先輩ifシリーズ
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※子供の名前固定
虎杖は悩んでいた。
目の前には小さな男の子。
体術のために中庭に来たのだが
そこにいたのは先生ではなく
小さな男の子だった。
その男の子は
こちらをじっと見上げている。
「ねぇ」
「お、おう?」
「貴方が宿儺の器?」
「そうだけど…」
君、どっから来たの?とか
何で子供がいるの?とか
色々聞きたいことはあるのだが
目の前の子供はにっこりと笑う。
「遊んでよ、宿儺の器」
モデルのように整った顔立ち。
テレビっ子の虎杖だが
テレビに映る子供より、目の前の子供は
顔立ちが整っていたように感じた。
さらさらの白い髪。
紫の瞳。
整った顔立ち。
真っ黒な服を着て
ヘアバンドで前髪をあげている男の子。
色々考えることはあったが
虎杖はにかっと笑った。
「なにして遊ぶ?」
釘崎は中庭に行くため
ゆっくりと歩いていた。
入学の書類を出しながら
次の授業は体術か…と
中庭へ向かっている最中だったが
広い高専に、少し迷子になりかけながら
中庭にたどり着いた。
着いたのだが
目の前の光景にすんっ、と表情が抜け落ちた。
「………なにしてんのよ、あんた」
「あ……釘崎」
「こんにちは、お姉さん」
にっこりと笑う、整った顔立ちの男の子。
男の子に下敷きにされた
虎杖は顔色が悪く、正反対な2人。
「あんた誰よ」
「そーいえばお二人とは初めましてですね」
「だから誰だよ」
「誰でしょう?」
「あ"?舐めてんのかガキ」
沸点の低い釘崎に
男の子は眉間にしわを寄せる。
「口が悪いね、お姉さん」
「躾のなってないガキは嫌いよ。
どっから来たのか名乗れよガキ」
「……お姉さん、嫌い」
ぷいっ、と顔を背ける男の子。
釘崎の眉間に青筋が出る。
「ガキ、躾てやる」
「女の人だから、手加減してあげる」
「あ"?」
にっこりと笑った男の子。
釘崎は青筋を浮かべたまま
男の子へ向かって行った。
「………………」
伏黒は目の前の光景に
表情を無くした。
用事を終わらせ
中庭に来たのだが
目の前には屍が2つ。
そして、その2人をつつく男の子。
「あ!恵くんだ」
「…………なにしてんだ」
「遊んでた」
けろり、と答える男の子。
地面に倒れている2人は
息荒く突っ伏している。
「なにしてんだ」
もう一度、言うしかなかった。
「恵くんも遊ぶ?」
「………あぁ。そーゆーことか」
伏黒が納得したのは遊び、と称された
この男の子による
えげつない体術だったのだと。
「お前、手加減しないから嫌だ」
「恵くん、クソ弱いもんね」
「…………」
「お兄さんはなかなかだけど
このお姉さんも激弱」
「………怒られるぞ」
「だってパパが頼んできたから」
その言葉に、伏黒は溜め息をつく。
きょとんとする男の子に
悪気はまったくない。
「伏黒……知り合い?」
「なんなのよ…このガキ」
「五条先生の息子」
「初めまして、五条 輝です」
にっこりと笑う男の子、改め輝。
虎杖と釘崎が揃って声をあげる。
「嘘でしょ!?あいつ子供もいたの!!?」
「君何歳!?」
「10歳」
「はぁ!?ってことは……あいつ
学生のうちに子供作った…デキ婚??」
「正確に言うと、結婚して子供出来た」
「五条先生すっげー」
「あり得ないわ
まじであり得ないわ、引く」
「………はっ!!釘崎!!」
「何よ」
「五条先生の子供ってことは……
名前さんの子供ってことだよな」
「何当たり前のこと言って……」
はっ、と釘崎も気付く。
「名前さん、子供1人いるように見えない……」
「そうよ……あいつと結婚していて
その子供ってことは
名前さん、人妻の子持ちってことなのよね…」
「輝、学校は?」
「休み」
「先生の頼みとはいえ
名前さんに怒られるぞ」
「手加減は、シタ」
「目が泳いでるぞ」
「………ママ、怒る?」
「まずはあの2人に謝ってこい」
しゅん、となった男の子に
とぼとぼと歩き
混乱中の虎杖と釘崎に頭を下げる。
「ごめんなさい」
「………え?なんで?」
「金蹴りしたから?」
「されたけど」
「「されたのかよ」」
「俺は遊んでただけだし
釘崎とは途中から鬼ごっこしてただけだし」
「態度は悪かったけど
謝ったから許してあげるわよ」
「輝、お前なんて言われて来たんだよ」
「パパが一年生はまだまだ弱いから
体力つけなきゃいけないから
全力で遊んでいいよって」
こてん、と首を傾げる男の子。
「お兄さんは、宿儺の器だから
本気出しても丈夫だから大丈夫だし
お姉さんは女子だから
顔傷つけなければいいよって」
「グズかよ」
「最低ね」
「だから、お兄さんとは戦いごっこして
お姉さんは傷つかないように鬼ごっこした」
駄目だった?と
泣きそうになる男の子に
虎杖と釘崎はあわあわと慌てだす。
「駄目じゃない駄目じゃない!!
金蹴りしないなら、戦うから!!」
「お、鬼ごっこくらいで駄目なんて
言わないわよ!!」
「だって、恵くん」
けろり、としている輝。
先ほどまでの泣きそうな表情は
どこにいった。
「……だんだん先生にそーゆーとこ
似てきたな」
「パパの子だもん」
「名前さん困らすなよ」
くしゃくしゃと頭を撫でると
ケラケラ笑っている。
「あ、いた」
「ママ!!」
「何してたの?」
「パパからの頼まれごと」
「?」
「体術って名前さんですか?」
「うん
……この子、何かやらかしてた?」
じとり、と息子を見る名前。
さっと、顔ごと反らしたため
何かやったのだと溜め息をつく。
「ごめんね」
「俺は遊んでただけだから大丈夫です」
「私も別に」
「名前さん、輝金蹴りしたらしいです」
「え?虎杖くんに?」
「宿儺の器だから
全力でいいと先生に言われたと」
「輝、金蹴りはパパだけにしないと」
「はーい」
「五条先生の扱い……」
「大丈夫
私が既に初対面で蹴っちゃったから」
「大丈夫の要素無いじゃん」
「名前さん、最高か」
笑いだす釘崎。
伏黒と虎杖は青ざめている。
「けど、虎杖くんでも
輝に負けちゃうレベルかー」
「子供だと思って油断されたかも?」
「んー油断してたら呪霊討伐なんて
出来ないから、まずは」
ぱちん、と両手を合わせ
にっこり笑う名前。
「鬼ごっこ、しようか」
「嫌です」
「大丈夫だよ、恵」
「嫌です」
「鬼ごっこなのに、何で嫌がるのよ」
「そーだそーだ」
「……お前ら、輝との鬼ごっこ
ただ輝がチョロチョロ逃げてただけだろ?」
「「そーいえば」」
「名前さんの鬼ごっこは
俺らが逃げて
攻撃かわさなきゃいけねーんだよ」
「ちなみに、この中庭のみとしまーす」
にっこり笑う名前と
青ざめる伏黒。
「ママ、僕もやっていーの?」
「輝も逃げていーよ」
「わーい!!」
「別に攻撃かわすくらい…」
「虎杖」
「な、なんだよ……」
「輝の金蹴り、名前さん直伝だからな」
「っ!!」
「この人、体術に関しては
五条先生と同レベルだぞ」
「悟には敵わないって」
ケラケラ笑う名前に
虎杖、釘崎がダッシュで逃げる。
「あ、ちなみに」
伏黒も逃げ出すが
後ろから恐ろしい言葉が聞こえた。
「鬼ごっこだから全員に
タッチするまで、止めないからね?」
その後、伏黒の耳ギリギリに足がかする。
チッ、と擦れた耳が熱いと思っていたら
目の前に笑顔の名前がいて
慌てて立ち止まり、目の前をかする足を避ける。
避けた瞬間、足払いをされ
伏黒は地面に背中を打っていた。
「「えええぇぇぇぇっ」」
「かするのはセーフだから
タッチだからねー」
「いや、かするどころか、めちゃくちゃ
タッチでしたよね?それ」
「タッチは手でポン、ってするんだよ?」
「ってぇ………
つまり、足払いされようが
蹴り飛ばされようが
投げ飛ばされようが………名前さんが
手でポンするタッチじゃないと
捕まったことにならないルールなんだよ」
「それ、かすってる内に入ってない!!」
「ほら、いくよー」
虎杖、釘崎も避けられるギリギリで攻撃され、
時に投げ飛ばされ、蹴り飛ばされる。
他の人が攻撃されている間は休めるとはいえ
気を抜いた瞬間、足や手が飛んで来るので
いつでも動けるように緊張感を持っていないと
吹き飛ぶし、痛い。
「うわ……輝すげ」
「もはや人間じゃないわよ、アレ」
「輝はチビの頃から
あの鬼ごっこに慣れてるからな」
楽しそうに逃げ回る輝。
しかし、えげつない蹴りや突きが飛んでいて
見てる側は楽しそうに見えない。
「そろそろ時間かなー?」
「………逃げろ」
「え?」
「輝、ターッチ」
「はーい!!」
「よし、いくよー」
「これ、鬼ごっこだからな
タッチされたら鬼増えるぞ」
「「!!!!!」」
伏黒が逃げ出し
次いで虎杖と釘崎も逃げ出すが
少し遅かった2人の目の前に
にっこり笑った悪魔に見える2人。
「さて、輝。
釘崎ちゃんに怪我させない程度だよ?」
「顔だめ、大きな怪我だめ」
「そーそー。で、3分くらい遊んでいいよ」
「はーい!!」
「ちょっ、名前さん聞いてないわよ!!?」
「鬼ごっこだよ?」
「チキショー!!美人だな、おい!!」
「ありがとー!!
さて、虎杖くん」
「………はい」
「遊ぼうか?」
笑顔の名前がとても怖かった。
その後、ギリギリの攻撃のラッシュ。
ギリギリで避けられるタイミングで
飛んで来る攻撃を避け続ける。
ちらりと釘崎が視界に入った頃には
地面に倒れていた。
それが悪かったのか
がっつりと蹴りがお腹に入り
地に倒れた頃にタッチされる。
「他に気を取られちゃだめでしょ」
「………ッス」
「釘崎ちゃんはもっと体力つけないとね」
「…………」
「で、残りは恵だね」
「恵くんは?」
「フルボッコにしていーよー」
「はーい」
無邪気な子供が恐ろしい。
この数分後、伏黒も地面に倒れていた。
「お疲れサマンサー」
「パパ!!」
「わー、見事に全員地に伏してるね」
「お疲れ、悟」
「名前もありがと」
五条が輝を抱き上げ
名前に近寄り、後頭部にキスを落とす。
「チッ……いちゃつきやがって…」
「名前さん、やべー」
「………寝たい」
「君たち、だらしないよ?」
「しばらくは体力作りと反射神経だね」
「鬼ごっこ、怖い……」
「鬼ごっこしたんだ?」
「楽しかったよ!!」
「輝いたからね。
悟来たなら、私輝連れて帰るよ」
「わかった。気をつけてね」
「お兄ちゃん、お姉さん、恵くんまたね!!」
笑顔でいなくなった輝。
ひらひらと力なく手を降る三人に
五条はケラケラ笑う。
「良かったね、君たち」
「「「???」」」
「僕が学生の時
一番最強だったの名前だよ」
「嘘……」
「ちなみに僕、初対面で金蹴りで
沈められたから」
「あれ、まじだったんだ……」
「だから安心して、強くなるんだよ」
「安心の要素無いだろ」
「急所狙われ出したら
レベルアップした証拠だから」
「「!!?」」
「頑張って、若人達」
クスクス笑う五条に
三人は黙って青ざめた。
人は見かけによらないらしい。
あとがき
何も言うことはない……(笑)
思ってたんと違うものが
出来てしまった……。
虎杖は悩んでいた。
目の前には小さな男の子。
体術のために中庭に来たのだが
そこにいたのは先生ではなく
小さな男の子だった。
その男の子は
こちらをじっと見上げている。
「ねぇ」
「お、おう?」
「貴方が宿儺の器?」
「そうだけど…」
君、どっから来たの?とか
何で子供がいるの?とか
色々聞きたいことはあるのだが
目の前の子供はにっこりと笑う。
「遊んでよ、宿儺の器」
モデルのように整った顔立ち。
テレビっ子の虎杖だが
テレビに映る子供より、目の前の子供は
顔立ちが整っていたように感じた。
さらさらの白い髪。
紫の瞳。
整った顔立ち。
真っ黒な服を着て
ヘアバンドで前髪をあげている男の子。
色々考えることはあったが
虎杖はにかっと笑った。
「なにして遊ぶ?」
釘崎は中庭に行くため
ゆっくりと歩いていた。
入学の書類を出しながら
次の授業は体術か…と
中庭へ向かっている最中だったが
広い高専に、少し迷子になりかけながら
中庭にたどり着いた。
着いたのだが
目の前の光景にすんっ、と表情が抜け落ちた。
「………なにしてんのよ、あんた」
「あ……釘崎」
「こんにちは、お姉さん」
にっこりと笑う、整った顔立ちの男の子。
男の子に下敷きにされた
虎杖は顔色が悪く、正反対な2人。
「あんた誰よ」
「そーいえばお二人とは初めましてですね」
「だから誰だよ」
「誰でしょう?」
「あ"?舐めてんのかガキ」
沸点の低い釘崎に
男の子は眉間にしわを寄せる。
「口が悪いね、お姉さん」
「躾のなってないガキは嫌いよ。
どっから来たのか名乗れよガキ」
「……お姉さん、嫌い」
ぷいっ、と顔を背ける男の子。
釘崎の眉間に青筋が出る。
「ガキ、躾てやる」
「女の人だから、手加減してあげる」
「あ"?」
にっこりと笑った男の子。
釘崎は青筋を浮かべたまま
男の子へ向かって行った。
「………………」
伏黒は目の前の光景に
表情を無くした。
用事を終わらせ
中庭に来たのだが
目の前には屍が2つ。
そして、その2人をつつく男の子。
「あ!恵くんだ」
「…………なにしてんだ」
「遊んでた」
けろり、と答える男の子。
地面に倒れている2人は
息荒く突っ伏している。
「なにしてんだ」
もう一度、言うしかなかった。
「恵くんも遊ぶ?」
「………あぁ。そーゆーことか」
伏黒が納得したのは遊び、と称された
この男の子による
えげつない体術だったのだと。
「お前、手加減しないから嫌だ」
「恵くん、クソ弱いもんね」
「…………」
「お兄さんはなかなかだけど
このお姉さんも激弱」
「………怒られるぞ」
「だってパパが頼んできたから」
その言葉に、伏黒は溜め息をつく。
きょとんとする男の子に
悪気はまったくない。
「伏黒……知り合い?」
「なんなのよ…このガキ」
「五条先生の息子」
「初めまして、五条 輝です」
にっこりと笑う男の子、改め輝。
虎杖と釘崎が揃って声をあげる。
「嘘でしょ!?あいつ子供もいたの!!?」
「君何歳!?」
「10歳」
「はぁ!?ってことは……あいつ
学生のうちに子供作った…デキ婚??」
「正確に言うと、結婚して子供出来た」
「五条先生すっげー」
「あり得ないわ
まじであり得ないわ、引く」
「………はっ!!釘崎!!」
「何よ」
「五条先生の子供ってことは……
名前さんの子供ってことだよな」
「何当たり前のこと言って……」
はっ、と釘崎も気付く。
「名前さん、子供1人いるように見えない……」
「そうよ……あいつと結婚していて
その子供ってことは
名前さん、人妻の子持ちってことなのよね…」
「輝、学校は?」
「休み」
「先生の頼みとはいえ
名前さんに怒られるぞ」
「手加減は、シタ」
「目が泳いでるぞ」
「………ママ、怒る?」
「まずはあの2人に謝ってこい」
しゅん、となった男の子に
とぼとぼと歩き
混乱中の虎杖と釘崎に頭を下げる。
「ごめんなさい」
「………え?なんで?」
「金蹴りしたから?」
「されたけど」
「「されたのかよ」」
「俺は遊んでただけだし
釘崎とは途中から鬼ごっこしてただけだし」
「態度は悪かったけど
謝ったから許してあげるわよ」
「輝、お前なんて言われて来たんだよ」
「パパが一年生はまだまだ弱いから
体力つけなきゃいけないから
全力で遊んでいいよって」
こてん、と首を傾げる男の子。
「お兄さんは、宿儺の器だから
本気出しても丈夫だから大丈夫だし
お姉さんは女子だから
顔傷つけなければいいよって」
「グズかよ」
「最低ね」
「だから、お兄さんとは戦いごっこして
お姉さんは傷つかないように鬼ごっこした」
駄目だった?と
泣きそうになる男の子に
虎杖と釘崎はあわあわと慌てだす。
「駄目じゃない駄目じゃない!!
金蹴りしないなら、戦うから!!」
「お、鬼ごっこくらいで駄目なんて
言わないわよ!!」
「だって、恵くん」
けろり、としている輝。
先ほどまでの泣きそうな表情は
どこにいった。
「……だんだん先生にそーゆーとこ
似てきたな」
「パパの子だもん」
「名前さん困らすなよ」
くしゃくしゃと頭を撫でると
ケラケラ笑っている。
「あ、いた」
「ママ!!」
「何してたの?」
「パパからの頼まれごと」
「?」
「体術って名前さんですか?」
「うん
……この子、何かやらかしてた?」
じとり、と息子を見る名前。
さっと、顔ごと反らしたため
何かやったのだと溜め息をつく。
「ごめんね」
「俺は遊んでただけだから大丈夫です」
「私も別に」
「名前さん、輝金蹴りしたらしいです」
「え?虎杖くんに?」
「宿儺の器だから
全力でいいと先生に言われたと」
「輝、金蹴りはパパだけにしないと」
「はーい」
「五条先生の扱い……」
「大丈夫
私が既に初対面で蹴っちゃったから」
「大丈夫の要素無いじゃん」
「名前さん、最高か」
笑いだす釘崎。
伏黒と虎杖は青ざめている。
「けど、虎杖くんでも
輝に負けちゃうレベルかー」
「子供だと思って油断されたかも?」
「んー油断してたら呪霊討伐なんて
出来ないから、まずは」
ぱちん、と両手を合わせ
にっこり笑う名前。
「鬼ごっこ、しようか」
「嫌です」
「大丈夫だよ、恵」
「嫌です」
「鬼ごっこなのに、何で嫌がるのよ」
「そーだそーだ」
「……お前ら、輝との鬼ごっこ
ただ輝がチョロチョロ逃げてただけだろ?」
「「そーいえば」」
「名前さんの鬼ごっこは
俺らが逃げて
攻撃かわさなきゃいけねーんだよ」
「ちなみに、この中庭のみとしまーす」
にっこり笑う名前と
青ざめる伏黒。
「ママ、僕もやっていーの?」
「輝も逃げていーよ」
「わーい!!」
「別に攻撃かわすくらい…」
「虎杖」
「な、なんだよ……」
「輝の金蹴り、名前さん直伝だからな」
「っ!!」
「この人、体術に関しては
五条先生と同レベルだぞ」
「悟には敵わないって」
ケラケラ笑う名前に
虎杖、釘崎がダッシュで逃げる。
「あ、ちなみに」
伏黒も逃げ出すが
後ろから恐ろしい言葉が聞こえた。
「鬼ごっこだから全員に
タッチするまで、止めないからね?」
その後、伏黒の耳ギリギリに足がかする。
チッ、と擦れた耳が熱いと思っていたら
目の前に笑顔の名前がいて
慌てて立ち止まり、目の前をかする足を避ける。
避けた瞬間、足払いをされ
伏黒は地面に背中を打っていた。
「「えええぇぇぇぇっ」」
「かするのはセーフだから
タッチだからねー」
「いや、かするどころか、めちゃくちゃ
タッチでしたよね?それ」
「タッチは手でポン、ってするんだよ?」
「ってぇ………
つまり、足払いされようが
蹴り飛ばされようが
投げ飛ばされようが………名前さんが
手でポンするタッチじゃないと
捕まったことにならないルールなんだよ」
「それ、かすってる内に入ってない!!」
「ほら、いくよー」
虎杖、釘崎も避けられるギリギリで攻撃され、
時に投げ飛ばされ、蹴り飛ばされる。
他の人が攻撃されている間は休めるとはいえ
気を抜いた瞬間、足や手が飛んで来るので
いつでも動けるように緊張感を持っていないと
吹き飛ぶし、痛い。
「うわ……輝すげ」
「もはや人間じゃないわよ、アレ」
「輝はチビの頃から
あの鬼ごっこに慣れてるからな」
楽しそうに逃げ回る輝。
しかし、えげつない蹴りや突きが飛んでいて
見てる側は楽しそうに見えない。
「そろそろ時間かなー?」
「………逃げろ」
「え?」
「輝、ターッチ」
「はーい!!」
「よし、いくよー」
「これ、鬼ごっこだからな
タッチされたら鬼増えるぞ」
「「!!!!!」」
伏黒が逃げ出し
次いで虎杖と釘崎も逃げ出すが
少し遅かった2人の目の前に
にっこり笑った悪魔に見える2人。
「さて、輝。
釘崎ちゃんに怪我させない程度だよ?」
「顔だめ、大きな怪我だめ」
「そーそー。で、3分くらい遊んでいいよ」
「はーい!!」
「ちょっ、名前さん聞いてないわよ!!?」
「鬼ごっこだよ?」
「チキショー!!美人だな、おい!!」
「ありがとー!!
さて、虎杖くん」
「………はい」
「遊ぼうか?」
笑顔の名前がとても怖かった。
その後、ギリギリの攻撃のラッシュ。
ギリギリで避けられるタイミングで
飛んで来る攻撃を避け続ける。
ちらりと釘崎が視界に入った頃には
地面に倒れていた。
それが悪かったのか
がっつりと蹴りがお腹に入り
地に倒れた頃にタッチされる。
「他に気を取られちゃだめでしょ」
「………ッス」
「釘崎ちゃんはもっと体力つけないとね」
「…………」
「で、残りは恵だね」
「恵くんは?」
「フルボッコにしていーよー」
「はーい」
無邪気な子供が恐ろしい。
この数分後、伏黒も地面に倒れていた。
「お疲れサマンサー」
「パパ!!」
「わー、見事に全員地に伏してるね」
「お疲れ、悟」
「名前もありがと」
五条が輝を抱き上げ
名前に近寄り、後頭部にキスを落とす。
「チッ……いちゃつきやがって…」
「名前さん、やべー」
「………寝たい」
「君たち、だらしないよ?」
「しばらくは体力作りと反射神経だね」
「鬼ごっこ、怖い……」
「鬼ごっこしたんだ?」
「楽しかったよ!!」
「輝いたからね。
悟来たなら、私輝連れて帰るよ」
「わかった。気をつけてね」
「お兄ちゃん、お姉さん、恵くんまたね!!」
笑顔でいなくなった輝。
ひらひらと力なく手を降る三人に
五条はケラケラ笑う。
「良かったね、君たち」
「「「???」」」
「僕が学生の時
一番最強だったの名前だよ」
「嘘……」
「ちなみに僕、初対面で金蹴りで
沈められたから」
「あれ、まじだったんだ……」
「だから安心して、強くなるんだよ」
「安心の要素無いだろ」
「急所狙われ出したら
レベルアップした証拠だから」
「「!!?」」
「頑張って、若人達」
クスクス笑う五条に
三人は黙って青ざめた。
人は見かけによらないらしい。
あとがき
何も言うことはない……(笑)
思ってたんと違うものが
出来てしまった……。