通行人 番外編
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「どうも!毎度お馴染みいきなりお宅訪問!!
今回は特別に生放送で今話題の祓ったれ本舗の白い方である五条悟の家に突撃したいと思います!
こちらのマンション……凄いです。
プライベートを守るため外観などはお見せ出来ませんが……驚くほどのセキュリティ。
そして此方が!!相方の夏油さんからお借りした鍵です。
ちなみに夏油さんはこの企画、既にお話しております。
では早速!!行っちゃいましょう!」
突如現れた新世の星。
祓ったれ本舗五条悟と夏油傑はモデルのような見た目でありながらネタウケもよく瞬く間に売れた二人組の芸人。
テレビに出れば好き放題やらかす五条悟。
そんな彼をフォローしながらも自分も好き勝手する夏油傑。
二人が出る番組は視聴率も良く、引っ張りだこ。
「五条さんは見た目の良さからよく美人なモデルや女優さんと数々の噂がありますよね。
どうしましょう……今夜その噂のどれかが本当に当たってしまったら!!
謎に包まれている祓ったれ本舗のお二人ですが、今回のオファーを受けてくださった事務所にテレビの前の皆さんは感謝しなくては!
では、そーーっと中に入りましょうか!
そーっと、そーーっと」
リポーターが鍵を使って入る。
豪華な玄関。そして少し距離のある廊下。
リビングでは明かりがついていてテレビの音と話し声が。
「夏油さんもいらっしゃるのでしょうか?
では此方、開けてみましょう!
どーーもーー!!!」
「「えっ?」」
「え?」
お茶の間に映されたのはリビングに正座する祓ったれ本舗二人組。
そしてその目の前には……
「は?何これ」
歌舞伎のフェイスパックをした謎の女性がハリセン持って仁王立ちしていた。
「えーっと……これは、一体」
「は!?何だよコレ!!僕知らねーんだけど伊地知!!!」
「え?え?わ、私の方では何も……!!」
「……すまない、悟。私だ」
「はぁ!?傑おまっ、ふっざけんなよ!!」
「えっと…あの、祓ったれ本舗さん?」
「カメラ止めろ!!まじで止めろ!!」
「あの、これ生放送で……」
「傑ぅぅううううう!!!!」
「いや、本当にすまない……。私も生放送とは聞いてなくて」
「おまっ!!どーすんだよ!!今お茶の間にこれ流れてんの!?」
「放送事故だね」
「冷静に言ってんじゃねーーーよ!!クソ前髪!!!」
「悟、生放送だよ?クソなんて良くないよ」
「そこじゃねえっつの!!」
ギャイギャイと言い合う二人。
今にも取っ組み合いの喧嘩が始まりそうだが、ピッと本人達の目の前ではLIVEの文字と自分達とリポーターにカメラマン。
そして……歌舞伎フェイスパックの女性。
パシィンッ
ハリセンがいい音を鳴らす。
「白髪、前髪」
「「………はい」」
「説明」
「「申し訳ありませんでした」」
祓ったれ本舗二人が綺麗な土下座をしていた所でお茶の間は暫くお待ち下さいと綺麗な音楽と映像が流れた。
へろへろ☆貴女のキュートな心の妖精
いつでも貴女へ真心をお届け!!
ラブリーでチャーミングな曲付きで踊っちゃう今を輝く通行人☆名前です!!
ねぇねぇ、私のお話聞いてくれる?
普通の高校生活をしていたら、ある日素敵な三人組に出会ったの!!
私達は笑い合い、その日の内に意気投合!!実は同じ学校で、お互いにヤベェと噂されていた私達だけど、一緒に行動することでもっとヤベェと噂される事に!!
そんな仲良し四人組だった私達は社会へ出る時にはバラバラに、
二人は芸能界へ。
一人は医学部へ。
そして私はしがないOLへ。
そんな私達は卒業してもずっ友の大親友。
なんやかんやあって親友から恋人へジョブチェンはしたけど四人で集まるし、ラブラブだし順風満帆!!
それはそれは幸せでした。
例え彼氏が芸能界で有名人になろうと。
例え彼氏がモデルと噂になろうと。
例え彼氏が女優と噂になろうと。
事実無根なので痛くも痒くも無かったけれど、何をとち狂ったのかこの彼氏。
ヤキモチ焼かせたいが為に色々な匂わせをSNSで始めたわけ。
しかしこの彼氏、私の目の前で明らかに私だとわかるがとある女優やとあるモデルなどなどが着ている物をわざわざ買って私に身に付けさせてその写真をSNSに上げるアホである。
本人いわく、焼かせたいが浮気したいわけじゃないと。
何度も言おうアホである。
しかし世の中は有名になりすぎた彼氏様のやり取りにわざわざお相手の女優、モデルを探し出しては攻撃。
その中の一人であるモデルさんも彼氏に好意があったのか知らないがお互いにSNSで匂わせまくって世間を賑やかにさせていた。
ここまではまぁ、まだいいとしよう。
やっている事はクソだがこの彼氏様クズなので。
顔の良さだけで芸能界は生き残れない。
このクズさがなぜかウケてありがたいことに仕事も貰えている。
そんなドクズな野郎に私が惚れてしまったので仕方ない。
だ、が!!!!
匂わせ過ぎてストーカーとなった某モデルがついこないだこの家までやって来た。
しかも私しかいない時に。
オートロックなはずなのに、出掛けようと玄関を開けて居た時の恐怖な!!!!
あ、このモデル……と思ったら般若の顔で掴みかかって来て頭打ち付けたので思わず背負い投げ決めた私悪くなくね!?
暴れられても住民の方々にご迷惑なので……と言っても、たまたまお出かけから帰って来て全て見ていた隣に住むマダム(58)が悲鳴を上げたのでいよいよ現場は殺人ムード。
皆さん出て来て頭から血を流し、背負い投げ決めた女とテレビや雑誌で話題のモデルが床に転がっていたらそりゃ????ってなるやつ。
マダム(オネェ、58)が警察に電話。
そしてご用改められたモデル。
そのモデルがなぜか私を訴えたが、親友の病院にてしっかり診断書と共に防犯カメラの映像を提出して勝訴!!
ふぅ、と一息ついて一件落着かと思いきや
彼氏の親友である男が気分転換に外食行こうと誘って来たのでほいほい行った私との密会写真を本命デートだと仄めかしスクープに。
匂わせ反省中だった彼氏激おこな。
相方に彼女を撮られたなら俺も!!いやむしろ結婚発表しよ!と騒ぎだした。
落ち着けとチュッパチャプスを突っ込んで黙らせニコニコと反省もしない友人にハリセンぶちかました。
顔面蒼白な2人のマネージャーをしている後輩には申し訳ない。
今後どうするかと話し合っていたのでお先にお風呂を済ませたらなぜか脱線していた2人。
最終的にリアルファイトを始めようと拳を構え始めた2人へハリセンで横っ面叩き正座させた。
そしたらなぜかカメラと芸人が家の中に。
まじで何これ?
何なんだよこれ?
テレビつけたら彼氏が面白いからって理由で大量に買ってきたパック(歌舞伎の姿)をした私がハリセン持って仁王立ち。
原因は彼氏の相方。
固まるカメラマンとリポーターの芸人。
説明しろとマジギレした。
これが今起こったこと。
リポーターとカメラマンが必死に番組内容を説明。
混乱しながらもそこはテレビ業界に生きる方々。
綺麗な映像と音楽では視聴率がヤバイ。
ひとまず私はいなかった風を装い再び生放送。
私?歌舞伎パックからおかめさんのお面に交換して伊地知くんとカメラに映らない位置へ。
万が一映っても顔はおかめさんだ。問題無い。
「いやー、お騒がせしました」
「いきなり来るからビビった」
「ここが五条さんのお部屋ですか!!」
何事も無かったかのように進むお部屋紹介。
しかし私はスマホにてトレンド入りした歌舞伎パックのハリセン女としてSNSで騒がれているのを見ている。
あいつは何者だ!?と
「おや?五条さん、こちら歯ブラシが2本……」
「あぁ、これね」
「私のだよ」
「夏油くんの!?2人は同棲して!?」
チラチラと前髪と私を見る悟。
そして同じくチラチラと悟と私を見る前髪。
私はそっと近くにあったチラシにマッキーでテカデカと書く。
"BL"
その文字に嫌そうに顔を歪める2人。
知ってるか?その顔全国生放送だぞ。
「お二人の顔!!どう言った顔!?」
「想像にお任せするよ」
「な?傑」
「ね?悟」
顔を近付け怪しく笑う2人。
顔がいいから絵になりますね。
SNSに公式の腐がトレンドしていた。
だと言うのにピンポーンと鳴るインターフォン。
何事かと悟と前髪が反応すれば来たのは大親友の硝子ちゃんじゃないか!!
あたふたとしながら何故か助けを求めるように見る二人。
インターフォンから聴こえる女性の声に荒れるSNS。
仕方ない、と私は部屋着の上に悟が悪ふざけで買った毛皮のコートを羽織りスタスタと無言で歩く。
「ちょっ、待って待って待って。
その格好はヤバイって。やめよ?」
「不審者で捕まるよ?やめなって」
「誰のせいでこんな格好してると思ってんだよあぁん?」
「「ごめんなさい」」
「実家に帰ります。探さないで下さい」
「はぁぁあああ!?
待って待って!!まじで!?まじで言ってる!!?」「落ち着くんだ、悟。
このままこの醜態を全国のお茶の間に流し続けるのは良くない」
「だけどっ!!」
「彼女の黒歴史をこれ以上増やすのは可哀想だろ?」
「今さらじゃん。学生の頃もっと酷かったし」
「確かに酷かったけど一般人だよ」
「お前らの学生時代の黒歴史とお気に入りのピーーー暴露されたくなかったら今すぐに黙ろうか」
「「ごめんなさい」」
腰を90度に曲げて謝る二人。
お茶の間に高級な毛皮を羽織るおかめさんが放送された。
硝子ちゃんを迎えにいけば引かれた。
もちろんおかめは外したが、毛皮のコートなんてどうしようもない。
タクシー呼んで硝子ちゃんの家に行ったから町をその姿で練り歩くことは無かったが、SNSは荒れていた。
この放送から翌日。
五条悟は怪しい女と同棲していると拡散。
どこで漏れたのか高校時代につるんでいた同級生と恋仲になったのではと騒がれ私と硝子ちゃんの携帯は同級生からひっきりなしに連絡が。
特に仲良かった私の女友達のグループラインでは、私と悟が付き合って同棲している事を既に知っていたので歌舞伎パックからの高級毛皮おかめ姿に大変ツボッたらしく爆笑のスタンプとスクショが止まらない。
これだけで終わってくれれば良かったのに……
良かったのにっ!!
とある某アイドルの番組でゲストとして呼ばれた二人はアイドルチームのゲスト。
対戦相手は何とムスビィ。
この時点で嫌な予感はしていた。
「最近驚いた事は?」
「あーー、突然の生放送かな」
「放送事故になりかかったよね」
「見ました見ました!あれってヤラセですか?」
アイドルが祓ったれを弄っている。
そんな中、手を上げたのは……
「ヘイヘイヘーイ!!見た!!俺もそれ見た!!」
「五条さん、こないだの生放送見ました!!
名前さん凄い格好でしたね!!」
「アカンって!!翔陽くんアカン!!」
「え?」
「名前ー!!あかーしと見たから!!」
「木兎くんまで名前出したらアカンって!!」
「………ダッサイ格好」
「しーー!!名前ちゃん気にするやろ!!臣くんしーー!!」
「あわわわっ……名前さんごめん!!名前出しちゃった!!」
このVS番組、生放送でした。
硝子と見ていて顔を両手で覆ったら隣で笑われた。そして鳴り止まぬ友人からのラインは草だらけ。
クロと研磨からもドンマイって……。
この日を境に私の個人情報が流出。
自宅バレまでしたので実家や幼馴染の家に数週間プチ避難。
毎日毎日会社でもザワザワと囁かれ本当なのかとわざわざ聞きに来る野次馬共。
個人情報流出駄目。
ネット怖い……なーんて思って仕事を終わらせ会社から出たら入り口に人が。
邪魔だな、と思ってそそくさ帰ろうとしたらガシリと捕まれた腕。
「名前、帰ろ」
「は?悟?」
「もうここまでバレたら堂々としていた方がいいって」
「………」
「僕は恋人と堂々としていたい」
チュッ、と口付けられて周りから悲鳴が。
「このまま実家帰るなんて言わないで」
「………悟」
「なぁに?名前」
とろり、とろりと熱の籠った瞳を向けている。
現在人気が鰻登りでお茶の間を騒がせている彼氏。
私はにこりと笑って悟の手を取り足払い。
「え"っ?」
転びはしなかったものの、ふらついた身体。
そのまま膝かっくんを決めれば膝をつく。
「待って。名前ストップストップストップ!
僕こんなんでもキミの彼氏!!芸能人!!」
いい感じに頭が胸元にきたので
そのまま首に腕を回してぎゅうっと絞める。
腕をタップする悟。
「お、ま、え……いい加減にしろよな!!!
意味わからんモデルに襲われたり、意味わからん奴にネットで個人情報流されたりする身にもなれよ!!!芸能人なら芸能人らしく一般人の私を守る努力をしろ!!」
「だっっっってさーーー!!!
僕だってイチャイチャしたいのに世間が認めてくれないなら認めさせるしかないじゃん!!」
「事務所に許可取れ!!」
「顔が良くてごめんね」
「顔だけしか取り柄無いんだから!!」
「酷くない!?顔だけじゃなくて財力も家事能力も体力もテクもあるんだけど!!」
「それら全てプラスにならないくらい性格破滅してっけどな!!」
「そんな僕が大好きなくせに!!」
「大好きだけど大切にしたい女を危険に合わせて情報流出させといてごめーんで済まそうとしてんなら出ていく」
締め上げていた腕を離し、べーと悟に向かって舌を出す。
なんだなんだと集まる人々。
カメラ向けられているがもう知るか。
個人情報流出させやがって。お前ら私が死神の目を持っていたら今すぐデスッてるくらいの重罪だからな!
「……ごめん。本当、ごめん。悪気なかった」
「悪意あったら今すぐ顔面に鞄ぶち当ててたわ」
「仕事は楽しいから辞めたくない。
けど、名前に何かあるなら芸能界なんて引退していいくらいの気持ちで一緒に居る」
「だから?」
「事務所だ、ファンだ、仕事相手の顔色伺いとか全部どーでもいい。
僕が好きなのも、僕が大切にしたいのも、僕が愛してるのも名前だけだから……離れるとか、出ていくとか言うなよ」
くしゃり、と顔を歪ませる悟。
「愛してる。俺とずっと一緒に居てよ」
顔を赤くして、小さなケースを差し出す。
だが、私は知ってる。
コイツがこんなことで照れるわけないと。
「……で、カメラどこ?」
「あそこー」
オイ。
さっきまでの照れた顔どこいった。
舌打ちしてカメラ探せば笑いながら人混みの中変装しながらカメラを持って笑顔で手を降る前髪。
「これから結婚する人に会って来て下さいってコーナージャックしちゃった」
「おまっ、そーゆーとこだぞ!!
人様の番組私物化して好き勝手すんな!!」
「いいじゃないか。これで悟の彼女として全国デビュー。
キミの凶暴性を見て全国民が誰も手出しなんてしないさ」
「喧嘩売ってんの?
元はと言えば前髪が自宅突撃をオファー受けたからだろ!!前髪引きちぎるぞ!!」
「それよりちゃんと最後までやれよー。
僕、指輪の箱にこうやってオモチャの指輪まで仕込んだんだから」
「ドッキリ大成功指輪……わざわざ作ったのかい?」
「特注」
「世間の皆さん、これが今人気の祓ったれ本舗のドクズ共です」
「愛は本物だよ?」
「ぶりっ子すんな白髪」
この映像、本当に後日テレビで流された。
私の知らない所で私について語る悟と、懐かしいねと私の年表を作りながら学生時代の黒歴史を笑顔で語る前髪。
友情出演だと、女友達達が爆笑しながらインタビューの受け答えが流れている。
「あの子ね、めっちゃいい奴だよ。
虐められてる隣のクラスメイト見て、虐めていた奴らのスカート下ろしてパンツ公開させたり」
「あったあった。キレた虐めの主犯に何すんだよ!って詰め寄られてオマエが何してんの?って淡々と言い負かしたやつね」
「ウケるよね!ウチラ毎年誕生日に担任にパイ投げして生活指導に呼び出されたし」
「青春しようぜ!って青年の主張するのに放送室ジャックしたわ」
「あったあった。あん時に五条くんが名前に公開告白して何も知らない名前ダッシュで放送室乗り込んで来てねー」
「普段やらかしてるくせに、何してんの!?って五条くんにマジ説教な」
「二人止めるために助けに来た夏油くんがなぜか性癖を二人からバラされてブチ切れ大乱闘の結末は全員生活指導に正座させられて2時間説教されたウチラの伝説」
ロクなこと話してねぇ!!
「僕ら炎上得意だから好きに恋人アピールしまくろうかな」
「悟、私まで巻き込まないでくれ」
「ほら、芸人の彼女たまにテレビぐいぐい出るじゃん。僕もそれ目指したい」
「おかめの面つけて出すかい?」
「それだ!」
「オマエらの仕事に私巻き込むな」
「じゃあ硝子も巻き込もうぜ」
「いいね。今度のドッキリで硝子も巻き込もう」
「その瞬間オマエら二人硝子ちゃんに去勢されるからな」
この放送は瞬く間にお茶の間を賑やかにさせた。
私のネットでの印象はどんどんヤバさが悪化している。
悟がオープンにしたせいで、テレビで私について話題をふられると前髪と嬉々として語るからある意味世間では認知された。
「名前、何みてんの?」
「こないだの悟の収録」
「わざわざ録画してたの?」
「そう」
まったりと悟とソファーに座りながら見る。
だるだるのスウェットを着て私を抱えながら座る悟。
「僕が目の前に居るのにテレビばっかやだ」
「テレビだと2割増しでかっこ良く見えるのに」
「は?今もイケメンだし」
「スーツかな?」
「ネクタイプレイでもしたいの?」
「ばーか」
やっと穏やかな日々が戻って来た……と安心しながら大人気の恋人と共に平凡な毎日を送っている。
録画を消されてピッピッと適当に流す悟。
ふと、翔陽が出ていて手が止まる。
「翔陽だ」
「あー、日本代表だっけ?」
「クロも出てる」
トーク番組で話す日本代表バレー選手達。
「そういえば日向選手は祓ったれ本舗の五条さんの彼女さんともお知り合いでしたよね?」
「はい!いつも良くしてもらってます!」
「どんな繋がりで?」
「僕の幼馴染なんデスよ」
「黒尾さんの!」
「俺のサポーターしている研磨とよくYouTubeでコラボしてて面白い人なんです!」
「えーっと?」
「KOZUKENってYouTuberのサポートでたまーに出ていて人気の幼馴染達なんデス」
おいクロォォオオオ!!!!
途端に私の携帯に通知の嵐が…!!
鳴り止まない携帯に悟がゲラゲラ笑っている。
どうやら私に平穏な日は無いらしい。
今度クロに会ったら殴ろうと決めた。
あとがき
落ちも何も無い話。
祓ったれ本舗パロしたかったはずなのに……。
通行人らしさも出せず……。
なんてこった。
・通行人
猫高校出身の伝説の女。球部のマネの姿。
呪術とは関係の無い世界なので平凡。
ただし、学生時代はなかなかヤベェ。
・さしす
猫高校出身の問題児。
ヤンキーだった。某ハンバーガーショップにて、通行人にナンパされ仲良くなった。
通行人の奇行に毎回爆笑していた。
・幼馴染ズ
猫高校出身の青春部。
通行人にマネしてもらった。
猫高校に伝説を残したマネに腹筋崩壊した。
・女友達ズ
猫高校出身の伝説のギャル集団。
虐めよくない、ブスはいくらでも可愛くなれる!!精神。
おい、お茶買ってこいよ……オマエの分もなってパシる。
通行人の世界観で祓ったれパロはただのギャグしか生まれない。
ちなみに被害者は通行人。
今回は特別に生放送で今話題の祓ったれ本舗の白い方である五条悟の家に突撃したいと思います!
こちらのマンション……凄いです。
プライベートを守るため外観などはお見せ出来ませんが……驚くほどのセキュリティ。
そして此方が!!相方の夏油さんからお借りした鍵です。
ちなみに夏油さんはこの企画、既にお話しております。
では早速!!行っちゃいましょう!」
突如現れた新世の星。
祓ったれ本舗五条悟と夏油傑はモデルのような見た目でありながらネタウケもよく瞬く間に売れた二人組の芸人。
テレビに出れば好き放題やらかす五条悟。
そんな彼をフォローしながらも自分も好き勝手する夏油傑。
二人が出る番組は視聴率も良く、引っ張りだこ。
「五条さんは見た目の良さからよく美人なモデルや女優さんと数々の噂がありますよね。
どうしましょう……今夜その噂のどれかが本当に当たってしまったら!!
謎に包まれている祓ったれ本舗のお二人ですが、今回のオファーを受けてくださった事務所にテレビの前の皆さんは感謝しなくては!
では、そーーっと中に入りましょうか!
そーっと、そーーっと」
リポーターが鍵を使って入る。
豪華な玄関。そして少し距離のある廊下。
リビングでは明かりがついていてテレビの音と話し声が。
「夏油さんもいらっしゃるのでしょうか?
では此方、開けてみましょう!
どーーもーー!!!」
「「えっ?」」
「え?」
お茶の間に映されたのはリビングに正座する祓ったれ本舗二人組。
そしてその目の前には……
「は?何これ」
歌舞伎のフェイスパックをした謎の女性がハリセン持って仁王立ちしていた。
「えーっと……これは、一体」
「は!?何だよコレ!!僕知らねーんだけど伊地知!!!」
「え?え?わ、私の方では何も……!!」
「……すまない、悟。私だ」
「はぁ!?傑おまっ、ふっざけんなよ!!」
「えっと…あの、祓ったれ本舗さん?」
「カメラ止めろ!!まじで止めろ!!」
「あの、これ生放送で……」
「傑ぅぅううううう!!!!」
「いや、本当にすまない……。私も生放送とは聞いてなくて」
「おまっ!!どーすんだよ!!今お茶の間にこれ流れてんの!?」
「放送事故だね」
「冷静に言ってんじゃねーーーよ!!クソ前髪!!!」
「悟、生放送だよ?クソなんて良くないよ」
「そこじゃねえっつの!!」
ギャイギャイと言い合う二人。
今にも取っ組み合いの喧嘩が始まりそうだが、ピッと本人達の目の前ではLIVEの文字と自分達とリポーターにカメラマン。
そして……歌舞伎フェイスパックの女性。
パシィンッ
ハリセンがいい音を鳴らす。
「白髪、前髪」
「「………はい」」
「説明」
「「申し訳ありませんでした」」
祓ったれ本舗二人が綺麗な土下座をしていた所でお茶の間は暫くお待ち下さいと綺麗な音楽と映像が流れた。
へろへろ☆貴女のキュートな心の妖精
いつでも貴女へ真心をお届け!!
ラブリーでチャーミングな曲付きで踊っちゃう今を輝く通行人☆名前です!!
ねぇねぇ、私のお話聞いてくれる?
普通の高校生活をしていたら、ある日素敵な三人組に出会ったの!!
私達は笑い合い、その日の内に意気投合!!実は同じ学校で、お互いにヤベェと噂されていた私達だけど、一緒に行動することでもっとヤベェと噂される事に!!
そんな仲良し四人組だった私達は社会へ出る時にはバラバラに、
二人は芸能界へ。
一人は医学部へ。
そして私はしがないOLへ。
そんな私達は卒業してもずっ友の大親友。
なんやかんやあって親友から恋人へジョブチェンはしたけど四人で集まるし、ラブラブだし順風満帆!!
それはそれは幸せでした。
例え彼氏が芸能界で有名人になろうと。
例え彼氏がモデルと噂になろうと。
例え彼氏が女優と噂になろうと。
事実無根なので痛くも痒くも無かったけれど、何をとち狂ったのかこの彼氏。
ヤキモチ焼かせたいが為に色々な匂わせをSNSで始めたわけ。
しかしこの彼氏、私の目の前で明らかに私だとわかるがとある女優やとあるモデルなどなどが着ている物をわざわざ買って私に身に付けさせてその写真をSNSに上げるアホである。
本人いわく、焼かせたいが浮気したいわけじゃないと。
何度も言おうアホである。
しかし世の中は有名になりすぎた彼氏様のやり取りにわざわざお相手の女優、モデルを探し出しては攻撃。
その中の一人であるモデルさんも彼氏に好意があったのか知らないがお互いにSNSで匂わせまくって世間を賑やかにさせていた。
ここまではまぁ、まだいいとしよう。
やっている事はクソだがこの彼氏様クズなので。
顔の良さだけで芸能界は生き残れない。
このクズさがなぜかウケてありがたいことに仕事も貰えている。
そんなドクズな野郎に私が惚れてしまったので仕方ない。
だ、が!!!!
匂わせ過ぎてストーカーとなった某モデルがついこないだこの家までやって来た。
しかも私しかいない時に。
オートロックなはずなのに、出掛けようと玄関を開けて居た時の恐怖な!!!!
あ、このモデル……と思ったら般若の顔で掴みかかって来て頭打ち付けたので思わず背負い投げ決めた私悪くなくね!?
暴れられても住民の方々にご迷惑なので……と言っても、たまたまお出かけから帰って来て全て見ていた隣に住むマダム(58)が悲鳴を上げたのでいよいよ現場は殺人ムード。
皆さん出て来て頭から血を流し、背負い投げ決めた女とテレビや雑誌で話題のモデルが床に転がっていたらそりゃ????ってなるやつ。
マダム(オネェ、58)が警察に電話。
そしてご用改められたモデル。
そのモデルがなぜか私を訴えたが、親友の病院にてしっかり診断書と共に防犯カメラの映像を提出して勝訴!!
ふぅ、と一息ついて一件落着かと思いきや
彼氏の親友である男が気分転換に外食行こうと誘って来たのでほいほい行った私との密会写真を本命デートだと仄めかしスクープに。
匂わせ反省中だった彼氏激おこな。
相方に彼女を撮られたなら俺も!!いやむしろ結婚発表しよ!と騒ぎだした。
落ち着けとチュッパチャプスを突っ込んで黙らせニコニコと反省もしない友人にハリセンぶちかました。
顔面蒼白な2人のマネージャーをしている後輩には申し訳ない。
今後どうするかと話し合っていたのでお先にお風呂を済ませたらなぜか脱線していた2人。
最終的にリアルファイトを始めようと拳を構え始めた2人へハリセンで横っ面叩き正座させた。
そしたらなぜかカメラと芸人が家の中に。
まじで何これ?
何なんだよこれ?
テレビつけたら彼氏が面白いからって理由で大量に買ってきたパック(歌舞伎の姿)をした私がハリセン持って仁王立ち。
原因は彼氏の相方。
固まるカメラマンとリポーターの芸人。
説明しろとマジギレした。
これが今起こったこと。
リポーターとカメラマンが必死に番組内容を説明。
混乱しながらもそこはテレビ業界に生きる方々。
綺麗な映像と音楽では視聴率がヤバイ。
ひとまず私はいなかった風を装い再び生放送。
私?歌舞伎パックからおかめさんのお面に交換して伊地知くんとカメラに映らない位置へ。
万が一映っても顔はおかめさんだ。問題無い。
「いやー、お騒がせしました」
「いきなり来るからビビった」
「ここが五条さんのお部屋ですか!!」
何事も無かったかのように進むお部屋紹介。
しかし私はスマホにてトレンド入りした歌舞伎パックのハリセン女としてSNSで騒がれているのを見ている。
あいつは何者だ!?と
「おや?五条さん、こちら歯ブラシが2本……」
「あぁ、これね」
「私のだよ」
「夏油くんの!?2人は同棲して!?」
チラチラと前髪と私を見る悟。
そして同じくチラチラと悟と私を見る前髪。
私はそっと近くにあったチラシにマッキーでテカデカと書く。
"BL"
その文字に嫌そうに顔を歪める2人。
知ってるか?その顔全国生放送だぞ。
「お二人の顔!!どう言った顔!?」
「想像にお任せするよ」
「な?傑」
「ね?悟」
顔を近付け怪しく笑う2人。
顔がいいから絵になりますね。
SNSに公式の腐がトレンドしていた。
だと言うのにピンポーンと鳴るインターフォン。
何事かと悟と前髪が反応すれば来たのは大親友の硝子ちゃんじゃないか!!
あたふたとしながら何故か助けを求めるように見る二人。
インターフォンから聴こえる女性の声に荒れるSNS。
仕方ない、と私は部屋着の上に悟が悪ふざけで買った毛皮のコートを羽織りスタスタと無言で歩く。
「ちょっ、待って待って待って。
その格好はヤバイって。やめよ?」
「不審者で捕まるよ?やめなって」
「誰のせいでこんな格好してると思ってんだよあぁん?」
「「ごめんなさい」」
「実家に帰ります。探さないで下さい」
「はぁぁあああ!?
待って待って!!まじで!?まじで言ってる!!?」「落ち着くんだ、悟。
このままこの醜態を全国のお茶の間に流し続けるのは良くない」
「だけどっ!!」
「彼女の黒歴史をこれ以上増やすのは可哀想だろ?」
「今さらじゃん。学生の頃もっと酷かったし」
「確かに酷かったけど一般人だよ」
「お前らの学生時代の黒歴史とお気に入りのピーーー暴露されたくなかったら今すぐに黙ろうか」
「「ごめんなさい」」
腰を90度に曲げて謝る二人。
お茶の間に高級な毛皮を羽織るおかめさんが放送された。
硝子ちゃんを迎えにいけば引かれた。
もちろんおかめは外したが、毛皮のコートなんてどうしようもない。
タクシー呼んで硝子ちゃんの家に行ったから町をその姿で練り歩くことは無かったが、SNSは荒れていた。
この放送から翌日。
五条悟は怪しい女と同棲していると拡散。
どこで漏れたのか高校時代につるんでいた同級生と恋仲になったのではと騒がれ私と硝子ちゃんの携帯は同級生からひっきりなしに連絡が。
特に仲良かった私の女友達のグループラインでは、私と悟が付き合って同棲している事を既に知っていたので歌舞伎パックからの高級毛皮おかめ姿に大変ツボッたらしく爆笑のスタンプとスクショが止まらない。
これだけで終わってくれれば良かったのに……
良かったのにっ!!
とある某アイドルの番組でゲストとして呼ばれた二人はアイドルチームのゲスト。
対戦相手は何とムスビィ。
この時点で嫌な予感はしていた。
「最近驚いた事は?」
「あーー、突然の生放送かな」
「放送事故になりかかったよね」
「見ました見ました!あれってヤラセですか?」
アイドルが祓ったれを弄っている。
そんな中、手を上げたのは……
「ヘイヘイヘーイ!!見た!!俺もそれ見た!!」
「五条さん、こないだの生放送見ました!!
名前さん凄い格好でしたね!!」
「アカンって!!翔陽くんアカン!!」
「え?」
「名前ー!!あかーしと見たから!!」
「木兎くんまで名前出したらアカンって!!」
「………ダッサイ格好」
「しーー!!名前ちゃん気にするやろ!!臣くんしーー!!」
「あわわわっ……名前さんごめん!!名前出しちゃった!!」
このVS番組、生放送でした。
硝子と見ていて顔を両手で覆ったら隣で笑われた。そして鳴り止まぬ友人からのラインは草だらけ。
クロと研磨からもドンマイって……。
この日を境に私の個人情報が流出。
自宅バレまでしたので実家や幼馴染の家に数週間プチ避難。
毎日毎日会社でもザワザワと囁かれ本当なのかとわざわざ聞きに来る野次馬共。
個人情報流出駄目。
ネット怖い……なーんて思って仕事を終わらせ会社から出たら入り口に人が。
邪魔だな、と思ってそそくさ帰ろうとしたらガシリと捕まれた腕。
「名前、帰ろ」
「は?悟?」
「もうここまでバレたら堂々としていた方がいいって」
「………」
「僕は恋人と堂々としていたい」
チュッ、と口付けられて周りから悲鳴が。
「このまま実家帰るなんて言わないで」
「………悟」
「なぁに?名前」
とろり、とろりと熱の籠った瞳を向けている。
現在人気が鰻登りでお茶の間を騒がせている彼氏。
私はにこりと笑って悟の手を取り足払い。
「え"っ?」
転びはしなかったものの、ふらついた身体。
そのまま膝かっくんを決めれば膝をつく。
「待って。名前ストップストップストップ!
僕こんなんでもキミの彼氏!!芸能人!!」
いい感じに頭が胸元にきたので
そのまま首に腕を回してぎゅうっと絞める。
腕をタップする悟。
「お、ま、え……いい加減にしろよな!!!
意味わからんモデルに襲われたり、意味わからん奴にネットで個人情報流されたりする身にもなれよ!!!芸能人なら芸能人らしく一般人の私を守る努力をしろ!!」
「だっっっってさーーー!!!
僕だってイチャイチャしたいのに世間が認めてくれないなら認めさせるしかないじゃん!!」
「事務所に許可取れ!!」
「顔が良くてごめんね」
「顔だけしか取り柄無いんだから!!」
「酷くない!?顔だけじゃなくて財力も家事能力も体力もテクもあるんだけど!!」
「それら全てプラスにならないくらい性格破滅してっけどな!!」
「そんな僕が大好きなくせに!!」
「大好きだけど大切にしたい女を危険に合わせて情報流出させといてごめーんで済まそうとしてんなら出ていく」
締め上げていた腕を離し、べーと悟に向かって舌を出す。
なんだなんだと集まる人々。
カメラ向けられているがもう知るか。
個人情報流出させやがって。お前ら私が死神の目を持っていたら今すぐデスッてるくらいの重罪だからな!
「……ごめん。本当、ごめん。悪気なかった」
「悪意あったら今すぐ顔面に鞄ぶち当ててたわ」
「仕事は楽しいから辞めたくない。
けど、名前に何かあるなら芸能界なんて引退していいくらいの気持ちで一緒に居る」
「だから?」
「事務所だ、ファンだ、仕事相手の顔色伺いとか全部どーでもいい。
僕が好きなのも、僕が大切にしたいのも、僕が愛してるのも名前だけだから……離れるとか、出ていくとか言うなよ」
くしゃり、と顔を歪ませる悟。
「愛してる。俺とずっと一緒に居てよ」
顔を赤くして、小さなケースを差し出す。
だが、私は知ってる。
コイツがこんなことで照れるわけないと。
「……で、カメラどこ?」
「あそこー」
オイ。
さっきまでの照れた顔どこいった。
舌打ちしてカメラ探せば笑いながら人混みの中変装しながらカメラを持って笑顔で手を降る前髪。
「これから結婚する人に会って来て下さいってコーナージャックしちゃった」
「おまっ、そーゆーとこだぞ!!
人様の番組私物化して好き勝手すんな!!」
「いいじゃないか。これで悟の彼女として全国デビュー。
キミの凶暴性を見て全国民が誰も手出しなんてしないさ」
「喧嘩売ってんの?
元はと言えば前髪が自宅突撃をオファー受けたからだろ!!前髪引きちぎるぞ!!」
「それよりちゃんと最後までやれよー。
僕、指輪の箱にこうやってオモチャの指輪まで仕込んだんだから」
「ドッキリ大成功指輪……わざわざ作ったのかい?」
「特注」
「世間の皆さん、これが今人気の祓ったれ本舗のドクズ共です」
「愛は本物だよ?」
「ぶりっ子すんな白髪」
この映像、本当に後日テレビで流された。
私の知らない所で私について語る悟と、懐かしいねと私の年表を作りながら学生時代の黒歴史を笑顔で語る前髪。
友情出演だと、女友達達が爆笑しながらインタビューの受け答えが流れている。
「あの子ね、めっちゃいい奴だよ。
虐められてる隣のクラスメイト見て、虐めていた奴らのスカート下ろしてパンツ公開させたり」
「あったあった。キレた虐めの主犯に何すんだよ!って詰め寄られてオマエが何してんの?って淡々と言い負かしたやつね」
「ウケるよね!ウチラ毎年誕生日に担任にパイ投げして生活指導に呼び出されたし」
「青春しようぜ!って青年の主張するのに放送室ジャックしたわ」
「あったあった。あん時に五条くんが名前に公開告白して何も知らない名前ダッシュで放送室乗り込んで来てねー」
「普段やらかしてるくせに、何してんの!?って五条くんにマジ説教な」
「二人止めるために助けに来た夏油くんがなぜか性癖を二人からバラされてブチ切れ大乱闘の結末は全員生活指導に正座させられて2時間説教されたウチラの伝説」
ロクなこと話してねぇ!!
「僕ら炎上得意だから好きに恋人アピールしまくろうかな」
「悟、私まで巻き込まないでくれ」
「ほら、芸人の彼女たまにテレビぐいぐい出るじゃん。僕もそれ目指したい」
「おかめの面つけて出すかい?」
「それだ!」
「オマエらの仕事に私巻き込むな」
「じゃあ硝子も巻き込もうぜ」
「いいね。今度のドッキリで硝子も巻き込もう」
「その瞬間オマエら二人硝子ちゃんに去勢されるからな」
この放送は瞬く間にお茶の間を賑やかにさせた。
私のネットでの印象はどんどんヤバさが悪化している。
悟がオープンにしたせいで、テレビで私について話題をふられると前髪と嬉々として語るからある意味世間では認知された。
「名前、何みてんの?」
「こないだの悟の収録」
「わざわざ録画してたの?」
「そう」
まったりと悟とソファーに座りながら見る。
だるだるのスウェットを着て私を抱えながら座る悟。
「僕が目の前に居るのにテレビばっかやだ」
「テレビだと2割増しでかっこ良く見えるのに」
「は?今もイケメンだし」
「スーツかな?」
「ネクタイプレイでもしたいの?」
「ばーか」
やっと穏やかな日々が戻って来た……と安心しながら大人気の恋人と共に平凡な毎日を送っている。
録画を消されてピッピッと適当に流す悟。
ふと、翔陽が出ていて手が止まる。
「翔陽だ」
「あー、日本代表だっけ?」
「クロも出てる」
トーク番組で話す日本代表バレー選手達。
「そういえば日向選手は祓ったれ本舗の五条さんの彼女さんともお知り合いでしたよね?」
「はい!いつも良くしてもらってます!」
「どんな繋がりで?」
「僕の幼馴染なんデスよ」
「黒尾さんの!」
「俺のサポーターしている研磨とよくYouTubeでコラボしてて面白い人なんです!」
「えーっと?」
「KOZUKENってYouTuberのサポートでたまーに出ていて人気の幼馴染達なんデス」
おいクロォォオオオ!!!!
途端に私の携帯に通知の嵐が…!!
鳴り止まない携帯に悟がゲラゲラ笑っている。
どうやら私に平穏な日は無いらしい。
今度クロに会ったら殴ろうと決めた。
あとがき
落ちも何も無い話。
祓ったれ本舗パロしたかったはずなのに……。
通行人らしさも出せず……。
なんてこった。
・通行人
猫高校出身の伝説の女。球部のマネの姿。
呪術とは関係の無い世界なので平凡。
ただし、学生時代はなかなかヤベェ。
・さしす
猫高校出身の問題児。
ヤンキーだった。某ハンバーガーショップにて、通行人にナンパされ仲良くなった。
通行人の奇行に毎回爆笑していた。
・幼馴染ズ
猫高校出身の青春部。
通行人にマネしてもらった。
猫高校に伝説を残したマネに腹筋崩壊した。
・女友達ズ
猫高校出身の伝説のギャル集団。
虐めよくない、ブスはいくらでも可愛くなれる!!精神。
おい、お茶買ってこいよ……オマエの分もなってパシる。
通行人の世界観で祓ったれパロはただのギャグしか生まれない。
ちなみに被害者は通行人。