幼馴染は生き残りたい
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ダンッ、と私の目の前を塞ぐ長い足。
「言えよ、傑の居場所」
「傑にフられた?瞳孔開いてますよ」
ハハッ、と笑ったら五条の米神に青筋が浮かぶ。
バキッ、と不穏な音を建てた壁。
ちなみに石の壁だぜ?
五条はどうやら傑によって別れを切り出されたらしい。
あぁ、勘違いしないよう告げておくと傑……離反してないよ!!!
傑も疑われたものの、主犯は水瀬という後輩。
本来傑が村人を守らなきゃいけなかったが、状況が状況なので罪に問われなかった。
夜蛾先生に傑から聞いた話を手紙に送った時には傑が水瀬を使って起こした出来事だと言われていたが、此方には証人がいる。
怯えながらも、嫌がりながらも双子の美々子ちゃんと菜々子ちゃんは傑の今後の為にと言えば協力してくれた。
実際夜蛾先生と誰か知らないが……補助監督のようにスーツを着た人が一緒に来て、知っている限りの話をした。
美々子ちゃんと菜々子ちゃんにも、辛いだろうが己がされた事と傑がしたこと、水瀬さんがしたことを見たまま話してくれた。
多忙な激務、学生とはいえ特級である事、振り分けられる任務の異様さを指摘していけば夜蛾先生は致し方無い事だと言い出した……ので、私はニッコリ笑った。
「夜蛾先生は情がある先生だと思っていましたが……残念です」
「?」
「傑を見捨てようとし、水瀬さんを見捨てて呪詛師へと落としたのは貴方ですね」
「何を…」
「呪術界にとっては当たり前でしょうね。
年若くても力があれば力を使うべき事はおかしな事ではない。
その当たり前を一般家庭から入った者達に押し付けておいて"おかしい"と感じる事を感じられない」
「それは…」
「私達一般人は知っていますよ?
"大人"が"子供"を守ることも。
"弱者"を助けることも。
"無実"に罪を被せるのは"罪"だということを」
黙り込む夜蛾先生を前にしても私の口は止まらない。
「弱者を助け、強者を挫く。
貴方達は確かに強者ですよ。力が備わっている」
圧倒的な力とは、誰も彼もが持てない力を持つ選ばれし者。
「だからといって、貴方達が強いわけじゃない。
私達に手を出せない貴方達はある意味弱者でもある」
「………」
「貴方は傑がこのまま呪詛師と言われても仕方ないと?
汚い世界に引きずり込み、汚い部分だけを見せて17歳の子供が何も感じないとでも思っているんですか?
それとも、一人で何かをしようとしても……特級とはいえ子供だからと馬鹿にしているんですかね?」
「………」
「過去の任務、見返して下さい。
誰もが呪詛師になっても不思議ではない鍵は落ちているはずですよ」
子供の証言だけで覆るとは思っていないが……それでも罪無き傑に罪を被せるのはおかしい。
傑は無実とはいえ……何も報告すること無く姿を眩ませているので、見つけ次第話を聞くという方向に。
傑にその事をメールするが、返事は無い。
そして何をどう聞いたのか……
怒り狂った五条に突撃された。
「ふざけてんじゃねぇぞ」
「傑はいませんよ」
「居場所教えろ。俺がアイツを連れ戻す」
「残念ながら私も知りません」
「じゃあ、アイツ……やっぱり、呪詛師なんかにっ」
五条の顔が歪む。
だが、私は五条の言葉を許せなかった。
「夜蛾先生から何て伝えられたかわかりませんが……」
五条の胸ぐらを掴んで引き寄せる。
「親友だ、彼氏だって当たり前の面して隣にいたくせに何一つ信じて無い貴方がキレる事ですか?」
「あ"?」
「傑は何もしていない。無実ですよ。
なのに貴方は傑も呪詛師だと信じたんですね」
「違うならアイツは自分で此処に戻るだろ!!」
「貴方達呪術界にも、私達非呪術師にもどちらも信用が、信頼が無くなったから傑は帰って来ないんですよ」
「ふざけんな!!んなわけねーだろ!!」
「現に貴方が傑を信じなかったのに?」
綺麗な五条の顔がますます凶悪になる。
だが、そんな事どうでもいい。
「親友ならどうして信じてやれない!?
"やっぱり"?
貴方は傑の何を知っているの?」
睨み付ける私など、五条にとっては子犬が吠えている程度だろう。
それでも噛み付かずにはいられない。
「傑も何も言わなかったのは悪い……けど、言わせ無かった貴方にも責任があるんじゃないの?」
「言いたいことあんなら言えばいいだろ!!」
「じゃあ貴方は言えてるのね?
傑に貴方自身の事全て語っていたとでも?」
「そんな事じゃねぇだろ!!」
「じゃあ貴方は傑の何を知っているの?」
「傑は……傑は、真面目で!口うるせぇ奴で、正しくて」
「正しい傑がなぜ、こんな事したと思うの?」
「それがわからねぇからっ!!」
「じゃあ、何も知らないのと同じじゃない」
「………っ!!」
「見たままの上部だけの傑を知った気でいても、貴方は傑の事何も知らない。
何も言わなかった傑も大概お馬鹿だけど……同じくらい、貴方も馬鹿ですね」
くしゃくしゃに顔を歪めて言葉に詰まる五条。
「親友なんて言葉で傑を理解した気にならないで、って言ったのに」
「!!」
五条の胸ぐらを離せば五条は呆然としたまま立っていた。
「傑はね、五条さんの事いつも話してた。
私が嫉妬するくらい……高専での生活が楽しいって。
親友が出来たって喜んでいたよ」
「なら、なんでっ」
「傑は何でも出来て、勝ってしまうから。
自分と同等……それ以上の存在に会った事が無かったんだ」
「俺だって」
「だからこそ、男としての意地があった。
五条さんに負けたくなくて、負けたと認めたくなくて」
「……?」
「五条 悟。
貴方が傑を置いていったんだよ。
2人で最強だと言いながら……貴方だけ、最強になったから」
「!!」
五条悟は最強だ。
力も、センスも、術式も。
「それに関しては傑のひねくれた負け犬魂のせいだから気にしなくてもいいです」
「ボロクソ言うな」
「負け知らずだったから……乗り越え方を知らないんですよ。
今は、傑が己を乗り越えなきゃいけないんです」
どこで、何をしているのか。
どこで、何を見ているのか。
どこで、何を学ぶのか。
もしかしたら傑は記憶通り道を外すかもしれない。
「それに……傑が五条さんに負けたと思っても私の傑は五条さんに負けていないので問題無いです」
「あ"?」
「私のヒーローは傑だから。
私の中ではいつでも傑が"最強"なんです」
「オマエの中とかどーでもいい」
「そもそもバリアだけの五条さんより、色んなの使役する傑が負けるわけ無いですし」
「はぁぁあああああ!?」
「体術で傑負けたこと無いですし」
「俺のが勝ってるっつの!!」
「武具使っても強いですし」
「武具使うとかダセェ」
「使い方によっては傑こそ"世界"を取れます」
傑こそが、"最強"
私の中でそれは変わらない。
「私の傑は強いですよ。
五条さんがそうやって泣きわめいている間も強くなります」
「………」
「傑の真意がわからないなら、ちゃんと面と向かって話し合うことをオススメしますよ。
まぁ、傑……面倒な男なので弱さなんか五条さん相手に見せないと思いますが」
「俺が傑に腹見せればいいっつーのかよ」
「さぁ?男なら拳で語り合えばよろしいかと」
理解出来るかは、わからないけどね。
だって呪術界の常識わかんないもん。
傑元一般人だぞ。
五条が一般知識無いのと同レベル。
子犬みたいな五条を置いて家に帰った。
いつも来ていた連絡のあった携帯は静かになり、時々綺麗な画像が届くくらい。
いつも隣を歩いてくれていた温もりは無くて、いつも一緒に寝ていた布団は冷たくて広い。
あぁ、ここに行ったな。
此処は今度行こうって話してた。
此処で喧嘩したり
此処でキスしたり
此処のホテル最高だったな。
此処は……閉鎖になるのか。あ、此処は新しく……。
半年どころか1ヶ月もすれば街の様子は変わっていく。
いつもと同じ道なのに……今までとは違う景色となっていく。
たかが半年。
されど半年。
人を変えるには充分な時間。
結局私がした事は無駄になるかもしれない。
それでも、それが傑の出した答えなら仕方ないと受け入れる。
「寒ィ」
「寒いなら来なければいいのに」
残りわずかとなっていく登下校。
任務が無い日、五条は時々気の向くままに送り迎えをしてくれる。
いつぞやに私から奪ったスヌードを着けて、一人分距離を開けてついてくる。
「眠ィ……俺今日2時間も寝てねぇぞ」
「だったら来なくていいって言ってます。
まぁ、傑は来てくれていましたけど」
「……………」
「文句ばかり言うなら来なければいいのに」
「……うるせーよ。俺の勝手だろ」
何を考えているのやら。
最初の頃は朝が早すぎると勝手に迎えに来たのに文句を言われ、長い足で歩幅め合わせないので先に進む五条を放置していたら遅いと文句を言われ、帰りの電車がギューギューだと狭いと文句を言うのでその都度オマエ、何しに来たの?と言っておく。
私から「来なければいいのに」と言われる度、うっ、と勝手に罰が悪い顔をして口を閉じるか勝手だろと告げてくる。
イライラとされて文句ばかりな五条にキレそうになったが、私は五条の教育係でもなければお母さんでもないので放置。
「嫌なら来ないで下さい」
「嫌じゃねぇから来てんじゃん」
「嫌そうにされたら不愉快です」
「可愛くねぇ奴!!」
「大丈夫です。傑の前では可愛いので」
傑を出されると五条は不満そうにする。
本気で何がしたいのかわからない。
五条の気紛れに付き合う気は無いものの、ついてくるので仕方がない。
「オマエさぁ、まだ傑が戻って来るって信じてんの?」
傑がいなくなり3ヶ月。
もう街はクリスマス一色だ。
年越しが終わればあっという間に卒業となる。
毎年交換していたクリスマスプレゼント。
今年は駄目かもしれない。
街では楽しそうに腕を組み、幸せそうなカップル達。
「信じてませんよ」
「はぁ!?」
「そもそも戻って来ないと思います」
「何で……っ」
あ、傑に似合いそうな深緑の毛糸の手袋。
傑に手袋って……似合うがエロいな。
こう……いい皮の手袋を歯で咥えてて欲しい。
なんなら女物の手袋を歯で噛んで抜き取って欲しい。
傑に皮与えとけばエロくなるかな?
違う、そうじゃない。
「……俺に傑の事信じてねぇって言っといて」
「勘違いしないで下さい。
五条さんより絆はあるので」
手袋だと腐らない。
あぁ、そういえば美々ちゃんと菜々ちゃんも傑にプレゼント用意したいって張り切っていたな。
週末に2人を連れて一緒に選ぶのもいいかもしれない。そして内緒でおじぃちゃんとおばぁちゃんにも贈ろう。
「帰って来ないのに待ってんのかよ」
「待ってるなんて誰が言いました?」
「は?」
「振られた彼氏の事気になる気持ちはわかりますが……詮索が下手ですか」
「違ェ!!!!」
「あぁ、私も振られたと思ってます?
解釈違いなので仲間意識辞めて頂けますか?」
「違ェっつの!!!
側に居ない男を待って何がしたいんだよっ!!」
「……と、言うと?」
はて?と五条を見ながら頭を傾げる。
「俺が……代わりに「間に合ってますので」
最後まで言わせろよ!!」
何を言い出すのかと思ったら。
「誰の入れ知恵でしょうか?」
「……華から少女漫画借りた」
「なるほど、かなり思いきった勘違いですね」
「漫画では普通俺に一度は堕ちるとこだろ!?」
「むしろ五条さんの存在は邪魔ですよ?」
ややこしくして、一人いい顔で立ち去るライバル的ポジションやめて?
「何で私が五条さんに惚れると思ってるんですか」
「……登校と帰り道、一緒だし」
「無理矢理着いてきて罵倒や文句言ってテンション下がるだけですね」
「……デート、してるし」
「五条さんが付きまとってるだけです」
「色々買ってやったし!」
「貢ぎ物いりませんって毎回お断りしてますね。やってやってるなら尚更要りません」
「……傷心中の男女は慰め合うものなんじゃねぇの?」
もうそろそろ泣くのかな?ってくらいぺしょっと落ち込みながら聞いてきた五条。
私はそっと携帯を耳に当てる。
「へい、竈門さぁーん!!!
恋愛初心者の坊っちゃんに何の入れ知恵した!?」
ケタケタ電話の向こう側で笑う華ちゃんと、恐らく硝子ちゃんは完全に愉快犯だ。
五条はようやく遊ばれていると気付いたのか……顔を真っ赤にしてしゃがみこんだ。
「ダッサ……」
「竈門さんは今度怒っておくとして……ご苦労様」
「俺、本気でオマエが……心配、で」
「五条さんにも人の心が育ってたんですね。
傑が喜びます」
「なのにオマエへこんでねぇし……人の心どこやった?」
「そりゃ、今生の別れじゃないので」
遊ばれてへこんだところ悪いが、反省会は一人でしてくれ。
私はプレゼント探しで忙しい。
「……なぁ」
「何ですか」
「何で傑なの?」
「仰る意図がわかりません」
「俺の方がイケメンじゃん?」
「下半身が緩いイケメンはただの野グソ」
「汚ぇ。……俺のどこが傑に劣ってんだよ」
勘違いの恋愛脳は何がなんでも振られた事を認めたくないらしい。
どんだけ自分に自身があるんだこのイケメンが。
「私から見たら傑に何一つ勝ててませんよ?」
「ぐっ……」
「そもそも五条さん、人間性が欠けすぎていて論外です」
「う"っ」
「傑も大概クズで終わっていますが、五条さんはそもそも常識がすれ違ってます」
「どこがだよ。坊っちゃんだぞ」
「お年寄りが困っています。さぁ、どうしますか?」
「誘拐されるから無視」
「見知らぬ人が道を聞いてきました。どうしますか?」
「知らねーやつですり寄ってくんのはだいたい呪詛師だろ」
「子供が泣いています。どうします?」
「罠かもしれないから放置」
「………そういうとこですよ」
「?」
無垢な顔しながらキョトンとしないで?
闇の深い発言に思わず顔に手を当てて遠くを見てしまう。
可愛い顔に周りのお姉さん達がギンッと目を見開いてるぞ。
「傑の場合、それらを上手く対処しますよ。
……まぁ、誰彼構わず表面だけは取り繕うのが上手いだけ、とも言います」
「………」
「そこが好きなわけじゃないですけど。
むしろ腹正しくてその猫剥ぎ取ってやろうかって毎回思います」
「オマエ本当に傑のどこ好きなの?」
うわーって今度は引かれた。
だっっってさぁ、傑そーゆーとこ上手くてクズのくせに周りは見かけと違って………(ポッ)っってなるんだぜ?
そうした勘違いを発生させといて、すり寄ってきた人達を笑顔で地に叩き落とすのが傑だぞ。
最初から被害者減らしたいじゃん?
ちなみにその後、被害者達は私へと攻撃対象を移す場合……傑から本当の地獄へと招待される。
「傑の好きなところ、ねぇ」
色々ある。
甘えん坊なとこ。嬉しい時へにゃっと目を細めて目尻が垂れ下がるとこ。恥ずかしい時耳が赤くなるとこ。くしゃみした時不細工なとこ。寝顔が幼いとこ。いっぱい食べるとこ。存在がエロいとこ。
「………」
「何だよ」
「………教えません」
「オマエ、まだ俺が傑を好きとか意味わかんねぇ勘違いしてんなら犯すぞ」
「駄目です。教えません」
「オイ」
「だって、五条さんだって知っているじゃないですか。
傑が人垂らしで……魅力ある男だって」
ふふっ、と笑みが溢れてしまう。
もうBLだとは思っていないが、傑の男としての部分を女の私から見た傑の魅力を語ってしまったら
「私から見た傑の"男"の部分を知ったら、今度こそ引き返せなくなりますよ?」
「………否定出来ねぇとこが怖ぇよ」
「五条さん、傑の事大好きですからね」
五条さんはおぇっ、なんて言いながら舌を出しているが傑大好きな事を否定しなかった。
クリスマスプレゼントはまた今度買いに来ようと売り場から遠退けば五条さんも大人しくついてくる。
「……ってんだ」
「ん?」
「傑がいなくなったって聞いて少ししてから……傑と、会ったんだよ」
「へぇ」
「傑、もう俺とはいられないって言ってた」
「そうですか」
「非呪術師嫌いだって」
「なるほど」
「オマエの事、よろしくって」
なるほど。だからか。
行き先の目印を向けられたのが私だったから五条は傑の言葉通り……私の隣に立とうとうろちょろしていたのか。
傑め、子育てを押し付けるのはよくないぞ。
この大きなお子様は君が面倒を見てたろ。
「……傑、帰ってくるよな?」
ぺしょっ、と情けない五条は私の隣を歩いている。
今までは先を歩いていたと言うのに歩幅を小さくして私と同じペースで。
「帰って来ないなら探しに行くからいーんですよ」
「………」
「世界は広いですから。
傑の見たい世界を見て、傑のやりたいことが見付かって帰って来たくないなら呪術師なんてしなくても生きていけますよ」
「けど」
「傑の人生は傑のもの。
貴方や呪術界が縛っていいものではありませんよ」
「………俺は、この生き方しか知らない」
「生き方なんて人それぞれ違いますからね。
傑は呪術師としての自分がブレた。
五条さんは呪術師として真っ直ぐでいられる。
自分の生き方なんて生きているうちに正解なんて無いんですよ」
「達観したババァかよ」
「失礼ですね。
どんな生き方であろうと他人に決められたレールを歩くより自分で選んだ道を歩かなきゃ納得しないでしょ?」
「それは、そう…だけど……」
ボソボソと口ごもる五条。
「……五条さんも見付かりますよ。
傑とは違う、貴方がやりたいこと。
貴方の目指したい形の未来が」
キョトンとした顔をしたものの、すぐに上の空となって何かを考え始めた五条。
私はそんな五条を放置し、さっさと家に帰った。
え?優しくないって?
大きな子供の面倒なんて見ないっつの。
「俺、勝手にするから」
「はい?」
翌日、五条に謎の宣言をされたが……わからないのでまぁいいか。
もう五条に付きまとわれない!!と思っていたら、変わらず朝は送ってくれるし帰りも迎えにきてくれる。
遠方に行くとお土産をくれるのは変わらなかった。
あとがき
エロが……エロが売り(笑)の傑シリーズなのに……!!
ドエロいのは無理だが、最終回までには必ずエロ入れたい。
「言えよ、傑の居場所」
「傑にフられた?瞳孔開いてますよ」
ハハッ、と笑ったら五条の米神に青筋が浮かぶ。
バキッ、と不穏な音を建てた壁。
ちなみに石の壁だぜ?
五条はどうやら傑によって別れを切り出されたらしい。
あぁ、勘違いしないよう告げておくと傑……離反してないよ!!!
傑も疑われたものの、主犯は水瀬という後輩。
本来傑が村人を守らなきゃいけなかったが、状況が状況なので罪に問われなかった。
夜蛾先生に傑から聞いた話を手紙に送った時には傑が水瀬を使って起こした出来事だと言われていたが、此方には証人がいる。
怯えながらも、嫌がりながらも双子の美々子ちゃんと菜々子ちゃんは傑の今後の為にと言えば協力してくれた。
実際夜蛾先生と誰か知らないが……補助監督のようにスーツを着た人が一緒に来て、知っている限りの話をした。
美々子ちゃんと菜々子ちゃんにも、辛いだろうが己がされた事と傑がしたこと、水瀬さんがしたことを見たまま話してくれた。
多忙な激務、学生とはいえ特級である事、振り分けられる任務の異様さを指摘していけば夜蛾先生は致し方無い事だと言い出した……ので、私はニッコリ笑った。
「夜蛾先生は情がある先生だと思っていましたが……残念です」
「?」
「傑を見捨てようとし、水瀬さんを見捨てて呪詛師へと落としたのは貴方ですね」
「何を…」
「呪術界にとっては当たり前でしょうね。
年若くても力があれば力を使うべき事はおかしな事ではない。
その当たり前を一般家庭から入った者達に押し付けておいて"おかしい"と感じる事を感じられない」
「それは…」
「私達一般人は知っていますよ?
"大人"が"子供"を守ることも。
"弱者"を助けることも。
"無実"に罪を被せるのは"罪"だということを」
黙り込む夜蛾先生を前にしても私の口は止まらない。
「弱者を助け、強者を挫く。
貴方達は確かに強者ですよ。力が備わっている」
圧倒的な力とは、誰も彼もが持てない力を持つ選ばれし者。
「だからといって、貴方達が強いわけじゃない。
私達に手を出せない貴方達はある意味弱者でもある」
「………」
「貴方は傑がこのまま呪詛師と言われても仕方ないと?
汚い世界に引きずり込み、汚い部分だけを見せて17歳の子供が何も感じないとでも思っているんですか?
それとも、一人で何かをしようとしても……特級とはいえ子供だからと馬鹿にしているんですかね?」
「………」
「過去の任務、見返して下さい。
誰もが呪詛師になっても不思議ではない鍵は落ちているはずですよ」
子供の証言だけで覆るとは思っていないが……それでも罪無き傑に罪を被せるのはおかしい。
傑は無実とはいえ……何も報告すること無く姿を眩ませているので、見つけ次第話を聞くという方向に。
傑にその事をメールするが、返事は無い。
そして何をどう聞いたのか……
怒り狂った五条に突撃された。
「ふざけてんじゃねぇぞ」
「傑はいませんよ」
「居場所教えろ。俺がアイツを連れ戻す」
「残念ながら私も知りません」
「じゃあ、アイツ……やっぱり、呪詛師なんかにっ」
五条の顔が歪む。
だが、私は五条の言葉を許せなかった。
「夜蛾先生から何て伝えられたかわかりませんが……」
五条の胸ぐらを掴んで引き寄せる。
「親友だ、彼氏だって当たり前の面して隣にいたくせに何一つ信じて無い貴方がキレる事ですか?」
「あ"?」
「傑は何もしていない。無実ですよ。
なのに貴方は傑も呪詛師だと信じたんですね」
「違うならアイツは自分で此処に戻るだろ!!」
「貴方達呪術界にも、私達非呪術師にもどちらも信用が、信頼が無くなったから傑は帰って来ないんですよ」
「ふざけんな!!んなわけねーだろ!!」
「現に貴方が傑を信じなかったのに?」
綺麗な五条の顔がますます凶悪になる。
だが、そんな事どうでもいい。
「親友ならどうして信じてやれない!?
"やっぱり"?
貴方は傑の何を知っているの?」
睨み付ける私など、五条にとっては子犬が吠えている程度だろう。
それでも噛み付かずにはいられない。
「傑も何も言わなかったのは悪い……けど、言わせ無かった貴方にも責任があるんじゃないの?」
「言いたいことあんなら言えばいいだろ!!」
「じゃあ貴方は言えてるのね?
傑に貴方自身の事全て語っていたとでも?」
「そんな事じゃねぇだろ!!」
「じゃあ貴方は傑の何を知っているの?」
「傑は……傑は、真面目で!口うるせぇ奴で、正しくて」
「正しい傑がなぜ、こんな事したと思うの?」
「それがわからねぇからっ!!」
「じゃあ、何も知らないのと同じじゃない」
「………っ!!」
「見たままの上部だけの傑を知った気でいても、貴方は傑の事何も知らない。
何も言わなかった傑も大概お馬鹿だけど……同じくらい、貴方も馬鹿ですね」
くしゃくしゃに顔を歪めて言葉に詰まる五条。
「親友なんて言葉で傑を理解した気にならないで、って言ったのに」
「!!」
五条の胸ぐらを離せば五条は呆然としたまま立っていた。
「傑はね、五条さんの事いつも話してた。
私が嫉妬するくらい……高専での生活が楽しいって。
親友が出来たって喜んでいたよ」
「なら、なんでっ」
「傑は何でも出来て、勝ってしまうから。
自分と同等……それ以上の存在に会った事が無かったんだ」
「俺だって」
「だからこそ、男としての意地があった。
五条さんに負けたくなくて、負けたと認めたくなくて」
「……?」
「五条 悟。
貴方が傑を置いていったんだよ。
2人で最強だと言いながら……貴方だけ、最強になったから」
「!!」
五条悟は最強だ。
力も、センスも、術式も。
「それに関しては傑のひねくれた負け犬魂のせいだから気にしなくてもいいです」
「ボロクソ言うな」
「負け知らずだったから……乗り越え方を知らないんですよ。
今は、傑が己を乗り越えなきゃいけないんです」
どこで、何をしているのか。
どこで、何を見ているのか。
どこで、何を学ぶのか。
もしかしたら傑は記憶通り道を外すかもしれない。
「それに……傑が五条さんに負けたと思っても私の傑は五条さんに負けていないので問題無いです」
「あ"?」
「私のヒーローは傑だから。
私の中ではいつでも傑が"最強"なんです」
「オマエの中とかどーでもいい」
「そもそもバリアだけの五条さんより、色んなの使役する傑が負けるわけ無いですし」
「はぁぁあああああ!?」
「体術で傑負けたこと無いですし」
「俺のが勝ってるっつの!!」
「武具使っても強いですし」
「武具使うとかダセェ」
「使い方によっては傑こそ"世界"を取れます」
傑こそが、"最強"
私の中でそれは変わらない。
「私の傑は強いですよ。
五条さんがそうやって泣きわめいている間も強くなります」
「………」
「傑の真意がわからないなら、ちゃんと面と向かって話し合うことをオススメしますよ。
まぁ、傑……面倒な男なので弱さなんか五条さん相手に見せないと思いますが」
「俺が傑に腹見せればいいっつーのかよ」
「さぁ?男なら拳で語り合えばよろしいかと」
理解出来るかは、わからないけどね。
だって呪術界の常識わかんないもん。
傑元一般人だぞ。
五条が一般知識無いのと同レベル。
子犬みたいな五条を置いて家に帰った。
いつも来ていた連絡のあった携帯は静かになり、時々綺麗な画像が届くくらい。
いつも隣を歩いてくれていた温もりは無くて、いつも一緒に寝ていた布団は冷たくて広い。
あぁ、ここに行ったな。
此処は今度行こうって話してた。
此処で喧嘩したり
此処でキスしたり
此処のホテル最高だったな。
此処は……閉鎖になるのか。あ、此処は新しく……。
半年どころか1ヶ月もすれば街の様子は変わっていく。
いつもと同じ道なのに……今までとは違う景色となっていく。
たかが半年。
されど半年。
人を変えるには充分な時間。
結局私がした事は無駄になるかもしれない。
それでも、それが傑の出した答えなら仕方ないと受け入れる。
「寒ィ」
「寒いなら来なければいいのに」
残りわずかとなっていく登下校。
任務が無い日、五条は時々気の向くままに送り迎えをしてくれる。
いつぞやに私から奪ったスヌードを着けて、一人分距離を開けてついてくる。
「眠ィ……俺今日2時間も寝てねぇぞ」
「だったら来なくていいって言ってます。
まぁ、傑は来てくれていましたけど」
「……………」
「文句ばかり言うなら来なければいいのに」
「……うるせーよ。俺の勝手だろ」
何を考えているのやら。
最初の頃は朝が早すぎると勝手に迎えに来たのに文句を言われ、長い足で歩幅め合わせないので先に進む五条を放置していたら遅いと文句を言われ、帰りの電車がギューギューだと狭いと文句を言うのでその都度オマエ、何しに来たの?と言っておく。
私から「来なければいいのに」と言われる度、うっ、と勝手に罰が悪い顔をして口を閉じるか勝手だろと告げてくる。
イライラとされて文句ばかりな五条にキレそうになったが、私は五条の教育係でもなければお母さんでもないので放置。
「嫌なら来ないで下さい」
「嫌じゃねぇから来てんじゃん」
「嫌そうにされたら不愉快です」
「可愛くねぇ奴!!」
「大丈夫です。傑の前では可愛いので」
傑を出されると五条は不満そうにする。
本気で何がしたいのかわからない。
五条の気紛れに付き合う気は無いものの、ついてくるので仕方がない。
「オマエさぁ、まだ傑が戻って来るって信じてんの?」
傑がいなくなり3ヶ月。
もう街はクリスマス一色だ。
年越しが終わればあっという間に卒業となる。
毎年交換していたクリスマスプレゼント。
今年は駄目かもしれない。
街では楽しそうに腕を組み、幸せそうなカップル達。
「信じてませんよ」
「はぁ!?」
「そもそも戻って来ないと思います」
「何で……っ」
あ、傑に似合いそうな深緑の毛糸の手袋。
傑に手袋って……似合うがエロいな。
こう……いい皮の手袋を歯で咥えてて欲しい。
なんなら女物の手袋を歯で噛んで抜き取って欲しい。
傑に皮与えとけばエロくなるかな?
違う、そうじゃない。
「……俺に傑の事信じてねぇって言っといて」
「勘違いしないで下さい。
五条さんより絆はあるので」
手袋だと腐らない。
あぁ、そういえば美々ちゃんと菜々ちゃんも傑にプレゼント用意したいって張り切っていたな。
週末に2人を連れて一緒に選ぶのもいいかもしれない。そして内緒でおじぃちゃんとおばぁちゃんにも贈ろう。
「帰って来ないのに待ってんのかよ」
「待ってるなんて誰が言いました?」
「は?」
「振られた彼氏の事気になる気持ちはわかりますが……詮索が下手ですか」
「違ェ!!!!」
「あぁ、私も振られたと思ってます?
解釈違いなので仲間意識辞めて頂けますか?」
「違ェっつの!!!
側に居ない男を待って何がしたいんだよっ!!」
「……と、言うと?」
はて?と五条を見ながら頭を傾げる。
「俺が……代わりに「間に合ってますので」
最後まで言わせろよ!!」
何を言い出すのかと思ったら。
「誰の入れ知恵でしょうか?」
「……華から少女漫画借りた」
「なるほど、かなり思いきった勘違いですね」
「漫画では普通俺に一度は堕ちるとこだろ!?」
「むしろ五条さんの存在は邪魔ですよ?」
ややこしくして、一人いい顔で立ち去るライバル的ポジションやめて?
「何で私が五条さんに惚れると思ってるんですか」
「……登校と帰り道、一緒だし」
「無理矢理着いてきて罵倒や文句言ってテンション下がるだけですね」
「……デート、してるし」
「五条さんが付きまとってるだけです」
「色々買ってやったし!」
「貢ぎ物いりませんって毎回お断りしてますね。やってやってるなら尚更要りません」
「……傷心中の男女は慰め合うものなんじゃねぇの?」
もうそろそろ泣くのかな?ってくらいぺしょっと落ち込みながら聞いてきた五条。
私はそっと携帯を耳に当てる。
「へい、竈門さぁーん!!!
恋愛初心者の坊っちゃんに何の入れ知恵した!?」
ケタケタ電話の向こう側で笑う華ちゃんと、恐らく硝子ちゃんは完全に愉快犯だ。
五条はようやく遊ばれていると気付いたのか……顔を真っ赤にしてしゃがみこんだ。
「ダッサ……」
「竈門さんは今度怒っておくとして……ご苦労様」
「俺、本気でオマエが……心配、で」
「五条さんにも人の心が育ってたんですね。
傑が喜びます」
「なのにオマエへこんでねぇし……人の心どこやった?」
「そりゃ、今生の別れじゃないので」
遊ばれてへこんだところ悪いが、反省会は一人でしてくれ。
私はプレゼント探しで忙しい。
「……なぁ」
「何ですか」
「何で傑なの?」
「仰る意図がわかりません」
「俺の方がイケメンじゃん?」
「下半身が緩いイケメンはただの野グソ」
「汚ぇ。……俺のどこが傑に劣ってんだよ」
勘違いの恋愛脳は何がなんでも振られた事を認めたくないらしい。
どんだけ自分に自身があるんだこのイケメンが。
「私から見たら傑に何一つ勝ててませんよ?」
「ぐっ……」
「そもそも五条さん、人間性が欠けすぎていて論外です」
「う"っ」
「傑も大概クズで終わっていますが、五条さんはそもそも常識がすれ違ってます」
「どこがだよ。坊っちゃんだぞ」
「お年寄りが困っています。さぁ、どうしますか?」
「誘拐されるから無視」
「見知らぬ人が道を聞いてきました。どうしますか?」
「知らねーやつですり寄ってくんのはだいたい呪詛師だろ」
「子供が泣いています。どうします?」
「罠かもしれないから放置」
「………そういうとこですよ」
「?」
無垢な顔しながらキョトンとしないで?
闇の深い発言に思わず顔に手を当てて遠くを見てしまう。
可愛い顔に周りのお姉さん達がギンッと目を見開いてるぞ。
「傑の場合、それらを上手く対処しますよ。
……まぁ、誰彼構わず表面だけは取り繕うのが上手いだけ、とも言います」
「………」
「そこが好きなわけじゃないですけど。
むしろ腹正しくてその猫剥ぎ取ってやろうかって毎回思います」
「オマエ本当に傑のどこ好きなの?」
うわーって今度は引かれた。
だっっってさぁ、傑そーゆーとこ上手くてクズのくせに周りは見かけと違って………(ポッ)っってなるんだぜ?
そうした勘違いを発生させといて、すり寄ってきた人達を笑顔で地に叩き落とすのが傑だぞ。
最初から被害者減らしたいじゃん?
ちなみにその後、被害者達は私へと攻撃対象を移す場合……傑から本当の地獄へと招待される。
「傑の好きなところ、ねぇ」
色々ある。
甘えん坊なとこ。嬉しい時へにゃっと目を細めて目尻が垂れ下がるとこ。恥ずかしい時耳が赤くなるとこ。くしゃみした時不細工なとこ。寝顔が幼いとこ。いっぱい食べるとこ。存在がエロいとこ。
「………」
「何だよ」
「………教えません」
「オマエ、まだ俺が傑を好きとか意味わかんねぇ勘違いしてんなら犯すぞ」
「駄目です。教えません」
「オイ」
「だって、五条さんだって知っているじゃないですか。
傑が人垂らしで……魅力ある男だって」
ふふっ、と笑みが溢れてしまう。
もうBLだとは思っていないが、傑の男としての部分を女の私から見た傑の魅力を語ってしまったら
「私から見た傑の"男"の部分を知ったら、今度こそ引き返せなくなりますよ?」
「………否定出来ねぇとこが怖ぇよ」
「五条さん、傑の事大好きですからね」
五条さんはおぇっ、なんて言いながら舌を出しているが傑大好きな事を否定しなかった。
クリスマスプレゼントはまた今度買いに来ようと売り場から遠退けば五条さんも大人しくついてくる。
「……ってんだ」
「ん?」
「傑がいなくなったって聞いて少ししてから……傑と、会ったんだよ」
「へぇ」
「傑、もう俺とはいられないって言ってた」
「そうですか」
「非呪術師嫌いだって」
「なるほど」
「オマエの事、よろしくって」
なるほど。だからか。
行き先の目印を向けられたのが私だったから五条は傑の言葉通り……私の隣に立とうとうろちょろしていたのか。
傑め、子育てを押し付けるのはよくないぞ。
この大きなお子様は君が面倒を見てたろ。
「……傑、帰ってくるよな?」
ぺしょっ、と情けない五条は私の隣を歩いている。
今までは先を歩いていたと言うのに歩幅を小さくして私と同じペースで。
「帰って来ないなら探しに行くからいーんですよ」
「………」
「世界は広いですから。
傑の見たい世界を見て、傑のやりたいことが見付かって帰って来たくないなら呪術師なんてしなくても生きていけますよ」
「けど」
「傑の人生は傑のもの。
貴方や呪術界が縛っていいものではありませんよ」
「………俺は、この生き方しか知らない」
「生き方なんて人それぞれ違いますからね。
傑は呪術師としての自分がブレた。
五条さんは呪術師として真っ直ぐでいられる。
自分の生き方なんて生きているうちに正解なんて無いんですよ」
「達観したババァかよ」
「失礼ですね。
どんな生き方であろうと他人に決められたレールを歩くより自分で選んだ道を歩かなきゃ納得しないでしょ?」
「それは、そう…だけど……」
ボソボソと口ごもる五条。
「……五条さんも見付かりますよ。
傑とは違う、貴方がやりたいこと。
貴方の目指したい形の未来が」
キョトンとした顔をしたものの、すぐに上の空となって何かを考え始めた五条。
私はそんな五条を放置し、さっさと家に帰った。
え?優しくないって?
大きな子供の面倒なんて見ないっつの。
「俺、勝手にするから」
「はい?」
翌日、五条に謎の宣言をされたが……わからないのでまぁいいか。
もう五条に付きまとわれない!!と思っていたら、変わらず朝は送ってくれるし帰りも迎えにきてくれる。
遠方に行くとお土産をくれるのは変わらなかった。
あとがき
エロが……エロが売り(笑)の傑シリーズなのに……!!
ドエロいのは無理だが、最終回までには必ずエロ入れたい。