残念な先輩シリーズ
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※棘くんの口調が迷子なのはご理解ください。
※棘くん捏造
彼女は初対面から強烈だった。
教室にいきなり入ってきたかと思うと
いきなり五条先生のお菓子を差し出しながら
愛の告白を始めた変な人。
出会えば人前だろうと
愛を叫ぶ迷惑な人。
正直、最初は苦手どころか
ついていけず引いた。
むしろ、嫌悪感すらあった。
生まれもった呪言は
言葉を発すれば
自分の意思とは関係無く
人を呪ってしまう。
間違えた、では済まされない。
人を呪い
人を不幸にする
産まれながらに身に刻まれた呪い
大きすぎれば自分にも返ってくる諸刃の剣。
まともに話すことも出来ず
常に気をつけないと
溢れた言葉は意味を持つ。
だからこそ
意味の無いおにぎりの具だけに語彙を絞り
意思の疎通が上手くいかなくても
どうにかやっているというのに……
「棘きゅんになら呪われてもいいな」
笑って言うこの人を信用出来なかった。
何度も何度も
繰り返し言うこの人に
ある日、耐えきれずに爆発した時があった。
「おかか」
「ん?どうしたの棘きゅん」
「おかか」
「棘、どうした?」
「おい、名前が棘怒らせたぞ」
「え、私棘きゅん怒らせちゃった?」
「おかかっ!!」
同級生がいるとか関係無く
出来ることなら
この人に向かって叫びたかった。
呪われたいなんて言うなと
好きだと言うなと
愛してると言うなと
自分と出会えて幸せ?
そんなことあるわけがない。
人は皆、呪われると怖がり距離を置く。
瞳に映る世界?
お前と同じ呪いが見えてるだけだ。
隠された口元?
呪言の印を見れば皆が呪われると
怖れるのに?
「おかか!!」
フザケンナ。
人の苦労も、悲しみも、辛さも
何もかも知らないくせに!!
全ての思いを込めて
この人を罵倒した。
発する言葉はおにぎりの具だが
この人はきょとんとして
黙って聞いていた。
はぁはぁと、息が切れる。
こんな時さえ
言いたい言葉が言えない。
伝わらない。
言ったらこの人は呪われる。
「棘くん」
ふわりと、抱き締められた。
「好きだよ。愛してる」
「おかか!!」(嘘だ)
「棘くんは私を信じられなくていい。
私は棘くんに伝わるまで
何度でも愛を叫ぶよ」
「おかかっ」(いらない、言うな)
「棘くんが嫌がっても
私は優しい棘くんが大好きなんだ」
「………高菜」(優しい?)
「私を嫌だと思っているのに
棘くんは私の相手をしてくれるでしょ?
私を罵倒していても
呪言は使わないでいてくれる。
ただ一言"近寄るな"って
言ってくれればいいのに」
「おかか………明太子」(嫌いでも、使わない)
「私、一応ごじょ先からしごかれて
呪言対策もバッチリだよ。
だから呪言効かないし
万が一呪いがかかってもご褒美だし
むしろ、呪いかかったら
私が未熟だってことだよね」
「昆布」(は?馬鹿なの?)
「大好きな人と話したいし
大好きな優しい人からの呪いなんて
私からしたらご褒美だよね」
にひっ、と笑う彼女に……
怒ることが
馬鹿馬鹿しくなってしまった。
「棘くん」
「………高菜」(なに)
「棘くんは自分が好きじゃないでしょ?
だからその分、私が棘くんを愛すよ。
棘くんが自分を嫌うなら
その分私がいっぱい棘くんの
素敵なとこ、愛しいとこ、かっこいいとこ!!
ぜーんぶ伝えて、愛してると叫ぶよ」
「すじこ」(何でそこまでするの?)
「棘くんが自分を好きになってくれるように
棘くんの魅力を沢山見つけて沢山伝えるのが
私の使命だからだね!!」
「おかか」(頭おかしい)
「おかしいかな?
棘くんは素敵な人だもの。
私だけじゃなく、皆思ってるのに
棘くんが認めてあげなきゃ」
「おかか」(そんなことあるわけない)
「棘くん」
にっこりと笑顔を向ける彼女。
可愛いくて
人懐っこくて
明るくて
皆に好かれるような存在の彼女が
羨ましくあった。
彼女の周りには
人が集まり
彼女の周りには
笑顔が溢れる。
「私が笑っていられるのは
棘くんがいるからだよ」
そんな彼女が
自分を好いてくれているだなんて
期待しちゃいけない。
「棘くんが信じてくれるまで
私は何度だって伝えるよ」
「………明太子」(勝手にしなよ)
「うん!!」
「………とりあえず終わったのか?」
「痴話喧嘩なら他所でやれよ」
「おかか!!」(痴話喧嘩じゃない!!)
「真希ちゃん、パンダ!!
私の愛が棘きゅんに伝わるまで
全力で応援してね!!」
「うざい」
「棘の迷惑考えような」
「しゃけ」(本当迷惑)
「後輩が辛辣!!」
自分の爆発した不満でさえ
受け入れて笑いに変える彼女。
少しだけ……
ほんの少しだけ
彼女を受け入れようと思った。
「棘きゅん!!水やり?」
「しゃけ」(うん)
「今何育ててるの?」
「明太子」(色々)
花壇の水やりをしていたら
どこからともなく現れた名前。
如雨露で水を撒く自分の隣に立つ名前を
横目で眺める。
少しだけ名前の方が身長が低いため
後頭部が見える。
あれからどんなに遠くにいても
どこからともなく現れたり
大声で名前を叫ばれたり
目の前に来たら来たで
ペラペラと止まらない本人いわく"愛情"に
慣れてしまった自分。
最近はスキンシップも加えられ
凄い勢いで来るので
避けてしまうが
必ず引っ付いてくる。
そして大げさに地面に転がるので
呆れてしまう。
「棘きゅんが育てたお花なら
きっと宇宙一綺麗に咲くね!!」
「昆布」(宇宙一って何だよ)
「棘きゅんの優しさはバ○ァリンよりも
多いからね!!
優しさの塊から注がれる命の水で
種は発芽し
いきいきと大地から養分を頂き
力強い根を張り巡らせ
棘きゅんの愛情と優しさと神々しさにより
宇宙一可憐な花が開くんだよ!!」
「筋子」(どんな理屈だよ。馬鹿だろ)
「馬鹿って言った!!ありがとう!!」
「明太子」(くっつくな、離れて)
「細いのにしっかりとした筋肉が
堪らない……っ
棘きゅんってわりと筋肉あるよね」
「高菜」(鍛えてますから)
「棘くん、大好きっ」
洗脳されてきたのか
最近では名前への嫌悪感もなくなり
好意を受け入れつつある自分がいた。
自分のことを好きだとは思えない。
だけど呆れるほど馬鹿な先輩は
全力で自分のことを
愛してると叫んでくれる。
そんな名前を
蔑ろにすることも出来ず
受け入れることも出来ず
のらりくらりとかわしている。
好きか、嫌いかで言うなら
名前のことは好きだと思う。
好きだと思うが
与えられる愛の大きさに
自分が返せるものが少な過ぎて
釣り合いが取れないと思うと
名前からの好意を
完全に受け入れることが出来ないでいる。
「あ、棘きゅんこれから任務だって」
「高菜?」(そうなの?)
「せんせーが棘きゅん指名だって」
「昆布」(もっと早く言ってよ)
「せんせーからお菓子貰いながら
話してるの聞いてたから
今教えに来たんだよー」
「筋子」(忘れてたよね?あっ、って)
「てへ」
抱き付きながら舌を出す彼女は
自分の容姿をよく理解していると思う。
なんとなく視線をずらせば
チュッ、と頬に感じる柔らかな感触に
バッと横を見る。
「棘きゅんが無事に返って来ますよーに」
「しゃけ」(何してんの!?)
「おまじない」
「明太子」(今、頬に!!)
「あ、喉の方が良かった?」
「昆布!!」(馬鹿じゃないの!?)
「きちんと喉薬持ってね」
すたこらといなくなる名前に
頭を抱えてしゃがみこむ。
どんどんとエスカレートしていく
愛情表現は、こちらの意思など関係無しに
悪化していく。
柔らかな感触を思い出して
顔中が熱くなる。
「………高菜」(ばーか)
「青春だねぇ」
「!?」
ばっ、と声の方を見れば
五条先生の姿。
「やっ、棘。
名前から聞いたかもしれないけど
任務だよ」
「昆布!!」(いつから見てた!?)
「青春はいいことだよ。
あ、けど気をつけな棘」
「筋子」(なにが!?)
「あいつ、僕に似て質悪いよ」
ニヒルに笑う担任に
お前も彼女も質が悪いと思った。
あとがき
めちゃくちゃ捏造棘きゅん。
おにぎりの具は適当です(笑)
※棘くん捏造
彼女は初対面から強烈だった。
教室にいきなり入ってきたかと思うと
いきなり五条先生のお菓子を差し出しながら
愛の告白を始めた変な人。
出会えば人前だろうと
愛を叫ぶ迷惑な人。
正直、最初は苦手どころか
ついていけず引いた。
むしろ、嫌悪感すらあった。
生まれもった呪言は
言葉を発すれば
自分の意思とは関係無く
人を呪ってしまう。
間違えた、では済まされない。
人を呪い
人を不幸にする
産まれながらに身に刻まれた呪い
大きすぎれば自分にも返ってくる諸刃の剣。
まともに話すことも出来ず
常に気をつけないと
溢れた言葉は意味を持つ。
だからこそ
意味の無いおにぎりの具だけに語彙を絞り
意思の疎通が上手くいかなくても
どうにかやっているというのに……
「棘きゅんになら呪われてもいいな」
笑って言うこの人を信用出来なかった。
何度も何度も
繰り返し言うこの人に
ある日、耐えきれずに爆発した時があった。
「おかか」
「ん?どうしたの棘きゅん」
「おかか」
「棘、どうした?」
「おい、名前が棘怒らせたぞ」
「え、私棘きゅん怒らせちゃった?」
「おかかっ!!」
同級生がいるとか関係無く
出来ることなら
この人に向かって叫びたかった。
呪われたいなんて言うなと
好きだと言うなと
愛してると言うなと
自分と出会えて幸せ?
そんなことあるわけがない。
人は皆、呪われると怖がり距離を置く。
瞳に映る世界?
お前と同じ呪いが見えてるだけだ。
隠された口元?
呪言の印を見れば皆が呪われると
怖れるのに?
「おかか!!」
フザケンナ。
人の苦労も、悲しみも、辛さも
何もかも知らないくせに!!
全ての思いを込めて
この人を罵倒した。
発する言葉はおにぎりの具だが
この人はきょとんとして
黙って聞いていた。
はぁはぁと、息が切れる。
こんな時さえ
言いたい言葉が言えない。
伝わらない。
言ったらこの人は呪われる。
「棘くん」
ふわりと、抱き締められた。
「好きだよ。愛してる」
「おかか!!」(嘘だ)
「棘くんは私を信じられなくていい。
私は棘くんに伝わるまで
何度でも愛を叫ぶよ」
「おかかっ」(いらない、言うな)
「棘くんが嫌がっても
私は優しい棘くんが大好きなんだ」
「………高菜」(優しい?)
「私を嫌だと思っているのに
棘くんは私の相手をしてくれるでしょ?
私を罵倒していても
呪言は使わないでいてくれる。
ただ一言"近寄るな"って
言ってくれればいいのに」
「おかか………明太子」(嫌いでも、使わない)
「私、一応ごじょ先からしごかれて
呪言対策もバッチリだよ。
だから呪言効かないし
万が一呪いがかかってもご褒美だし
むしろ、呪いかかったら
私が未熟だってことだよね」
「昆布」(は?馬鹿なの?)
「大好きな人と話したいし
大好きな優しい人からの呪いなんて
私からしたらご褒美だよね」
にひっ、と笑う彼女に……
怒ることが
馬鹿馬鹿しくなってしまった。
「棘くん」
「………高菜」(なに)
「棘くんは自分が好きじゃないでしょ?
だからその分、私が棘くんを愛すよ。
棘くんが自分を嫌うなら
その分私がいっぱい棘くんの
素敵なとこ、愛しいとこ、かっこいいとこ!!
ぜーんぶ伝えて、愛してると叫ぶよ」
「すじこ」(何でそこまでするの?)
「棘くんが自分を好きになってくれるように
棘くんの魅力を沢山見つけて沢山伝えるのが
私の使命だからだね!!」
「おかか」(頭おかしい)
「おかしいかな?
棘くんは素敵な人だもの。
私だけじゃなく、皆思ってるのに
棘くんが認めてあげなきゃ」
「おかか」(そんなことあるわけない)
「棘くん」
にっこりと笑顔を向ける彼女。
可愛いくて
人懐っこくて
明るくて
皆に好かれるような存在の彼女が
羨ましくあった。
彼女の周りには
人が集まり
彼女の周りには
笑顔が溢れる。
「私が笑っていられるのは
棘くんがいるからだよ」
そんな彼女が
自分を好いてくれているだなんて
期待しちゃいけない。
「棘くんが信じてくれるまで
私は何度だって伝えるよ」
「………明太子」(勝手にしなよ)
「うん!!」
「………とりあえず終わったのか?」
「痴話喧嘩なら他所でやれよ」
「おかか!!」(痴話喧嘩じゃない!!)
「真希ちゃん、パンダ!!
私の愛が棘きゅんに伝わるまで
全力で応援してね!!」
「うざい」
「棘の迷惑考えような」
「しゃけ」(本当迷惑)
「後輩が辛辣!!」
自分の爆発した不満でさえ
受け入れて笑いに変える彼女。
少しだけ……
ほんの少しだけ
彼女を受け入れようと思った。
「棘きゅん!!水やり?」
「しゃけ」(うん)
「今何育ててるの?」
「明太子」(色々)
花壇の水やりをしていたら
どこからともなく現れた名前。
如雨露で水を撒く自分の隣に立つ名前を
横目で眺める。
少しだけ名前の方が身長が低いため
後頭部が見える。
あれからどんなに遠くにいても
どこからともなく現れたり
大声で名前を叫ばれたり
目の前に来たら来たで
ペラペラと止まらない本人いわく"愛情"に
慣れてしまった自分。
最近はスキンシップも加えられ
凄い勢いで来るので
避けてしまうが
必ず引っ付いてくる。
そして大げさに地面に転がるので
呆れてしまう。
「棘きゅんが育てたお花なら
きっと宇宙一綺麗に咲くね!!」
「昆布」(宇宙一って何だよ)
「棘きゅんの優しさはバ○ァリンよりも
多いからね!!
優しさの塊から注がれる命の水で
種は発芽し
いきいきと大地から養分を頂き
力強い根を張り巡らせ
棘きゅんの愛情と優しさと神々しさにより
宇宙一可憐な花が開くんだよ!!」
「筋子」(どんな理屈だよ。馬鹿だろ)
「馬鹿って言った!!ありがとう!!」
「明太子」(くっつくな、離れて)
「細いのにしっかりとした筋肉が
堪らない……っ
棘きゅんってわりと筋肉あるよね」
「高菜」(鍛えてますから)
「棘くん、大好きっ」
洗脳されてきたのか
最近では名前への嫌悪感もなくなり
好意を受け入れつつある自分がいた。
自分のことを好きだとは思えない。
だけど呆れるほど馬鹿な先輩は
全力で自分のことを
愛してると叫んでくれる。
そんな名前を
蔑ろにすることも出来ず
受け入れることも出来ず
のらりくらりとかわしている。
好きか、嫌いかで言うなら
名前のことは好きだと思う。
好きだと思うが
与えられる愛の大きさに
自分が返せるものが少な過ぎて
釣り合いが取れないと思うと
名前からの好意を
完全に受け入れることが出来ないでいる。
「あ、棘きゅんこれから任務だって」
「高菜?」(そうなの?)
「せんせーが棘きゅん指名だって」
「昆布」(もっと早く言ってよ)
「せんせーからお菓子貰いながら
話してるの聞いてたから
今教えに来たんだよー」
「筋子」(忘れてたよね?あっ、って)
「てへ」
抱き付きながら舌を出す彼女は
自分の容姿をよく理解していると思う。
なんとなく視線をずらせば
チュッ、と頬に感じる柔らかな感触に
バッと横を見る。
「棘きゅんが無事に返って来ますよーに」
「しゃけ」(何してんの!?)
「おまじない」
「明太子」(今、頬に!!)
「あ、喉の方が良かった?」
「昆布!!」(馬鹿じゃないの!?)
「きちんと喉薬持ってね」
すたこらといなくなる名前に
頭を抱えてしゃがみこむ。
どんどんとエスカレートしていく
愛情表現は、こちらの意思など関係無しに
悪化していく。
柔らかな感触を思い出して
顔中が熱くなる。
「………高菜」(ばーか)
「青春だねぇ」
「!?」
ばっ、と声の方を見れば
五条先生の姿。
「やっ、棘。
名前から聞いたかもしれないけど
任務だよ」
「昆布!!」(いつから見てた!?)
「青春はいいことだよ。
あ、けど気をつけな棘」
「筋子」(なにが!?)
「あいつ、僕に似て質悪いよ」
ニヒルに笑う担任に
お前も彼女も質が悪いと思った。
あとがき
めちゃくちゃ捏造棘きゅん。
おにぎりの具は適当です(笑)