夏油
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※凛としてと繋がってます。
※微妙に0巻ネタあり。
彼女は私にとって
眩しい存在だった。
四人しかいない同級生。
恋仲になることは無いと
思っていたのに
気付けば彼女の隣にいて
弱いくせに、頑固で
守れないくせに、頑張って
後悔するくせに、泣かない
ちくはぐでありながら
凛とする彼女を
愛おしいと思ってしまった。
彼女はお日様のような子だった。
元気が取り柄で
いつも笑っていた。
その笑顔が、私達は好きだった。
いつ死ぬかわからない
今日いた友が明日にはいない。
そんな日々の中
彼女はいつだって
楽しそうに笑っていた。
そんな彼女の隣が居心地良くて
手離したくなくて
私から一歩、彼女に踏み込んだ。
「好きだよ」
私がそう、伝えれば
きょとんとしたかと思えば
ぶわっと一気に顔が赤く染まる。
キョロキョロと視線をさ迷わせ
困ったように
けど、赤らめた顔のまま
笑って「私も好き」と答えてくれたとき
抱き締めて、キスをした。
照れながらも
はっきりと想いを口にし
全身で愛を叫ぶ彼女に
私は確かに幸せだった。
私が思い悩んでいた時も
何も言わずに側にいてくれた。
馬鹿な話をしようか、と
彼女に打ち明けてみようかと思ったが
彼女は私を否定するだろう。
彼女にとって、呪術師は世界だった。
なぜ、呪術師を大切にするのか
聞いたことがあった。
彼女は笑ってよくある話だと言っていたが
その内容は笑えないもので
非術師の中に産まれ
見えないものが見え
他人と違う彼女に両親は恐怖し
彼女を化け物の子と殴り付けた。
友達も出来ず
両親からも愛されず
虐げられていた。
彼女を受け入れたのは呪術界だった。
両親から離され
保護され
引き取ったのが夜蛾先生だったと。
非術師が憎くないのか聞いたことが
彼女は笑って答えた。
「彼らを憎んだり、恨んだところで
私のような子が救われるわけじゃない。
彼らがいなくなっても
世界のどこかで誰かが同じことをしてる。
なら、私は
その人達全員を恨み、憎み、殺しても
次々現れる度、復讐しても
終わりは来ない。
誰かを憎むより
私は誰かを救いたい。
笑って感謝されたら
嬉しいよね」
その代わり
「私は呪術師を優先する。
非術師より、呪術師を。
一人でも呪術師が生き残れば
非術師を守ることに繋がるなら
私は力無き者より
力ある者を優先する」
「酷いでしょ?
私の世界は"呪術師"で出来てるんだから」
そう言いながら
困ったように笑った彼女を
私は守りたかった。
呪術師が欠ければ
彼女の世界が欠ける。
その度に彼女は
泣くのをこらえ
立ち上がり
その悲しみを糧に
強くなろうとする。
世界が呪術師だけになれば
彼女はもう、悲しまなくて済むだろうか?
世界から非術師が消えれば
彼女のような子はいなくなるだろうか?
私の大義を
彼女のことを理由にはしたくない。
しかし
私の目指す世界で
彼女が幸せになってくれるなら……
今、彼女の世界を私が壊すことになっても
彼女は立ち上がり、前に進むだろう。
悲しみも、涙も、苦しみも
全て飲み込み
彼女は立ち上がり、進む。
彼女は弱く、強いから………
「お前、名前はどーすんだよ!!」
悟が怒っている。
私の離反に、硝子は子供だと笑い
悟は無理だと怒る。
彼女は……?
馬鹿だと笑うか?
そんなことしなくていいと怒るか?
ただ、泣いてしまうか?
いや
彼女は全ての感情を飲み込んで
私の前に凛と立つのだろう。
私が彼女の世界を壊すなら
彼女は守るために強くなり
私の前に立つのだろう。
「名前に伝えといてくれないか」
「自分で言えよ!!」
「ごめん、って」
ごめん、置いていく。
ーー君は連れて行かれることを望まないだろ?
ごめん、世界を壊す。
ーー君が大切にしていると知りながら
私は君の世界を欠けさせる。
ごめん、側にいられない。
ーー君が大切だと思うのに
私は君を壊して笑う。
ごめん、ごめん、ごめん。
私は君と顔を合わせて送る言葉が無い。
捨てて行く私を
どうか許さないで。
そして、忘れないでと思うのは
私の我が儘だ。
君を愛しているから
君と似た境遇の子供達を見捨てられなかった。
君を愛しているから
君の世界を守りたかった。
君を愛しているから
君が笑える世界を見せたかった。
例えソレが
道を別つことになっても。
君が笑ってくれないと知っていても
私は私の大義のために進む。
9年後
高専に戦争を仕掛けに、宣戦布告をする。
先生も、悟も、名前もいる中
私は彼女の目の前で
彼女の世界を壊す宣言をする。
彼女を忘れたことは無かった。
今でも愛おしいと思っている。
私の腕の中で
何も考えず、笑っていてほしいと……
だが
そんな彼女なら
私は彼女を好きにはならなかっただろう。
こちらを見て
凛として立つ彼女を
私は好きになったのだから。
「名前
あの時は連れて行けなかったが
今なら共に歩めるよ。
一緒に来ないか?」
手を差し伸べてみるが
彼女は動かない。
ポカンと間抜けな顔をしていて
不覚にも笑ってしまう。
可愛いくて
愛おしい
私の名前。
悟が守るように
立ち塞がるのは
少々気に入らないが。
君がそちらを捨てて
こちらに来たら
私は君に幻滅してしまうのだろうね。
心にもない
誘いを残し
君の前から立ち去る。
乙骨から里香を奪えず
学生にやられた私の前に立つのは悟。
「何か言い残すことはあるか」
「…………
誰がなんと言おうと非術師は嫌いだ
でも別に高専の連中まで
憎かったわけじゃない
ただ、この世界では
私は心から笑えなかった」
「傑、名前から伝言
"来世で待ってて"
妬けるくらい一途だよ」
「はっ
最期くらい呪いの言葉を吐けよ」
大地に根を張り
栄養を蓄え
凛として咲く彼女が好きだった。
悲しくても、辛くても
弱音を吐かずに
糧にして進む君。
君を支えていたかったはずなのに
思い続けた愛は歪み
いつしか君を折ることばかり望んでいた。
弱さを見せるのに
弱音を吐かない君は
どうしたら頼ってくれるのか。
なぜ、そんな傷付いても
立ち上がり、進もうとするのか。
大事に囲わせてくれない君が
どうしたら
折れてくれるのか……
そもそもが、間違えていたのにね。
大地に根を張り栄養を取る君は
雨風に晒されても
どんな厳しい困難でも
大地がある限り
根を張る限り
何度でも咲き誇る。
ならば、私は囲いではなく
彼女の根が抜けないよう
土となり、大地となるべきだったのに
私が選んだのは
君を踏みつけることばかり。
そんな私を
君は今も笑ってくれるなんて
お人好しなのか、馬鹿なのか……
情けないけど
やはり
君を愛している。
あとがき
愛ほど歪んだ呪いは無い。
最初は純粋に好きでいても
呪術界女子って強いから(笑)(笑)
三輪ちゃんの感性が特別です(笑)
そう思うと
呪術界での恋愛って
大変そう(笑)
思い通りにいかなすぎて(笑)
純愛となるには
なかなか厳しそうですよね。
そう考えると
私もヒロイン強めだなー。
ほら、じゃないと呪術界は
一瞬で亡くなるので。
か弱い女子……生き残れるかな?
絶望しかない(笑)
※微妙に0巻ネタあり。
彼女は私にとって
眩しい存在だった。
四人しかいない同級生。
恋仲になることは無いと
思っていたのに
気付けば彼女の隣にいて
弱いくせに、頑固で
守れないくせに、頑張って
後悔するくせに、泣かない
ちくはぐでありながら
凛とする彼女を
愛おしいと思ってしまった。
彼女はお日様のような子だった。
元気が取り柄で
いつも笑っていた。
その笑顔が、私達は好きだった。
いつ死ぬかわからない
今日いた友が明日にはいない。
そんな日々の中
彼女はいつだって
楽しそうに笑っていた。
そんな彼女の隣が居心地良くて
手離したくなくて
私から一歩、彼女に踏み込んだ。
「好きだよ」
私がそう、伝えれば
きょとんとしたかと思えば
ぶわっと一気に顔が赤く染まる。
キョロキョロと視線をさ迷わせ
困ったように
けど、赤らめた顔のまま
笑って「私も好き」と答えてくれたとき
抱き締めて、キスをした。
照れながらも
はっきりと想いを口にし
全身で愛を叫ぶ彼女に
私は確かに幸せだった。
私が思い悩んでいた時も
何も言わずに側にいてくれた。
馬鹿な話をしようか、と
彼女に打ち明けてみようかと思ったが
彼女は私を否定するだろう。
彼女にとって、呪術師は世界だった。
なぜ、呪術師を大切にするのか
聞いたことがあった。
彼女は笑ってよくある話だと言っていたが
その内容は笑えないもので
非術師の中に産まれ
見えないものが見え
他人と違う彼女に両親は恐怖し
彼女を化け物の子と殴り付けた。
友達も出来ず
両親からも愛されず
虐げられていた。
彼女を受け入れたのは呪術界だった。
両親から離され
保護され
引き取ったのが夜蛾先生だったと。
非術師が憎くないのか聞いたことが
彼女は笑って答えた。
「彼らを憎んだり、恨んだところで
私のような子が救われるわけじゃない。
彼らがいなくなっても
世界のどこかで誰かが同じことをしてる。
なら、私は
その人達全員を恨み、憎み、殺しても
次々現れる度、復讐しても
終わりは来ない。
誰かを憎むより
私は誰かを救いたい。
笑って感謝されたら
嬉しいよね」
その代わり
「私は呪術師を優先する。
非術師より、呪術師を。
一人でも呪術師が生き残れば
非術師を守ることに繋がるなら
私は力無き者より
力ある者を優先する」
「酷いでしょ?
私の世界は"呪術師"で出来てるんだから」
そう言いながら
困ったように笑った彼女を
私は守りたかった。
呪術師が欠ければ
彼女の世界が欠ける。
その度に彼女は
泣くのをこらえ
立ち上がり
その悲しみを糧に
強くなろうとする。
世界が呪術師だけになれば
彼女はもう、悲しまなくて済むだろうか?
世界から非術師が消えれば
彼女のような子はいなくなるだろうか?
私の大義を
彼女のことを理由にはしたくない。
しかし
私の目指す世界で
彼女が幸せになってくれるなら……
今、彼女の世界を私が壊すことになっても
彼女は立ち上がり、前に進むだろう。
悲しみも、涙も、苦しみも
全て飲み込み
彼女は立ち上がり、進む。
彼女は弱く、強いから………
「お前、名前はどーすんだよ!!」
悟が怒っている。
私の離反に、硝子は子供だと笑い
悟は無理だと怒る。
彼女は……?
馬鹿だと笑うか?
そんなことしなくていいと怒るか?
ただ、泣いてしまうか?
いや
彼女は全ての感情を飲み込んで
私の前に凛と立つのだろう。
私が彼女の世界を壊すなら
彼女は守るために強くなり
私の前に立つのだろう。
「名前に伝えといてくれないか」
「自分で言えよ!!」
「ごめん、って」
ごめん、置いていく。
ーー君は連れて行かれることを望まないだろ?
ごめん、世界を壊す。
ーー君が大切にしていると知りながら
私は君の世界を欠けさせる。
ごめん、側にいられない。
ーー君が大切だと思うのに
私は君を壊して笑う。
ごめん、ごめん、ごめん。
私は君と顔を合わせて送る言葉が無い。
捨てて行く私を
どうか許さないで。
そして、忘れないでと思うのは
私の我が儘だ。
君を愛しているから
君と似た境遇の子供達を見捨てられなかった。
君を愛しているから
君の世界を守りたかった。
君を愛しているから
君が笑える世界を見せたかった。
例えソレが
道を別つことになっても。
君が笑ってくれないと知っていても
私は私の大義のために進む。
9年後
高専に戦争を仕掛けに、宣戦布告をする。
先生も、悟も、名前もいる中
私は彼女の目の前で
彼女の世界を壊す宣言をする。
彼女を忘れたことは無かった。
今でも愛おしいと思っている。
私の腕の中で
何も考えず、笑っていてほしいと……
だが
そんな彼女なら
私は彼女を好きにはならなかっただろう。
こちらを見て
凛として立つ彼女を
私は好きになったのだから。
「名前
あの時は連れて行けなかったが
今なら共に歩めるよ。
一緒に来ないか?」
手を差し伸べてみるが
彼女は動かない。
ポカンと間抜けな顔をしていて
不覚にも笑ってしまう。
可愛いくて
愛おしい
私の名前。
悟が守るように
立ち塞がるのは
少々気に入らないが。
君がそちらを捨てて
こちらに来たら
私は君に幻滅してしまうのだろうね。
心にもない
誘いを残し
君の前から立ち去る。
乙骨から里香を奪えず
学生にやられた私の前に立つのは悟。
「何か言い残すことはあるか」
「…………
誰がなんと言おうと非術師は嫌いだ
でも別に高専の連中まで
憎かったわけじゃない
ただ、この世界では
私は心から笑えなかった」
「傑、名前から伝言
"来世で待ってて"
妬けるくらい一途だよ」
「はっ
最期くらい呪いの言葉を吐けよ」
大地に根を張り
栄養を蓄え
凛として咲く彼女が好きだった。
悲しくても、辛くても
弱音を吐かずに
糧にして進む君。
君を支えていたかったはずなのに
思い続けた愛は歪み
いつしか君を折ることばかり望んでいた。
弱さを見せるのに
弱音を吐かない君は
どうしたら頼ってくれるのか。
なぜ、そんな傷付いても
立ち上がり、進もうとするのか。
大事に囲わせてくれない君が
どうしたら
折れてくれるのか……
そもそもが、間違えていたのにね。
大地に根を張り栄養を取る君は
雨風に晒されても
どんな厳しい困難でも
大地がある限り
根を張る限り
何度でも咲き誇る。
ならば、私は囲いではなく
彼女の根が抜けないよう
土となり、大地となるべきだったのに
私が選んだのは
君を踏みつけることばかり。
そんな私を
君は今も笑ってくれるなんて
お人好しなのか、馬鹿なのか……
情けないけど
やはり
君を愛している。
あとがき
愛ほど歪んだ呪いは無い。
最初は純粋に好きでいても
呪術界女子って強いから(笑)(笑)
三輪ちゃんの感性が特別です(笑)
そう思うと
呪術界での恋愛って
大変そう(笑)
思い通りにいかなすぎて(笑)
純愛となるには
なかなか厳しそうですよね。
そう考えると
私もヒロイン強めだなー。
ほら、じゃないと呪術界は
一瞬で亡くなるので。
か弱い女子……生き残れるかな?
絶望しかない(笑)