぁ、ここが?私の世界よりずっと未来なのはわかったけどさ……
何で私闇の組織にいんの?」
めちゃくちゃ嫌な予感すんだけど?
まさかのまさかだよね?
ちょっと美少女と仲良くずっ友なだけだよね?
「そんなの関係者だからだろ」
「ジーーーーッザス!!!!」
「突然の叫び。学生の名前ヤベェな」
「いくら」
「おにぎりの具!!パンダ!!そっちのが意味わからんが、なぜ未来の私が闇落ちしてるっ!?」
「そりゃーオマエが付き合ってるからだろ」
「………ホワイ?」
眼鏡美人が何か言ったぞ。
は?私が?付き合ってる?
「またまたー。意味わからんって。
そんなジョークは良くないぞ☆」
「ノリがうぜぇ」
「口悪っ!!いやいやいやいや!!
私が?闇の組織の誰かと!?そんなバナナ!!」
「いちいちノリが古くてうざいわね」
「闇の組織の女子口悪い!!!」
顔が美人なのに!!って言ったら鼻で笑われた。
当たり前ってか?さーせんね!!こちら平凡顔なんだよ!!!
「……」
「突然大人しくなったゾ」
「しゃけ」
「私の知ってる闇の組織さ、美少女と前髪と白髪なんだよね。
どう考えても美少女一択しか選択肢ないんだが?」
「ははは。私にも選ぶ権利はある」
「やだ、辛辣」
笑顔で断られた。
ってことは、だ。
そっと白髪を見れば……めちゃくちゃいい笑顔。
「OK、わかった」
「やっと僕の魅力が伝わった?」
「この話は無かったことに」
「学生の頃の僕どんだけ嫌われてんの?」
「むしろ聞くが……お前の今までの行動で好かれてると思ってたら大間違いだぞ?」
「めちゃくちゃ大事にしてたじゃん」
「大事にしてる奴を白滝女扱いするか?」
そんなこともあったね。by.五条
現在進行形だわ。by.名前
「あれだろ?ご都合よく10年バズーカ的なイベントで来たから、ご都合よく記憶無くなって帰るパターンだ」
「メタ発言やめよ?名前姉」
「ギャグは何しても許されるって銀の魂から教わった」
「何しても許されたのは銀の魂だからよ」
そんなわけで、私学生の通行人名前!!
なんかの手違いで、10年バズーカ的なイベント発生しちゃったらしく、今未来にいるの!!
けどね、携帯も過去のだから使えないし、幼馴染達にも会えず……ちょっとした顔見知りの白髪と美少女がいたよ!!
「ねぇ」
「なんだ」
「何で私棒持たされてんの?」
よくわからんが、目の前には眼鏡美人。
彼女も棒を持ってにやにやしておられる。
「未来のオマエがよく言ってたんだよ。
若かったらもう少しイケたって」
「何ハードル上げてんだよ未来の私」
「昔はハチャメチャしてたんだろ?ちょっと付き合えよ」
「キャーーー!!真希さぁん!!」
オレンジ髪の美人がめちゃくちゃ眼鏡美人を応援している。
そして観戦する野次馬男子共。
くるくると長い武器をバトルのように回す。
なんか楽しくなってきて、孫悟空的な……あの……くるくるって回してビシッって格好つけるのやりたい。
だからやってみたら……
「あだっ」
「何やってんだよ」
「こう、くるくるビシッって決めたかった」
「………こうか?」
えっ、眼鏡美人さんまじ格好いい。
なんなくやりきったじゃん。
こんなん簡単だろ……みたいな感じでやりきったじゃん。
これはあれだね。
「結婚してください」
「断る」
膝付いてそっと手を取り告白したら、ゴミを見るように吐き捨てられた。
「光を受け艶やかに輝く黒髪、切れ長の涼しげな眼差し、ぷるっとした桜色の唇、素晴らしいボディに漢らしい貴女に惚れました。
どうかこの愚かな私に貴女の慈悲の心を少し分けてくださいませんか?」
「キモイ」
クズを見るような目を向けられた……。
膝から崩れ落ちる。
「懐かしいノリだな」
「わかるー」
「名前姉って学生の頃の方が頭おかしかったんだね」
「あの人は常におかしいだろ」
「そうだな。名前は常に可笑しいゾ」
「しゃけ」
外野が何か言ってる。
とりあえず立って武器を手に取る。
「私が勝ったらそのおっぱいを揉ませてもらう!!」
「私が勝ったら埋めていいか?」
「おっぱいに?」
「殺す」
合図も無しにすんごい速さで突っ込んできた眼鏡美人。
慌てて受け止めるが攻撃は重いし速いし受け止めるので精一杯。
「ちょっ!?待って待って待って待って!!」
「待たねぇよ」
「んにゃろっ!!」
距離を取って一呼吸。
にやけた眼鏡美人のお顔がとっても麗しいですね!!
「うらあっ!!」
「へぇ」
「今こそ我に力を……!!麗しの美剣士!!
蒼破刃!!蒼破刃!!蒼破刃ンンンンッ!!!」
刃出ねぇ!!けど、気分はユーリ・ローウェル!!
くるくるっと棒を回して突撃する。
「やるじゃねーか」
「むっっっっちゃ……疲れる!!!」
「だろうな」
待って。タイム。
ゼーハーと呼吸すればだらしねぇ、と此方を見る眼鏡美人。
「無駄が多い」
「一般人にガチの指摘はお止めください!!」
しかも私運動部じゃないからね?
こんな棒持たされてバトルしようぜ!!ってかなりの無理ゲーだからね?
「ってことではい、指スマ2」
「………チッ。指スマ1」
「ふっ。指スマのカリスマと呼ばれた私に勝てるとでも?
指スマ1!!ッシャオラァ!!」
「何やってんのよアンタ」
「眼鏡美人に棒じゃ勝てないので指で勝とうかと」
「わかった。………12345678910。はい、私の勝ちだな」
「指相撲つっよ!?ゴリラじゃん」
「よーし、やっぱオマエを埋める」
「待って待って。眼鏡美人待って。
ちょっと土下座すっからまじでアイアンクローやめよ?ミシミシいってるからやめてよ」
顔面を押さえ付けてる腕をタップする。
まじでこの眼鏡美人……美人なのにゴリラかよっ!!なんてこった!!
「名前姉、何か皆でできるゲームないの?」
「よーし、タケノコにょっきやろうぜ」
「なんだ?それ」
「全員こーやって両手を合わせて……
1にょっき!!」
「あ、2にょっき?」
「さーんにょっき!!」
「しゃけ」
「いや、わからんて。あとパンダノリ良いな。
そんな感じで最後の人負けな。ちなみに被っても負け」
「それ狗巻先輩番号言えないから駄目じゃない」
「んーじゃあババ抜きしよっか」
「何で持ってんだよ」
「さっきまで白髪と前髪とやってたから」
皆で円になってババ抜き開始。
「ヘイヘイヘーイ!!」
「俺もあります」
「あああああっ!!!ちょっと名前姉と伏黒グル!?」
「オレ上がり〜」
「しゃけ」
「私も棘も上がりだな」
「私も上がりよ」
「何でそこ普通に上がれてんの?」
「名前さん早くしてください」
「すまん、ビューティー。ほい」
「上がり」
「まじで?名前姉と一騎討ちじゃん」
「残念だったね、パリピボーイ……上がりだ」
「嘘だろぉ!?」
パリピボーイがババ残った。
ガチで悔しがるパリピボーイ。
「少年よ……強くなれ」
「名前姉っ!!」
「さあ、敗者にはこれを」
「飴?グミ?」
ザラザラッとパリピボーイの手のひらに出したのは黒い粒のお菓子。
ラッキー、と躊躇なく口に入れるパリピボーイ。
「え?なにこれ……グミ?」
「一応飴かな」
「何食べさせたのよ」
「サルミアッキ」
「旨いのか?」
「強い塩味とアンモニア臭のする独特なお菓子」
「おかか」
「絶対不味い奴じゃないっスか」
「世界一不味いお菓子……の、はずなんだけど?」
はて?
友人らや白髪や前髪に食べさせたときは顔歪めて不味いって笑ったのに。
このパリピボーイ……普通にもぐもぐしとる。
「宿儺の指食うくらいだもんな」
「あぁ、世界一不味いお菓子だろうが関係無さそうよね」
「不味いかもしれねーけど、食えないわけじゃないし……むしろハマりそう?」
「変態かよ」
どうなってんの?このパリピボーイ。
まだある?って子犬のように待ってるから全部上げた。
「馴染み過ぎじゃない?」
「コミュ力で生きてる私に不可能はない!!」
「じゃあ僕とも仲良くしてよ」
「だが断る!!」
拗ねた顔しても駄目だから。
「白髪と仲良くするより可愛い女の子とイチャイチャしたい!!」
「ねぇ、何で恵と棘と腕組んでるの?」
「この二人……実は女子ってオチは?」
「無いです」「おかか」
「じゃあ女装させたら絶対美女になりそうだから遊んでいいかな?」
「嫌です」「おかか」
「ねぇねぇいいだろぉ?」
「どこの変態親父の誘いかたですか」「おかか」
「そこはダメヨーダメダメッって返してほしかった」
「アンタもう元の時代に帰れ」
「帰れるなら帰ってるわ」
クールビューティーに睨まれた。
嫌だ!!オラァこの美人を美女にしたいんだっ!!
「大丈夫、怖がらないで?
少し濃い色つきリップでもしましょ?」
「寄るな、絡むな、リップを終え」
「心配ないさぁ……これは新品だ!!」
「そこの心配じゃない」
ジリジリとクールビューティーと距離をつめる。
勢いと助走をつけて、飛びかかる。
ボフンッ
目の前 が 煙 に 包まれた。
「………おろ?」
「………オマエ」
なぜかよくわからないが、目の前には白髪。
先ほどみたガタイのいい美少女フェイスよりも、若干なよなよしく美少女フェイスな見慣れた白髪の顔。
視線を横に逸らすと前髪が苦笑していた。
「どんな状況?」
「俺が聞きてーよ」
「ふむ」
とりあえず、クールビューティーに塗れなかった色つきリップを目の前の白髪に塗る。
桜色のぷるっぷる唇に、ほんのりと赤みが指した。
「何してんだよ」
「リップ塗った」
「めっちゃ甘い香りする」
「だろ?今JKに人気の品だぞ」
「悟、いい加減起き上がったらどうだい?」
起き上がった白髪を見た美少女と前髪が吹き出して視線を逸らす。
「傑?」
「白髪、そのままステイ。頭に何かついてるわ」
「まじ?」
「いも虫だわ」
「うわっ。取って」
ぷるぷると震える前髪と美少女。
私はささっと髪の毛を払うふりをしながら、持っていたリボン付きのピンを髪の両側につける。
「OK。取れたわ」
「つか虫を素手で払うとかオマエ女としてどうなの?」
「頼りになるだろ?」
前髪が震えすぎてしゃがみこんだ。
美少女が手に持つカメラでしっかり連写している。
「前髪、白髪、美少女写真撮ろうよ」
「ふふっ。いいよ。悟が真ん中でいいかい?」
「仕方ねーな」
「夏油端だから撮ってよ」
前髪がカメラで撮ってくれる。
裏ピースでウインクしちゃうあたり、まじで白髪……うん。
「今送るよ」
「おう」
「あ、そーいや私幼馴染のアップルパイ買いに行かなきゃ。昨日ゲームで負けた報酬」
「そうなのかい?私もポテト買いたいから行くよ」
「私も煙草吸いに行きたい」
「クーポンあるけど使う?」
「いいよ。キミが次回使いな」
スタスタと早歩きでその場を去る私と美少女と前髪。
置いてけぼりの白髪。
「………は?オイッ!!傑、硝子、白滝女ァっ!!!」
写真を見て気付いた白髪が吠える。
笑いながら私と美少女と前髪は走った。
あとがき
リクエスト「10年バズーカ的なあれで
高校生の通行人が未来で生徒や五条とギャグ」
ギャグ……あれ?これちゃんとギャグなってる?
ギャグのネタがどんどん尽きてきているから、ギャグが思い付かない……すいません!
最後は可愛くなった190オーバーをご想像しながらお許しください(笑)
リクエストありがとうございました!
これからも明星をよろしくお願いいたします!
白髪や前髪と美少女が焦っていた気もしたが……なんせ真後ろから何かが当たったのでよくわからないまま煙に包また。
「うえっほ!!えっふ……げふっ」
いや、まじ煙多すぎだろ。
どーなってんのこれ?
「はぁぁああああ!!!
吹き過ぐ風の精霊達よ、盟約の言葉により我が手に集いて力となれ……
風裂弾(エアロ・ボム)!!」
うらぁっと、煙から普通に抜け出した私。
いや、まじで、煙多すぎだから。
うっすら煙が晴れたらそこには……
「………」
「………」
頭に大量のモヤシでも植えてるの?って感じの白い頭の人。
しかし、皆!!聞いてくれ……
頭にモヤシ栽培しているだけじゃなく、そいつ……目隠ししてんだぜ(声震えてドン引き)
しかも、なんか子供もちらほら……
「誰だ!!」
「うわぁ……まじかぁ」
「え?五条先生知ってる子?」
「見たことある顔だけど……制服?若返ってないかしら?」
「むしろ馬鹿さが上がってねーか?」
「そこの可憐な眼鏡女子!人のこと初対面でディスるの良くないと思いまーすっ!!」
つか、美人ですね!!!
怪しいモヤシと髪の毛の配色どーなってんの?って元気そうな男の子と、クールビューティーな……多分男の子と、オレンジの美少女と、眼鏡の美少女と、口元隠したおかっぱ……え?どっち?スカートじゃないから……男の子、かな?そんで……
「パンダ?」
「おう、パンダだ」
なんでパンダが話して動いてんの?
チャック?着ぐるみ?
「ヘイ、パンダ」
「なんだ」
「ちょっと回転プリーズ」
「こうか?」
くるくる回るパンダ。
その背中にはチャックがない。
「……なるほど。首を取ればわかるか」
「スゲー怖いこと言ってる」
「オレの首取られるのカ……?」
ビクビクするパンダ。だって着ぐるみはだいたい首スポーッンって抜けるじゃん?
しかし最近の着ぐるみは表情も豊かで凄いな……え?まじのパンダ?
「どーなってんの?何で10年くらい前の名前が?」
「オイ、何で私の名前知ってんだ?
頭にモヤシ栽培した不審者が……通報すっぞ」
「「「ブフッ!!」」」
「そこ、吹き出したキミらあとから訓練増しね」
震えながら笑う眼鏡ちゃんと、口元隠しと、パンダ。
「名前、キミなんでここに?」
「知ったような口振りで話しかけてくるのやめてくれますぅー?不審者と知り合いとかまじ卍。あと馴れ馴れしい」
「ふっ」
「………あのね、ここはキミがいた世界の未来で」
「頭湧いてんの?そんな格好してる時点で薄々気づいていたけど……ヤバいよ?捕まるよ?」
「ふふっ」
「僕の格好は置いといて、真面目な話して」
「こちとら真面目にお前の不審者具合を指摘してんだよ」
「ぶっ」
「………殴りたい」
物騒な言葉が出て来て身構える。
なんなんだコイツ……!!やっぱ不審な格好しているからヤバい奴なんじゃ?
後ろではプルプル震えている少年少女達。
「僕は不審者じゃなくてここの先生」
「お前が先生として認められてる世の中どうなってんの?」
吹き出してケラケラ笑い転げている少年少女達。不審者は頭を押さえて黙っている。
「五条……ん?」
「ん?」
なんかまた美人な人が出てきたぞ……。
じっ、と見つめていたら、なぜか私は自然と美人さんの手を握りしめていた。
「艶やかな長い髪、何を考えているのかミステリアスな瞳、そしてエロい泣き黒子……なぜだろう。私は貴女を知っている気がする」
「コイツどうしたんだ?いい年した女が学生服着て何かの罰ゲームか?学生の頃みたいだな」
「多分学生の頃の名前だよ」
「まじか」
「まじ」
不審者と美人が話してじっと此方を見る。
ん?何か……あれ?見たことある?
「白髪と美少女?」
「今さら?」
「は?なんで一瞬で年老いた?」
「むしろ何でオマエはここにいるんだ?」
「………ここどこ?」
よく考えたら、さっきまで私白髪と前髪と公園でジャングルジム登って遊んでたのに。
ちなみに円になってて、めっちゃ回る奴。
白髪と前髪に乗せられ、私めちゃくちゃ回されていたはずなのに……。
古き時代にありそうな奥ゆかしい建物があるここどこ?まじどこ?
あと何で前髪と美少女が大人になってんの?
「白髪のお父さん?」
「僕本人」
「白髪は僕なんざ言わぬぇ!!!」
「この顔見ても?」
グッ、と下ろされた目隠し。
そして晒された美少女フェイス。
「うわ……」
「ほら、僕だろ?」
「顔がいい!!だが、ガタイが良くなったからアンバランスがキショイ!!」
「………オマエのだーーーい好きな顔だぞ?」
「近寄るな!頭のモヤシ抜き取るぞ!!」
シャアッ、と猫のように威嚇するが、真顔で白髪らしき男に舌打ちされた。
「あのー」
「ん?なんだい?髪色愉快な元気くん」
「えっ?俺そんな髪色愉快?」
「パリピっぽい」
「そんなことどーでもいいのよ」
「アンタ……本当に名前さんか?」
パリピ系元気くん、オレンジ髪の美少女、クールビューティーに囲まれる。
じっ、と三人を見るが……
「いかにも私は苗字 名前だが
………誰?」
「えーっと……未来の名前姉にお世話なってる?高専の生徒……かな?」
「未来?」
「何が起こったかわからないけど、突然過去のアンタが現れたのよ」
「………つまり?」
「アンタにとっては此処は未来ってことになる」
ふむふむ、なるほど?
ここは私の居た世界よりも未来だと。
「私の携帯……!!は、そのままかぁ…」
「なになに?どうしたの?」
「幼馴染に電話しようと思って」
「僕連絡先知ってるけどなんで?」
「何で知ってんだよ白髪!!
何でってそりゃ……未来の可愛い幼馴染と出会うって当たり前田の展開じゃん?」
「「「古っ」」」
「ジェネレーションギャップ…!!」
当たり前田のクラッカーとかもうだめ?
じゃあゲッツもだめ?
「まぁ、ここが?私の世界よりずっと未来なのはわかったけどさ……
何で私闇の組織にいんの?」
めちゃくちゃ嫌な予感すんだけど?
まさかのまさかだよね?
ちょっと美少女と仲良くずっ友なだけだよね?
「そんなの関係者だからだろ」
「ジーーーーッザス!!!!」
「突然の叫び。学生の名前ヤベェな」
「いくら」
「おにぎりの具!!パンダ!!そっちのが意味わからんが、なぜ未来の私が闇落ちしてるっ!?」
「そりゃーオマエが付き合ってるからだろ」
「………ホワイ?」
眼鏡美人が何か言ったぞ。
は?私が?付き合ってる?
「またまたー。意味わからんって。
そんなジョークは良くないぞ☆」
「ノリがうぜぇ」
「口悪っ!!いやいやいやいや!!
私が?闇の組織の誰かと!?そんなバナナ!!」
「いちいちノリが古くてうざいわね」
「闇の組織の女子口悪い!!!」
顔が美人なのに!!って言ったら鼻で笑われた。
当たり前ってか?さーせんね!!こちら平凡顔なんだよ!!!
「……」
「突然大人しくなったゾ」
「しゃけ」
「私の知ってる闇の組織さ、美少女と前髪と白髪なんだよね。
どう考えても美少女一択しか選択肢ないんだが?」
「ははは。私にも選ぶ権利はある」
「やだ、辛辣」
笑顔で断られた。
ってことは、だ。
そっと白髪を見れば……めちゃくちゃいい笑顔。
「OK、わかった」
「やっと僕の魅力が伝わった?」
「この話は無かったことに」
「学生の頃の僕どんだけ嫌われてんの?」
「むしろ聞くが……お前の今までの行動で好かれてると思ってたら大間違いだぞ?」
「めちゃくちゃ大事にしてたじゃん」
「大事にしてる奴を白滝女扱いするか?」
そんなこともあったね。by.五条
現在進行形だわ。by.名前
「あれだろ?ご都合よく10年バズーカ的なイベントで来たから、ご都合よく記憶無くなって帰るパターンだ」
「メタ発言やめよ?名前姉」
「ギャグは何しても許されるって銀の魂から教わった」
「何しても許されたのは銀の魂だからよ」
そんなわけで、私学生の通行人名前!!
なんかの手違いで、10年バズーカ的なイベント発生しちゃったらしく、今未来にいるの!!
けどね、携帯も過去のだから使えないし、幼馴染達にも会えず……ちょっとした顔見知りの白髪と美少女がいたよ!!
「ねぇ」
「なんだ」
「何で私棒持たされてんの?」
よくわからんが、目の前には眼鏡美人。
彼女も棒を持ってにやにやしておられる。
「未来のオマエがよく言ってたんだよ。
若かったらもう少しイケたって」
「何ハードル上げてんだよ未来の私」
「昔はハチャメチャしてたんだろ?ちょっと付き合えよ」
「キャーーー!!真希さぁん!!」
オレンジ髪の美人がめちゃくちゃ眼鏡美人を応援している。
そして観戦する野次馬男子共。
くるくると長い武器をバトルのように回す。
なんか楽しくなってきて、孫悟空的な……あの……くるくるって回してビシッって格好つけるのやりたい。
だからやってみたら……
「あだっ」
「何やってんだよ」
「こう、くるくるビシッって決めたかった」
「………こうか?」
えっ、眼鏡美人さんまじ格好いい。
なんなくやりきったじゃん。
こんなん簡単だろ……みたいな感じでやりきったじゃん。
これはあれだね。
「結婚してください」
「断る」
膝付いてそっと手を取り告白したら、ゴミを見るように吐き捨てられた。
「光を受け艶やかに輝く黒髪、切れ長の涼しげな眼差し、ぷるっとした桜色の唇、素晴らしいボディに漢らしい貴女に惚れました。
どうかこの愚かな私に貴女の慈悲の心を少し分けてくださいませんか?」
「キモイ」
クズを見るような目を向けられた……。
膝から崩れ落ちる。
「懐かしいノリだな」
「わかるー」
「名前姉って学生の頃の方が頭おかしかったんだね」
「あの人は常におかしいだろ」
「そうだな。名前は常に可笑しいゾ」
「しゃけ」
外野が何か言ってる。
とりあえず立って武器を手に取る。
「私が勝ったらそのおっぱいを揉ませてもらう!!」
「私が勝ったら埋めていいか?」
「おっぱいに?」
「殺す」
合図も無しにすんごい速さで突っ込んできた眼鏡美人。
慌てて受け止めるが攻撃は重いし速いし受け止めるので精一杯。
「ちょっ!?待って待って待って待って!!」
「待たねぇよ」
「んにゃろっ!!」
距離を取って一呼吸。
にやけた眼鏡美人のお顔がとっても麗しいですね!!
「うらあっ!!」
「へぇ」
「今こそ我に力を……!!麗しの美剣士!!
蒼破刃!!蒼破刃!!蒼破刃ンンンンッ!!!」
刃出ねぇ!!けど、気分はユーリ・ローウェル!!
くるくるっと棒を回して突撃する。
「やるじゃねーか」
「むっっっっちゃ……疲れる!!!」
「だろうな」
待って。タイム。
ゼーハーと呼吸すればだらしねぇ、と此方を見る眼鏡美人。
「無駄が多い」
「一般人にガチの指摘はお止めください!!」
しかも私運動部じゃないからね?
こんな棒持たされてバトルしようぜ!!ってかなりの無理ゲーだからね?
「ってことではい、指スマ2」
「………チッ。指スマ1」
「ふっ。指スマのカリスマと呼ばれた私に勝てるとでも?
指スマ1!!ッシャオラァ!!」
「何やってんのよアンタ」
「眼鏡美人に棒じゃ勝てないので指で勝とうかと」
「わかった。………12345678910。はい、私の勝ちだな」
「指相撲つっよ!?ゴリラじゃん」
「よーし、やっぱオマエを埋める」
「待って待って。眼鏡美人待って。
ちょっと土下座すっからまじでアイアンクローやめよ?ミシミシいってるからやめてよ」
顔面を押さえ付けてる腕をタップする。
まじでこの眼鏡美人……美人なのにゴリラかよっ!!なんてこった!!
「名前姉、何か皆でできるゲームないの?」
「よーし、タケノコにょっきやろうぜ」
「なんだ?それ」
「全員こーやって両手を合わせて……
1にょっき!!」
「あ、2にょっき?」
「さーんにょっき!!」
「しゃけ」
「いや、わからんて。あとパンダノリ良いな。
そんな感じで最後の人負けな。ちなみに被っても負け」
「それ狗巻先輩番号言えないから駄目じゃない」
「んーじゃあババ抜きしよっか」
「何で持ってんだよ」
「さっきまで白髪と前髪とやってたから」
皆で円になってババ抜き開始。
「ヘイヘイヘーイ!!」
「俺もあります」
「あああああっ!!!ちょっと名前姉と伏黒グル!?」
「オレ上がり〜」
「しゃけ」
「私も棘も上がりだな」
「私も上がりよ」
「何でそこ普通に上がれてんの?」
「名前さん早くしてください」
「すまん、ビューティー。ほい」
「上がり」
「まじで?名前姉と一騎討ちじゃん」
「残念だったね、パリピボーイ……上がりだ」
「嘘だろぉ!?」
パリピボーイがババ残った。
ガチで悔しがるパリピボーイ。
「少年よ……強くなれ」
「名前姉っ!!」
「さあ、敗者にはこれを」
「飴?グミ?」
ザラザラッとパリピボーイの手のひらに出したのは黒い粒のお菓子。
ラッキー、と躊躇なく口に入れるパリピボーイ。
「え?なにこれ……グミ?」
「一応飴かな」
「何食べさせたのよ」
「サルミアッキ」
「旨いのか?」
「強い塩味とアンモニア臭のする独特なお菓子」
「おかか」
「絶対不味い奴じゃないっスか」
「世界一不味いお菓子……の、はずなんだけど?」
はて?
友人らや白髪や前髪に食べさせたときは顔歪めて不味いって笑ったのに。
このパリピボーイ……普通にもぐもぐしとる。
「宿儺の指食うくらいだもんな」
「あぁ、世界一不味いお菓子だろうが関係無さそうよね」
「不味いかもしれねーけど、食えないわけじゃないし……むしろハマりそう?」
「変態かよ」
どうなってんの?このパリピボーイ。
まだある?って子犬のように待ってるから全部上げた。
「馴染み過ぎじゃない?」
「コミュ力で生きてる私に不可能はない!!」
「じゃあ僕とも仲良くしてよ」
「だが断る!!」
拗ねた顔しても駄目だから。
「白髪と仲良くするより可愛い女の子とイチャイチャしたい!!」
「ねぇ、何で恵と棘と腕組んでるの?」
「この二人……実は女子ってオチは?」
「無いです」「おかか」
「じゃあ女装させたら絶対美女になりそうだから遊んでいいかな?」
「嫌です」「おかか」
「ねぇねぇいいだろぉ?」
「どこの変態親父の誘いかたですか」「おかか」
「そこはダメヨーダメダメッって返してほしかった」
「アンタもう元の時代に帰れ」
「帰れるなら帰ってるわ」
クールビューティーに睨まれた。
嫌だ!!オラァこの美人を美女にしたいんだっ!!
「大丈夫、怖がらないで?
少し濃い色つきリップでもしましょ?」
「寄るな、絡むな、リップを終え」
「心配ないさぁ……これは新品だ!!」
「そこの心配じゃない」
ジリジリとクールビューティーと距離をつめる。
勢いと助走をつけて、飛びかかる。
ボフンッ
目の前 が 煙 に 包まれた。
「………おろ?」
「………オマエ」
なぜかよくわからないが、目の前には白髪。
先ほどみたガタイのいい美少女フェイスよりも、若干なよなよしく美少女フェイスな見慣れた白髪の顔。
視線を横に逸らすと前髪が苦笑していた。
「どんな状況?」
「俺が聞きてーよ」
「ふむ」
とりあえず、クールビューティーに塗れなかった色つきリップを目の前の白髪に塗る。
桜色のぷるっぷる唇に、ほんのりと赤みが指した。
「何してんだよ」
「リップ塗った」
「めっちゃ甘い香りする」
「だろ?今JKに人気の品だぞ」
「悟、いい加減起き上がったらどうだい?」
起き上がった白髪を見た美少女と前髪が吹き出して視線を逸らす。
「傑?」
「白髪、そのままステイ。頭に何かついてるわ」
「まじ?」
「いも虫だわ」
「うわっ。取って」
ぷるぷると震える前髪と美少女。
私はささっと髪の毛を払うふりをしながら、持っていたリボン付きのピンを髪の両側につける。
「OK。取れたわ」
「つか虫を素手で払うとかオマエ女としてどうなの?」
「頼りになるだろ?」
前髪が震えすぎてしゃがみこんだ。
美少女が手に持つカメラでしっかり連写している。
「前髪、白髪、美少女写真撮ろうよ」
「ふふっ。いいよ。悟が真ん中でいいかい?」
「仕方ねーな」
「夏油端だから撮ってよ」
前髪がカメラで撮ってくれる。
裏ピースでウインクしちゃうあたり、まじで白髪……うん。
「今送るよ」
「おう」
「あ、そーいや私幼馴染のアップルパイ買いに行かなきゃ。昨日ゲームで負けた報酬」
「そうなのかい?私もポテト買いたいから行くよ」
「私も煙草吸いに行きたい」
「クーポンあるけど使う?」
「いいよ。キミが次回使いな」
スタスタと早歩きでその場を去る私と美少女と前髪。
置いてけぼりの白髪。
「………は?オイッ!!傑、硝子、白滝女ァっ!!!」
写真を見て気付いた白髪が吠える。
笑いながら私と美少女と前髪は走った。
あとがき
リクエスト「10年バズーカ的なあれで
高校生の通行人が未来で生徒や五条とギャグ」
ギャグ……あれ?これちゃんとギャグなってる?
ギャグのネタがどんどん尽きてきているから、ギャグが思い付かない……すいません!
最後は可愛くなった190オーバーをご想像しながらお許しください(笑)
リクエストありがとうございました!
これからも明星をよろしくお願いいたします!