異世界人が行く
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「………何やってんですか貴女」
「流し素麺」
流れてるのはうーめんだけどね。
やぁやぁ、私異世界人名前!!
今何やっているかって?
夏の風物詩、流し素麺ならぬ、流しうーめんだよ☆
どう頑張っても素麺の細さ無理でうーめんになったの。
うーめんはちなみに宮城の白石市にある麺で素麺より太く、短いのが特徴らしいよ☆
油を使わない麺で冷たくても温かくてもうまうま。
「うどん作りと変わらないから是非宮城の白石市にて体験してみてね☆」
「誰に言ってんですか貴女」
「アズくんもやる?流しうーめん」
「そもそもこれはどこから持ってきたんですか」
「作った」
ジョニーらが竹を持ってきてくれたので
パッカーンからの
シャーって中くり貫いて
あーだ、こーだと完成図見せたらやってくれたよ。
流石ジョニー!!
「ちなみにうーめんは昨日の夜から仕込みました」
「姉御!!めちゃくちゃ楽しいっスね!!」
「だろー?」
「次ジャーキー流そうぜ!!ジャーキー!!」
「いや、ここは葡萄だろ!! 」
「………楽しそうですね」
「楽しいよ」
うーめんじゃ足りないだろうと思って、各自流せそうな物を持ち寄った。
流し素麺文化は無いらしいので、恐る恐るだったが、やり出したら楽しいよね。
「アズくんもやる?」
「では少しだけ」
うーめんを流したら、少しわくわくしたアズくんの手元をサッと流れジョニー達が取っていく。
箸は難しいだろうからと、フォークなのに取れないって……
「アズくん、いくよー」
「はい」
サッ
「アズくん、取らなきゃ」
「たまたまです。次こそは!!」
サッ
「り、理屈じゃない!!」
「何のコント?」
ジョニー達とバカ笑いした。
アズくんが悔しそうに震えているのを見て、ジョニーがそっとうーめん取ってあげていた。
「どうぞ」
「クソッ!!もう一回!!もう一回お願いします!!
美味しいですねコレ!!」
「ほらいくよー」
サッ
「くっ!!」
「はい、これ」
「この液体も美味で……くっ!!」
「アズくん魔法は反射神経良いのに…」
「魔法とコレは違うでしょ!!」
結果、アズくんはジョニーに取って貰ったのをズルズルしてました。
「なんだなんだ?面白そうな事してるな!!」
わくわく顔の色黒で頭が白く、白いカーディガンを羽織った少年と、同じく色黒でサラサラな黒髪の少年が此方に寄ってきた。
「カリムさんにジャミルさんですね、同じ一年の」
「そーなんだ。黒髪さんめっちゃイケメン」
「姉御、めちゃくちゃガン見ですね」
「これは何してるんだ?」
「カリム」
「この白いのは食い物か?」
「流してキャッチして食べて遊んでます」
「食い物で遊ぶのか!?」
「我が国の夏の娯楽ですね。
目で見て涼み、舌で味わい、皆で楽しむ」
「宴か!?」
キラキラとした顔で見られてる。
宴……といえば宴みたいなものかもしれんが、催し物…かな?
「も、催し物かな…」
「宴か!!俺も宴は大好きだ!!」
「あれ?会話が成り立ってる?これ?」
「宴なら俺も参加したいけど、飯はジャミルの作ったものしか口にしないって決めてるんだ」
「誘ってないのにフラレた感じ」
「悪いな!!今度寮で宴するときにお前も誘うよ!!今回は見てるだけでもいいか?」
「ちょっとこの人弾丸過ぎない?ねぇ、その耳飾りかな?」
短時間で何か疲れた。
おかしいな、会話が通じないってこの人のことかな?
「カリム、これから寮で今日の課題をやるはずだろ」
「少しならいいだろ?ジャミル」
「……アズくん、彼らのご関係は?」
「カリムさんがとある富豪の長男らしく、ジャミルさんはカリムさんの従者らしいですよ」
「凄いな」
日本じゃ無い世界観に遠くを見つめてしまう。
「さあ名前さん、次こそは!!」
「まだやるんか」
サッ、と流すがまたスカしたアズくんに爆笑する。
ジョニーと交代して私も食べることに。
「名前さん、その細い棒は?」
「お箸だよ」
「そんなもので掴めるわけ……!?」
「アズくん、この企画者が誰だと思っておいでかな?」
軽々と箸でうーめんを捕まえた私に、アズくんは眼鏡をカチャカチャしてる。
何度かけ直しても現実だよ、アズくん。
「それはうどんか?」
「うーめんだよ」
「うーめん?」
「うむ。私の国では細さによって麺の名前が違うのさ。まぁ、分類的にはうどんだけど」
「この液体は?」
「鰹と昆布で取った出汁に醤油入れたつけだれ。あとは昨日の晩御飯の残りのカレー」
「食べてみてもいいか?」
「どうぞー」
フォークで軽々とうーめんを掴み、食べる美人さん。
「美味いな」
「ジャミル、俺は!?」
「カリムは駄目だ」
「そうか…仕方ないな」
気に入ったのかズルズル食べている。
羨ましそうに見ている主人をシカトしてまじ食いしてない?
まじまじと見ていたら凄い事に気付いた。
「うっっわ!!!
アズくんやばいことに気付いちまった!!」
「今度は何ですか」
「この黒髪さんまじで顔がいい!!!」
「ジャミルさんの顔で騒ぐほどですか?」
「オイ」
「ジャミルはカッコいいからなー!!」
「うむ。めちゃくちゃ好みの顔な事に気付いた」
「「ぶっ」」
「だ、大丈夫かジャミル!?水出すか!!」
「アズくんばっちぃ」
むせ混む二人の背中を撫でる。
おいおい、何してんだよ二人共。
「ヴィル先輩も綺麗だけど、君の方が綺麗でとっても好み」
「近い。見るな」
「ジャミルは料理も美味いし、勉強も出来るし、運動も出来るぞ!!」
「完璧かよ。やばい、結婚してください」
「貴女何言ってるんですか」
「いやまてよ……!!この学校に通ってるってことはどこかしらマイナスポイントが!!」
「遠回しに僕達のこと貶してません?」
じっ、とジャミルくんを見つめる。
そしてむせ混むのが落ち着いたのか、彼もこちらを見ること10秒。
「………顔がいい、許せる」
「ジャミルさんに騙されてますよ」
「そんなことしない」
「そーかそーか!!ジャミルを気に入ったか!!
で、式はいつだ?」
「え?この人大丈夫?
普段なら悪のりで式は何時にする?ダーリンってやりたいが………この人の目、マジだ」
「カリム、式はしない」
「式しないのか!?めでたいことだろ!!」
「おかしいな?付き合ってもいないのになぜ話が進んでる?」
「ジャミルにとってめでたいことなら俺は全力で祝いたい!!」
「カリム、話を聞け」
「そうだ!!家族にも連絡しないと!!」
「カリム!!」
ウキウキと話を進めるターバンカリム。
「私やベー奴と関わった?」
「貴女の発言がそもそもの原因ですよ名前さん」
「助けてアズえもん」
「契約書で契約してくださるなら」
「やだ」
「チッ」
必死に引き止めるジャミルくん。
あーゆー暴走機関車は本当に話聞かないからな。
よし、ここは一肌脱ごう!!←原因
「カリムくんや」
「どうした?式の日程か?」
「ジャミルくんも美人で素敵だが
君も愛らしくてとても素敵だよ」
カリムくんの顎をクイッとして微笑む。
可愛い顔だよね、話聞かないけど。
こーゆー子が雄を見せるとコロッといくよね。
「違う!!そこじゃありませんよ!!馬鹿ですか!?馬鹿でしたね!!!」
「え?ジャミルくん褒めたからカリムくんも褒めたのにこの言われよう」
「あ、えーっと……ありがと、な?」
「可愛いー。照れてるの可愛いー」なでなで
「ジャ、ジャミルッ!!」
「落ち着け」
「そうだ、落ち着けカリムくん。
私は結婚する気などないし、ジャミルくんとは出会ったばかりだ……」
「うん?」
「ジャミルくんにも選ぶ権利があり、私達は顔見知りレベルでお友達にすらなっていない」
「そ、そうだったのか!?」
「だから!!!今ここで!!
あなたのお顔に惚れました。
ジャミルくん、お友達になってください」
「断る」
バッサリと切り捨てられた。
「なぜ!?」
「面倒な予感しかしない」
「名前さんはだいたい面倒な事を引き寄せますよ」
「そんなことないってー」
「ヒント、フロイド」
「アズくん、それ答えや」
「つまり、ジャミルは結婚しないのか?」
「しないと言ってる」
「そうか!!じゃあ俺と結婚するか?」
「あらやだ、この子大丈夫?」
「カリムさんと結婚したら億万長者ですね」
「お金は大事だけど、愛してくれなきゃイヤよ」
「これからお前の事を沢山知ればいいだろ?」
「カリムの妻になるなら一夫多妻だ」
「さーせん、お断りしまっす」
私、一夫多妻はちょいと…。
「一夫多妻なんてドロドロの愛と哀しみの果てに毒盛られてしまうドラマじゃん。
やだよー、私は95歳まで生きて孫とひ孫に囲まれて幸せだったと思う〜って歌いながら死ぬんだ」
「具体的」
「毒に身体が弱っていき、儚く散る一輪の花なんて無理だよー。
毒殺されるくらいなら容疑者全員拳を唸らせてボコボコにして土に埋めてやる」
「物騒ですよ」
「あっはっはっ!!元気だなぁ」
「笑い事じゃないぞ」
「カリムくん、君とは友人でいさせておくれ」
「勿論だ!!俺とお前は今日から友達だ!!」
「「うぇーい」」
パンっと手を合わせる私達。
ジャミルくんとアズくんの目が遠くを見つめている。
「は?意味がわからないんだが」
「名前さんについて深く考える方が無駄ですよ。
あの人アホですから」
そのままのテンションで流しうーめんを再び始めた。
テッテレー
名前は、カリムとジャミルと友達になった!!
それからというもの……
「カーリームー!!」
「おっ、名前!!」
「「うぇーい」」
両手ハイタッチからの
「「うぇい、うぇい、うぇい」」
グータッチ、タッチ、グータッチ
「「うぇーい!!」」
手のひらぴらぴらー
「今日も元気だな、名前!!」
「カリムこそ元気で何よりだよ!!」
パリピみたいな挨拶が恒例となりました。
陽キャ代表のカリムのノリの良さは元の世界の友人と似ていた。
話聞かないけど……あ、友人も話聞かないタイプだったな。
「………お前ら少し静かにしてくれ」
「ジャミルきゅん、今日も素敵。バグして」
「断る」
「そんな貴女に痺れるぅ、憧れるぅ!!」
「やめてくれ」
ジャミルきゅんはオタク的推しみたいな存在。
本人は迷惑そうだが、満更でもない部分があるので推している。
出来ることならそのエロい腰に抱き着いてスーハー深呼吸したいのだが、まだ心の扉が開いていないのでやめておこう。
あとがき
出ました、彼女の大好きな流し素麺。
きっと今後も暇になるたび流す(笑)
だってここには注意する先生も校則もないからね!!
恋愛要素はまだ決まっておらぬので思わせぶりな事言ってもラブじゃない。
「流し素麺」
流れてるのはうーめんだけどね。
やぁやぁ、私異世界人名前!!
今何やっているかって?
夏の風物詩、流し素麺ならぬ、流しうーめんだよ☆
どう頑張っても素麺の細さ無理でうーめんになったの。
うーめんはちなみに宮城の白石市にある麺で素麺より太く、短いのが特徴らしいよ☆
油を使わない麺で冷たくても温かくてもうまうま。
「うどん作りと変わらないから是非宮城の白石市にて体験してみてね☆」
「誰に言ってんですか貴女」
「アズくんもやる?流しうーめん」
「そもそもこれはどこから持ってきたんですか」
「作った」
ジョニーらが竹を持ってきてくれたので
パッカーンからの
シャーって中くり貫いて
あーだ、こーだと完成図見せたらやってくれたよ。
流石ジョニー!!
「ちなみにうーめんは昨日の夜から仕込みました」
「姉御!!めちゃくちゃ楽しいっスね!!」
「だろー?」
「次ジャーキー流そうぜ!!ジャーキー!!」
「いや、ここは葡萄だろ!! 」
「………楽しそうですね」
「楽しいよ」
うーめんじゃ足りないだろうと思って、各自流せそうな物を持ち寄った。
流し素麺文化は無いらしいので、恐る恐るだったが、やり出したら楽しいよね。
「アズくんもやる?」
「では少しだけ」
うーめんを流したら、少しわくわくしたアズくんの手元をサッと流れジョニー達が取っていく。
箸は難しいだろうからと、フォークなのに取れないって……
「アズくん、いくよー」
「はい」
サッ
「アズくん、取らなきゃ」
「たまたまです。次こそは!!」
サッ
「り、理屈じゃない!!」
「何のコント?」
ジョニー達とバカ笑いした。
アズくんが悔しそうに震えているのを見て、ジョニーがそっとうーめん取ってあげていた。
「どうぞ」
「クソッ!!もう一回!!もう一回お願いします!!
美味しいですねコレ!!」
「ほらいくよー」
サッ
「くっ!!」
「はい、これ」
「この液体も美味で……くっ!!」
「アズくん魔法は反射神経良いのに…」
「魔法とコレは違うでしょ!!」
結果、アズくんはジョニーに取って貰ったのをズルズルしてました。
「なんだなんだ?面白そうな事してるな!!」
わくわく顔の色黒で頭が白く、白いカーディガンを羽織った少年と、同じく色黒でサラサラな黒髪の少年が此方に寄ってきた。
「カリムさんにジャミルさんですね、同じ一年の」
「そーなんだ。黒髪さんめっちゃイケメン」
「姉御、めちゃくちゃガン見ですね」
「これは何してるんだ?」
「カリム」
「この白いのは食い物か?」
「流してキャッチして食べて遊んでます」
「食い物で遊ぶのか!?」
「我が国の夏の娯楽ですね。
目で見て涼み、舌で味わい、皆で楽しむ」
「宴か!?」
キラキラとした顔で見られてる。
宴……といえば宴みたいなものかもしれんが、催し物…かな?
「も、催し物かな…」
「宴か!!俺も宴は大好きだ!!」
「あれ?会話が成り立ってる?これ?」
「宴なら俺も参加したいけど、飯はジャミルの作ったものしか口にしないって決めてるんだ」
「誘ってないのにフラレた感じ」
「悪いな!!今度寮で宴するときにお前も誘うよ!!今回は見てるだけでもいいか?」
「ちょっとこの人弾丸過ぎない?ねぇ、その耳飾りかな?」
短時間で何か疲れた。
おかしいな、会話が通じないってこの人のことかな?
「カリム、これから寮で今日の課題をやるはずだろ」
「少しならいいだろ?ジャミル」
「……アズくん、彼らのご関係は?」
「カリムさんがとある富豪の長男らしく、ジャミルさんはカリムさんの従者らしいですよ」
「凄いな」
日本じゃ無い世界観に遠くを見つめてしまう。
「さあ名前さん、次こそは!!」
「まだやるんか」
サッ、と流すがまたスカしたアズくんに爆笑する。
ジョニーと交代して私も食べることに。
「名前さん、その細い棒は?」
「お箸だよ」
「そんなもので掴めるわけ……!?」
「アズくん、この企画者が誰だと思っておいでかな?」
軽々と箸でうーめんを捕まえた私に、アズくんは眼鏡をカチャカチャしてる。
何度かけ直しても現実だよ、アズくん。
「それはうどんか?」
「うーめんだよ」
「うーめん?」
「うむ。私の国では細さによって麺の名前が違うのさ。まぁ、分類的にはうどんだけど」
「この液体は?」
「鰹と昆布で取った出汁に醤油入れたつけだれ。あとは昨日の晩御飯の残りのカレー」
「食べてみてもいいか?」
「どうぞー」
フォークで軽々とうーめんを掴み、食べる美人さん。
「美味いな」
「ジャミル、俺は!?」
「カリムは駄目だ」
「そうか…仕方ないな」
気に入ったのかズルズル食べている。
羨ましそうに見ている主人をシカトしてまじ食いしてない?
まじまじと見ていたら凄い事に気付いた。
「うっっわ!!!
アズくんやばいことに気付いちまった!!」
「今度は何ですか」
「この黒髪さんまじで顔がいい!!!」
「ジャミルさんの顔で騒ぐほどですか?」
「オイ」
「ジャミルはカッコいいからなー!!」
「うむ。めちゃくちゃ好みの顔な事に気付いた」
「「ぶっ」」
「だ、大丈夫かジャミル!?水出すか!!」
「アズくんばっちぃ」
むせ混む二人の背中を撫でる。
おいおい、何してんだよ二人共。
「ヴィル先輩も綺麗だけど、君の方が綺麗でとっても好み」
「近い。見るな」
「ジャミルは料理も美味いし、勉強も出来るし、運動も出来るぞ!!」
「完璧かよ。やばい、結婚してください」
「貴女何言ってるんですか」
「いやまてよ……!!この学校に通ってるってことはどこかしらマイナスポイントが!!」
「遠回しに僕達のこと貶してません?」
じっ、とジャミルくんを見つめる。
そしてむせ混むのが落ち着いたのか、彼もこちらを見ること10秒。
「………顔がいい、許せる」
「ジャミルさんに騙されてますよ」
「そんなことしない」
「そーかそーか!!ジャミルを気に入ったか!!
で、式はいつだ?」
「え?この人大丈夫?
普段なら悪のりで式は何時にする?ダーリンってやりたいが………この人の目、マジだ」
「カリム、式はしない」
「式しないのか!?めでたいことだろ!!」
「おかしいな?付き合ってもいないのになぜ話が進んでる?」
「ジャミルにとってめでたいことなら俺は全力で祝いたい!!」
「カリム、話を聞け」
「そうだ!!家族にも連絡しないと!!」
「カリム!!」
ウキウキと話を進めるターバンカリム。
「私やベー奴と関わった?」
「貴女の発言がそもそもの原因ですよ名前さん」
「助けてアズえもん」
「契約書で契約してくださるなら」
「やだ」
「チッ」
必死に引き止めるジャミルくん。
あーゆー暴走機関車は本当に話聞かないからな。
よし、ここは一肌脱ごう!!←原因
「カリムくんや」
「どうした?式の日程か?」
「ジャミルくんも美人で素敵だが
君も愛らしくてとても素敵だよ」
カリムくんの顎をクイッとして微笑む。
可愛い顔だよね、話聞かないけど。
こーゆー子が雄を見せるとコロッといくよね。
「違う!!そこじゃありませんよ!!馬鹿ですか!?馬鹿でしたね!!!」
「え?ジャミルくん褒めたからカリムくんも褒めたのにこの言われよう」
「あ、えーっと……ありがと、な?」
「可愛いー。照れてるの可愛いー」なでなで
「ジャ、ジャミルッ!!」
「落ち着け」
「そうだ、落ち着けカリムくん。
私は結婚する気などないし、ジャミルくんとは出会ったばかりだ……」
「うん?」
「ジャミルくんにも選ぶ権利があり、私達は顔見知りレベルでお友達にすらなっていない」
「そ、そうだったのか!?」
「だから!!!今ここで!!
あなたのお顔に惚れました。
ジャミルくん、お友達になってください」
「断る」
バッサリと切り捨てられた。
「なぜ!?」
「面倒な予感しかしない」
「名前さんはだいたい面倒な事を引き寄せますよ」
「そんなことないってー」
「ヒント、フロイド」
「アズくん、それ答えや」
「つまり、ジャミルは結婚しないのか?」
「しないと言ってる」
「そうか!!じゃあ俺と結婚するか?」
「あらやだ、この子大丈夫?」
「カリムさんと結婚したら億万長者ですね」
「お金は大事だけど、愛してくれなきゃイヤよ」
「これからお前の事を沢山知ればいいだろ?」
「カリムの妻になるなら一夫多妻だ」
「さーせん、お断りしまっす」
私、一夫多妻はちょいと…。
「一夫多妻なんてドロドロの愛と哀しみの果てに毒盛られてしまうドラマじゃん。
やだよー、私は95歳まで生きて孫とひ孫に囲まれて幸せだったと思う〜って歌いながら死ぬんだ」
「具体的」
「毒に身体が弱っていき、儚く散る一輪の花なんて無理だよー。
毒殺されるくらいなら容疑者全員拳を唸らせてボコボコにして土に埋めてやる」
「物騒ですよ」
「あっはっはっ!!元気だなぁ」
「笑い事じゃないぞ」
「カリムくん、君とは友人でいさせておくれ」
「勿論だ!!俺とお前は今日から友達だ!!」
「「うぇーい」」
パンっと手を合わせる私達。
ジャミルくんとアズくんの目が遠くを見つめている。
「は?意味がわからないんだが」
「名前さんについて深く考える方が無駄ですよ。
あの人アホですから」
そのままのテンションで流しうーめんを再び始めた。
テッテレー
名前は、カリムとジャミルと友達になった!!
それからというもの……
「カーリームー!!」
「おっ、名前!!」
「「うぇーい」」
両手ハイタッチからの
「「うぇい、うぇい、うぇい」」
グータッチ、タッチ、グータッチ
「「うぇーい!!」」
手のひらぴらぴらー
「今日も元気だな、名前!!」
「カリムこそ元気で何よりだよ!!」
パリピみたいな挨拶が恒例となりました。
陽キャ代表のカリムのノリの良さは元の世界の友人と似ていた。
話聞かないけど……あ、友人も話聞かないタイプだったな。
「………お前ら少し静かにしてくれ」
「ジャミルきゅん、今日も素敵。バグして」
「断る」
「そんな貴女に痺れるぅ、憧れるぅ!!」
「やめてくれ」
ジャミルきゅんはオタク的推しみたいな存在。
本人は迷惑そうだが、満更でもない部分があるので推している。
出来ることならそのエロい腰に抱き着いてスーハー深呼吸したいのだが、まだ心の扉が開いていないのでやめておこう。
あとがき
出ました、彼女の大好きな流し素麺。
きっと今後も暇になるたび流す(笑)
だってここには注意する先生も校則もないからね!!
恋愛要素はまだ決まっておらぬので思わせぶりな事言ってもラブじゃない。