異世界人が行く
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やぁやぁ、鏡に誘拐されて異世界に迷い混んだ異世界人名前だよ☆
ツイステッドワンダーランドなんていう魔法がある世界に召還されちゃった!!
魔法も使えるらしいので魔法少女目指して頑張ってるんだぉ☆
「まずは常識と最低限の知識を詰め込め、仔犬」
「わからないことはすぐに聞きなさい」
「はい、先生!!」
トレイン先生やクルーウェル先生の個人レッスンを受けながらグッガール!!の為に頭をフル回転させつつ、マジカルペンで魔法の練習。
学園長と違って親身にレディ扱いしてくれながら鬼畜に勉強させるこの二人の先生に私は飴と鞭とはまさにこの事か……!!と戦慄した。
レディ扱いとして服や化粧品をくれるクルーウェル先生。
勉強道具や日用品などの面倒を見てくれるトレイン先生。
学園長?今も必死にオンボロ寮の内装を頑張ってくれているよ。
トイレ、お風呂、キッチン、寝室くらいはどうにかしてくれと頼んで渋られたがクルーウェル先生とトレイン先生のゴミを見る目に耐えられず、動いてくれた。
なので数週間もすればひとまず住める寮に。
住んで驚いたのは……お化けがいた。
こちらではゴーストと言うらしいが……自分達のテリトリーに入った私を追い出そうとめちゃくちゃ驚かしてきたが………スルーした。
"シクシクシクシク"
"は、反応を……反応をしてくれぃっ"
「今日もいい天気だなぁ」
"シカトしないで!!"
渋々反応すると無視は辛いと泣き付かれた。
それからは私の暇が出来た時間にはゴーストとお喋りし、わりと博識な彼らと予習と復習を行うとクルーウェル先生とトレイン先生に誉められた。やったね!!
………バルガス先生?
彼は常に筋肉とお友達なのでプロテインとかダンベルとか体力作りをしろと健康グッズばかりくださるので丁寧にお断りした。
知識も常識も価値観もズレているので、必死にこの世界に私も適応しながら頑張ってるんだ!!
けどね、そんな私のことを馬鹿にして気にくわないって人達もいるの………
「へへっ、女をこんな所に1人放り込むとか学園長もひっでーよなぁ?」
「流石はヴィランって感じだよな!!」
「俺達ヤサシーから君のミカタだよー」
「お前が一番危ないっつーの!!」
ケタケタ笑いながら私を囲むケモ耳のついた、少し制服を着崩した方々。
サバナクローだかサバクローだかよくわからんがケモ耳寮の生徒。
「ありがとう、ケモ耳くん達。
私の世界と違うからなんにもわからないけど優しく教えてくれると嬉しいなぁ」
「あだだだだだっ!!!!」
「ジョニィィィイイイイイ!!!」
「獣って弱肉強食だもんね。
人間……まして女で魔法初心者なんてそれはそれは格好の餌だよね」
「…………っ!!!!」ベシベシベシッ
「は、離してやってくれ!!顔色が!!顔色がっ!!」
「あら?
乙女の太腿に挟まれて逝けるなら本望では?」
嫌らしくお尻触られたり、肩に腕回されたり、腰触られたり、足に尻尾が絡み付くセクハラされたので……
特にお尻触ってスカート捲ろうとした不届き者に対し、足払いからの頭を太腿で挟んで4の字固め。
首が太腿で絞まる度幸せそうに意識を落としてやりました。
「次セクハラしたら全員土に頭埋めるぞ」
「「「すいませんでしたっ!!!」」」
黙らせました。
他にも絡んできた人達は笑顔でシャイニング・ウィザードしてやった。
そして私はサバナクローから姉御の商号を手にしたのでした。(5日間程の出来事)
落ち着いてさぁ勉強しなきゃ!!と図書室に通いながらとにかく今の勉強に追い付けるように頑張るしかなかった。なのに………
「見目が麗しいとはいえ、女性であるのに僕らより美への意識が低いとは笑えるね」
「化粧をしていない?ありえないね!!」
「オンボロ寮暮らしなんだって?あーやだやだ!!埃臭くて一緒の空間にいたくないよ」
今度はポムポムプリンだかポムフィオーレだかの寮が絡んできた。
美について相当自信があるらしく、男なのに何か女子のような陰湿さがありサバナクローより鬱陶しかった。
しかし私は元々お洒落は好きだが遊びに行く時に気合いを入れるくらいで、普段はあまりベタベタ化粧などしたくない。
化粧の匂いや香水の匂いが苦手だったし、そもそも日焼け止めしとけばいいと思ってる。
美容液の話や化粧の話や保湿ケアのやり方云々で文句言われたところで痛くも痒くもないのだが、必死に勉強してるとゆーのに消しゴム隠されたり、ノートに落書きされたり、書き物してるのにわざとぶつかられたり地味な積み重ねに………ぶちギレた。
「ポムポムプリンだかポフィンだか知らないが、男が地味な嫌がらせしてんじゃねーよ。
お前らそれでも股に息子ぶら下がってんなら陰湿なことより堂々としやがれ。
自分の美を磨くのは結構なことですが、内面が薄汚れていたら外面良くしたところで滲み出る内側の汚れが顔に張り付いていつまでもド汚い顔面だと思いますけど?
本当の美もわからないアホは赤ちゃんの綺麗なお肌と心を見習って腹の中からやり直せドクズ共が」
クルーウェル先生がせっかく作ってくれた基礎問題集を破られたので、バッボーイ共を図書室の窓から吊るしてやった。
縄?サバナクローの子達が持ってきてくれたので縛り上げて、一緒に窓から逆さ吊りにしたわ。
「や、やめてくれ!!!」
「悪かった!!僕達が悪かった!!」
「は、早くあげてくれっ」
「自分がやられたら嫌なことを他人にしちゃいけないんだよ?」
「じゃあ今すぐ引き上げろよ!!」
「あら、どうして?
今まで私が耐えてきた数々の精神的苦痛を一度で済ませてあげている慈悲の心から吊るしているというのに……
どうして私が貴方達の嫌がらない方法をとってあげなきゃいけないのかな?」
「す、すいませんっ!!すいませんでしたっ!!」
「僕らが悪かったです!!」
「ごめんなさい!!本当にごめんなさい!!」
「汚れが落ちるまでモップで洗おうか?
ちなみにトイレのモップでいいよね?
お前らのような汚れは汚物と変わらないもの……このまま洗って差し上げようか?」
「「「すいませんでしたっ!!!」」」
と、黙らせました。
ちなみにクスクス笑って地味な嫌がらせをしていた他のポムフィオーレもこの出来事からピタリと止まった。
これでゆっくり勉強が出来る……と私は笑顔。
協力してくれたサバナクローのジョニー(狼、1年)とその仲間にはご褒美にジャーキーを買い与えてあげた。(学園長からのお小遣いより)
そんなこんなで
たった1ヶ月ほどで私はナイトレイブンカレッジでは有名となってしまった。
「どう思う?アズくん」
「どうもこうも貴女の頭が可笑しいかと」
「失礼だなぁ。
目には目を、歯には歯を。
やられたら倍返しなんて基本でしょう?」
「その前に普通の女性は心が打ち砕かれ泣いてしまうと思いますが」
「それどこのお姫様?ヒロイン?
社会の闇なんて学校生活から始まってんだよ。
女性も仕事で上を狙えるし、輝ける未来を作るには泣き寝入りなんてしないのさ」
「男前過ぎません?」
「弱み見せるのは惚れた男の前だけでいい」
「かっこ良すぎません?」
同じクラスのアズールくん。
イジメられている私に対し、オクタヴィネルだかの慈悲の心から契約したら助けてあげますよとか謎の契約持ちかけてきたクラスメイト。
しかし、私はノーと言える日本人なのでお断りし、数々の困難を乗り越えた。
もはや武勇伝のように語られる噂を耳にする度、アズールくんは貴女何やらかしてるんですか…!!借りにも女性ですよ!!とおかんのように説教を始める。
「それにしても女性への扱いがなっていない者達ばかりですね……」
「姐さん、こちらを」
「ありがとう、ジョニー」
「何かございましたらすぐに」
「下がって」
ジョニーがすっ、と差し出してきたのはジュースだ。
たまにジョニー達はこうして差し入れをしてくれる。
なので私もジョニー達には何やかんや返している。
「何ですか今の」
「ん?」
「躾良すぎません?」
「動物は好きだよ。一度躾れば従順で」
「………」
紳士的なのと躾されて従順なのは違うとアズールくんは語った。
「アズくん、ここってどーゆーこと?」
「ここは……」
アズくんは面倒見の良いおかんなのでこうして勉強を見てくれる。
見返りを要求されておっぱい揉む?と聞いたら真っ赤になって怒られた。
それ以来見返りなく復習ついでと言いながらわからないことを教えてくれる。
「アズくん頭いいから助かるわ」
「貴女の常識が無さすぎるんですよ。
世界が違うから一から学ぶ大変さのなか頑張っていると思いますよ」
「アズくんの教え方が上手いんだよ。
アズくん教師とか向いてそう」
「対価も無しに無償で……なんて何も得しないじゃないですか」
「アズくんの優しさに私が得をしました」
「逆らったら貴女に何されるかわかりませんからね」
「私そんなに野蛮じゃないし」
「予想のつかないことをやらかすのが怖いんです」
そんな怖い事してないのになーと思うが。
「そもそも絡まれたくないならここは男子校なんですからスカート辞めてズボンにすれば良かったのでは?」
「男装しろと?」
「はい。
女性の匂いを消す魔法薬もあるし、負担はありますが男に変われる薬や、意識を逸らす魔法あるのになぜ狙われるようなことを?」
「そもそも面倒」
「………バッサリいきますね」
「入学式でほとんどの人が鏡から女子生徒が出た!って騒いでいたのに今さら男です!!って無理ない?」
「………そうでしたね」
「女であることを悔やむのは私自身を否定することになる。
私は恥ずかしいことも悔やむこともない人生を謳歌するのに自分を隠したり偽ったりはしないよ」
学園長にも男装を勧められたが断った。
だから私はここの制服の上を身にまといながら下は元の世界のスカートを履いている。
幼馴染達と同じ学校だった証。
私の帰るべき居場所の証。
「女は化粧と衣服と己の身を武器にいつの時代も戦う生き物なんだから」
「男前過ぎません?」
貴女どんなとこで暮らして生きてきたんですか?なんて聞かれたが、平和な島国で生きてきましたが何か?
「あ、アズくんヤバい」
「どうしました」
「ここ意味がまったく理解出来ない」
「仕方ありませんね」
優しい慈悲の心を持つアズくんは
私の一番の友達でありおかんです。
あとがき
リーチ兄弟は不在www
アズールはこれ幸いと契約書チラつかせたが、ノーとお断りされつつ、隙を見て契約を……とか思って様子見ていたらサバナクロー躾事件や図書室での吊し上げ事件を目撃しているのでコイツ駄目だ……!!手におえぬぇー…!!と手を引きました。
異世界人からしたら初めて善意(違う)に声を掛けてくれたクラスメイトなので、好意的である。
なんやかんや手のかかる異世界人に渋々手を貸しちゃうようになった慈悲の心。
決して恐怖心とかじゃない。
ツイステッドワンダーランドなんていう魔法がある世界に召還されちゃった!!
魔法も使えるらしいので魔法少女目指して頑張ってるんだぉ☆
「まずは常識と最低限の知識を詰め込め、仔犬」
「わからないことはすぐに聞きなさい」
「はい、先生!!」
トレイン先生やクルーウェル先生の個人レッスンを受けながらグッガール!!の為に頭をフル回転させつつ、マジカルペンで魔法の練習。
学園長と違って親身にレディ扱いしてくれながら鬼畜に勉強させるこの二人の先生に私は飴と鞭とはまさにこの事か……!!と戦慄した。
レディ扱いとして服や化粧品をくれるクルーウェル先生。
勉強道具や日用品などの面倒を見てくれるトレイン先生。
学園長?今も必死にオンボロ寮の内装を頑張ってくれているよ。
トイレ、お風呂、キッチン、寝室くらいはどうにかしてくれと頼んで渋られたがクルーウェル先生とトレイン先生のゴミを見る目に耐えられず、動いてくれた。
なので数週間もすればひとまず住める寮に。
住んで驚いたのは……お化けがいた。
こちらではゴーストと言うらしいが……自分達のテリトリーに入った私を追い出そうとめちゃくちゃ驚かしてきたが………スルーした。
"シクシクシクシク"
"は、反応を……反応をしてくれぃっ"
「今日もいい天気だなぁ」
"シカトしないで!!"
渋々反応すると無視は辛いと泣き付かれた。
それからは私の暇が出来た時間にはゴーストとお喋りし、わりと博識な彼らと予習と復習を行うとクルーウェル先生とトレイン先生に誉められた。やったね!!
………バルガス先生?
彼は常に筋肉とお友達なのでプロテインとかダンベルとか体力作りをしろと健康グッズばかりくださるので丁寧にお断りした。
知識も常識も価値観もズレているので、必死にこの世界に私も適応しながら頑張ってるんだ!!
けどね、そんな私のことを馬鹿にして気にくわないって人達もいるの………
「へへっ、女をこんな所に1人放り込むとか学園長もひっでーよなぁ?」
「流石はヴィランって感じだよな!!」
「俺達ヤサシーから君のミカタだよー」
「お前が一番危ないっつーの!!」
ケタケタ笑いながら私を囲むケモ耳のついた、少し制服を着崩した方々。
サバナクローだかサバクローだかよくわからんがケモ耳寮の生徒。
「ありがとう、ケモ耳くん達。
私の世界と違うからなんにもわからないけど優しく教えてくれると嬉しいなぁ」
「あだだだだだっ!!!!」
「ジョニィィィイイイイイ!!!」
「獣って弱肉強食だもんね。
人間……まして女で魔法初心者なんてそれはそれは格好の餌だよね」
「…………っ!!!!」ベシベシベシッ
「は、離してやってくれ!!顔色が!!顔色がっ!!」
「あら?
乙女の太腿に挟まれて逝けるなら本望では?」
嫌らしくお尻触られたり、肩に腕回されたり、腰触られたり、足に尻尾が絡み付くセクハラされたので……
特にお尻触ってスカート捲ろうとした不届き者に対し、足払いからの頭を太腿で挟んで4の字固め。
首が太腿で絞まる度幸せそうに意識を落としてやりました。
「次セクハラしたら全員土に頭埋めるぞ」
「「「すいませんでしたっ!!!」」」
黙らせました。
他にも絡んできた人達は笑顔でシャイニング・ウィザードしてやった。
そして私はサバナクローから姉御の商号を手にしたのでした。(5日間程の出来事)
落ち着いてさぁ勉強しなきゃ!!と図書室に通いながらとにかく今の勉強に追い付けるように頑張るしかなかった。なのに………
「見目が麗しいとはいえ、女性であるのに僕らより美への意識が低いとは笑えるね」
「化粧をしていない?ありえないね!!」
「オンボロ寮暮らしなんだって?あーやだやだ!!埃臭くて一緒の空間にいたくないよ」
今度はポムポムプリンだかポムフィオーレだかの寮が絡んできた。
美について相当自信があるらしく、男なのに何か女子のような陰湿さがありサバナクローより鬱陶しかった。
しかし私は元々お洒落は好きだが遊びに行く時に気合いを入れるくらいで、普段はあまりベタベタ化粧などしたくない。
化粧の匂いや香水の匂いが苦手だったし、そもそも日焼け止めしとけばいいと思ってる。
美容液の話や化粧の話や保湿ケアのやり方云々で文句言われたところで痛くも痒くもないのだが、必死に勉強してるとゆーのに消しゴム隠されたり、ノートに落書きされたり、書き物してるのにわざとぶつかられたり地味な積み重ねに………ぶちギレた。
「ポムポムプリンだかポフィンだか知らないが、男が地味な嫌がらせしてんじゃねーよ。
お前らそれでも股に息子ぶら下がってんなら陰湿なことより堂々としやがれ。
自分の美を磨くのは結構なことですが、内面が薄汚れていたら外面良くしたところで滲み出る内側の汚れが顔に張り付いていつまでもド汚い顔面だと思いますけど?
本当の美もわからないアホは赤ちゃんの綺麗なお肌と心を見習って腹の中からやり直せドクズ共が」
クルーウェル先生がせっかく作ってくれた基礎問題集を破られたので、バッボーイ共を図書室の窓から吊るしてやった。
縄?サバナクローの子達が持ってきてくれたので縛り上げて、一緒に窓から逆さ吊りにしたわ。
「や、やめてくれ!!!」
「悪かった!!僕達が悪かった!!」
「は、早くあげてくれっ」
「自分がやられたら嫌なことを他人にしちゃいけないんだよ?」
「じゃあ今すぐ引き上げろよ!!」
「あら、どうして?
今まで私が耐えてきた数々の精神的苦痛を一度で済ませてあげている慈悲の心から吊るしているというのに……
どうして私が貴方達の嫌がらない方法をとってあげなきゃいけないのかな?」
「す、すいませんっ!!すいませんでしたっ!!」
「僕らが悪かったです!!」
「ごめんなさい!!本当にごめんなさい!!」
「汚れが落ちるまでモップで洗おうか?
ちなみにトイレのモップでいいよね?
お前らのような汚れは汚物と変わらないもの……このまま洗って差し上げようか?」
「「「すいませんでしたっ!!!」」」
と、黙らせました。
ちなみにクスクス笑って地味な嫌がらせをしていた他のポムフィオーレもこの出来事からピタリと止まった。
これでゆっくり勉強が出来る……と私は笑顔。
協力してくれたサバナクローのジョニー(狼、1年)とその仲間にはご褒美にジャーキーを買い与えてあげた。(学園長からのお小遣いより)
そんなこんなで
たった1ヶ月ほどで私はナイトレイブンカレッジでは有名となってしまった。
「どう思う?アズくん」
「どうもこうも貴女の頭が可笑しいかと」
「失礼だなぁ。
目には目を、歯には歯を。
やられたら倍返しなんて基本でしょう?」
「その前に普通の女性は心が打ち砕かれ泣いてしまうと思いますが」
「それどこのお姫様?ヒロイン?
社会の闇なんて学校生活から始まってんだよ。
女性も仕事で上を狙えるし、輝ける未来を作るには泣き寝入りなんてしないのさ」
「男前過ぎません?」
「弱み見せるのは惚れた男の前だけでいい」
「かっこ良すぎません?」
同じクラスのアズールくん。
イジメられている私に対し、オクタヴィネルだかの慈悲の心から契約したら助けてあげますよとか謎の契約持ちかけてきたクラスメイト。
しかし、私はノーと言える日本人なのでお断りし、数々の困難を乗り越えた。
もはや武勇伝のように語られる噂を耳にする度、アズールくんは貴女何やらかしてるんですか…!!借りにも女性ですよ!!とおかんのように説教を始める。
「それにしても女性への扱いがなっていない者達ばかりですね……」
「姐さん、こちらを」
「ありがとう、ジョニー」
「何かございましたらすぐに」
「下がって」
ジョニーがすっ、と差し出してきたのはジュースだ。
たまにジョニー達はこうして差し入れをしてくれる。
なので私もジョニー達には何やかんや返している。
「何ですか今の」
「ん?」
「躾良すぎません?」
「動物は好きだよ。一度躾れば従順で」
「………」
紳士的なのと躾されて従順なのは違うとアズールくんは語った。
「アズくん、ここってどーゆーこと?」
「ここは……」
アズくんは面倒見の良いおかんなのでこうして勉強を見てくれる。
見返りを要求されておっぱい揉む?と聞いたら真っ赤になって怒られた。
それ以来見返りなく復習ついでと言いながらわからないことを教えてくれる。
「アズくん頭いいから助かるわ」
「貴女の常識が無さすぎるんですよ。
世界が違うから一から学ぶ大変さのなか頑張っていると思いますよ」
「アズくんの教え方が上手いんだよ。
アズくん教師とか向いてそう」
「対価も無しに無償で……なんて何も得しないじゃないですか」
「アズくんの優しさに私が得をしました」
「逆らったら貴女に何されるかわかりませんからね」
「私そんなに野蛮じゃないし」
「予想のつかないことをやらかすのが怖いんです」
そんな怖い事してないのになーと思うが。
「そもそも絡まれたくないならここは男子校なんですからスカート辞めてズボンにすれば良かったのでは?」
「男装しろと?」
「はい。
女性の匂いを消す魔法薬もあるし、負担はありますが男に変われる薬や、意識を逸らす魔法あるのになぜ狙われるようなことを?」
「そもそも面倒」
「………バッサリいきますね」
「入学式でほとんどの人が鏡から女子生徒が出た!って騒いでいたのに今さら男です!!って無理ない?」
「………そうでしたね」
「女であることを悔やむのは私自身を否定することになる。
私は恥ずかしいことも悔やむこともない人生を謳歌するのに自分を隠したり偽ったりはしないよ」
学園長にも男装を勧められたが断った。
だから私はここの制服の上を身にまといながら下は元の世界のスカートを履いている。
幼馴染達と同じ学校だった証。
私の帰るべき居場所の証。
「女は化粧と衣服と己の身を武器にいつの時代も戦う生き物なんだから」
「男前過ぎません?」
貴女どんなとこで暮らして生きてきたんですか?なんて聞かれたが、平和な島国で生きてきましたが何か?
「あ、アズくんヤバい」
「どうしました」
「ここ意味がまったく理解出来ない」
「仕方ありませんね」
優しい慈悲の心を持つアズくんは
私の一番の友達でありおかんです。
あとがき
リーチ兄弟は不在www
アズールはこれ幸いと契約書チラつかせたが、ノーとお断りされつつ、隙を見て契約を……とか思って様子見ていたらサバナクロー躾事件や図書室での吊し上げ事件を目撃しているのでコイツ駄目だ……!!手におえぬぇー…!!と手を引きました。
異世界人からしたら初めて善意(違う)に声を掛けてくれたクラスメイトなので、好意的である。
なんやかんや手のかかる異世界人に渋々手を貸しちゃうようになった慈悲の心。
決して恐怖心とかじゃない。