幼馴染は生き残りたい
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
突然だが聞いて欲しい。
親友の彼女に会いに行ったらキレられた。
自分以外は雑魚だと思って来た入学式。
高専に居た変な前髪の胡散臭い男。
手を差し出し「よろしく」、と言う男に対して自分は「雑魚とよろしくする気は無い」と言いはなったら「良家の坊っちゃんは挨拶という基本的な常識すら知らされず甘やかされて育ったんだね」……なんて哀れんだ顔をされた。
「一般家庭で流行ってんのかよ。そのダセェ前髪」
「呪術界では"挨拶"と書いて"馬鹿にする"と教えられるのか。知らなかったよ。
今度からは君の教えに習って思った事を口にすることにするよウドの大木くん」
「あ?馬鹿にしてんのはわかんのか。日本語通じねぇのかと思ったわ」
「奇遇だね。私も日本語が通じ無いのかと思っていたよ。耳が悪かっただけで頭は小学生並みの理解力だったのかな?ごめんね、今度からはよく噛み砕いて説明する事にするよ」
お互いにコングが鳴り響き校舎を破壊し友情を育んだ懐かしき桜舞う入学式。
寮の部屋は隣。
お互いに行き来をして友情を深め……見付けたAVという未知の世界。
興味本位で傑の許可無くDVDをセットすれば内容に気付いた傑に怒られる。が、結局二人で見ることに。
家柄的に女を宛がわれて初めての経験を済ませ、すぐに自分の種目当てだと気付いてから家の関わりがある者との性行為は拒否。
街に出れば俺には劣るが綺麗めな女を引っかけて致す日々。
自分で抜くなど考えた事は無かった。
むしろ抜くなら生身が一番気持ちいいだろ?処理やその後を求められるのや彼女面されるのは面倒だが。
傑のAVを見てムクムク起き上がる息子。
傑は何事も無いかのように見ているしズボンにテントが張る様子も無い。
気恥ずかしくなりながらも冷静を装い見終わったが……立てない。
息子がおはようからのギンギンでちょっとヤバい。
「悟?」
おやおや、なんて俺の息子を見ながら苦笑された。やめろ、余裕そうな顔でマウント取るな。人を童貞のように扱うな。
出さなきゃおさまりそうに無い。だが同級生の女子に声を掛けるわけにもいかない。
今から街に?立てないしその頃には治まるわ。
夜蛾の顔を思い浮かべて煩悩を消す。
「……傑は平気なのかよ」
「反応しないわけじゃないよ。
悟、抜くなら自分の部屋でやってくれよ」
「自分で抜いた事ねーよ」
「……オナニーしたこと無いのかい?
家柄的に女を宛がわれてって感じなのかい?」
「そういうのもあるけど俺の精液で子供孕もうと考えてる奴らばっかだぜ?
気持ち悪くて適当な女引っかけた方がマシ」
「良家というのも大変だな」
「傑は?自分で抜くの?」
「地元帰って抱き潰す」
「は?」
ギラッとした傑の目。
いや、まて。何だその獲物を狙うような強い呪霊と対峙した時の顔。
「前までは一人でどうにか出来ていたけど……」
「傑って彼女居たの?」
「いるよ。幼馴染なんだ」
「どこの漫画?」
失礼だな、なんてムスッとしているがオマエ……絶対彼女一筋ってタイプじゃないじゃん。
「抜くだけなら別に彼女じゃなくても良くね?」
「一度試したけど無理だった」
「うわっ」
「名前じゃない時点で気乗りもしないし、自分の下でヨガって一人でイカれると萎えてくるんだよ。
試しに知らない女で尻や首締めを試したこともあったけどイケないし違う扉開きそうになったから止めた」
「うわぁ……」
淡々と話す傑ヤベェな、と思っていた。
しかし傑にとっては深刻なのだろう。ゲンドウポーズ?だかで壁を睨み付けるように見つめ出す。怖い怖い怖い。親友の狂気的な一面に息子が落ち着いてきた。
「悟程の人数を試したことは無いけど……確実に言えるのはあの身体を味わうともう家畜に手を出す事は出来ないって話かな」
「俺よりやベーよ傑」
「抜けないわけじゃないけど、一人でするより気持ちいい事を知ってしまうと物足りなくて不完全燃焼感が酷いからしない方がマシなのさ」
はぁ、とため息をつく傑。
いやいや、そんなドきつい話聞かされてこっちがため息つきたいわ。
一歩間違えたら犯罪起こしそうな扉開きかけた事情といい、犯罪起こしかけるほど魅力的な身体の持ち主の幼馴染も気になるが。
「彼女どんな子?」
「あー……悟に似てるかも」
「マジ?」
「性格がね。興味があれば手を出して追究したくなるみたい。彼女の方が悟より可愛いよ」
この顔面を見て彼女のが可愛いと言える傑ヤベェ。
写真を見せて貰ったがまぁまぁ可愛い。
俺に似てる要素どこにあんの?とは思ったが傑の膝に抱かれてお互いの顔をくっつけながら自撮りしている写真はどちらも幸せそうに見えた。
「体格差エグッ。傑の全部収まんの?」
「収まるよ。お腹ボコボコ浮き上がるの凄い楽しいよ」
「止めろ。せっかく治まったのに」
「悟も一人でするの覚えたら?毎回街に行ってられないだろ」
「えー」
「オカズなら貸すから」
適当に傑のAVを借りて一人で試みる。
2つの穴を攻められている光景に俺は何てものを借りてしまったんだ?と頭の片隅で思うものの女優が可愛い顔立ちでゴツい男達に犯されている姿は……傑の趣味全開だな、と思った。
気持ちいいところまでいっても困ったことに出すまでには至らない。
これはどうすべきが正解なんだ?と玩具を取り寄せて使ってみたが不完全燃焼。
スッキリ出せないモヤモヤに傑の元へ。
「傑、出せねぇ」
「……玩具とか色々あるだろ」
「色々買って試したけど無理」
玩具の起動音とか、シリコンを自分の手で上下にする間抜けさとか色々考えてしまうと途端に抜けなくなる。
ムラムラするし、寸止めで辛い。
この時の俺は正直どうにかしていた。
一人で抜くという未知の体験に必死になっていたし、とにかくムラムラしていた。
女を引っかけるのは面倒だからオナニーを覚えようとしていて……と考えて傑ならどうにかしてくれると思っていた。
「なぁ、傑」
「何?」
「男でも尻でイケるのかな?」
「……イケるんじゃないか?男同士でする時は尻だし。慣れると物凄く気持ちいいらしいから女とヤれなくなる人もいるみたいだよ」
「まじか」
「ヤる時は準備が大事みたいだけどね」
何でそんな知識あんの?とか諸々聞きたかったがとにかく今はこのムラムラから解放されたかった。
「傑」
「やだよ」
「無理。俺もう限界」
「嫌だって」
「じゃあ傑が抜いて」
「じゃあって何だ」
「傑が俺に一人でしろって言ったんじゃん!責任取ってどうにかしろよ!!」
「……今回だけだよ」
何度も言おう。
この時の俺はどうにかしていた。
ちんこ出して傑に擦って貰っても物足りない。
「悟、早くイッて」
「無理」
よく見ればAVじゃ勃たなかった傑のモノが勃っていた。嘘だろ?傑って男同士もイケるの?彼女しか無理とか言ってたのに?なんて考えていたら自ずと傑のモノに手が伸びていた。
興味本位。
「悟」
「傑も勃ってんじゃん」
「性欲はあるからね。だから弄るな」
「俺の弄ってんだからいーだろ」
男同士で向かい合って陰茎を擦り合う状況に興奮はした。しかしどちらもイケない。
何だかお互い我慢比べみたいになってしまった。
「さっさとイケよ」
「悟がイキなよ」
負けず嫌いから傑を先にイカせたくて必死になる。済ました顔して硬度を無くしていく傑に苛立つ。
俺は我慢しているのに俺のテクで萎えていくなんてムカつく。
普通なら絶対しない。
だが俺は傑の陰茎を口にする。
「悟!?」
「ひゃっひゃといへよ」
再び硬度を取り戻した傑にニヤリとしてさあイケ!!ともはや目的が違ってきてる。
なかなかイカない傑に顎が疲れてきた。
「傑……オマエ遅漏?」
「まぁね」
「口から離した途端に萎えてんじゃねーよ。インポかよ」
「悟」
「何だよ」
「下手くそ。私の彼女より下手」
「はぁん!?」
「自分の気持ちいい所くらい覚えなよ。そしたら一人でも出来るさ」
「だからそれが分かればっ」
「仕方ないな」
今回だけだぞ、と言って俺のを口にする傑。
女にフェラされた事はある。
だけど気持ちいいと思った事は無い。
なのに……
「う"ぁっ」
傑の口デカっ。そしてバキュームがすご。
亀頭や裏スジ、玉まで舐められて全身がゾワゾワと鳥肌が止まらない。
傑の舌使いにここ悟の弱いところと言われてもそんなところで話すな。弄るな。
感じ過ぎてよくわからない。今まで我慢していたものが上がってくる。
再び咥えられ根元まで飲み込まれ、喉の奥を締められる度本当に中に入れているみたいで気持ちいい。
ヤバいと思ってたらイッてしまった。
無言でティッシュに吐き出す傑。
そのままうがいに行った。
俺は賢者タイムでボーーっとしてしまう。
「傑ってさぁ」
「何だよ」
「どこでそんな経験積むの?」
「彼女かな」
「オマエの彼女何者?」
男とヤる知識と男にヤるフェラを学べる彼女って何?どういう事?
そしてそれを実戦できる傑は何なの?
改めて冷静になるとおかしくね?この状況……と思いながら変な興味が止まらない。
下手な女とするよりも気持ち良かった。
それからと言うもの傑は嫌そうな顔をするがなぜか俺のお願いを断ることは無い。
彼女が俺にちょっと似てるって言ってたからだろうか?
これ幸いと傑をちょこちょこ誘って抜いて貰う。男が好きなわけじゃない。傑は好きだが友人としてだ。
しかも傑の彼女からオススメされる道具はそこそこ楽しめるし、特にローションストッキングヤバい。
意味わかんねぇくらい気持ちいい。
そうなれば会いたくなるのは当然だろ?
しかし冷静な俺が囁く。
今の俺の立場って傑の何?何なの?
親友だけど親友の枠から外れてね?
「って事でどう思う?硝子」
「どうでもいい」
「なぁ、オマエもどう思う?華」
同級生の女子二人に相談するが……ゴミを見る目を向けられた。
「五条くんの趣味趣向の話とかガチでどうでもいいよぉ」
「酷くね?俺わりと本気で悩んでるから」
「ちんこもげろぉ」
「ふざけんな」
「こちとらちんこ無くなって数十年やっと女に慣れてきたんだぞぉ。
ちんこを失う哀しみをオマエも味わえ」
「華は男だったの?なら俺の悩みもどうにか共有して」
「僕より立派なちんこの悩みなんかどうでもいいわボゲェッ」
女子とは思えない華の発言。
とりあえず聞いてくれ。このままじゃ俺は俺の大事な何かを傑に奪われたままになりそうだから。
「そもそも何で夏油くんに抜いて貰おうと思ったのぉ?馬鹿じゃん」
「それな」
「興味本位?」
「「自業自得」」
はい、乙解散って解散すんな。
華は舌打ちしてカコカコ携帯を弄る。
「ほらこれでいいじゃん。解決」
「待てよっ!!俺がこれ使うの!?」
「前も後ろも堪能できるからいいじゃん」
「五条家嫡男がダッチワイフでオナルのウケんな」
ケタケタ笑う硝子。
女子達が酷い。
「いいのか?クラスメートのイケメン枠な男二人がデキても!!」
「「別に」」
「オッマエら!!!」
「そもそも夏油くん彼女いるんでしょ?
今の状況的には五条くん愛人か浮気相手じゃーん」
「どっちも最悪だな」
「親友枠通り越してセフレだぁ」
うわぁ、と引く二人。
違うと声に出しても二人はヒソヒソと話している。
「あれ?皆どうしたんだい?」
「夏油くんって彼女いるんだってぇ?」
「うん。華には絶対会わせたくないくらい可愛いから華には見せないよ」
「は?僕は僕一択だしぃ。野郎同士仲良くヤってろよぉ」
「悟とはそんな関係じゃないよ。ヤるなら彼女としか無理」
「へぇ。そんないい女なのぉ?」
「まぁね」
クスリ、と笑う傑。
「そうだ、悟」
「んー?」
「非呪術師に術式使うと呪詛師認定されるのはどこまでがセーフでどこでアウトだい?」
「……は?」
「待って。夏油くん呪詛師になるのぉ!?」
「何だい、華?私は呪詛師になんかならないよ」
「じゃあどういった意味合い?」
「殺しはしないさ。だけど」
「「「だけど?」」」
「洗脳・調教はありかなしか……どっちだい?」
真剣な顔で何言ってんだコイツ。
「非呪術師を呪う予定でもあるのか?」
「非呪術師でも帳内で濃い呪いを浴び続けたら見える事があるだろ?
長時間私の呪いで洗脳しつつ帳に閉じ込めたらせめて見えるようにならないかな……と思って」
真剣な顔で何言ってんだコイツ!!!!
見てみろ、硝子と華の顔が真顔だぞ。
「洗脳は無理矢理な行為だから脳が後々壊れてしまう可能性があるのが難点なんだ。
都合良く非呪術師を作り替える事が出来る呪霊がいればいいんだけど」
「それ居たとしても特級案件だろ」
「やっぱり現時点では弱い呪い詰め込んで帳に閉じ込めるしかないか……」
「夏油くん何しようとしてるのぉ?」
「あぁ、彼女を非呪術師じゃなくさせようと思って」
「「「は?」」」
何言ってんだこの前髪!?
サラッと笑顔で携帯カコカコしながら……何言ってんだ!?
「彼女、非呪術師なんだ。
危険な任務に行かせたくはないからせめて見えれば窓か補助監督になればいい。
そしたら高専に通えるしわざわざ会えずにモヤモヤしなくて済むからね」
「傑、アウト」
「駄目なのかい?」
「思考回路がギリアウト」
「ギリじゃないだろ。アウトだアウト」
「夏油くんの私利私欲でこっちの世界に引き込むのはちょっとぉ……」
ドン引きだよ。
まさか親友がここまでヤバいと思って無かった。
「意外……夏油くんなら真面目だから
"呪術師は非呪術師を守るために在るべきだ"って思考回路だと思ってたぁ」
「確かにそう思ってるよ」
「ウゲェ……いい子ちゃんかよ」
「思ってはいるけど非呪術師の中にも糞はいるし呪術師にも糞はいる。
私は強いからなるべく助けようとは思っているけど……うん。糞を助けても世界は救われないなら助けない、かな」
「じゃあ夏油くんにとっての糞ってどんな存在?」
「彼女に害ある家畜」
「「「んん?」」」
「発情期の猿共も共に駆除したいが私が故意に動くと呪詛師となってしまうからね」
待て。待て待て待て待て。
目がどんよりと暗くなっていく傑。
「私の彼女はとても愛らしい馬鹿でね……。
見た目は美少女なのに、中身がとにかく残念なんだ」
「お、おぅ……」
「幼少期は山を駆け回る山猿だったはずなのに、何を思ったのか中学あたりには人間に戻って大人しくなってしまって」
「へ、へぇ…」
「悟が黙って微笑めば女はホイホイ釣れるだろ?まさにそうなったんだ」
「おい、俺を引き合いに出すな」
「中身の残念さは身近な友達くらいにしか出していないから顔だけで寄ってきた害虫は騙されるんだ。何度踏み潰してもどこからでも沸くんだ」
「げ、夏油くーん?戻って来てぇ?」
「どうにかこうにか物にしたけどあの馬鹿……ことあるごとに私から逃げようとするんだ」
スンッ、と表情を無くした傑。
待て待て!!
非呪術師の彼女を呪おうとすんな!!
「何か理由があって離れたいだけじゃないのか?」
「硝子しっ!!」
「例えば夏油に脅されて付き合っているだけでそんな好かれていないとか」
「硝子ヤメロ。まじで追い討ちかけんな」
「名前が私を好きじゃないって?
ははは、硝子。
名前が誰を好きか、なんて関係無いんだよ」
にこり、と笑う傑。
なぜだかその笑顔が怖い。
「名前は私のだからね」
「こっわ」
「メンヘラかよ」
「傑……オマエ彼女の為に別れてやれよ」
「やだよ。別れるくらいなら殺して呪詛師になる」
全員が駄目だコイツ……と思った。
傑のいない時に彼女が無事か確かめるべきだと三人で緊急会議を行う。
傑?彼女とラブラブ電話中だ。
邪魔したらマジギレされる。
「夏油の彼女保護すべきか?」
「保護って言ってるあたり傑の事呪詛師認定じゃん」
「アレはやばいよやばいよぉ。夏油くん一歩間違えたらヤバババ」
「彼女はこの危険性を理解してるのか?」
「…多分してないんじゃね?」
「同じ女子としては救わねばぁ!」
「あのクズに丸め込まれてるとかないわ」
一致団結。
そして決行。
華は傑と任務へ。
俺と硝子は手が空いているので傑の情報を頼りに彼女の高校へ。
目立つ俺らは仕方ない。
男女に囲まれても気にせず帰宅する女子の中から探す。
そんな中、謎の叫び声にその場に居た全員が声のした方向を向く。
そこには小さな体に不釣り合いな乳。
友達だろうか?自慢の乳に友達の腕を抱き込んでいるのはいいが……乳に腕が埋まってる。
なんだこのけしからん乳は。傑が育てたのか?そうなのか?ご馳走です。
「硝子、いた」
「まじ?どこ」
「あそこ」
「乳でか」
「だよな」
硝子と話して目当ての彼女に近付く。
どんどんと顔色を悪くし、プルプル震えながら涙目になっていく彼女。
は?可愛いが凄い。
じっと見下ろせば硝子より身長低い。
つまり首が痛い。
プルプルしながらもなぜか此方から目を逸らさないで見返してくる強気な態度が見えてなんかこう……虐めたくなる。
しかし、そんな事をすれば傑だけじゃなく硝子や華にもボロクソやられるのでいい子の俺は頭の中で虐める事にする。
「オマエが名前?」
「……はぃ」
「オイ、ちょっと面貸しなよ」
硝子に背中チネられた。
え?駄目だった?何で?
プルプルどころかブブブブブッとバイブみたいに振動してる。
ついでに乳も揺れている。
そんな怖がらせた?普通にしてんのに怖がられて気分悪いのこっちなんだけど?
「……い、嫌です」
「あぁん?」
何で断るんだよ!
わざわざ来てやったというのに!!わざわざオマエに忠告しに来たというのに!!!
舌打ちしたくなったが……なぜか彼女の友人が鼻血をボタボタ垂らすのでギョッとした。
鼻血を理由に離れようとする彼女。
これ幸いと硝子が友達の鼻血の様子を見ながら彼女と友人の腕を掴む。
そうしてやって来た適当なカフェ。
キョロキョロと落ち着きの無い彼女にひとまず話を進める。
「なぁ」
「はひっ!!」
「オマエ傑の彼女だろ」
「……特徴的な前髪の傑が貴方の言う傑ならば……」
「それだそれ」
前髪で通じるの傑くらいだよな。わかる。
「あの……今日、傑は?」
「ちょっと用事あるから俺らで来たの」
「私に、何か?」
「何か、ねぇ……心当たりあるんじゃねーの?」
主にオマエの危機を助けに来たんだが?
あれだけヤベェ思考回路なら少なからず離れようとしている理由の一つなんじゃないのか?
だとしたらわかるだろ?
「……その前に名乗ったらどうですか」
「五条悟。こっちは家入硝子」
「……苗字 名前です。こっちは私の友達のりっちゃんです」
「あっそ。
で?オマエは俺の事傑からどう聞いてんの」
「お友達、とだけです」
「ふーーーん」
友達、友達ねぇ。
俺は親友だと思ってるのに傑は友達かよ。
そんなちっぽけな事だと思われるかもしれないがら日々俺が傑の事"親友"だと思って"二人で最強"だと言ってたのに……。
「お友達、ねぇ……」
「仲の良さは聞いていますが……男同士の距離感、では無いですよね」
「そりゃあ親友だし」
「随分傑に懐いているようで」
「まぁね!俺が認めた俺の片割れだから」
「へぇ」
興味無さそうに返事を返される。
改めて彼女ーーー名前をまともに見る。
傑はちょこちょこ俺に似ていると言っていたが……どこにも要素無くね?
確かに可愛らしい顔立ちだが俺のが可愛い。
ヘッっと笑ってしまう。
この程度と俺の顔面を一緒にするなよ、傑。
そして目が行くのは……乳だ。
なんだあのけしからんおっぱい。
制服がパツパツしていて微妙にエロい。
シャツの姿になってくれねーかな?絶対エロい。是非ともチャイナ服のおっぱいのところ開いたやつにエグいスリット入れたの着て欲しい。
想像してフッ、と笑ってしまうがいやいや、そーじゃない。
俺がすべき事はまず名前に呪術師としての才能があるかどうかだ。
「雑魚だな。才能ねーわ」
残念だな、傑!!
名前に呪術師の才能微塵もねーからどんなに手を尽くしても無理!!解散!!
だから日々ヤベェ倫理観無視してるような呪霊捕まえてあれこれ試行錯誤するのヤメロ!!!
「単刀直入に言うわ。傑から離れな」
「……どうして貴方に言われなくちゃならないんですか」
「住んでる世界が違うんだよ」
「傑から言われるならまだしも、貴方から言われなきゃいけない理由は?と聞いているんです」
「雑魚に話しても理解出来ねーよ」
理解しなくていいから本気で離れろ!!!
オマエは今ヤベェ奴に本気で狙われているんだぞ!?離れようとするのなら今ここでわかったと一言言ってくれれば今ならもれなく五条家からの保証付きでどうにか匿えるんだぞ!!
「別れてさっさと違う男見付けろよ」
「初対面の貴方に口出しされる事ではないかと」
「は?」
「親友親友って口先では何とでも言えますよ。
貴方こそ傑の何を知っているんですか?」
「はぁ〜??人が忠告してやってんのに」
「ご忠告どうも。お話はそれだけですか?」
あれ?
思ってたより彼女聞き分け良くないぞ。
なぜか怒ってしまい荷物を持って飲み物代を置いて立ち去ろうとするから焦って腕を捕まえる。
「待てよっ」
「……傑と同じ世界が見れて、傑と背中合わせに戦える貴方は傑にとって確かに今までにいない友人であり、特別な存在だと聞いています」
「……何で」
「だけど!
貴方がそんな態度で自分の事ばかりしか考えていないなら傑の事なんて何も見えて来ないと思いますよ」
「は?」
「傑の事わかったフリしてマウント取って来る前にもっと傑の事見ないと後悔しますよ」
なぜか怒られてね?俺。
俺が何をしたと言うんだよ。
俺、優しいから彼女を傑から解放させるために来たはずなのに……あれ?思ってたより彼女傑に洗脳済み?
それとも別れたいとか傑の勘違い?
確かに?確かに俺だけが親友だと思ってたのに友達認定だったり?
ちょっと傑に甘えすぎていたり?
傑の正論オッエーして否定して喧嘩する事は多々ある。
一般家庭の傑と古くから呪術界に居る俺とじゃ色々と食い違う事は多いから対立することはしばしば。
傑の正論が綺麗な正論だからこそ腹が立つし、頭でわかっていても否定したくなる。
それが傑の負担になっていたとしても……お互いに本音をさらけ出して拳で語り合っていると思っていたが違ってた?
「今の貴方じゃ傑の事任せられない」
「……じゃあオマエには何か言ってんのかよ」
「色々教えて貰ってますよ」
「それなら今すぐ傑から離れるべきだろ」
「貴方馬鹿?
傑を支えられる人がいないのに離れるなんてあり得ない」
さっきまでプルプルしていたはずなのに……
キッ、と強く此方を睨み付ける彼女。
「親友なんて言葉で傑を理解した気にならないで」
飲み物代を置いて友達を引きずりながら出ていく彼女。
今まで黙っていた硝子がチラリと此方を見る。
「どうすんの?」
「どうもこうも無いだろ……あぁぁぁ〜面倒臭ぇっ!!」
ガシガシと頭をかき乱してテーブルにうつ向く。
わかってるつもり、だった。
理解していたつもり、だった。
つもりだっただけで俺は傑の事を何一つ理解していないしわかっていないのだと言われた気がした。
「ダッサ」
「うるせぇよ」
硝子がケラケラ笑って見下ろしてくる。
今回傑の彼女に会って傑から引き剥がそうとしたのに駄目だった。
「素直に言えば良かったろ。
"このままだと夏油に拉致監禁されるぞ"って」
「傑の彼女も傑に入れ込んでるみたいだから無理だろ」
日々、自分の彼女自慢をしながら毎日毎日会いたいと呟く親友がどんどんおかしな方向に向かっていく様に同級生としてドン引いた。
最初こそまともだと思っていたのにどんどん悪化していく親友にこれは良くない。彼女は非呪術師……つまりこれは案件になる!!と立ち上がったのに結果は俺へのダメ出し。
エッチな呪霊や、ご都合呪霊、洗脳呪霊を探しては手持ちに加えてブツブツと彼女をどうにかしようとしている親友を隣で見ている身としては呪詛師になる前にどうにかしなきゃと思って行動を起こしたのだが……。
仕方ない。今回は帰るか……と帰宅。
「聞いていた感じと違ったな」
「な。
傑の話だともっと馬鹿かと思ってた」
高専に戻ってその日の夜……
傑の部屋で桃鉄しようと部屋に入ればタイミング悪く電話していた。
「すっぐるー!!桃鉄やろーぜー!!」
「………悟、私に何か言うことは?」
ヤベェ、またノック忘れたからか?
それとも電話のタイミングだったからか?
心狭いぞ。次から気をつけるって。
「何怒ってんの?」
「私の彼女に何吹き込んだ。私だって会いたいのに何でキミが会いに行ってんだ!!」
何でバレた!?
いや、もしや電話相手って…!!
『もっしもーし、傑ー?』
「ちょっ、おまっ何言ったんだよ!?」
『あ、傑の彼氏気取りの五条悟だ』
「はぁぁあああああ!?」
な、ぜ、そ、う、な、っ、た!?
俺がいつ傑の彼氏に!?なってねーーーわっ!!
『人様の趣味に口出しする気は無いけど、傑の事理解しようとしないなら彼女の座は渡さないよ?
あと傑はどっちかといえば受けだと思うからいっぱい可愛がってあげてね』
「キッッモ!!俺と傑そんな関係じゃねーし!!」
『傑に射精管理されてるのに?』
「傑!!オマエ彼女に何言ってんだよ!?」
「事実しか話してないよ。あと名前、私は受けじゃない」
『傑感じやすいじゃん。君はきっと才能がある』
「名前が相手だからだよ」
待って!?どうなってんだよ!!?
一体何の話?何で俺ホモ扱い受けて傑を抱く話になってんの?
確かに?確かに何度か傑頼って抜いて貰ったけど何がどうしてどうなってそうなってんだよ!?
もしかして今日敵視してた!?
もしかしなくても俺浮気相手として敵視されてたの!?
実はさっきの副音声で
"正妻は私よ!!いい気にならないで泥棒猫!!"って罵られていた!?
『傑』
「別れないよ」
『傑の世界が広がるのはいい事だけど、五条悟はなー。
今の五条さんは傑のテクニックで勘違いしてるだけだろうからもっとよくお互い話し合う事は大事だと思う』
「待て!!そもそもオマエの勘違いから待て!!」
「悟黙ってくれないか?
確かに悟の射精管理はしているけど私には名前だけだよ」
『とりあえず二人でちゃんと話し合ってね?
傑はきちんと思ってる事言うこと!
すーぐ自己完結して溜め込むんだから。
五条さんもちゃんと傑の事想うなら傑の事見てよね』
「待て!!!俺の話を聞けよ!!」
『じゃあね』
切るな!!
何度も何度も傑が電話を掛け直すが繋がらない………。
ギロリ、と睨み付けてきた傑。
「悟、何か言い残す事はあるかい?」
「……俺、悪くねぇ!!」
「私の名前に私と別れろだなんて悟が言うことじゃないだろ」
「彼女の事を考えた結果だっつの!!
傑が非呪術師相手にヤベェ事やらかす前に避難させなきゃっと思ったんだよ!!」
「余計なお世話だよ。
そうやって名前を囲ってドスケベな事させる気なんだろ?ふざけるな!!」
「オマエが一番ふざけんなよ!
何で俺がオマエの彼女?彼氏?になってて名前から敵視されなきゃなんねーんだよ!!
チャイナ服似合いそうだから今度着させたやつ写真撮ってくれ」
「自業自得だろ!?ありのままを伝えただけだ!!
あと勝手に名前で呼ぶな。
チャイナ服は今度やるが写真はやらないぞ」
「ありのまま過ぎてドン引かずに交際進める彼女ってどーなってんだよ!?」
「だから困るんだよ!!
私は悟じゃなく名前と付き合って手元に置きたいのに悟の性欲処理なんかさせられてるから勘違いされてて、下心無いからありのまま話すしかないだろ!?
私なりの誠意だ!!」
「その誠意を投げ捨てて彼女を呪術師に計画立てるな!!ヤメロ!!オマエをこんっなくだらねぇ理由で呪詛師として処理したくねーわっ!!」
「失礼だな!!くだらなくない!!私は本気だ!!」
「本気出すな!!落ち着け!!」
この後めちゃくちゃ喧嘩した。
あとがき
馬鹿っぽさが悟にも移りました。
過去最高に馬鹿な悟になってます。
けど高専時代の悟はいきなりIQ5くらいに下がるときありそう(笑)
善悪の指針を傑に委ねているそうなので、初めてのオナヌィーは傑に任せてテクニシャンな公式モテ男に骨抜きにされてそうな悟くんを書きたかった。そこに恋愛感情はないが、全ては興味でとことん追究していくのが五条悟(笑)
傑はまともそうに見えてまともじゃないので突然おかしなことやらかす人。
度々息抜きさせないと駄目だよ、こういう人は。
オリキャラ華ちゃん。
名前変換しようが迷ったがややこしくなるので君は我が家のサブキャラだ。異論は認めない。
書いてて楽しい勘違いの連鎖。
親友の彼女に会いに行ったらキレられた。
自分以外は雑魚だと思って来た入学式。
高専に居た変な前髪の胡散臭い男。
手を差し出し「よろしく」、と言う男に対して自分は「雑魚とよろしくする気は無い」と言いはなったら「良家の坊っちゃんは挨拶という基本的な常識すら知らされず甘やかされて育ったんだね」……なんて哀れんだ顔をされた。
「一般家庭で流行ってんのかよ。そのダセェ前髪」
「呪術界では"挨拶"と書いて"馬鹿にする"と教えられるのか。知らなかったよ。
今度からは君の教えに習って思った事を口にすることにするよウドの大木くん」
「あ?馬鹿にしてんのはわかんのか。日本語通じねぇのかと思ったわ」
「奇遇だね。私も日本語が通じ無いのかと思っていたよ。耳が悪かっただけで頭は小学生並みの理解力だったのかな?ごめんね、今度からはよく噛み砕いて説明する事にするよ」
お互いにコングが鳴り響き校舎を破壊し友情を育んだ懐かしき桜舞う入学式。
寮の部屋は隣。
お互いに行き来をして友情を深め……見付けたAVという未知の世界。
興味本位で傑の許可無くDVDをセットすれば内容に気付いた傑に怒られる。が、結局二人で見ることに。
家柄的に女を宛がわれて初めての経験を済ませ、すぐに自分の種目当てだと気付いてから家の関わりがある者との性行為は拒否。
街に出れば俺には劣るが綺麗めな女を引っかけて致す日々。
自分で抜くなど考えた事は無かった。
むしろ抜くなら生身が一番気持ちいいだろ?処理やその後を求められるのや彼女面されるのは面倒だが。
傑のAVを見てムクムク起き上がる息子。
傑は何事も無いかのように見ているしズボンにテントが張る様子も無い。
気恥ずかしくなりながらも冷静を装い見終わったが……立てない。
息子がおはようからのギンギンでちょっとヤバい。
「悟?」
おやおや、なんて俺の息子を見ながら苦笑された。やめろ、余裕そうな顔でマウント取るな。人を童貞のように扱うな。
出さなきゃおさまりそうに無い。だが同級生の女子に声を掛けるわけにもいかない。
今から街に?立てないしその頃には治まるわ。
夜蛾の顔を思い浮かべて煩悩を消す。
「……傑は平気なのかよ」
「反応しないわけじゃないよ。
悟、抜くなら自分の部屋でやってくれよ」
「自分で抜いた事ねーよ」
「……オナニーしたこと無いのかい?
家柄的に女を宛がわれてって感じなのかい?」
「そういうのもあるけど俺の精液で子供孕もうと考えてる奴らばっかだぜ?
気持ち悪くて適当な女引っかけた方がマシ」
「良家というのも大変だな」
「傑は?自分で抜くの?」
「地元帰って抱き潰す」
「は?」
ギラッとした傑の目。
いや、まて。何だその獲物を狙うような強い呪霊と対峙した時の顔。
「前までは一人でどうにか出来ていたけど……」
「傑って彼女居たの?」
「いるよ。幼馴染なんだ」
「どこの漫画?」
失礼だな、なんてムスッとしているがオマエ……絶対彼女一筋ってタイプじゃないじゃん。
「抜くだけなら別に彼女じゃなくても良くね?」
「一度試したけど無理だった」
「うわっ」
「名前じゃない時点で気乗りもしないし、自分の下でヨガって一人でイカれると萎えてくるんだよ。
試しに知らない女で尻や首締めを試したこともあったけどイケないし違う扉開きそうになったから止めた」
「うわぁ……」
淡々と話す傑ヤベェな、と思っていた。
しかし傑にとっては深刻なのだろう。ゲンドウポーズ?だかで壁を睨み付けるように見つめ出す。怖い怖い怖い。親友の狂気的な一面に息子が落ち着いてきた。
「悟程の人数を試したことは無いけど……確実に言えるのはあの身体を味わうともう家畜に手を出す事は出来ないって話かな」
「俺よりやベーよ傑」
「抜けないわけじゃないけど、一人でするより気持ちいい事を知ってしまうと物足りなくて不完全燃焼感が酷いからしない方がマシなのさ」
はぁ、とため息をつく傑。
いやいや、そんなドきつい話聞かされてこっちがため息つきたいわ。
一歩間違えたら犯罪起こしそうな扉開きかけた事情といい、犯罪起こしかけるほど魅力的な身体の持ち主の幼馴染も気になるが。
「彼女どんな子?」
「あー……悟に似てるかも」
「マジ?」
「性格がね。興味があれば手を出して追究したくなるみたい。彼女の方が悟より可愛いよ」
この顔面を見て彼女のが可愛いと言える傑ヤベェ。
写真を見せて貰ったがまぁまぁ可愛い。
俺に似てる要素どこにあんの?とは思ったが傑の膝に抱かれてお互いの顔をくっつけながら自撮りしている写真はどちらも幸せそうに見えた。
「体格差エグッ。傑の全部収まんの?」
「収まるよ。お腹ボコボコ浮き上がるの凄い楽しいよ」
「止めろ。せっかく治まったのに」
「悟も一人でするの覚えたら?毎回街に行ってられないだろ」
「えー」
「オカズなら貸すから」
適当に傑のAVを借りて一人で試みる。
2つの穴を攻められている光景に俺は何てものを借りてしまったんだ?と頭の片隅で思うものの女優が可愛い顔立ちでゴツい男達に犯されている姿は……傑の趣味全開だな、と思った。
気持ちいいところまでいっても困ったことに出すまでには至らない。
これはどうすべきが正解なんだ?と玩具を取り寄せて使ってみたが不完全燃焼。
スッキリ出せないモヤモヤに傑の元へ。
「傑、出せねぇ」
「……玩具とか色々あるだろ」
「色々買って試したけど無理」
玩具の起動音とか、シリコンを自分の手で上下にする間抜けさとか色々考えてしまうと途端に抜けなくなる。
ムラムラするし、寸止めで辛い。
この時の俺は正直どうにかしていた。
一人で抜くという未知の体験に必死になっていたし、とにかくムラムラしていた。
女を引っかけるのは面倒だからオナニーを覚えようとしていて……と考えて傑ならどうにかしてくれると思っていた。
「なぁ、傑」
「何?」
「男でも尻でイケるのかな?」
「……イケるんじゃないか?男同士でする時は尻だし。慣れると物凄く気持ちいいらしいから女とヤれなくなる人もいるみたいだよ」
「まじか」
「ヤる時は準備が大事みたいだけどね」
何でそんな知識あんの?とか諸々聞きたかったがとにかく今はこのムラムラから解放されたかった。
「傑」
「やだよ」
「無理。俺もう限界」
「嫌だって」
「じゃあ傑が抜いて」
「じゃあって何だ」
「傑が俺に一人でしろって言ったんじゃん!責任取ってどうにかしろよ!!」
「……今回だけだよ」
何度も言おう。
この時の俺はどうにかしていた。
ちんこ出して傑に擦って貰っても物足りない。
「悟、早くイッて」
「無理」
よく見ればAVじゃ勃たなかった傑のモノが勃っていた。嘘だろ?傑って男同士もイケるの?彼女しか無理とか言ってたのに?なんて考えていたら自ずと傑のモノに手が伸びていた。
興味本位。
「悟」
「傑も勃ってんじゃん」
「性欲はあるからね。だから弄るな」
「俺の弄ってんだからいーだろ」
男同士で向かい合って陰茎を擦り合う状況に興奮はした。しかしどちらもイケない。
何だかお互い我慢比べみたいになってしまった。
「さっさとイケよ」
「悟がイキなよ」
負けず嫌いから傑を先にイカせたくて必死になる。済ました顔して硬度を無くしていく傑に苛立つ。
俺は我慢しているのに俺のテクで萎えていくなんてムカつく。
普通なら絶対しない。
だが俺は傑の陰茎を口にする。
「悟!?」
「ひゃっひゃといへよ」
再び硬度を取り戻した傑にニヤリとしてさあイケ!!ともはや目的が違ってきてる。
なかなかイカない傑に顎が疲れてきた。
「傑……オマエ遅漏?」
「まぁね」
「口から離した途端に萎えてんじゃねーよ。インポかよ」
「悟」
「何だよ」
「下手くそ。私の彼女より下手」
「はぁん!?」
「自分の気持ちいい所くらい覚えなよ。そしたら一人でも出来るさ」
「だからそれが分かればっ」
「仕方ないな」
今回だけだぞ、と言って俺のを口にする傑。
女にフェラされた事はある。
だけど気持ちいいと思った事は無い。
なのに……
「う"ぁっ」
傑の口デカっ。そしてバキュームがすご。
亀頭や裏スジ、玉まで舐められて全身がゾワゾワと鳥肌が止まらない。
傑の舌使いにここ悟の弱いところと言われてもそんなところで話すな。弄るな。
感じ過ぎてよくわからない。今まで我慢していたものが上がってくる。
再び咥えられ根元まで飲み込まれ、喉の奥を締められる度本当に中に入れているみたいで気持ちいい。
ヤバいと思ってたらイッてしまった。
無言でティッシュに吐き出す傑。
そのままうがいに行った。
俺は賢者タイムでボーーっとしてしまう。
「傑ってさぁ」
「何だよ」
「どこでそんな経験積むの?」
「彼女かな」
「オマエの彼女何者?」
男とヤる知識と男にヤるフェラを学べる彼女って何?どういう事?
そしてそれを実戦できる傑は何なの?
改めて冷静になるとおかしくね?この状況……と思いながら変な興味が止まらない。
下手な女とするよりも気持ち良かった。
それからと言うもの傑は嫌そうな顔をするがなぜか俺のお願いを断ることは無い。
彼女が俺にちょっと似てるって言ってたからだろうか?
これ幸いと傑をちょこちょこ誘って抜いて貰う。男が好きなわけじゃない。傑は好きだが友人としてだ。
しかも傑の彼女からオススメされる道具はそこそこ楽しめるし、特にローションストッキングヤバい。
意味わかんねぇくらい気持ちいい。
そうなれば会いたくなるのは当然だろ?
しかし冷静な俺が囁く。
今の俺の立場って傑の何?何なの?
親友だけど親友の枠から外れてね?
「って事でどう思う?硝子」
「どうでもいい」
「なぁ、オマエもどう思う?華」
同級生の女子二人に相談するが……ゴミを見る目を向けられた。
「五条くんの趣味趣向の話とかガチでどうでもいいよぉ」
「酷くね?俺わりと本気で悩んでるから」
「ちんこもげろぉ」
「ふざけんな」
「こちとらちんこ無くなって数十年やっと女に慣れてきたんだぞぉ。
ちんこを失う哀しみをオマエも味わえ」
「華は男だったの?なら俺の悩みもどうにか共有して」
「僕より立派なちんこの悩みなんかどうでもいいわボゲェッ」
女子とは思えない華の発言。
とりあえず聞いてくれ。このままじゃ俺は俺の大事な何かを傑に奪われたままになりそうだから。
「そもそも何で夏油くんに抜いて貰おうと思ったのぉ?馬鹿じゃん」
「それな」
「興味本位?」
「「自業自得」」
はい、乙解散って解散すんな。
華は舌打ちしてカコカコ携帯を弄る。
「ほらこれでいいじゃん。解決」
「待てよっ!!俺がこれ使うの!?」
「前も後ろも堪能できるからいいじゃん」
「五条家嫡男がダッチワイフでオナルのウケんな」
ケタケタ笑う硝子。
女子達が酷い。
「いいのか?クラスメートのイケメン枠な男二人がデキても!!」
「「別に」」
「オッマエら!!!」
「そもそも夏油くん彼女いるんでしょ?
今の状況的には五条くん愛人か浮気相手じゃーん」
「どっちも最悪だな」
「親友枠通り越してセフレだぁ」
うわぁ、と引く二人。
違うと声に出しても二人はヒソヒソと話している。
「あれ?皆どうしたんだい?」
「夏油くんって彼女いるんだってぇ?」
「うん。華には絶対会わせたくないくらい可愛いから華には見せないよ」
「は?僕は僕一択だしぃ。野郎同士仲良くヤってろよぉ」
「悟とはそんな関係じゃないよ。ヤるなら彼女としか無理」
「へぇ。そんないい女なのぉ?」
「まぁね」
クスリ、と笑う傑。
「そうだ、悟」
「んー?」
「非呪術師に術式使うと呪詛師認定されるのはどこまでがセーフでどこでアウトだい?」
「……は?」
「待って。夏油くん呪詛師になるのぉ!?」
「何だい、華?私は呪詛師になんかならないよ」
「じゃあどういった意味合い?」
「殺しはしないさ。だけど」
「「「だけど?」」」
「洗脳・調教はありかなしか……どっちだい?」
真剣な顔で何言ってんだコイツ。
「非呪術師を呪う予定でもあるのか?」
「非呪術師でも帳内で濃い呪いを浴び続けたら見える事があるだろ?
長時間私の呪いで洗脳しつつ帳に閉じ込めたらせめて見えるようにならないかな……と思って」
真剣な顔で何言ってんだコイツ!!!!
見てみろ、硝子と華の顔が真顔だぞ。
「洗脳は無理矢理な行為だから脳が後々壊れてしまう可能性があるのが難点なんだ。
都合良く非呪術師を作り替える事が出来る呪霊がいればいいんだけど」
「それ居たとしても特級案件だろ」
「やっぱり現時点では弱い呪い詰め込んで帳に閉じ込めるしかないか……」
「夏油くん何しようとしてるのぉ?」
「あぁ、彼女を非呪術師じゃなくさせようと思って」
「「「は?」」」
何言ってんだこの前髪!?
サラッと笑顔で携帯カコカコしながら……何言ってんだ!?
「彼女、非呪術師なんだ。
危険な任務に行かせたくはないからせめて見えれば窓か補助監督になればいい。
そしたら高専に通えるしわざわざ会えずにモヤモヤしなくて済むからね」
「傑、アウト」
「駄目なのかい?」
「思考回路がギリアウト」
「ギリじゃないだろ。アウトだアウト」
「夏油くんの私利私欲でこっちの世界に引き込むのはちょっとぉ……」
ドン引きだよ。
まさか親友がここまでヤバいと思って無かった。
「意外……夏油くんなら真面目だから
"呪術師は非呪術師を守るために在るべきだ"って思考回路だと思ってたぁ」
「確かにそう思ってるよ」
「ウゲェ……いい子ちゃんかよ」
「思ってはいるけど非呪術師の中にも糞はいるし呪術師にも糞はいる。
私は強いからなるべく助けようとは思っているけど……うん。糞を助けても世界は救われないなら助けない、かな」
「じゃあ夏油くんにとっての糞ってどんな存在?」
「彼女に害ある家畜」
「「「んん?」」」
「発情期の猿共も共に駆除したいが私が故意に動くと呪詛師となってしまうからね」
待て。待て待て待て待て。
目がどんよりと暗くなっていく傑。
「私の彼女はとても愛らしい馬鹿でね……。
見た目は美少女なのに、中身がとにかく残念なんだ」
「お、おぅ……」
「幼少期は山を駆け回る山猿だったはずなのに、何を思ったのか中学あたりには人間に戻って大人しくなってしまって」
「へ、へぇ…」
「悟が黙って微笑めば女はホイホイ釣れるだろ?まさにそうなったんだ」
「おい、俺を引き合いに出すな」
「中身の残念さは身近な友達くらいにしか出していないから顔だけで寄ってきた害虫は騙されるんだ。何度踏み潰してもどこからでも沸くんだ」
「げ、夏油くーん?戻って来てぇ?」
「どうにかこうにか物にしたけどあの馬鹿……ことあるごとに私から逃げようとするんだ」
スンッ、と表情を無くした傑。
待て待て!!
非呪術師の彼女を呪おうとすんな!!
「何か理由があって離れたいだけじゃないのか?」
「硝子しっ!!」
「例えば夏油に脅されて付き合っているだけでそんな好かれていないとか」
「硝子ヤメロ。まじで追い討ちかけんな」
「名前が私を好きじゃないって?
ははは、硝子。
名前が誰を好きか、なんて関係無いんだよ」
にこり、と笑う傑。
なぜだかその笑顔が怖い。
「名前は私のだからね」
「こっわ」
「メンヘラかよ」
「傑……オマエ彼女の為に別れてやれよ」
「やだよ。別れるくらいなら殺して呪詛師になる」
全員が駄目だコイツ……と思った。
傑のいない時に彼女が無事か確かめるべきだと三人で緊急会議を行う。
傑?彼女とラブラブ電話中だ。
邪魔したらマジギレされる。
「夏油の彼女保護すべきか?」
「保護って言ってるあたり傑の事呪詛師認定じゃん」
「アレはやばいよやばいよぉ。夏油くん一歩間違えたらヤバババ」
「彼女はこの危険性を理解してるのか?」
「…多分してないんじゃね?」
「同じ女子としては救わねばぁ!」
「あのクズに丸め込まれてるとかないわ」
一致団結。
そして決行。
華は傑と任務へ。
俺と硝子は手が空いているので傑の情報を頼りに彼女の高校へ。
目立つ俺らは仕方ない。
男女に囲まれても気にせず帰宅する女子の中から探す。
そんな中、謎の叫び声にその場に居た全員が声のした方向を向く。
そこには小さな体に不釣り合いな乳。
友達だろうか?自慢の乳に友達の腕を抱き込んでいるのはいいが……乳に腕が埋まってる。
なんだこのけしからん乳は。傑が育てたのか?そうなのか?ご馳走です。
「硝子、いた」
「まじ?どこ」
「あそこ」
「乳でか」
「だよな」
硝子と話して目当ての彼女に近付く。
どんどんと顔色を悪くし、プルプル震えながら涙目になっていく彼女。
は?可愛いが凄い。
じっと見下ろせば硝子より身長低い。
つまり首が痛い。
プルプルしながらもなぜか此方から目を逸らさないで見返してくる強気な態度が見えてなんかこう……虐めたくなる。
しかし、そんな事をすれば傑だけじゃなく硝子や華にもボロクソやられるのでいい子の俺は頭の中で虐める事にする。
「オマエが名前?」
「……はぃ」
「オイ、ちょっと面貸しなよ」
硝子に背中チネられた。
え?駄目だった?何で?
プルプルどころかブブブブブッとバイブみたいに振動してる。
ついでに乳も揺れている。
そんな怖がらせた?普通にしてんのに怖がられて気分悪いのこっちなんだけど?
「……い、嫌です」
「あぁん?」
何で断るんだよ!
わざわざ来てやったというのに!!わざわざオマエに忠告しに来たというのに!!!
舌打ちしたくなったが……なぜか彼女の友人が鼻血をボタボタ垂らすのでギョッとした。
鼻血を理由に離れようとする彼女。
これ幸いと硝子が友達の鼻血の様子を見ながら彼女と友人の腕を掴む。
そうしてやって来た適当なカフェ。
キョロキョロと落ち着きの無い彼女にひとまず話を進める。
「なぁ」
「はひっ!!」
「オマエ傑の彼女だろ」
「……特徴的な前髪の傑が貴方の言う傑ならば……」
「それだそれ」
前髪で通じるの傑くらいだよな。わかる。
「あの……今日、傑は?」
「ちょっと用事あるから俺らで来たの」
「私に、何か?」
「何か、ねぇ……心当たりあるんじゃねーの?」
主にオマエの危機を助けに来たんだが?
あれだけヤベェ思考回路なら少なからず離れようとしている理由の一つなんじゃないのか?
だとしたらわかるだろ?
「……その前に名乗ったらどうですか」
「五条悟。こっちは家入硝子」
「……苗字 名前です。こっちは私の友達のりっちゃんです」
「あっそ。
で?オマエは俺の事傑からどう聞いてんの」
「お友達、とだけです」
「ふーーーん」
友達、友達ねぇ。
俺は親友だと思ってるのに傑は友達かよ。
そんなちっぽけな事だと思われるかもしれないがら日々俺が傑の事"親友"だと思って"二人で最強"だと言ってたのに……。
「お友達、ねぇ……」
「仲の良さは聞いていますが……男同士の距離感、では無いですよね」
「そりゃあ親友だし」
「随分傑に懐いているようで」
「まぁね!俺が認めた俺の片割れだから」
「へぇ」
興味無さそうに返事を返される。
改めて彼女ーーー名前をまともに見る。
傑はちょこちょこ俺に似ていると言っていたが……どこにも要素無くね?
確かに可愛らしい顔立ちだが俺のが可愛い。
ヘッっと笑ってしまう。
この程度と俺の顔面を一緒にするなよ、傑。
そして目が行くのは……乳だ。
なんだあのけしからんおっぱい。
制服がパツパツしていて微妙にエロい。
シャツの姿になってくれねーかな?絶対エロい。是非ともチャイナ服のおっぱいのところ開いたやつにエグいスリット入れたの着て欲しい。
想像してフッ、と笑ってしまうがいやいや、そーじゃない。
俺がすべき事はまず名前に呪術師としての才能があるかどうかだ。
「雑魚だな。才能ねーわ」
残念だな、傑!!
名前に呪術師の才能微塵もねーからどんなに手を尽くしても無理!!解散!!
だから日々ヤベェ倫理観無視してるような呪霊捕まえてあれこれ試行錯誤するのヤメロ!!!
「単刀直入に言うわ。傑から離れな」
「……どうして貴方に言われなくちゃならないんですか」
「住んでる世界が違うんだよ」
「傑から言われるならまだしも、貴方から言われなきゃいけない理由は?と聞いているんです」
「雑魚に話しても理解出来ねーよ」
理解しなくていいから本気で離れろ!!!
オマエは今ヤベェ奴に本気で狙われているんだぞ!?離れようとするのなら今ここでわかったと一言言ってくれれば今ならもれなく五条家からの保証付きでどうにか匿えるんだぞ!!
「別れてさっさと違う男見付けろよ」
「初対面の貴方に口出しされる事ではないかと」
「は?」
「親友親友って口先では何とでも言えますよ。
貴方こそ傑の何を知っているんですか?」
「はぁ〜??人が忠告してやってんのに」
「ご忠告どうも。お話はそれだけですか?」
あれ?
思ってたより彼女聞き分け良くないぞ。
なぜか怒ってしまい荷物を持って飲み物代を置いて立ち去ろうとするから焦って腕を捕まえる。
「待てよっ」
「……傑と同じ世界が見れて、傑と背中合わせに戦える貴方は傑にとって確かに今までにいない友人であり、特別な存在だと聞いています」
「……何で」
「だけど!
貴方がそんな態度で自分の事ばかりしか考えていないなら傑の事なんて何も見えて来ないと思いますよ」
「は?」
「傑の事わかったフリしてマウント取って来る前にもっと傑の事見ないと後悔しますよ」
なぜか怒られてね?俺。
俺が何をしたと言うんだよ。
俺、優しいから彼女を傑から解放させるために来たはずなのに……あれ?思ってたより彼女傑に洗脳済み?
それとも別れたいとか傑の勘違い?
確かに?確かに俺だけが親友だと思ってたのに友達認定だったり?
ちょっと傑に甘えすぎていたり?
傑の正論オッエーして否定して喧嘩する事は多々ある。
一般家庭の傑と古くから呪術界に居る俺とじゃ色々と食い違う事は多いから対立することはしばしば。
傑の正論が綺麗な正論だからこそ腹が立つし、頭でわかっていても否定したくなる。
それが傑の負担になっていたとしても……お互いに本音をさらけ出して拳で語り合っていると思っていたが違ってた?
「今の貴方じゃ傑の事任せられない」
「……じゃあオマエには何か言ってんのかよ」
「色々教えて貰ってますよ」
「それなら今すぐ傑から離れるべきだろ」
「貴方馬鹿?
傑を支えられる人がいないのに離れるなんてあり得ない」
さっきまでプルプルしていたはずなのに……
キッ、と強く此方を睨み付ける彼女。
「親友なんて言葉で傑を理解した気にならないで」
飲み物代を置いて友達を引きずりながら出ていく彼女。
今まで黙っていた硝子がチラリと此方を見る。
「どうすんの?」
「どうもこうも無いだろ……あぁぁぁ〜面倒臭ぇっ!!」
ガシガシと頭をかき乱してテーブルにうつ向く。
わかってるつもり、だった。
理解していたつもり、だった。
つもりだっただけで俺は傑の事を何一つ理解していないしわかっていないのだと言われた気がした。
「ダッサ」
「うるせぇよ」
硝子がケラケラ笑って見下ろしてくる。
今回傑の彼女に会って傑から引き剥がそうとしたのに駄目だった。
「素直に言えば良かったろ。
"このままだと夏油に拉致監禁されるぞ"って」
「傑の彼女も傑に入れ込んでるみたいだから無理だろ」
日々、自分の彼女自慢をしながら毎日毎日会いたいと呟く親友がどんどんおかしな方向に向かっていく様に同級生としてドン引いた。
最初こそまともだと思っていたのにどんどん悪化していく親友にこれは良くない。彼女は非呪術師……つまりこれは案件になる!!と立ち上がったのに結果は俺へのダメ出し。
エッチな呪霊や、ご都合呪霊、洗脳呪霊を探しては手持ちに加えてブツブツと彼女をどうにかしようとしている親友を隣で見ている身としては呪詛師になる前にどうにかしなきゃと思って行動を起こしたのだが……。
仕方ない。今回は帰るか……と帰宅。
「聞いていた感じと違ったな」
「な。
傑の話だともっと馬鹿かと思ってた」
高専に戻ってその日の夜……
傑の部屋で桃鉄しようと部屋に入ればタイミング悪く電話していた。
「すっぐるー!!桃鉄やろーぜー!!」
「………悟、私に何か言うことは?」
ヤベェ、またノック忘れたからか?
それとも電話のタイミングだったからか?
心狭いぞ。次から気をつけるって。
「何怒ってんの?」
「私の彼女に何吹き込んだ。私だって会いたいのに何でキミが会いに行ってんだ!!」
何でバレた!?
いや、もしや電話相手って…!!
『もっしもーし、傑ー?』
「ちょっ、おまっ何言ったんだよ!?」
『あ、傑の彼氏気取りの五条悟だ』
「はぁぁあああああ!?」
な、ぜ、そ、う、な、っ、た!?
俺がいつ傑の彼氏に!?なってねーーーわっ!!
『人様の趣味に口出しする気は無いけど、傑の事理解しようとしないなら彼女の座は渡さないよ?
あと傑はどっちかといえば受けだと思うからいっぱい可愛がってあげてね』
「キッッモ!!俺と傑そんな関係じゃねーし!!」
『傑に射精管理されてるのに?』
「傑!!オマエ彼女に何言ってんだよ!?」
「事実しか話してないよ。あと名前、私は受けじゃない」
『傑感じやすいじゃん。君はきっと才能がある』
「名前が相手だからだよ」
待って!?どうなってんだよ!!?
一体何の話?何で俺ホモ扱い受けて傑を抱く話になってんの?
確かに?確かに何度か傑頼って抜いて貰ったけど何がどうしてどうなってそうなってんだよ!?
もしかして今日敵視してた!?
もしかしなくても俺浮気相手として敵視されてたの!?
実はさっきの副音声で
"正妻は私よ!!いい気にならないで泥棒猫!!"って罵られていた!?
『傑』
「別れないよ」
『傑の世界が広がるのはいい事だけど、五条悟はなー。
今の五条さんは傑のテクニックで勘違いしてるだけだろうからもっとよくお互い話し合う事は大事だと思う』
「待て!!そもそもオマエの勘違いから待て!!」
「悟黙ってくれないか?
確かに悟の射精管理はしているけど私には名前だけだよ」
『とりあえず二人でちゃんと話し合ってね?
傑はきちんと思ってる事言うこと!
すーぐ自己完結して溜め込むんだから。
五条さんもちゃんと傑の事想うなら傑の事見てよね』
「待て!!!俺の話を聞けよ!!」
『じゃあね』
切るな!!
何度も何度も傑が電話を掛け直すが繋がらない………。
ギロリ、と睨み付けてきた傑。
「悟、何か言い残す事はあるかい?」
「……俺、悪くねぇ!!」
「私の名前に私と別れろだなんて悟が言うことじゃないだろ」
「彼女の事を考えた結果だっつの!!
傑が非呪術師相手にヤベェ事やらかす前に避難させなきゃっと思ったんだよ!!」
「余計なお世話だよ。
そうやって名前を囲ってドスケベな事させる気なんだろ?ふざけるな!!」
「オマエが一番ふざけんなよ!
何で俺がオマエの彼女?彼氏?になってて名前から敵視されなきゃなんねーんだよ!!
チャイナ服似合いそうだから今度着させたやつ写真撮ってくれ」
「自業自得だろ!?ありのままを伝えただけだ!!
あと勝手に名前で呼ぶな。
チャイナ服は今度やるが写真はやらないぞ」
「ありのまま過ぎてドン引かずに交際進める彼女ってどーなってんだよ!?」
「だから困るんだよ!!
私は悟じゃなく名前と付き合って手元に置きたいのに悟の性欲処理なんかさせられてるから勘違いされてて、下心無いからありのまま話すしかないだろ!?
私なりの誠意だ!!」
「その誠意を投げ捨てて彼女を呪術師に計画立てるな!!ヤメロ!!オマエをこんっなくだらねぇ理由で呪詛師として処理したくねーわっ!!」
「失礼だな!!くだらなくない!!私は本気だ!!」
「本気出すな!!落ち着け!!」
この後めちゃくちゃ喧嘩した。
あとがき
馬鹿っぽさが悟にも移りました。
過去最高に馬鹿な悟になってます。
けど高専時代の悟はいきなりIQ5くらいに下がるときありそう(笑)
善悪の指針を傑に委ねているそうなので、初めてのオナヌィーは傑に任せてテクニシャンな公式モテ男に骨抜きにされてそうな悟くんを書きたかった。そこに恋愛感情はないが、全ては興味でとことん追究していくのが五条悟(笑)
傑はまともそうに見えてまともじゃないので突然おかしなことやらかす人。
度々息抜きさせないと駄目だよ、こういう人は。
オリキャラ華ちゃん。
名前変換しようが迷ったがややこしくなるので君は我が家のサブキャラだ。異論は認めない。
書いてて楽しい勘違いの連鎖。