異世界人が行く
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「テレテッテッテ〜
テレテッテッテ〜
テレテッテーテッテーテテテテテー」
わかる?一応3分クッキングね
「さあ、皆さんこんにちは!!
本日の授業はこちら!!魔法薬!!
こちら悪ふざけするとヤバい過程なのでヤバい薬がさらにヤバいことになりヤバいことになりますのでご注意ください」
「突然の奇行ですね」
「いつものことじゃないっスか」
「そこ二人シャラーップ!!!」
白衣バサーッ
頑丈な手袋ビシッ
ゴーグルスチャッ
「出来る女は違う」ドヤァッ
「アズールくん、一緒に組みましょう」
「そうですね、よろしくお願いしますラギーさん」
「無視良くない!!」
おまっ、魔法薬だぞ!?
魔法、箒ときて薬だぞ!?
異世界人として名前さんテンション上がるに決まってんじゃん!!
「テンションぶち上がるじゃん」
「貴方は魔法薬に何を求めてるんですか?」
「魔法薬って夢あるじゃーん。
わりかし何でも作れるっしょ」
「何を作る気なんスか」
「媚薬とか惚れ薬とか?」
「馬鹿ですか貴方」
「馬鹿っスよ」
魔法薬と言ったらエッチな薬であはんな妄想するじゃん!!
「おまっ、ここ男子校だよ?
そこに咲く一輪の花にそりゃーエロチックな出来事って言ったらそーなるじゃん」
「なった場合困るの貴方ですよ」
「は?私が素直に飲むと?」
「誰に飲ます気っスか」
「とりあえず乱れたクルーウェル先生はエロそう」
「but girl
私がそんな薬をそんな簡単に飲むと?」
おやまぁ!!
真後ろに居たんですね先生!
「今日も見目麗しくエロいですね」
「授業は真面目にしろよ」
「はーい」
今日は合同授業。
このNRCは学年合同の授業がよくある。
上級生が下級生を指導したりとか。
「よろしくお願いしまーす」
「アンタ……オンボロ寮の」
「異世界から来た魔法少女(仮)でっす!!」
ペアを組むのは何やらがっちりした美人な人でした。
「おにーさんキレイですね」
「アンタ、基礎化粧品何使ってんの」
「わぁ、美意識高い系だ」
「さっさと答えなさい」
「さあ?クルーウェル先生から貰った奴なんで」
「クルーウェル先生から?」
「身一つで来たからありがたいことに用意してくれたんですよ」
だから多分ブランド物なんだろうけど気にしだしたら使えないので気にしてない。
「なるほどね」
「ちなみに今日何するんですか?」
「簡単な魔法薬の指導よ。
簡単と言ってもフザケたら怪我じゃすまないわよ」
「大丈夫です。
嫌いな生徒の大鍋に花火とか入れませんから」
「馬鹿じゃないの?
そんな事やった瞬間頭ぶっ叩くわよ」
ハリーじゃないからやらないよ?
で、自己紹介してもらったヴィル先輩の指導の元、植物園から薬草を吟味。
「うわっ、初めて来たここ」
「そうなの?誰でも入れるわよ」
「うわっ、うわぁ……めっちゃ綺麗」
太陽の光がキラキラと室内を明るく照らす。
沢山の植物は元の世界の植物園と変わらない。
ただし
「これ毒草よ。素手で触ったら腫れるわよ」
「はい」
「ここ一帯全て毒草だから覚えなさい」
「毒草ゾーンとか物騒」
「ほら、さっさと指定植物取るわよ」
「なぜ毒草を紹介した」
「初めて来たら危険な物を教えるのは常識でしょ」
「まともなご意見ありがとうございます」
で、指定の植物をゲットし調合!!
「ヴィル先輩」
「何よ」
「魔法薬ってもっと芋虫とか刻むと思ってました」
「そーゆー魔法薬もあるけど今日は薬草のみよ」
「ポーションでも作るんですかね?」
「よくわかったわね」
「まじかよ」
準備するもの
鍋、薬草、水
以上
「ポーションは簡単で安全だからよほどの事がない限り失敗しないのよ」
「なるほど」
「鍋に薬草と水入れて魔力を注ぎながら混ぜるだけ」
「はい、ヴィル先輩」
「何よ」
「魔力を注ぎながらってどーやって?」
「は?」
手から魔力ってどう放出すんの?
むしろ出せるの?
「あー…あんた魔法の無い世界から来たんだったわね……」
「ハンドパワー念じればいい?」
「箒に魔力注ぎ込む感じは覚えてる?」
「あぁ、はい」
「あんな感じでやりなさい」
まーぜてまーぜて
念じて念じて
まーぜてまーぜて
念じて念じて
「ねるねるねるね食いたい」
「無いわよそんなの」
「ちなみにこれいつまでやれば?」
「まだよ」
小学生の頃鍋に潰した葉っぱ入れてお茶とかやってたの思い出すなこれ……
「そろそろね。
こして、粗熱を取ったら完成よ」
「なるほど」
「作りなれれば中級や上級も出来るようになるけど在学中に作る物好きはいないわね」
「やっぱ上級にもなったら回復率いいんですか?」
「死にかけた人間を治すなんてことは出来ないけど、ある程度の傷は回復するわよ。
切断されのをくっつけたり、病の回復は無理ね」
「治癒魔法とどっちが便利です?」
「時と場合によって違うわ」
なるほど。
ゲーム的なポーションレベルの回復力は無いってことか。
「つまりポーションの効能はリポDか」
「ちょくちょくわけわからないこと言うわね」
「塗り薬とかはどーなってんですか?」
「塗り薬になるとまた難しくなってくるわね」
「ほぉ…」
「興味あるの?」
「こっちの世界の医療ちょっと興味ありますね」
魔法薬ワクワクするじゃん。
医療にも使えれば、イタズラにも使えるし。
粗熱を取っている間に片付けを始める。
「魔法薬って夢のような薬は作れても
万能薬みたいな人を助ける薬品はまだまだなんですね」
「薬一つで長生き出来たり
永遠の美を手に入れたりなんてご都合薬無いのよ」
「へー」
「努力もせず楽に何かを手にしようなんて考えからおかしいわ。
何事も己を磨いて手にすべきよ」
優秀で真面目でまともな生徒もいるんだ。
悪どい考えばかりの敵思考持ちというか、ゲスい考えの奴らばかりじゃない。
「ヴィル先輩推せる。
この学校来てまともな人に初めて会った気がします」
「あんた今までどんな奴と関わってんのよ」
「アズールは真面目で頑張り屋な一方、頭良すぎて他人見下しつつ頭の弱そうな生徒相手にぼったくり、幼馴染のヤクザ従える悪いやつですし」
「……そうね」
「ラギーは世話焼きで面倒見もいいし、暴力事を起こさない人の良さそうな顔してますが、ちゃっかりおごらせたり自分に利益無ければスルーですし」
「レオナのとこのヤツね」
「先生方一癖も二癖もあるし」
「そうね」
「学園長使えないアホですし」
「何も言えないわ」
「ここの学校の奴ら悪役似合いすぎてまともそうな人いないんですよね」
「あら?私が悪役似合わないとでも?」
にっ、と笑うヴィル先輩まじで美人。
けどなぜだろう……背筋がゾッとした。
私の野生の勘が……告げている。
「ヴィル先輩もヤベェヤツでしたね」
「失礼ね」
「この学校に選ばれた時点でヤバいに決まってるか」
「ぶっ叩くわよ」
スパンッて頭叩かれた。
もう叩いてますよおにーさん。
「やだー、ヴィル先輩絶対に女の子に媚薬盛って合法的に犯すタイプだー!!
何も知らないなかなか落ちない好みの女の子に自分襲わせる口実作って後から責任取れって脅すタイプだー!!
そんで子供を計画的に作って離さないってタイプだ!!」
「しないわよそんなの。
だいたい私の美しさの前にひれ伏さない人間がいるとでも?」
「綺麗だと思っても、好みか好みじゃないかって言われたら人それぞれじゃん」
「は?」
「ヴィル先輩って自分に堕ちない女好きそうだし」
「だからって犯さないわよ」
ベシリ、と再び頭を叩かれる。
「ちなみにアンタは?」
「ん?」
「私のこと綺麗って言ってたけど」
「綺麗なのは目の保養になるけど、ヴィル先輩の顔好みではないですね」
「キリッとした顔で言われると腹立つわね」
「いたっ!!
さっきからバシバシひどっ!?」
「じゃあどんな男が好みなのよアンタ」
「えー?
私この人が好きだ!!ってタイプと会ったこと無いからなぁ」
女友達と話していても好みのタイプ言ったら2次元しかいねーよと言われる。
かっこいいな、とは思うが好きになるか、と言われたらわからない。
「理想のタイプドンピシャな人に会ったらはわわわってなるかもしれませんが……」
「はわわわって何よ」
「好きだなって思って一緒に居て楽しいなら見た目も中身も関係無いんですよ」
「そんな女が一番信用ならないわね」
「わかるー。そーゆーヤツこそ地雷女の可能性ありますよね」
「地雷女」
「失礼な!!フラれ方によりますがオマエを殺して私も死ぬ!!なんて私は流石にやりませんよ。
むしろオマエにありとあらゆる不幸が降りかかるような怨念で末代まで呪ってやるから後悔して御隠居あそばせ!!って思う女子ですが」
「質悪すぎるじゃない」
そうかな?
理不尽なお別れ方したら妥当な考えでは?と思うあたり私もヴィランらしい。
泣き寝入り?やだー、それどこのプリンセス?
「悲しみに胸を痛めるより
怒りを胸に前に突き進む女子のが強くなるんです」
「可愛くないわね」
「強がりからの、狙った男に弱い部分チラッと見せるのが女の嗜みだと友人に教わりました」
「どんな友人よ」
「ヴィル先輩は失恋に泣いてる女の子慰めながら寝取りそう」
「チャンスは逃さないわ」
「流石ヴィラン」
提出用の試験管に入れて提出。
そして片付け。
「女なんて恋に悲しむより愚痴って貶して次の男見つけるの早いんですよ?
田舎ならまだしも、都会なんて次々に男から男へ転がりますよ。
初恋なんて幼少期に済ませて成長すれば初恋?いやもうあれおじさんでしょって笑い飛ばすんですよ。
一人の男に初恋から結婚なんてよほど脳内お花畑かウブな乙女しか出来ないって友人が言ってました」
「だから何なのよその友人。
正しいのか間違っているのかよくわからない知識をアンタに教えて」
恋に生き、愛に生きる狩人ですが?
「ちなみに私の初恋は幼馴染だけど、結婚したいかと言われたら……うーんって感じです」
「聞いてないわよ」
「幼馴染と初恋から結婚なんてマンガではよくありますが……実際は恋しても距離近すぎるともはや家族としか思えないので愛は愛でも家族愛ですね。
一緒に居ることが慣れすぎて周りにからかわれても何が?え?今さら何?としか思えなくて。
下着だろうが半裸だろうが成長したな…としか思えないってどう思います?」
「ちょっと黙りなさいよアンタ」
「あ、話戻すとえーっと……初恋?胸キュン?
一目惚れはあるかもしれませんが、外面いいほど中身は闇抱えてヤバいって話ですよね?
それに落ちてフラれて悲しむ女は見る目無い馬鹿ってことでOK?」
「誰もそこまで言ってないわよおバカ」
全国の女性に謝りなさい。
さーせん。
なんてやりながら片付けも終わり。
「つまり女はずる賢く生きるべき」
「まだ言ってるの?」
「世界違うとどーなんですか?
ここ、女の人に優しいなとは思いますが」
「レディを泣かせるなんて最低のクズやろうね」
「ヴィル先輩個人の考えじゃなく?」
「全世界共通だと思うけど」
「え?じゃあこの世界性犯罪とか無いんですか?」
「………は?」
「顔こわっ!!」
意味わからないし、わかりたくないって顔してよくそんな恐ろしい事考えられるな、なんて顔されてる。
あれ?私がおかしいの?
「アンタエグいほど恐ろしい事考えるわね」
「私の国じゃありましたからね」
「アンタの国頭おかしいわ」
「それほどでも」
我が国はなかなかのクレイジーだと思うよ、うん。
奥ゆかしい?いつの時代かな?
「んーっと……何の話でしたっけ?
あぁ、魔法薬!!魔法薬ってエロいですよねって話」
「そんな話一言もしてないわよ」
「性転換薬やら、媚薬やら、変身薬やら、一部分のみ変身薬やらエロいじゃないですか」
「アンタの頭がおかしいことはよーくわかったわ」
「どう頑張れば作れますかね?」
「アンタには絶対作らせないし、作らせちゃいけないわね」
「クルーウェル先生に頼むか」
「絶対に与えないように言っとくわ」
ヴィル先輩と仲良くなった。
ヴィル先輩に美への指導をされる仲になった。
あとがき
ヴィル先輩の雰囲気壊してごめんなさい。
ポーションってゲーム世界だけど
あれ魔法薬だよね?(笑)作れそうだよね?
ってことで、ポーション作り(漫画知識より)を入れましたが、おおらかな心で見てください。
テレテッテッテ〜
テレテッテーテッテーテテテテテー」
わかる?一応3分クッキングね
「さあ、皆さんこんにちは!!
本日の授業はこちら!!魔法薬!!
こちら悪ふざけするとヤバい過程なのでヤバい薬がさらにヤバいことになりヤバいことになりますのでご注意ください」
「突然の奇行ですね」
「いつものことじゃないっスか」
「そこ二人シャラーップ!!!」
白衣バサーッ
頑丈な手袋ビシッ
ゴーグルスチャッ
「出来る女は違う」ドヤァッ
「アズールくん、一緒に組みましょう」
「そうですね、よろしくお願いしますラギーさん」
「無視良くない!!」
おまっ、魔法薬だぞ!?
魔法、箒ときて薬だぞ!?
異世界人として名前さんテンション上がるに決まってんじゃん!!
「テンションぶち上がるじゃん」
「貴方は魔法薬に何を求めてるんですか?」
「魔法薬って夢あるじゃーん。
わりかし何でも作れるっしょ」
「何を作る気なんスか」
「媚薬とか惚れ薬とか?」
「馬鹿ですか貴方」
「馬鹿っスよ」
魔法薬と言ったらエッチな薬であはんな妄想するじゃん!!
「おまっ、ここ男子校だよ?
そこに咲く一輪の花にそりゃーエロチックな出来事って言ったらそーなるじゃん」
「なった場合困るの貴方ですよ」
「は?私が素直に飲むと?」
「誰に飲ます気っスか」
「とりあえず乱れたクルーウェル先生はエロそう」
「but girl
私がそんな薬をそんな簡単に飲むと?」
おやまぁ!!
真後ろに居たんですね先生!
「今日も見目麗しくエロいですね」
「授業は真面目にしろよ」
「はーい」
今日は合同授業。
このNRCは学年合同の授業がよくある。
上級生が下級生を指導したりとか。
「よろしくお願いしまーす」
「アンタ……オンボロ寮の」
「異世界から来た魔法少女(仮)でっす!!」
ペアを組むのは何やらがっちりした美人な人でした。
「おにーさんキレイですね」
「アンタ、基礎化粧品何使ってんの」
「わぁ、美意識高い系だ」
「さっさと答えなさい」
「さあ?クルーウェル先生から貰った奴なんで」
「クルーウェル先生から?」
「身一つで来たからありがたいことに用意してくれたんですよ」
だから多分ブランド物なんだろうけど気にしだしたら使えないので気にしてない。
「なるほどね」
「ちなみに今日何するんですか?」
「簡単な魔法薬の指導よ。
簡単と言ってもフザケたら怪我じゃすまないわよ」
「大丈夫です。
嫌いな生徒の大鍋に花火とか入れませんから」
「馬鹿じゃないの?
そんな事やった瞬間頭ぶっ叩くわよ」
ハリーじゃないからやらないよ?
で、自己紹介してもらったヴィル先輩の指導の元、植物園から薬草を吟味。
「うわっ、初めて来たここ」
「そうなの?誰でも入れるわよ」
「うわっ、うわぁ……めっちゃ綺麗」
太陽の光がキラキラと室内を明るく照らす。
沢山の植物は元の世界の植物園と変わらない。
ただし
「これ毒草よ。素手で触ったら腫れるわよ」
「はい」
「ここ一帯全て毒草だから覚えなさい」
「毒草ゾーンとか物騒」
「ほら、さっさと指定植物取るわよ」
「なぜ毒草を紹介した」
「初めて来たら危険な物を教えるのは常識でしょ」
「まともなご意見ありがとうございます」
で、指定の植物をゲットし調合!!
「ヴィル先輩」
「何よ」
「魔法薬ってもっと芋虫とか刻むと思ってました」
「そーゆー魔法薬もあるけど今日は薬草のみよ」
「ポーションでも作るんですかね?」
「よくわかったわね」
「まじかよ」
準備するもの
鍋、薬草、水
以上
「ポーションは簡単で安全だからよほどの事がない限り失敗しないのよ」
「なるほど」
「鍋に薬草と水入れて魔力を注ぎながら混ぜるだけ」
「はい、ヴィル先輩」
「何よ」
「魔力を注ぎながらってどーやって?」
「は?」
手から魔力ってどう放出すんの?
むしろ出せるの?
「あー…あんた魔法の無い世界から来たんだったわね……」
「ハンドパワー念じればいい?」
「箒に魔力注ぎ込む感じは覚えてる?」
「あぁ、はい」
「あんな感じでやりなさい」
まーぜてまーぜて
念じて念じて
まーぜてまーぜて
念じて念じて
「ねるねるねるね食いたい」
「無いわよそんなの」
「ちなみにこれいつまでやれば?」
「まだよ」
小学生の頃鍋に潰した葉っぱ入れてお茶とかやってたの思い出すなこれ……
「そろそろね。
こして、粗熱を取ったら完成よ」
「なるほど」
「作りなれれば中級や上級も出来るようになるけど在学中に作る物好きはいないわね」
「やっぱ上級にもなったら回復率いいんですか?」
「死にかけた人間を治すなんてことは出来ないけど、ある程度の傷は回復するわよ。
切断されのをくっつけたり、病の回復は無理ね」
「治癒魔法とどっちが便利です?」
「時と場合によって違うわ」
なるほど。
ゲーム的なポーションレベルの回復力は無いってことか。
「つまりポーションの効能はリポDか」
「ちょくちょくわけわからないこと言うわね」
「塗り薬とかはどーなってんですか?」
「塗り薬になるとまた難しくなってくるわね」
「ほぉ…」
「興味あるの?」
「こっちの世界の医療ちょっと興味ありますね」
魔法薬ワクワクするじゃん。
医療にも使えれば、イタズラにも使えるし。
粗熱を取っている間に片付けを始める。
「魔法薬って夢のような薬は作れても
万能薬みたいな人を助ける薬品はまだまだなんですね」
「薬一つで長生き出来たり
永遠の美を手に入れたりなんてご都合薬無いのよ」
「へー」
「努力もせず楽に何かを手にしようなんて考えからおかしいわ。
何事も己を磨いて手にすべきよ」
優秀で真面目でまともな生徒もいるんだ。
悪どい考えばかりの敵思考持ちというか、ゲスい考えの奴らばかりじゃない。
「ヴィル先輩推せる。
この学校来てまともな人に初めて会った気がします」
「あんた今までどんな奴と関わってんのよ」
「アズールは真面目で頑張り屋な一方、頭良すぎて他人見下しつつ頭の弱そうな生徒相手にぼったくり、幼馴染のヤクザ従える悪いやつですし」
「……そうね」
「ラギーは世話焼きで面倒見もいいし、暴力事を起こさない人の良さそうな顔してますが、ちゃっかりおごらせたり自分に利益無ければスルーですし」
「レオナのとこのヤツね」
「先生方一癖も二癖もあるし」
「そうね」
「学園長使えないアホですし」
「何も言えないわ」
「ここの学校の奴ら悪役似合いすぎてまともそうな人いないんですよね」
「あら?私が悪役似合わないとでも?」
にっ、と笑うヴィル先輩まじで美人。
けどなぜだろう……背筋がゾッとした。
私の野生の勘が……告げている。
「ヴィル先輩もヤベェヤツでしたね」
「失礼ね」
「この学校に選ばれた時点でヤバいに決まってるか」
「ぶっ叩くわよ」
スパンッて頭叩かれた。
もう叩いてますよおにーさん。
「やだー、ヴィル先輩絶対に女の子に媚薬盛って合法的に犯すタイプだー!!
何も知らないなかなか落ちない好みの女の子に自分襲わせる口実作って後から責任取れって脅すタイプだー!!
そんで子供を計画的に作って離さないってタイプだ!!」
「しないわよそんなの。
だいたい私の美しさの前にひれ伏さない人間がいるとでも?」
「綺麗だと思っても、好みか好みじゃないかって言われたら人それぞれじゃん」
「は?」
「ヴィル先輩って自分に堕ちない女好きそうだし」
「だからって犯さないわよ」
ベシリ、と再び頭を叩かれる。
「ちなみにアンタは?」
「ん?」
「私のこと綺麗って言ってたけど」
「綺麗なのは目の保養になるけど、ヴィル先輩の顔好みではないですね」
「キリッとした顔で言われると腹立つわね」
「いたっ!!
さっきからバシバシひどっ!?」
「じゃあどんな男が好みなのよアンタ」
「えー?
私この人が好きだ!!ってタイプと会ったこと無いからなぁ」
女友達と話していても好みのタイプ言ったら2次元しかいねーよと言われる。
かっこいいな、とは思うが好きになるか、と言われたらわからない。
「理想のタイプドンピシャな人に会ったらはわわわってなるかもしれませんが……」
「はわわわって何よ」
「好きだなって思って一緒に居て楽しいなら見た目も中身も関係無いんですよ」
「そんな女が一番信用ならないわね」
「わかるー。そーゆーヤツこそ地雷女の可能性ありますよね」
「地雷女」
「失礼な!!フラれ方によりますがオマエを殺して私も死ぬ!!なんて私は流石にやりませんよ。
むしろオマエにありとあらゆる不幸が降りかかるような怨念で末代まで呪ってやるから後悔して御隠居あそばせ!!って思う女子ですが」
「質悪すぎるじゃない」
そうかな?
理不尽なお別れ方したら妥当な考えでは?と思うあたり私もヴィランらしい。
泣き寝入り?やだー、それどこのプリンセス?
「悲しみに胸を痛めるより
怒りを胸に前に突き進む女子のが強くなるんです」
「可愛くないわね」
「強がりからの、狙った男に弱い部分チラッと見せるのが女の嗜みだと友人に教わりました」
「どんな友人よ」
「ヴィル先輩は失恋に泣いてる女の子慰めながら寝取りそう」
「チャンスは逃さないわ」
「流石ヴィラン」
提出用の試験管に入れて提出。
そして片付け。
「女なんて恋に悲しむより愚痴って貶して次の男見つけるの早いんですよ?
田舎ならまだしも、都会なんて次々に男から男へ転がりますよ。
初恋なんて幼少期に済ませて成長すれば初恋?いやもうあれおじさんでしょって笑い飛ばすんですよ。
一人の男に初恋から結婚なんてよほど脳内お花畑かウブな乙女しか出来ないって友人が言ってました」
「だから何なのよその友人。
正しいのか間違っているのかよくわからない知識をアンタに教えて」
恋に生き、愛に生きる狩人ですが?
「ちなみに私の初恋は幼馴染だけど、結婚したいかと言われたら……うーんって感じです」
「聞いてないわよ」
「幼馴染と初恋から結婚なんてマンガではよくありますが……実際は恋しても距離近すぎるともはや家族としか思えないので愛は愛でも家族愛ですね。
一緒に居ることが慣れすぎて周りにからかわれても何が?え?今さら何?としか思えなくて。
下着だろうが半裸だろうが成長したな…としか思えないってどう思います?」
「ちょっと黙りなさいよアンタ」
「あ、話戻すとえーっと……初恋?胸キュン?
一目惚れはあるかもしれませんが、外面いいほど中身は闇抱えてヤバいって話ですよね?
それに落ちてフラれて悲しむ女は見る目無い馬鹿ってことでOK?」
「誰もそこまで言ってないわよおバカ」
全国の女性に謝りなさい。
さーせん。
なんてやりながら片付けも終わり。
「つまり女はずる賢く生きるべき」
「まだ言ってるの?」
「世界違うとどーなんですか?
ここ、女の人に優しいなとは思いますが」
「レディを泣かせるなんて最低のクズやろうね」
「ヴィル先輩個人の考えじゃなく?」
「全世界共通だと思うけど」
「え?じゃあこの世界性犯罪とか無いんですか?」
「………は?」
「顔こわっ!!」
意味わからないし、わかりたくないって顔してよくそんな恐ろしい事考えられるな、なんて顔されてる。
あれ?私がおかしいの?
「アンタエグいほど恐ろしい事考えるわね」
「私の国じゃありましたからね」
「アンタの国頭おかしいわ」
「それほどでも」
我が国はなかなかのクレイジーだと思うよ、うん。
奥ゆかしい?いつの時代かな?
「んーっと……何の話でしたっけ?
あぁ、魔法薬!!魔法薬ってエロいですよねって話」
「そんな話一言もしてないわよ」
「性転換薬やら、媚薬やら、変身薬やら、一部分のみ変身薬やらエロいじゃないですか」
「アンタの頭がおかしいことはよーくわかったわ」
「どう頑張れば作れますかね?」
「アンタには絶対作らせないし、作らせちゃいけないわね」
「クルーウェル先生に頼むか」
「絶対に与えないように言っとくわ」
ヴィル先輩と仲良くなった。
ヴィル先輩に美への指導をされる仲になった。
あとがき
ヴィル先輩の雰囲気壊してごめんなさい。
ポーションってゲーム世界だけど
あれ魔法薬だよね?(笑)作れそうだよね?
ってことで、ポーション作り(漫画知識より)を入れましたが、おおらかな心で見てください。