十万企画
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あるところにとある娘がおりました。
「シンデレラ!シンデレラ!!」
「はい、お義母様」
シンデレラが部屋の中に入るとお義母様が。
「シンデレラ、掃除はもう終わったのかい?」
「お前がやれよ」
「シンデレラ、そこはきちんと役をしておくれ」
意地悪なお義母様に反抗出来るほどシンデレラは逞しかったのです。
しかし、お義母様も負けてはいません。
「きちんと出来ないのならキミを連れ去ってもいいんだよ?」
「お義母様、私そちらの趣味はございませんの」
顎くいしながら迫るお義母様。
そこへバタバタと荒々しく扉を開けて入って来たのはお義母様の子供のお姉様三人。
「ちょっとシンデレラ!!俺のドレスはどこー?」
「〈私のドレスもどこですか?〉」
「…………」
「ブスなお姉様しかいねぇ」
筋肉がありすぎてドレスがはち切れそうです。
「貴様ら!!なぜ儂はペットなんだ!!」
「わぁ、似合わないね漏瑚さん」
マスコットもポッポーと吠えています。
「意地悪な姉って何すればいいの?串刺し?」
「〈とりあえず豆を暖炉にぶちまけろと書いてありますね〉」
「………」ぶんっ
「脹相迷いがないね。ほら、シンデレラ。
あの灰の中から全ての豆を拾うんだよ」
「OK。それがお前らの晩御飯だからな」
食べ物粗末にするの良くない、とシンデレラは正論を述べました。
律儀に全ての豆を拾って洗った後はシンデレラは灰まみれです。
「オマエにはよくお似合いだよ、シンデレラ」
「日本には砂かけばばあっていう妖怪がいるから今から私も妖怪灰かけ娘になってお前らを灰まみれにしてやろうか?」
シンデレラは逞しかった。
例えお姉様やお義母様に意地悪をされてもちょっとやそっとじゃ負けません。
そんなこんなでお城から王子様の結婚相手を探すためのパーティーが開かれることに。
「お義母様、私もパーティーに行って豪華なご飯が食べたいです」
「オマエはドレスが無いだろう?連れていけないよ」
「婚約パーティーとかまっったく興味無いのでご飯食べに行きたいです」
「〈お花ならありますよ〉」
「花御が花食べてろってさ」
「…………」(早く終わって欲しい人)
ドレスも無く、ボロボロの灰まみれの服しかないシンデレラ。
お義母様とお姉様達は綺麗なドレスに身を包み、お城のパーティーへ。
「チクショウ。あのブス共っ!!
王子にキモがられて打ち首にされろっ!!」
シンデレラは悲しみに涙を浮かべ、星に祈りました。
「ご馳走食べたい。ご馳走食べたい。ご馳走食べたい!!!」
すると……シンデレラの願いが叶ったのか、魔法使いが現れました。
「シンデレラ。心の優しいアンタのためにこの魔法使い様が魔法をかけてあげるわ!!」
「野薔薇ちゃんっ!!」
「まずはネズミとカボチャカモンッ」
魔法使いが指名すると、そこには全身タイツのネズミとカボチャが。
「ぶっっはぁあ!!!」
「ぷっ……ちょっとアンタ達、真面目にやりなさいよ」
「やだよ。何で全身タイツ………」
「…………」(無)
「オレパンダなのに何でオレンジ色の全身タイツ履かされたんダ?」
魔法使いは杖を一振。
するとネズミは馬に。カボチャは馬車になりました。
「待って。俺らこれどうすればいいの?」
「三人いるから騎馬になればいいのか?」
「よしっ!!乗れ名前!!」
「「ぶはっ!!」」
全身タイツを着た馬車は騎馬となりました。
「ふぐっ……あ、アンタのその姿も……キレイに……っ、しな、いと……っ」
「野薔薇ちゃん、あれ絶対人選ミスだって。
むしろあっちの衣装どうにかしてあげて」
「制作費の問題だから」
シンデレラは魔法使いにより綺麗なドレス姿に。
「いい?0時になるとその魔法は消えるからその前に帰って来なさいよ」
「わかった。豪華な食事をタッパーに詰め込んで帰ってくるわ」
「じゃあ名前姉乗ってー」
「行くぞ、恵、悠仁」
「………」(早く脱ぎたい)
シンデレラは全身タイツの騎馬に乗ってお城へ向かいました。
「いざ、出陣じゃあ!!」
お城では王子様がお妃選びをしておりました。
「うわっ、ブスばっかじゃん」
「ヤバいな」
「………ちょっと僕あのブス共に乱暴してもいいかな?」
「今は物語的にやめとけ」
従者と共に王子はなかなか素敵なお姫様が見つからず飽き飽きとしていました。
「てか普通王子僕じゃない?」
「くじ引きの結果だろ」
「しゃけ」
「却下だ」
「硝子さん、踊ってくれないか」
「却下だ」
令嬢達がダンスを申し込みますが、王子は断ります。そこへ意地悪な姉達が
「王子踊ってよ」
「〈踊ってください〉」
「帰りたい」
「オマエら全員王子の目の毒だから僕が祓って(踊って)やるよ」
王子は躍りを申し込む令嬢達をことごとく断っておりました。
そこへ……扉を開けてパーティー着た新たな令嬢が。
「突撃!!隣の晩御飯!!!」
美しい令嬢の姿に会場の者は勿論、王子も目を奪われました。
「!!」
まるで引き合うかのように王子とシンデレラは向かい合います。
「私と結婚してください」
「だが断る」
「じゃあ僕と結婚する?」
「だが断る」
シンデレラが求婚……
いいえ、王子とシンデレラは周りが息を呑むほどお似合いでした。
楽しく踊るシンデレラと王子。
「だるい」
「今宵のあなたは月も恥じらうほどの美しき王子。周りの令嬢の目を潰して私だけの瞳の中で輝いてくれるのならいいのに」
「怖いぞ」
楽しい二人だけの時間はあっという間。
ゴーン、ゴーンと鳴り響く0時の鐘の音。
「あぁ、鐘が……」
「さっさと帰れ」
「私はあなたの目の前から消えるけど、今宵あなたの心を盗む姫がどうか私だけでありますように」
そっと王子の手に自分の履いていた靴を手渡すシンデレラ。
「さらばっ!!」
鐘が鳴り終わる前に帰らねば、魔法が解けてしまいます。
シンデレラは王子に背を向け、窓から飛び降りて消えてしまいました。
「シンデレラ崩壊もいいとこじゃん」
「………五条」
「なに?硝子」
残されたガラスの靴………の中には酢昆布の箱。
王子と従者はその場に笑い崩れました。
騎馬で再び家に戻ったシンデレラ。
夢のような一時を過ごし、また次の日からはいつもの毎日。
「シンデレラ、こんなところに埃が」
「ねーねーシンデレラ。お腹減った」
「〈お花に水やりをしなくては〉」
「まだこの茶番は終わらぬのか」
「………」
「もうお前らさっさと巣に帰れよ」
一方お城ではガラスの靴(酢昆布の箱入り)の持ち主を探すため、街中の娘に聞き込みを行っておりました。
「この靴に合う娘出せよ」
「私のことかい?」
「あ"?オマエじゃねーよ」
「私の娘達が合うか試してみようか」
「ゴリゴリのゴリラしかいねーだろ」
シンデレラの家にも従者がやってきました。
まず一番上の姉が試します。
「この靴に合う足のサイズに身体変えればいい?」
「祓うぞ」
姉は入りませんでした。
「〈私には小さいですね〉」
「引っこ抜くぞ」
次の姉も入りませんでした。
「………」
「他に娘いないのかよ。おら、出せよ」
三人目の姉も入りませんでした。
「うちにはもう娘なんていないよ」
「出せよ」
「おい、オイル。飯出来たからさっさと食え」
シンデレラがやってくると従者はシンデレラを抱き上げてガラスの靴を履かせました。
すると、ガラスの靴はぴったり!!
「じゃあ貰っていくよ」
「そうはさせないよ、悟。その子は私達のだ」
「うっせーよ。今は見逃してやるから退けよ」
「実は意地悪な継母の正体は隣国の王子だった、という設定でね」
「引っ込んでろ」
継母は従者に連れていかれそうなシンデレラに取り入ろうと必死にすがり付きますが
「お義母様、お姉様。
私は王子様と幸せになるので……ご隠居あそばせ」
笑顔で別れを告げました。
こうしてシンデレラは王子と再会。
「あぁ、あの日見た闇のように深くあなたの虜となった艶やかな黒髪と黒曜石のような瞳に妖艶な泣き黒子は私の瞳に焼き付き忘れたことなどありませぬ」
「そうか」
「どうか愚かにもあなたを一目見て恋に落ち、恋い焦がれ続ける私を永久にあなたの隣で息をして共に歩むことを許していただけませんか?」
「いいぞ」
「ッシャアオラァ!!!
野郎共、宴じゃああああああ!!」
こうしてシンデレラは王子と末永く幸せに暮らしました。
〜END〜
シンデレラ:通行人
意地悪な継母:夏油
姉1:真人
姉2:花御
姉3:脹相
ペット:漏瑚
魔法使い:野薔薇
ネズミ1:悠仁
ネズミ2:恵
カボチャ:パンダ
令嬢1:狗巻
令嬢2:真希
従者:悟
王子:硝子
ナレーター:七海
監督:伊地知
むかしむかし、おじいさんがかぶの種を撒きました。
「甘い甘いかぶになれ。
大きな大きなかぶになれ」
大きく育ったかぶ。
「お疲れサマンサ!」
「………悟、それは?」
「ウマイけど食べます?」
「いい度胸だ」
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「ぬっ」
「え?なんで?」
まだまだかぶは抜けません。
おじいさんはおばあさんを呼んできました。
「悟?何したの?」
「お菓子食べたら怒られてる」
おばあさんがおじいさんを引っ張って
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「アレは私が取り寄せたものだ」
「旨かったよ」
「何してんのあんた」
まだまだかぶは抜けません。
おばあさんは子供達を呼んできました。
「何したんだよ、あの馬鹿」
「いくら」
「学長のお菓子食べたらしい」
子供達がおばあさんを引っ張って
おばあさんがおじいさんを引っ張って
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「わざわざ無限使うなよ馬鹿」
「しゃけ」
「だってさー、学長まじギレじゃん」
まだまだかぶは抜けません。
子供達は孫を呼んできました。
「真希さん何やってんですか?」
「名前さん何やらかしたんですか?」
「名前姉また何かやったの?」
「私が何かやったこと前提やめて」
孫が子供を引っ張って
子供がおばあさんを引っ張って
おばあさんがおじいさんを引っ張って
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「何やったのよあの馬鹿」
「五条先生何したのー?」
「学長のお菓子食べちゃったから制裁中」
「何やってんすかあの人」
まだまだかぶは抜けません。
孫はパンダを呼んできました。
「ヨーッス。みんな何してんダ?」
パンダが孫を引っ張って
孫が子供を引っ張って
子供がおばあさんを引っ張って
おばあさんがおじいさんを引っ張って
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「悟、そろそろ諦めて謝ったら?」
「えー、僕悪くないって」
「何やったんダ?」
「くだらねぇ騒ぎ」
「しゃけ」
うんとこしょ。どっこいしょ。
「す、すいません夜蛾先生!!
私が五条さんに間違えてお菓子をお出ししてしまいました!!」
「ぬっ」
「ほんっとうにすいませんんんんんんっ!!!」
「ほら、僕悪くないじゃん」
「日頃の行いでしょ」
やっとかぶが抜けました!
あとがき
リクエスト「シンデレラ・大きなかぶパロディ」
シンデレラうろ覚えの内容でしたが、真面目に書いてもこのメンバーならギャグにしかならない(笑)
王子が悟じゃないのはわざとです(笑)
だって通行人は硝子ちゃんにナンパしたところから始まったからね(笑)
大きなかぶは
夜蛾先生が取り寄せた高級なお菓子を間違えて伊地知が五条に出してしまい、食べている五条を見た夜蛾先生がぶちギレ。
理由がわからず咄嗟に無限張ったものの、収拾つかず生徒らも日頃の恨みを込めてぶん殴りにくる始末。
結果、後から気付いた伊地知がスライディング土下座して夜蛾の怒りが収まった日常をパロディにいたしました(笑)
「シンデレラ!シンデレラ!!」
「はい、お義母様」
シンデレラが部屋の中に入るとお義母様が。
「シンデレラ、掃除はもう終わったのかい?」
「お前がやれよ」
「シンデレラ、そこはきちんと役をしておくれ」
意地悪なお義母様に反抗出来るほどシンデレラは逞しかったのです。
しかし、お義母様も負けてはいません。
「きちんと出来ないのならキミを連れ去ってもいいんだよ?」
「お義母様、私そちらの趣味はございませんの」
顎くいしながら迫るお義母様。
そこへバタバタと荒々しく扉を開けて入って来たのはお義母様の子供のお姉様三人。
「ちょっとシンデレラ!!俺のドレスはどこー?」
「〈私のドレスもどこですか?〉」
「…………」
「ブスなお姉様しかいねぇ」
筋肉がありすぎてドレスがはち切れそうです。
「貴様ら!!なぜ儂はペットなんだ!!」
「わぁ、似合わないね漏瑚さん」
マスコットもポッポーと吠えています。
「意地悪な姉って何すればいいの?串刺し?」
「〈とりあえず豆を暖炉にぶちまけろと書いてありますね〉」
「………」ぶんっ
「脹相迷いがないね。ほら、シンデレラ。
あの灰の中から全ての豆を拾うんだよ」
「OK。それがお前らの晩御飯だからな」
食べ物粗末にするの良くない、とシンデレラは正論を述べました。
律儀に全ての豆を拾って洗った後はシンデレラは灰まみれです。
「オマエにはよくお似合いだよ、シンデレラ」
「日本には砂かけばばあっていう妖怪がいるから今から私も妖怪灰かけ娘になってお前らを灰まみれにしてやろうか?」
シンデレラは逞しかった。
例えお姉様やお義母様に意地悪をされてもちょっとやそっとじゃ負けません。
そんなこんなでお城から王子様の結婚相手を探すためのパーティーが開かれることに。
「お義母様、私もパーティーに行って豪華なご飯が食べたいです」
「オマエはドレスが無いだろう?連れていけないよ」
「婚約パーティーとかまっったく興味無いのでご飯食べに行きたいです」
「〈お花ならありますよ〉」
「花御が花食べてろってさ」
「…………」(早く終わって欲しい人)
ドレスも無く、ボロボロの灰まみれの服しかないシンデレラ。
お義母様とお姉様達は綺麗なドレスに身を包み、お城のパーティーへ。
「チクショウ。あのブス共っ!!
王子にキモがられて打ち首にされろっ!!」
シンデレラは悲しみに涙を浮かべ、星に祈りました。
「ご馳走食べたい。ご馳走食べたい。ご馳走食べたい!!!」
すると……シンデレラの願いが叶ったのか、魔法使いが現れました。
「シンデレラ。心の優しいアンタのためにこの魔法使い様が魔法をかけてあげるわ!!」
「野薔薇ちゃんっ!!」
「まずはネズミとカボチャカモンッ」
魔法使いが指名すると、そこには全身タイツのネズミとカボチャが。
「ぶっっはぁあ!!!」
「ぷっ……ちょっとアンタ達、真面目にやりなさいよ」
「やだよ。何で全身タイツ………」
「…………」(無)
「オレパンダなのに何でオレンジ色の全身タイツ履かされたんダ?」
魔法使いは杖を一振。
するとネズミは馬に。カボチャは馬車になりました。
「待って。俺らこれどうすればいいの?」
「三人いるから騎馬になればいいのか?」
「よしっ!!乗れ名前!!」
「「ぶはっ!!」」
全身タイツを着た馬車は騎馬となりました。
「ふぐっ……あ、アンタのその姿も……キレイに……っ、しな、いと……っ」
「野薔薇ちゃん、あれ絶対人選ミスだって。
むしろあっちの衣装どうにかしてあげて」
「制作費の問題だから」
シンデレラは魔法使いにより綺麗なドレス姿に。
「いい?0時になるとその魔法は消えるからその前に帰って来なさいよ」
「わかった。豪華な食事をタッパーに詰め込んで帰ってくるわ」
「じゃあ名前姉乗ってー」
「行くぞ、恵、悠仁」
「………」(早く脱ぎたい)
シンデレラは全身タイツの騎馬に乗ってお城へ向かいました。
「いざ、出陣じゃあ!!」
お城では王子様がお妃選びをしておりました。
「うわっ、ブスばっかじゃん」
「ヤバいな」
「………ちょっと僕あのブス共に乱暴してもいいかな?」
「今は物語的にやめとけ」
従者と共に王子はなかなか素敵なお姫様が見つからず飽き飽きとしていました。
「てか普通王子僕じゃない?」
「くじ引きの結果だろ」
「しゃけ」
「却下だ」
「硝子さん、踊ってくれないか」
「却下だ」
令嬢達がダンスを申し込みますが、王子は断ります。そこへ意地悪な姉達が
「王子踊ってよ」
「〈踊ってください〉」
「帰りたい」
「オマエら全員王子の目の毒だから僕が祓って(踊って)やるよ」
王子は躍りを申し込む令嬢達をことごとく断っておりました。
そこへ……扉を開けてパーティー着た新たな令嬢が。
「突撃!!隣の晩御飯!!!」
美しい令嬢の姿に会場の者は勿論、王子も目を奪われました。
「!!」
まるで引き合うかのように王子とシンデレラは向かい合います。
「私と結婚してください」
「だが断る」
「じゃあ僕と結婚する?」
「だが断る」
シンデレラが求婚……
いいえ、王子とシンデレラは周りが息を呑むほどお似合いでした。
楽しく踊るシンデレラと王子。
「だるい」
「今宵のあなたは月も恥じらうほどの美しき王子。周りの令嬢の目を潰して私だけの瞳の中で輝いてくれるのならいいのに」
「怖いぞ」
楽しい二人だけの時間はあっという間。
ゴーン、ゴーンと鳴り響く0時の鐘の音。
「あぁ、鐘が……」
「さっさと帰れ」
「私はあなたの目の前から消えるけど、今宵あなたの心を盗む姫がどうか私だけでありますように」
そっと王子の手に自分の履いていた靴を手渡すシンデレラ。
「さらばっ!!」
鐘が鳴り終わる前に帰らねば、魔法が解けてしまいます。
シンデレラは王子に背を向け、窓から飛び降りて消えてしまいました。
「シンデレラ崩壊もいいとこじゃん」
「………五条」
「なに?硝子」
残されたガラスの靴………の中には酢昆布の箱。
王子と従者はその場に笑い崩れました。
騎馬で再び家に戻ったシンデレラ。
夢のような一時を過ごし、また次の日からはいつもの毎日。
「シンデレラ、こんなところに埃が」
「ねーねーシンデレラ。お腹減った」
「〈お花に水やりをしなくては〉」
「まだこの茶番は終わらぬのか」
「………」
「もうお前らさっさと巣に帰れよ」
一方お城ではガラスの靴(酢昆布の箱入り)の持ち主を探すため、街中の娘に聞き込みを行っておりました。
「この靴に合う娘出せよ」
「私のことかい?」
「あ"?オマエじゃねーよ」
「私の娘達が合うか試してみようか」
「ゴリゴリのゴリラしかいねーだろ」
シンデレラの家にも従者がやってきました。
まず一番上の姉が試します。
「この靴に合う足のサイズに身体変えればいい?」
「祓うぞ」
姉は入りませんでした。
「〈私には小さいですね〉」
「引っこ抜くぞ」
次の姉も入りませんでした。
「………」
「他に娘いないのかよ。おら、出せよ」
三人目の姉も入りませんでした。
「うちにはもう娘なんていないよ」
「出せよ」
「おい、オイル。飯出来たからさっさと食え」
シンデレラがやってくると従者はシンデレラを抱き上げてガラスの靴を履かせました。
すると、ガラスの靴はぴったり!!
「じゃあ貰っていくよ」
「そうはさせないよ、悟。その子は私達のだ」
「うっせーよ。今は見逃してやるから退けよ」
「実は意地悪な継母の正体は隣国の王子だった、という設定でね」
「引っ込んでろ」
継母は従者に連れていかれそうなシンデレラに取り入ろうと必死にすがり付きますが
「お義母様、お姉様。
私は王子様と幸せになるので……ご隠居あそばせ」
笑顔で別れを告げました。
こうしてシンデレラは王子と再会。
「あぁ、あの日見た闇のように深くあなたの虜となった艶やかな黒髪と黒曜石のような瞳に妖艶な泣き黒子は私の瞳に焼き付き忘れたことなどありませぬ」
「そうか」
「どうか愚かにもあなたを一目見て恋に落ち、恋い焦がれ続ける私を永久にあなたの隣で息をして共に歩むことを許していただけませんか?」
「いいぞ」
「ッシャアオラァ!!!
野郎共、宴じゃああああああ!!」
こうしてシンデレラは王子と末永く幸せに暮らしました。
〜END〜
シンデレラ:通行人
意地悪な継母:夏油
姉1:真人
姉2:花御
姉3:脹相
ペット:漏瑚
魔法使い:野薔薇
ネズミ1:悠仁
ネズミ2:恵
カボチャ:パンダ
令嬢1:狗巻
令嬢2:真希
従者:悟
王子:硝子
ナレーター:七海
監督:伊地知
むかしむかし、おじいさんがかぶの種を撒きました。
「甘い甘いかぶになれ。
大きな大きなかぶになれ」
大きく育ったかぶ。
「お疲れサマンサ!」
「………悟、それは?」
「ウマイけど食べます?」
「いい度胸だ」
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「ぬっ」
「え?なんで?」
まだまだかぶは抜けません。
おじいさんはおばあさんを呼んできました。
「悟?何したの?」
「お菓子食べたら怒られてる」
おばあさんがおじいさんを引っ張って
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「アレは私が取り寄せたものだ」
「旨かったよ」
「何してんのあんた」
まだまだかぶは抜けません。
おばあさんは子供達を呼んできました。
「何したんだよ、あの馬鹿」
「いくら」
「学長のお菓子食べたらしい」
子供達がおばあさんを引っ張って
おばあさんがおじいさんを引っ張って
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「わざわざ無限使うなよ馬鹿」
「しゃけ」
「だってさー、学長まじギレじゃん」
まだまだかぶは抜けません。
子供達は孫を呼んできました。
「真希さん何やってんですか?」
「名前さん何やらかしたんですか?」
「名前姉また何かやったの?」
「私が何かやったこと前提やめて」
孫が子供を引っ張って
子供がおばあさんを引っ張って
おばあさんがおじいさんを引っ張って
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「何やったのよあの馬鹿」
「五条先生何したのー?」
「学長のお菓子食べちゃったから制裁中」
「何やってんすかあの人」
まだまだかぶは抜けません。
孫はパンダを呼んできました。
「ヨーッス。みんな何してんダ?」
パンダが孫を引っ張って
孫が子供を引っ張って
子供がおばあさんを引っ張って
おばあさんがおじいさんを引っ張って
おじいさんがかぶを引っ張って
うんとこしょ。どっこいしょ。
「悟、そろそろ諦めて謝ったら?」
「えー、僕悪くないって」
「何やったんダ?」
「くだらねぇ騒ぎ」
「しゃけ」
うんとこしょ。どっこいしょ。
「す、すいません夜蛾先生!!
私が五条さんに間違えてお菓子をお出ししてしまいました!!」
「ぬっ」
「ほんっとうにすいませんんんんんんっ!!!」
「ほら、僕悪くないじゃん」
「日頃の行いでしょ」
やっとかぶが抜けました!
あとがき
リクエスト「シンデレラ・大きなかぶパロディ」
シンデレラうろ覚えの内容でしたが、真面目に書いてもこのメンバーならギャグにしかならない(笑)
王子が悟じゃないのはわざとです(笑)
だって通行人は硝子ちゃんにナンパしたところから始まったからね(笑)
大きなかぶは
夜蛾先生が取り寄せた高級なお菓子を間違えて伊地知が五条に出してしまい、食べている五条を見た夜蛾先生がぶちギレ。
理由がわからず咄嗟に無限張ったものの、収拾つかず生徒らも日頃の恨みを込めてぶん殴りにくる始末。
結果、後から気付いた伊地知がスライディング土下座して夜蛾の怒りが収まった日常をパロディにいたしました(笑)