先輩ifシリーズ
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※色々な悟くん襲来
「悟……?」
「あ?誰だよあんた」
「悟……なのかい?」
「うるさいよ、変な前髪」
「ちっさ」
「こっち見んな」
威嚇する小さな白い子供。
見覚えのある大きさではないものの
確実に見覚えのある子供。
ことは数分前に遡る。
年末も近いからと
寮の大掃除を言い渡され
大和とノリにのってしまい
集められたガラクタ達。
「やっちまったな」
「楽しくなっちゃったもんね」
「ここまで出てくるとはなー」
「ねー?」
集められたガラクタの中には
本当のガラクタと
いわくつきのガラクタが
ごちゃまぜに混ざっている。
「何してんの?」
「うわっ、出た!!」
「お疲れ様です、先輩方」
「これ何ですかー?」
仲良く登場した問題児三人組。
目の前のガラクタの山に
それぞれが興味を示す。
「大掃除してたら
次々と出てきちゃった
いわくつきのガラクタ」
「まじかよ」
「すっっごく地味な嫌がらせの
ガラクタ達があります」
「俺片付けようか?」
「悟が?」
「術式使ってぐしゃっと」
「悟、いわくつきと言っただろう?」
「そんな大したこと無いものばっかだろ?」
「だと、いーんだけど……」
邪魔なことは確かだし
悟ならば、どうにかなることもわかっている。
「何もなきゃいーけどな」
「大和、それフラグだよ」
悟がまとめてぐしゃり、と
ガラクタをまとめた瞬間
何かが光った。
「何が!?」
「悟!!」
光はすぐにおさまったのだが
そこにいたのは、着物姿の小さな悟らしい子供。
そして、冒頭に戻る。
どうしようか迷っていると
全員がこちらを見てくるので
小さな悟と視線を合わせて話しかける。
「……」
「えっと……悟で合ってるのかな?」
「ここどこだよ」
「高専だけど……ちょっと本来の悟が
いわくつきの物術式で掃除してたら
君が現れたんだ」
「……あんたは」
「悟の先輩の名前だよ」
にっこり笑うと
少しだけ殺気が無くなる。
まだ警戒はしているものの
少し心を開いてくれているらしい。
「悟くんは今何歳?」
「6」
「ちっちっち、お菓子やるからこーい」
「大和先輩……犬、猫じゃないんだから」
「見た目だけは可愛いのにね」
「君たち、真面目にやってよ」
後ろで騒ぐ三人に
呆れた視線を向けていたら
突然、誰かに抱き締められた。
「!?先輩!!」
「ここどこ?何でみんな若いの?」
「お前、どこから現れた!?」
「……高専?だよね?
名前も若返ってるし…どーゆー状況?」
目隠しをした、真っ黒な服を着た大男。
抱き締められるまで誰も気付かずにいた。
「………悟?」
「うん。
名前ちゃんのだーいすきな
悟くんですよ」
「………何歳?」
「28だけど」
「どーゆー状況?」
「僕のが知りたい」
足下には小さな悟。
背中には大きな悟。
ちらり、と傑、大和、硝子を見たが
ぐっ、と親指を出されただけだった。
どうやら神は私を見捨てたらしい。
「そーいや
過去と未来の自分と出会える
トキメキ☆フューチャー
って玩具あったな」
「何ですか?それ」
「読んで字のごとくなんだろう
だからあぁなったんじゃないか?」
「「なるほど」」
「納得してないで助けてよ」
「五条担当だろ、頑張れ」
「先輩の悟だからね、ファイト」
「名前先輩が責任者ですもん、グッドラック」
「君たち、後で拳骨ね」
関わらずに
楽しむことにしたらしい三人。
さて、どーしたものかと
考えようとしたら
視界の隅で何か動いた。
「あっぶないなー
名前に当たったらどーすんだよ」
「当てるわけないし
さっさと離せよ、離れろ」
「えー、やだ」
「あ"ぁ"ん?」
「…………悟?」
「名前も何大人しく捕まってんだよ!!」
「あ、現在の悟か」
「悟まみれだな」
「ちゃっかりチビ五条が
名前にしがみついてる」
「ちゃっかりしてるな」
無下限に阻まれていて
近寄れない悟(現在)は
米神に青筋を立てながら
怒っている、
片手で名前を抱き締めながら
術式で余裕に阻んでる悟(未来)は
呆れたように悟(現在)を見ている。
「余裕の無い男は嫌われるぜ?」
「うるせーよ!!」
「……悟くん、これいつ終わるかな?」
「俺が聞きたい」
悟くん(過去)と手を繋ぎながら
言い合う二人を見る。
「悟」
「「何?」」
「………うわ、面倒くさっ」
「酷くない?」
「お前を呼んだわけじゃねーよ!!
いい加減に名前離して離れろよ!!」
「えー、別にお前のじゃないだろ?
未来の名前は僕のだから
名前は僕のだよ」
「………君たち黙れ」
「「…………はい」」
にっこり笑いながら
未来の悟手をつねって言うと
二人は大人しくなった。
術式も解いてもらい
未来と現在の悟を座らせ
過去の悟くんと手を繋いで、大和達の所へ。
「これ、どーする?」
「いつ戻るんだろーな?」
「チビ五条だけで良くない?」
「硝子、そうなると任務に支障が出るよ」
「ほっとけば戻るんじゃね?
もともと、ガラクタのいわくつきだし
危険なモノではないだろ」
「うーん……」
頭を悩ますが
いい案は出てこない。
「先輩」
「やだ」
「まだ何も言ってませんよ、先輩」
「傑、あんた私だけに押し付ける気でしょ」
「ははは、それが一番いいかと」
「傑、それをやったら
私は傑の部屋に立て籠るからね」
「止めてください。
私の部屋が悟と先輩のあれこれで
汚れるのは遠慮したい」
「何で!!悟と!!一緒なんだ!!」
「じゃあ、私と寝る気ですか?」
「傑面倒」
「もう少し遊ばせてくださいよ」
クツクツ楽しそうに笑う傑のおでこを叩く。
「硝子、どーにかならない?」
「無理です。
何かくっついたとかなら
切り落とせばいーですが……」
「どこも切り落とせないもんな」
「時間経つの待つしかないか」
「はい、名前さん」
「はい、未来の悟くん。
発言を許可します」
「その間僕ら何してればいーですか」
「過去のチビ悟くんは
硝子と私が保護いたしますが
現在と未来の悟くんは
傑と大和が保護します」
「「えー、やだ」」
ぶーぶーとブーイングを始める二人に
頭を抱える。
「うっわ……何これ
俺がいっぱいいて気持ち悪っ」
「「「「「「………………は?」」」」」」
突然聞こえた声に
そちらを向くと
また増えた悟。
しかも、現在とまったく同じ。
「………どういうこと?」
「さあ?」
「何のドッキリだい?」
「ややこしい…」
大和、傑、硝子と
頭を抱える。
新しく入ってきた……悟(現在2)は
ぐるりと部屋の中を見て
傑の方へ近寄る。
「傑、硝子あれとこれ誰?」
「???
誰がだい?」
「はぁ?
その黒髪の女と、馬鹿な髪色の奴だよ」
「………五条、それ本気?」
「お前らの知り合い?
高専の制服着てっけど……」
「………もしかして、パラレルワールド?」
「なるほど
私や硝子と同級生で
先輩や大和先輩がいない世界?」
「ありえねー」
硝子と傑が驚いた顔をしていると
パラレルワールドの悟は
こちらをめんどくさそうに見てる。
「よくわかんねーけど
いつになったら戻れんの?俺」
「さぁ?」
「あ?お前には聞いてねーよ」
「うわ、この五条性格悪っ」
「大和先輩、違いますよ
悟は性格が元々残念です」
「俺貶されてない?名前慰めて」
「僕も僕もー」
「………」
過去、現在、未来の悟に寄ってこられ
とりあえず撫でておく。
引いた顔をしながらこちらを見つめる
パラレルワールドの悟の反応は
何だか珍しい。
「名前、駄目だよ」
「何が?」
「手懐けたいって顔してる」
「まさか」
「反抗的な僕が珍しい?」
「初期の悟みたいだなーと思って」
「……俺、あんなんだった?」
「うん」
うへぇ、と表情を歪める悟。
「目の前で知らない女と
イチャつく自分を見るって結構しんどいな」
「我々は常に、だよ」
「名前先輩見るのはいいけど
五条の絡みがウザイ」
「俺、あんなウザくねーし」
「ウザイぞ、悟」
「あ?前髪引っこ抜くぞ」
「やれやれ、パラ悟はどうやら短気らしい」
「五条パラよりは現五条のがマシか」
「お前ら変な呼び方すんなし」
「悟ばかりでややこしいんだよ」
さしすトリオが何か話している。
「んー、僕そろそろ戻らないと
同じくらい時間経ってたら困るんだよね」
「忙しいの?」
「そーそー、僕大人気だから」
にっ、と笑う未来の悟。
「久々に高専時代の名前を
見れたのはラッキーだったな」
「高専でも未来でも私は私でしょ」
「この時が一番
僕にとっては楽しかったから」
ちらりと、傑、硝子、パラレル悟を
見つめる未来の悟。
懐かしそうに、微笑む姿は
どこか寂しそうだった。
そんな悟の頭を撫でると
すり寄ってくる癖は変わらないらしい。
「名前」
「なぁに?」
「どーしようもないガキな僕でも
見捨てないであげてね」
「………悟?」
「愛してるよ、名前」
頬に手を添えられ
チュッと軽いキス。
にっ、と笑う口元が見えた瞬間
未来の悟は消えていた。
「………は?」
「え、いなくなった…??」
「どーなってんの?これ」
「さあ?」
「ねえ、あんたにキスしたら
元に戻れるの?」
「いや、わかんない」
「………ちょっとしゃがんでよ」
過去の悟に言われ
わからないまましゃがむと
照れているのか
顔が真っ赤だ。
「………可愛い」
「うるさいよ」
「チビ悟がキスで戻ったら
確定なんだろうけど……アレ相手に辛いな」
「俺は自分とはいえ
名前のキスシーン見せられるとか
何の苦痛?」
「名前
………未来で会おうね」
チュッと口に軽く当てられた柔らかいもの。
真っ赤になったチビ悟が
目の前からいなくなり
これで確定する。
「………アレかぁ」
「アレだな」
まだ傑と硝子と言い合っている。
とりあえず、近付いてみようと
側に行くと、途端に嫌な顔をされた。
「あれ?過去と未来は?」
「戻っていったよ」
「おや?わかったのかい?」
「んー…とりあえず……」
「じゃあ教えろよ」
「態度がでかいな、お前」
「お前だよ」
「………名前、俺ずっと見てたけど
コレ相手にできんの?」
「大和いたの?存在感無かったよ」
「い・ま・し・た!!!」
騒ぎ出す大和を無視し
パラレルの悟の前に立つと
眉間に皺を寄せながら
見下ろしてくるパラレルの悟。
「何だよ」
「いやー、これ
私からでもOKなのかな?と思って」
「は?」
「悟、ちょっとこれ見てよ」
「あ"?何が」
両手で包んだものを
やや下の方に。
悟が覗き込もうと少しだけ
前屈みになったので
その隙にちゅっ、とキスを一つ。
驚き目を見開いた悟に
にっ、と笑う。
「来世で会おう」
「おまっ!!」
目の前から消えたパラレルの悟に
キスさえすればいいのか…と納得する。
「………先輩」
「何?」
「いーなー。
何今の。いーなーズルい」
「悟背がでかいんだもん」
「あれに引っかかる五条も
どうかと思うけどな」
「基本的に悟は単純ということだろう」
「ねーねー名前いーなー」
しつこく付きまとい
肩に頭を乗せて
騒ぐ悟に耳元がうるさい。
がっと、顎を掴んで
睨み付けると
静かになった。
「………なぁ、気になったの俺だけ?
来世でも五条と居たいの?って
つっこんでいいの?」
「そこはそっとしておけ」
「なんだかんだで
先輩は悟が大好きってことですね」
「だな」
大和、硝子、傑の目の前には
しょんぼりしたまま
いじけだした悟を
呆れながら慰める名前の姿。
そして、いきなり復活したと思ったら
名前の顔中にキスを落とす悟。
「バカップルだ」
「はははっ、ちょっと呪霊飛ばしますか」
「焼きもちか、夏油」
「まさか」
「男の嫉妬は見苦しいぞ」
「そう言いながら硝子
その手に構えてるメス何だ?」
「ちょっと投げてやろうかと」
「女の嫉妬も見苦しいよ」
「うん、お前らが
名前大好きなのわかったから」
傑と硝子が
お互いに無言で見つめあうと
そのまま小走りに名前と悟のところへ。
そして傑が引っ付く悟をポイっとし
硝子と傑が名前に引っ付く。
ポカンとしていた悟だったが
すぐに名前に抱き付き
名前が2年達に抱き潰されていた。
「本当、好かれてるな」
くすり、と笑って
大和もその輪の中へ
これは
幸せだった時間
「悟さん、どこへ?」
「……別に」
幼き少年は
未来に出会う人への思いを胸に
「五条さん?」
「あー伊地知か」
「すいません、寝てましたか?」
「いや、大丈夫
ちょっとだけ……
いい夢を見せてもらってただけ」
「?」
未来の男は
過去の輝きに目を細め想いを終い
「悟?寝てるのかい?」
「起きろよ、五条」
「………戻った?」
「寝惚けてんの?」
「悟、ボケるにはまだ早いぞ」
「うるせーよ、傑も硝子も」
「いい女の夢でも見てたのかよ?」
「………変な女の夢だよ」
「どんな人だい?」
「黒髪の美人で………
お前らにも俺にも好かれてるような
変わった奴」
「………五条、それは夢だ」
「悟、現実にそんな人はいないぞ」
「ココにはいねーよ、絶対」
交わることのない世界の青年は
もう会うことのない者へ幻想を抱く。
ちっぽけな日常の一つのお話。
あとがき
力尽きた(笑)
もう、途中で色々力尽きた(笑)
ごめんなさい(笑)
「悟……?」
「あ?誰だよあんた」
「悟……なのかい?」
「うるさいよ、変な前髪」
「ちっさ」
「こっち見んな」
威嚇する小さな白い子供。
見覚えのある大きさではないものの
確実に見覚えのある子供。
ことは数分前に遡る。
年末も近いからと
寮の大掃除を言い渡され
大和とノリにのってしまい
集められたガラクタ達。
「やっちまったな」
「楽しくなっちゃったもんね」
「ここまで出てくるとはなー」
「ねー?」
集められたガラクタの中には
本当のガラクタと
いわくつきのガラクタが
ごちゃまぜに混ざっている。
「何してんの?」
「うわっ、出た!!」
「お疲れ様です、先輩方」
「これ何ですかー?」
仲良く登場した問題児三人組。
目の前のガラクタの山に
それぞれが興味を示す。
「大掃除してたら
次々と出てきちゃった
いわくつきのガラクタ」
「まじかよ」
「すっっごく地味な嫌がらせの
ガラクタ達があります」
「俺片付けようか?」
「悟が?」
「術式使ってぐしゃっと」
「悟、いわくつきと言っただろう?」
「そんな大したこと無いものばっかだろ?」
「だと、いーんだけど……」
邪魔なことは確かだし
悟ならば、どうにかなることもわかっている。
「何もなきゃいーけどな」
「大和、それフラグだよ」
悟がまとめてぐしゃり、と
ガラクタをまとめた瞬間
何かが光った。
「何が!?」
「悟!!」
光はすぐにおさまったのだが
そこにいたのは、着物姿の小さな悟らしい子供。
そして、冒頭に戻る。
どうしようか迷っていると
全員がこちらを見てくるので
小さな悟と視線を合わせて話しかける。
「……」
「えっと……悟で合ってるのかな?」
「ここどこだよ」
「高専だけど……ちょっと本来の悟が
いわくつきの物術式で掃除してたら
君が現れたんだ」
「……あんたは」
「悟の先輩の名前だよ」
にっこり笑うと
少しだけ殺気が無くなる。
まだ警戒はしているものの
少し心を開いてくれているらしい。
「悟くんは今何歳?」
「6」
「ちっちっち、お菓子やるからこーい」
「大和先輩……犬、猫じゃないんだから」
「見た目だけは可愛いのにね」
「君たち、真面目にやってよ」
後ろで騒ぐ三人に
呆れた視線を向けていたら
突然、誰かに抱き締められた。
「!?先輩!!」
「ここどこ?何でみんな若いの?」
「お前、どこから現れた!?」
「……高専?だよね?
名前も若返ってるし…どーゆー状況?」
目隠しをした、真っ黒な服を着た大男。
抱き締められるまで誰も気付かずにいた。
「………悟?」
「うん。
名前ちゃんのだーいすきな
悟くんですよ」
「………何歳?」
「28だけど」
「どーゆー状況?」
「僕のが知りたい」
足下には小さな悟。
背中には大きな悟。
ちらり、と傑、大和、硝子を見たが
ぐっ、と親指を出されただけだった。
どうやら神は私を見捨てたらしい。
「そーいや
過去と未来の自分と出会える
トキメキ☆フューチャー
って玩具あったな」
「何ですか?それ」
「読んで字のごとくなんだろう
だからあぁなったんじゃないか?」
「「なるほど」」
「納得してないで助けてよ」
「五条担当だろ、頑張れ」
「先輩の悟だからね、ファイト」
「名前先輩が責任者ですもん、グッドラック」
「君たち、後で拳骨ね」
関わらずに
楽しむことにしたらしい三人。
さて、どーしたものかと
考えようとしたら
視界の隅で何か動いた。
「あっぶないなー
名前に当たったらどーすんだよ」
「当てるわけないし
さっさと離せよ、離れろ」
「えー、やだ」
「あ"ぁ"ん?」
「…………悟?」
「名前も何大人しく捕まってんだよ!!」
「あ、現在の悟か」
「悟まみれだな」
「ちゃっかりチビ五条が
名前にしがみついてる」
「ちゃっかりしてるな」
無下限に阻まれていて
近寄れない悟(現在)は
米神に青筋を立てながら
怒っている、
片手で名前を抱き締めながら
術式で余裕に阻んでる悟(未来)は
呆れたように悟(現在)を見ている。
「余裕の無い男は嫌われるぜ?」
「うるせーよ!!」
「……悟くん、これいつ終わるかな?」
「俺が聞きたい」
悟くん(過去)と手を繋ぎながら
言い合う二人を見る。
「悟」
「「何?」」
「………うわ、面倒くさっ」
「酷くない?」
「お前を呼んだわけじゃねーよ!!
いい加減に名前離して離れろよ!!」
「えー、別にお前のじゃないだろ?
未来の名前は僕のだから
名前は僕のだよ」
「………君たち黙れ」
「「…………はい」」
にっこり笑いながら
未来の悟手をつねって言うと
二人は大人しくなった。
術式も解いてもらい
未来と現在の悟を座らせ
過去の悟くんと手を繋いで、大和達の所へ。
「これ、どーする?」
「いつ戻るんだろーな?」
「チビ五条だけで良くない?」
「硝子、そうなると任務に支障が出るよ」
「ほっとけば戻るんじゃね?
もともと、ガラクタのいわくつきだし
危険なモノではないだろ」
「うーん……」
頭を悩ますが
いい案は出てこない。
「先輩」
「やだ」
「まだ何も言ってませんよ、先輩」
「傑、あんた私だけに押し付ける気でしょ」
「ははは、それが一番いいかと」
「傑、それをやったら
私は傑の部屋に立て籠るからね」
「止めてください。
私の部屋が悟と先輩のあれこれで
汚れるのは遠慮したい」
「何で!!悟と!!一緒なんだ!!」
「じゃあ、私と寝る気ですか?」
「傑面倒」
「もう少し遊ばせてくださいよ」
クツクツ楽しそうに笑う傑のおでこを叩く。
「硝子、どーにかならない?」
「無理です。
何かくっついたとかなら
切り落とせばいーですが……」
「どこも切り落とせないもんな」
「時間経つの待つしかないか」
「はい、名前さん」
「はい、未来の悟くん。
発言を許可します」
「その間僕ら何してればいーですか」
「過去のチビ悟くんは
硝子と私が保護いたしますが
現在と未来の悟くんは
傑と大和が保護します」
「「えー、やだ」」
ぶーぶーとブーイングを始める二人に
頭を抱える。
「うっわ……何これ
俺がいっぱいいて気持ち悪っ」
「「「「「「………………は?」」」」」」
突然聞こえた声に
そちらを向くと
また増えた悟。
しかも、現在とまったく同じ。
「………どういうこと?」
「さあ?」
「何のドッキリだい?」
「ややこしい…」
大和、傑、硝子と
頭を抱える。
新しく入ってきた……悟(現在2)は
ぐるりと部屋の中を見て
傑の方へ近寄る。
「傑、硝子あれとこれ誰?」
「???
誰がだい?」
「はぁ?
その黒髪の女と、馬鹿な髪色の奴だよ」
「………五条、それ本気?」
「お前らの知り合い?
高専の制服着てっけど……」
「………もしかして、パラレルワールド?」
「なるほど
私や硝子と同級生で
先輩や大和先輩がいない世界?」
「ありえねー」
硝子と傑が驚いた顔をしていると
パラレルワールドの悟は
こちらをめんどくさそうに見てる。
「よくわかんねーけど
いつになったら戻れんの?俺」
「さぁ?」
「あ?お前には聞いてねーよ」
「うわ、この五条性格悪っ」
「大和先輩、違いますよ
悟は性格が元々残念です」
「俺貶されてない?名前慰めて」
「僕も僕もー」
「………」
過去、現在、未来の悟に寄ってこられ
とりあえず撫でておく。
引いた顔をしながらこちらを見つめる
パラレルワールドの悟の反応は
何だか珍しい。
「名前、駄目だよ」
「何が?」
「手懐けたいって顔してる」
「まさか」
「反抗的な僕が珍しい?」
「初期の悟みたいだなーと思って」
「……俺、あんなんだった?」
「うん」
うへぇ、と表情を歪める悟。
「目の前で知らない女と
イチャつく自分を見るって結構しんどいな」
「我々は常に、だよ」
「名前先輩見るのはいいけど
五条の絡みがウザイ」
「俺、あんなウザくねーし」
「ウザイぞ、悟」
「あ?前髪引っこ抜くぞ」
「やれやれ、パラ悟はどうやら短気らしい」
「五条パラよりは現五条のがマシか」
「お前ら変な呼び方すんなし」
「悟ばかりでややこしいんだよ」
さしすトリオが何か話している。
「んー、僕そろそろ戻らないと
同じくらい時間経ってたら困るんだよね」
「忙しいの?」
「そーそー、僕大人気だから」
にっ、と笑う未来の悟。
「久々に高専時代の名前を
見れたのはラッキーだったな」
「高専でも未来でも私は私でしょ」
「この時が一番
僕にとっては楽しかったから」
ちらりと、傑、硝子、パラレル悟を
見つめる未来の悟。
懐かしそうに、微笑む姿は
どこか寂しそうだった。
そんな悟の頭を撫でると
すり寄ってくる癖は変わらないらしい。
「名前」
「なぁに?」
「どーしようもないガキな僕でも
見捨てないであげてね」
「………悟?」
「愛してるよ、名前」
頬に手を添えられ
チュッと軽いキス。
にっ、と笑う口元が見えた瞬間
未来の悟は消えていた。
「………は?」
「え、いなくなった…??」
「どーなってんの?これ」
「さあ?」
「ねえ、あんたにキスしたら
元に戻れるの?」
「いや、わかんない」
「………ちょっとしゃがんでよ」
過去の悟に言われ
わからないまましゃがむと
照れているのか
顔が真っ赤だ。
「………可愛い」
「うるさいよ」
「チビ悟がキスで戻ったら
確定なんだろうけど……アレ相手に辛いな」
「俺は自分とはいえ
名前のキスシーン見せられるとか
何の苦痛?」
「名前
………未来で会おうね」
チュッと口に軽く当てられた柔らかいもの。
真っ赤になったチビ悟が
目の前からいなくなり
これで確定する。
「………アレかぁ」
「アレだな」
まだ傑と硝子と言い合っている。
とりあえず、近付いてみようと
側に行くと、途端に嫌な顔をされた。
「あれ?過去と未来は?」
「戻っていったよ」
「おや?わかったのかい?」
「んー…とりあえず……」
「じゃあ教えろよ」
「態度がでかいな、お前」
「お前だよ」
「………名前、俺ずっと見てたけど
コレ相手にできんの?」
「大和いたの?存在感無かったよ」
「い・ま・し・た!!!」
騒ぎ出す大和を無視し
パラレルの悟の前に立つと
眉間に皺を寄せながら
見下ろしてくるパラレルの悟。
「何だよ」
「いやー、これ
私からでもOKなのかな?と思って」
「は?」
「悟、ちょっとこれ見てよ」
「あ"?何が」
両手で包んだものを
やや下の方に。
悟が覗き込もうと少しだけ
前屈みになったので
その隙にちゅっ、とキスを一つ。
驚き目を見開いた悟に
にっ、と笑う。
「来世で会おう」
「おまっ!!」
目の前から消えたパラレルの悟に
キスさえすればいいのか…と納得する。
「………先輩」
「何?」
「いーなー。
何今の。いーなーズルい」
「悟背がでかいんだもん」
「あれに引っかかる五条も
どうかと思うけどな」
「基本的に悟は単純ということだろう」
「ねーねー名前いーなー」
しつこく付きまとい
肩に頭を乗せて
騒ぐ悟に耳元がうるさい。
がっと、顎を掴んで
睨み付けると
静かになった。
「………なぁ、気になったの俺だけ?
来世でも五条と居たいの?って
つっこんでいいの?」
「そこはそっとしておけ」
「なんだかんだで
先輩は悟が大好きってことですね」
「だな」
大和、硝子、傑の目の前には
しょんぼりしたまま
いじけだした悟を
呆れながら慰める名前の姿。
そして、いきなり復活したと思ったら
名前の顔中にキスを落とす悟。
「バカップルだ」
「はははっ、ちょっと呪霊飛ばしますか」
「焼きもちか、夏油」
「まさか」
「男の嫉妬は見苦しいぞ」
「そう言いながら硝子
その手に構えてるメス何だ?」
「ちょっと投げてやろうかと」
「女の嫉妬も見苦しいよ」
「うん、お前らが
名前大好きなのわかったから」
傑と硝子が
お互いに無言で見つめあうと
そのまま小走りに名前と悟のところへ。
そして傑が引っ付く悟をポイっとし
硝子と傑が名前に引っ付く。
ポカンとしていた悟だったが
すぐに名前に抱き付き
名前が2年達に抱き潰されていた。
「本当、好かれてるな」
くすり、と笑って
大和もその輪の中へ
これは
幸せだった時間
「悟さん、どこへ?」
「……別に」
幼き少年は
未来に出会う人への思いを胸に
「五条さん?」
「あー伊地知か」
「すいません、寝てましたか?」
「いや、大丈夫
ちょっとだけ……
いい夢を見せてもらってただけ」
「?」
未来の男は
過去の輝きに目を細め想いを終い
「悟?寝てるのかい?」
「起きろよ、五条」
「………戻った?」
「寝惚けてんの?」
「悟、ボケるにはまだ早いぞ」
「うるせーよ、傑も硝子も」
「いい女の夢でも見てたのかよ?」
「………変な女の夢だよ」
「どんな人だい?」
「黒髪の美人で………
お前らにも俺にも好かれてるような
変わった奴」
「………五条、それは夢だ」
「悟、現実にそんな人はいないぞ」
「ココにはいねーよ、絶対」
交わることのない世界の青年は
もう会うことのない者へ幻想を抱く。
ちっぽけな日常の一つのお話。
あとがき
力尽きた(笑)
もう、途中で色々力尽きた(笑)
ごめんなさい(笑)