呪縛
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俺から見て、名前は目の離せない奴だ。
幼少期の初対面が印象深かったのもある。
高専に来て、俺だけを頼りにしていた姿は世話のかかる妹がいればこんな感じなのか?……ぐらいにしか見えて無かった。
話したい時に袖を引いて、申し訳なさそうにしながら見上げる姿。
ヒヨコのように必死に小さな歩幅で後ろをついて歩く姿。
悪戯に困りながらも仕方ないなって笑う姿。
無邪気に笑う姿。
小動物に懐かれて嫌な気持ちは無い。
むしろ、ペットは可愛がられる為にあると思っている。
自分を見て欲しいと駆け寄ってきて、触れるとその手にすり寄る。
可愛がれば嬉しそうな反応を見せて、止めるともっともっとと寂しそうに見上げてくる姿を見て愛着が湧かない人間っている?
この小動物に癒されない人間っている?
そりゃ可愛がるだろ。
俺に懐いて他の人間怖がって後ろ隠れられたら守らなきゃって親心?が湧くだろ。
つまり、俺はおかしくない。
親心からこのままじゃいけないと、心を鬼にして俺の信頼出来る傑や硝子に慣れさせる為に出来る限り見守った。
守りすぎは教育にも良くないだろ?
小動物みたいとはいえ、人間。
ちゃんと人間社会に適応出来なきゃいけない。
俺の元から離れ、自分なりに必死に傑や硝子と関わり合おうとし、仲良くなっていった。
最初はその姿を見ているだけでホッとした気持ちとどこかチクリとする胸の痛み。
きっと親離れしていく子の成長が寂しいんだな……って思っていた。
「悟は名前が好きなのかい?」
「は?」
2人でゲーム最中。傑が興味深そうに聞いてきた。
野郎同士で恋バナなんて何が楽しいんだよ。
「子供みてーなもんだろ」
「は?悟に子育てとか無理だろ」
「ヒヨコが殻破って初めて見たのが俺だったってだけ」
「名前を雛鳥扱いかい?」
「似たようなもんだろ」
ピヨピヨ泣いて、ピヨピヨついてきて。
好奇心であちこち行っては親に連れ戻されてる。
「ふーん?」
「………んだよ、その顔」
「案外気付かないもんだなぁと思って」
「はー?何が言いてぇんだよ」
ニヤニヤしながら話す傑。
コントローラーを置いて傑の方を睨む。
「名前を檻から出してそのまま好きに生きろ〜なんて身勝手な事してねーだろ。
ちゃんと見守ってる俺の親心がわかんねぇの?」
「悟、知っているかい?」
「そのニヤニヤ顔やめろよ」
「親が子を囲うのは子を守りたいからだろうが……」
「だろ?」
「行き過ぎるとそれは束縛だよ」
「そんなつもりねーよ」
「悟の雛鳥はもう悟の加護を受けなくても一人で頑張っているよ」
名前は元々多分……人が好きなのだろう。
婚約者によって人と関わることを禁じられ……
少しずつ婚約者の呪縛が解けていき、自分に自信を持てるようになっていくと自分自身に掛けていた呪いも落ち着いていた。
俺ばかりを頼っていたはずなのに、いつの間にやら自分から傑や硝子を頼る事が増えていった。
「成長した小鳥を守るのは親鳥の役割じゃない」
「何?さっさと言えよ」
「私と硝子が名前と引っ付いている時に威嚇するのは止めてくれ。笑ってしまうから」
「はぁぁああああ!?」
「おや?無自覚かい?」
「威嚇してねーっつの!」
ニヤニヤ。ニヤニヤ。
「その顔やめろって」
「私には悟が親鳥よりも別のものに見えるよ」
「は?」
「自分で考えてごらん」
「傑っ」
「そろそろ部屋に戻るよ」
口元に笑みを浮かべて手を振る傑。
部屋を出る直前に止まって此方を振り向く。
「私は親鳥から卒業してしまおうかな」
くすり、と笑ってドアを閉めた傑。
傑の言葉を理解出来ず、頭をかしげる。
「何言ってんだアイツ」
親鳥を卒業?
雛鳥が親鳥の元から巣立つのではなく?
意味がわからなくてベッドに寝転ぶ。
俺に懐いていた雛鳥が他の親鳥に世話されるのは面白くない。
俺が名前を囲うのは、まだまだアイツが雛鳥だから。
任務や異性として見切れない部分を傑や硝子に任せている事はある。
だけど、誰が何と言おうと名前を見付けたのは俺だ。
なら、俺が一番の親鳥として名前の事を心配する事の何がおかしいと言われなくちゃいけないのか?
……確かに。名前は一人で歩きだしている。
俺が全てを見ていなくても、俺じゃなくても頼れる人が増えたから。
ーー雛鳥が成長すれば親鳥など必要無くなる。
子は自分のパートナーを探し、そして親となる。
親鳥も子が巣立てばまた新たな命を育むーー
なら、俺はもうそろそろ用済み。
名前と関わることはない。
……って考えるとそれはとても嫌だ。
俺が見付け、俺があの檻から引き出したのに!
最初はそう……親心?みたいな、妹?みたいな感じで手の掛かる名前を見守ってきた。
どうにか出来ないかとあれこれ調べた。
自分も家から出たかったし、それならば……とダメ元で名前を誘った。
引き離せば婚約者だけじゃなく他にも目がいくだろうと思って。
俺はあの檻から出た後、物珍しさにキョロキョロする雛鳥の休める止まり木でもある。
折角自由になれたのに俺が囲う必要などない。
そうする事はあの婚約者と同じだ。
ただし!!
俺が認めた奴じゃなきゃ危なっかしいので見極めなきゃいけない……その結果、止まり木に無下限……まではいかなくても、荊を用意しただけ。
傑と硝子はその隙間から入って来て、荊への出入りの仕方を教えてくれる仲間の小鳥。
ほら、問題無い。
別に過保護過ぎてるわけじゃねーだろ?
自分から飛び立てるんだから。
親鳥であり、止まり木。
つまり俺はあの檻から名前を出した責任者としてしっかり名前を監督しなきゃいけない。
それの何がおかしくて、間違えているのいうのか。
「意味わかんね」
その日はそのまま寝た。
次の日……傑が俺を見て、硝子を見る。
そしてにやり、と昨日のように笑う。
「名前、髪の毛に何かついてるよ」
「え?本当ですか?」
「うん。取ってあげる」
必要以上に顔を近付け何か取る動作をする。
「取れたよ」
「ありがとうございます!傑くん」
顔を上げた瞬間、名前の唇が傑の頬に当たる。
驚き唇を押さえる名前に対し、傑はにこりと笑う。
「ごっ、ごめんなさっ」
「わざとじゃないってわかってるよ」
なーにがわざとじゃない、だよ。
隣の硝子の顔見ろ。
苦虫噛み潰したような顔しているぞ。
「あの、今すぐ除菌をっ」
「うん、やめてね?顔に除菌シートはやめて」
「ついでに頭の中身も除菌されろ」
「硝子…」
真っ青な顔色でどこからともなく除菌シートを取り出す名前に硝子がニヤニヤし始める。
「あ、そうだ」
思い付いた、とばかりに名前を見て身を屈める傑。
ーー雛鳥は成長すればいつかは一人で飛び立ち、パートナーを見付けて新しい止まり木で愛を育んで……ーー
「………」
パキッと飲み終わったペットボトルを術式で潰す。
……なんか、イラッとした。
どんどんと顔を近付ける傑。
何事かと傑を見上げている名前。
「コイツで遊んでんじゃねーよ」
腕の中に名前をしまい傑との間に無下限を使う。
「「ぶはっ!!」」
「………」
「?」
俺の顔を見てゲラゲラ腹を抱えて笑い出す傑と硝子。
名前は何事かわかっていない。
名前で遊んでいたんじゃない。
俺で遊んでいたらしい。
パートナーは……まぁ、いつかはな。
まだ名前には早い。やっと人慣れして変な奴との区別すらついてないんだから。
新しい止まり木で、愛の巣を作る?
"私は親鳥から卒業してしまおうかな"
親鳥じゃなくなる。
ただの雄。
……つまり?
名前のパートナーになることもある。
親友になら変な男に預けるよりまだマシだ。
自分が保護した小鳥と親友が番になる。
先ほどの光景が当たり前になり、俺が間に入る隙間などなくなる。
俺は?
親鳥でも止まり木でもなくなれば……
「悟くん?」
こうして腕の中に納めることも
危なっかしいからと手を引くことも
名前を危険から守ることも
名前を愛でることも
全てその役割はパートナーである親友のもので
俺の役割など、無い。
「悟、名前が困っているよ」
「離してやんな」
にやり、にやり。
傑と硝子が俺を見て笑う。
「いーんだよ。名前だって嫌がってねーだろ」
「おやおや?」
「過保護が過ぎるとうぜー」
「硝子、悟はヤキモチ焼きだから仕方ないよ」
「無自覚でそれかよ」
好き勝手に話す硝子と傑。
コレが何か……を認めたくない。
わかっているようで、わからない。
ただ
俺が見付けた小さく傷付いていた雛鳥を俺は見捨てられなかった。
飼い主の檻を無理矢理開けてでも外へ連れ出したかった。
大空を知らぬ籠の中の雛鳥がそのまま朽ちていく姿を見るより……
大空を知って自由に羽ばたく姿を見たかった。
だから、これは俺の身勝手なお節介。
傑や硝子が思い描くような感情ではない。
多分、名前が選ぶなら俺は笑って祝福出来る。
名前が笑って居てくれるなら。
名前が幸せそうなら。
傷だらけでボロボロで泣いているよりも
名前は笑っている方が可愛いらしいから。
「あれ?名前いねーの?」
「来てないね。硝子知ってるかい?」
「朝早く出てったよ」
朝、教室に入るといつもいるはずの名前がいない。
体調を崩すような様子は昨日無かったはず。
「任務?」
「一人で?ありえねーだろ」
等級が上ならあり得たかもしれないが、名前は二級。
俺や傑すら一人で任務に行くことはない。
「授業を始めるぞ」
「先生、名前がまだ来ていません」
「名前は今実家に戻っている。
父親が大怪我をしたらしく……名前を呼び戻して欲しいと連絡があった」
父親が?
確かに名前の父親も名前と同じ術式持ちで任務を請け負っている。
そこで何かしらあり、大怪我をして命に関わるのなら……家族想いの名前が呼び出されても不思議ではない。
「大丈夫かな?」
「酷くないといいね」
名前の家族好きは一緒に過ごしていてわかっていた。
週末に家族と電話をして楽しそうに話しているのを何度も聞いていた。中でも弟や妹が最近の流行り物や、東京にしかない食べ物の話をすれば家族へお土産を買いたいのだと一緒に回っていたのだから。
こちらの世界ではあまり見ない、仲の良い家族関係だと思っている。
一般家庭出身の傑すら時々羨ましそうにしているのだから。
呪術界に触れながら、一般家庭のように暖かな家。
うちのように見知らぬ女を宛がわれ命を狙われるわけでもなく
見えることで距離を置かれるわけでもなく
兄妹同士で地位を奪い合うわけでもなく
術式持ちとか、見えないとか、関係なく……
呪いと触れ合いながらも家族を愛し、大切にし合える当たり前の家族という関係を見せられている気がした。
名前のいない授業はいつも通り。
いないとわかっていてもドジをしていないかと姿を探してしまう。
「こんなに穏やかな日も無いな」
「そうだね」
「何かしら起こるもんな」
俺達の日常に名前は欠かせない。
突拍子もない事をする名前に何度も笑い、驚かされる。
ppppp
暇をもて余していたところに鳴り響いた電話。
見れば名前から。
「名前からだ」
「……もしや、実家に帰るまでに何かしらあったとか?」
「……笑えねー」
名前からの電話で多いのは迷子だ。
人波に流され現在地がわからないなんてよくある事。
朝イチで出ていき、今まで迷子……って事は無いだろうから、帰りにまた変なのに巻き込まれたとかだろう。
通話を押していつものように声を掛けようとしたのに、聞こえてきたのは思い描いていたものとは違う叫びだった。
『助けて……っ!!
助けて、お姉ちゃんがっ!!』
思いの外大きな声に傑も硝子も驚く。
この声は誰だ?
グスグスと泣きながら"姉"を"助けて"と何度も頼んでくる電話相手。
「オマエ、名前の妹か?」
年の離れた兄妹か可愛いといつも嬉しそうに話す名前。
その妹が泣いている。
何度も姉を……名前を助けてくれと泣く電話に何あったのは確実
「……泣くな」
『お願いっ!!お姉ちゃんを、お姉ちゃんをっ!!』
妹が泣きながら話したのは、婚約者が父親に暴力を奮い怪我をさせて名前を呼び出した事。
名前が叩かれた事。
名前が婚約者に連れていかれた事。
父親に名前が反転術式を使ったものの、目覚めない父親を今は病院に連れていった事。
名前が玄関に落としてた携帯を見付け、妹が連絡してきた事。
聞き取り辛い中、必死に今の状況を伝えてくる妹は何度も謝っていた。
「連絡してくれてありがとな。
後は俺に任せろ」
視界の隅で傑が夜蛾に連絡を取っている。
硝子が補助監督に車とチケットの準備を早急に頼んでいた。
『ごめん……っ、ごめんなさいっ!!』
「今からそっち行くけど親は?」
『お母さん……お父さんの、とこ……っ
お兄ちゃんと、今…親戚の、人と一緒に…っ』
「誰かと一緒なんだな?
じゃあちゃんと待ってろよ。
名前連れて一緒に帰るから」
何度も鼻を啜りながら返事を返す妹。
また連絡をすると約束して一度電話を切る。
「悟、外泊届けは先生に頼んだよ。三人分」
「車は下。行きのチケットは取れた。三人分」
「連携バッチリじゃん」
ははっ、と笑うものの心の中は穏やかではない。
準備万端ならさっさと行動に移すのみ。
「んじゃ……乗り込むか」
傑も硝子も怒っている。
俺達の可愛い同級生を泣かされて、監禁なんて喧嘩売られたも同然。
一度、告げたからには遠慮なんかしない。
「禪院、ぶっ潰すか」
中途半端に千切られた制服。
ボタンは弾け、見える下着。
「こんなんいつ買ったん?」
下着はズラされ、此方の痛みなどお構い無しに力任せに胸を掴まれる。
投げられた時に打ち付けられた背中が痛い。
直哉様の体重がかかるたび、息がつまる。
何度も何度も唇を重ねて、唇をやわやわと噛みまた唇を重ねる。息苦しくなって顔を背けても戻され舌を入れて唇を重ねられる。
涙が零れれば舌で舐め取られ、唇を重ねて舌が絡み合うと少し塩辛い。
「ふっ、直哉……様っ」
胸を押しても動かない。
邪魔だとばかりに畳に押し付けられると手の甲が擦れて痛い。
タイツを脱がされ誰も触れた事の無い場所を指で触れられるたび変な気分になる。
どちらの唾液かわからない飲み込みきれなかったものが唇の端から流れる。
恋人のように指を絡めてギュッと握り、唇を重ねる。
やっていることは愛し合う者同士ならばとても幸せで嬉しいはずの行為なはずなのに……
今の私は涙を流しているし、直哉様は眉間にシワを寄せて何かに堪えるように歯を食い縛っている。
なんで……だろう?
直哉様は私が嫌いだった?
顔だけで選ばれた婚約者とはいえ、直哉様に気に入られていると思っていたことすら思い上がりだった?
ただの胎に情など無く、己の所有物が好き勝手しているのが気に入らなかった?
私は直哉様にお金で買われた玩具であり
玩具に意思など必要無かった?
だとしたら……直哉様が気に入らないのも頷ける。
そもそもが勘違いをしていたのだから。
道具に意思など必要無い。
直哉様の為に、だなんて無機物の道具は思わない。
直哉様の側にいないで、遊び歩いた道具など必要とされないに決まっている。
必要とされる為には何をすべきか……。
泣くな。
己の立場を思い出せ。
己のやるべき事を思い出せ。
私は何のために必要とされた?
迷惑、かけちゃいけない。
「……直哉、様」
「なん?」
「手、少しだけよろしいでしょうか?」
「暴れるなら…」
「違います」
ゆっくりと離された手。
叩かれた頬を反転術式で治す。
「……何しとんの」
「直哉様の目に汚れが入ったままでは気が散りますでしょう?」
ズラされた上の下着が窮屈で自分で後ろのホックを外す。
少し身体をズラしてくれた直哉様の下から起き上がり、自分で制服を脱ぐ。
パンツだけの私を見て、驚いた顔をした直哉様の首に腕を回す。
「責任も果たせず直哉様の優しさに甘えて身勝手な事をしていた愚かな胎をお許し下さい」
「……何、言うて」
「今後直哉様の意思を尊重し必要最低限話さず胎としての務めを果たす為に精進致します。
なので、どうか……恐れ多いお願いではございますが我が一族をお許し下さい。
私の愚かな行いによる責任は私のみでお許し下さい」
唇を重ねて、先ほどまで直哉様がしていたように下手くそながら舌を入れて絡める。
直哉様の衣類に手をかけて、同じ学生服を脱がす。
頬に、首に、胸元に口付けて……
「止め」
直哉様から離される。
冷たい顔をして私を見る直哉様が何を考えているかわからない。
だけど……もう、わからなくていい。
直哉様の顔色などもう気にしなくてもいい。
叩かれても
殴られても
叱られても
抱かれても
私の感情など必要無いのだから。
バサリ、と頭から被せられたのは直哉様の学生服。
視界が帳が降りたように真っ黒になる。
「ガッつく女嫌いやねん。頭冷やし」
襖の閉じる音と、遠ざかる足音。
流れ落ちる涙は直哉様の制服を濡らす。
私はただ、直哉様に普通に愛されたかった。
友達と遊んだりする普通の生活を楽しみたかった。
例え、未来が子を産むだけの道具として扱われようと……愛され、大切にされたかった。
"普通"に憧れた私がいけなかったのだろうか?
父と母のような関係に憧れ、幼いながらにいつか自分も最愛の人と何年歳を取っても笑って子と共に生きる事を夢見たのに……現実はうまく行かない。
止まらない涙をそのままに、一人部屋に崩れ落ちる。
もう、何が正しいのかわからない。
もう、どうすれば愛されるのかわからない。
胎としても必要とされず
人としても必要とされず
何のために必要とされているのか……わからない。
私は何を間違えてしまったのだろう……?
あとがき
R18に突入も考えましたが……うちの直哉くんってヘタレなので思い止まってもらいました(笑)
出来たら頑張ってR18も書きたい……が、私エッチィの書けないんですよね。すまぬ。
・壊れちゃった名前ちゃん
初めてなりに知識無いのに頑張ったら拒否られた。
もうやだぁ……蛸壺ください。
救済求む
・ヘタレ代表直哉くん
途中まで興奮していたのに表情無くなっておかしなこと口走り出した名前ちゃんにヘタレた。
あれ……?俺のたっぷりの愛情込めたのになんでそんな顔なるん?あれれ〜?
めっちゃ積極的なのなんで?どこで覚え……あっ、さーせん。タンマ。ちょっと考えさせて。
怒ってる。怒ってるけどラブラブエッチしたいのに……あれれ?
・激おこさしす
ただいまヤンキーがご乗車いたします。ご注意ください。
一般の方は白線より後ろにお下がり下さい。
間も無く京都〜京都〜。
ヤンキーが下車致します。ご注意ください。
幼少期の初対面が印象深かったのもある。
高専に来て、俺だけを頼りにしていた姿は世話のかかる妹がいればこんな感じなのか?……ぐらいにしか見えて無かった。
話したい時に袖を引いて、申し訳なさそうにしながら見上げる姿。
ヒヨコのように必死に小さな歩幅で後ろをついて歩く姿。
悪戯に困りながらも仕方ないなって笑う姿。
無邪気に笑う姿。
小動物に懐かれて嫌な気持ちは無い。
むしろ、ペットは可愛がられる為にあると思っている。
自分を見て欲しいと駆け寄ってきて、触れるとその手にすり寄る。
可愛がれば嬉しそうな反応を見せて、止めるともっともっとと寂しそうに見上げてくる姿を見て愛着が湧かない人間っている?
この小動物に癒されない人間っている?
そりゃ可愛がるだろ。
俺に懐いて他の人間怖がって後ろ隠れられたら守らなきゃって親心?が湧くだろ。
つまり、俺はおかしくない。
親心からこのままじゃいけないと、心を鬼にして俺の信頼出来る傑や硝子に慣れさせる為に出来る限り見守った。
守りすぎは教育にも良くないだろ?
小動物みたいとはいえ、人間。
ちゃんと人間社会に適応出来なきゃいけない。
俺の元から離れ、自分なりに必死に傑や硝子と関わり合おうとし、仲良くなっていった。
最初はその姿を見ているだけでホッとした気持ちとどこかチクリとする胸の痛み。
きっと親離れしていく子の成長が寂しいんだな……って思っていた。
「悟は名前が好きなのかい?」
「は?」
2人でゲーム最中。傑が興味深そうに聞いてきた。
野郎同士で恋バナなんて何が楽しいんだよ。
「子供みてーなもんだろ」
「は?悟に子育てとか無理だろ」
「ヒヨコが殻破って初めて見たのが俺だったってだけ」
「名前を雛鳥扱いかい?」
「似たようなもんだろ」
ピヨピヨ泣いて、ピヨピヨついてきて。
好奇心であちこち行っては親に連れ戻されてる。
「ふーん?」
「………んだよ、その顔」
「案外気付かないもんだなぁと思って」
「はー?何が言いてぇんだよ」
ニヤニヤしながら話す傑。
コントローラーを置いて傑の方を睨む。
「名前を檻から出してそのまま好きに生きろ〜なんて身勝手な事してねーだろ。
ちゃんと見守ってる俺の親心がわかんねぇの?」
「悟、知っているかい?」
「そのニヤニヤ顔やめろよ」
「親が子を囲うのは子を守りたいからだろうが……」
「だろ?」
「行き過ぎるとそれは束縛だよ」
「そんなつもりねーよ」
「悟の雛鳥はもう悟の加護を受けなくても一人で頑張っているよ」
名前は元々多分……人が好きなのだろう。
婚約者によって人と関わることを禁じられ……
少しずつ婚約者の呪縛が解けていき、自分に自信を持てるようになっていくと自分自身に掛けていた呪いも落ち着いていた。
俺ばかりを頼っていたはずなのに、いつの間にやら自分から傑や硝子を頼る事が増えていった。
「成長した小鳥を守るのは親鳥の役割じゃない」
「何?さっさと言えよ」
「私と硝子が名前と引っ付いている時に威嚇するのは止めてくれ。笑ってしまうから」
「はぁぁああああ!?」
「おや?無自覚かい?」
「威嚇してねーっつの!」
ニヤニヤ。ニヤニヤ。
「その顔やめろって」
「私には悟が親鳥よりも別のものに見えるよ」
「は?」
「自分で考えてごらん」
「傑っ」
「そろそろ部屋に戻るよ」
口元に笑みを浮かべて手を振る傑。
部屋を出る直前に止まって此方を振り向く。
「私は親鳥から卒業してしまおうかな」
くすり、と笑ってドアを閉めた傑。
傑の言葉を理解出来ず、頭をかしげる。
「何言ってんだアイツ」
親鳥を卒業?
雛鳥が親鳥の元から巣立つのではなく?
意味がわからなくてベッドに寝転ぶ。
俺に懐いていた雛鳥が他の親鳥に世話されるのは面白くない。
俺が名前を囲うのは、まだまだアイツが雛鳥だから。
任務や異性として見切れない部分を傑や硝子に任せている事はある。
だけど、誰が何と言おうと名前を見付けたのは俺だ。
なら、俺が一番の親鳥として名前の事を心配する事の何がおかしいと言われなくちゃいけないのか?
……確かに。名前は一人で歩きだしている。
俺が全てを見ていなくても、俺じゃなくても頼れる人が増えたから。
ーー雛鳥が成長すれば親鳥など必要無くなる。
子は自分のパートナーを探し、そして親となる。
親鳥も子が巣立てばまた新たな命を育むーー
なら、俺はもうそろそろ用済み。
名前と関わることはない。
……って考えるとそれはとても嫌だ。
俺が見付け、俺があの檻から引き出したのに!
最初はそう……親心?みたいな、妹?みたいな感じで手の掛かる名前を見守ってきた。
どうにか出来ないかとあれこれ調べた。
自分も家から出たかったし、それならば……とダメ元で名前を誘った。
引き離せば婚約者だけじゃなく他にも目がいくだろうと思って。
俺はあの檻から出た後、物珍しさにキョロキョロする雛鳥の休める止まり木でもある。
折角自由になれたのに俺が囲う必要などない。
そうする事はあの婚約者と同じだ。
ただし!!
俺が認めた奴じゃなきゃ危なっかしいので見極めなきゃいけない……その結果、止まり木に無下限……まではいかなくても、荊を用意しただけ。
傑と硝子はその隙間から入って来て、荊への出入りの仕方を教えてくれる仲間の小鳥。
ほら、問題無い。
別に過保護過ぎてるわけじゃねーだろ?
自分から飛び立てるんだから。
親鳥であり、止まり木。
つまり俺はあの檻から名前を出した責任者としてしっかり名前を監督しなきゃいけない。
それの何がおかしくて、間違えているのいうのか。
「意味わかんね」
その日はそのまま寝た。
次の日……傑が俺を見て、硝子を見る。
そしてにやり、と昨日のように笑う。
「名前、髪の毛に何かついてるよ」
「え?本当ですか?」
「うん。取ってあげる」
必要以上に顔を近付け何か取る動作をする。
「取れたよ」
「ありがとうございます!傑くん」
顔を上げた瞬間、名前の唇が傑の頬に当たる。
驚き唇を押さえる名前に対し、傑はにこりと笑う。
「ごっ、ごめんなさっ」
「わざとじゃないってわかってるよ」
なーにがわざとじゃない、だよ。
隣の硝子の顔見ろ。
苦虫噛み潰したような顔しているぞ。
「あの、今すぐ除菌をっ」
「うん、やめてね?顔に除菌シートはやめて」
「ついでに頭の中身も除菌されろ」
「硝子…」
真っ青な顔色でどこからともなく除菌シートを取り出す名前に硝子がニヤニヤし始める。
「あ、そうだ」
思い付いた、とばかりに名前を見て身を屈める傑。
ーー雛鳥は成長すればいつかは一人で飛び立ち、パートナーを見付けて新しい止まり木で愛を育んで……ーー
「………」
パキッと飲み終わったペットボトルを術式で潰す。
……なんか、イラッとした。
どんどんと顔を近付ける傑。
何事かと傑を見上げている名前。
「コイツで遊んでんじゃねーよ」
腕の中に名前をしまい傑との間に無下限を使う。
「「ぶはっ!!」」
「………」
「?」
俺の顔を見てゲラゲラ腹を抱えて笑い出す傑と硝子。
名前は何事かわかっていない。
名前で遊んでいたんじゃない。
俺で遊んでいたらしい。
パートナーは……まぁ、いつかはな。
まだ名前には早い。やっと人慣れして変な奴との区別すらついてないんだから。
新しい止まり木で、愛の巣を作る?
"私は親鳥から卒業してしまおうかな"
親鳥じゃなくなる。
ただの雄。
……つまり?
名前のパートナーになることもある。
親友になら変な男に預けるよりまだマシだ。
自分が保護した小鳥と親友が番になる。
先ほどの光景が当たり前になり、俺が間に入る隙間などなくなる。
俺は?
親鳥でも止まり木でもなくなれば……
「悟くん?」
こうして腕の中に納めることも
危なっかしいからと手を引くことも
名前を危険から守ることも
名前を愛でることも
全てその役割はパートナーである親友のもので
俺の役割など、無い。
「悟、名前が困っているよ」
「離してやんな」
にやり、にやり。
傑と硝子が俺を見て笑う。
「いーんだよ。名前だって嫌がってねーだろ」
「おやおや?」
「過保護が過ぎるとうぜー」
「硝子、悟はヤキモチ焼きだから仕方ないよ」
「無自覚でそれかよ」
好き勝手に話す硝子と傑。
コレが何か……を認めたくない。
わかっているようで、わからない。
ただ
俺が見付けた小さく傷付いていた雛鳥を俺は見捨てられなかった。
飼い主の檻を無理矢理開けてでも外へ連れ出したかった。
大空を知らぬ籠の中の雛鳥がそのまま朽ちていく姿を見るより……
大空を知って自由に羽ばたく姿を見たかった。
だから、これは俺の身勝手なお節介。
傑や硝子が思い描くような感情ではない。
多分、名前が選ぶなら俺は笑って祝福出来る。
名前が笑って居てくれるなら。
名前が幸せそうなら。
傷だらけでボロボロで泣いているよりも
名前は笑っている方が可愛いらしいから。
「あれ?名前いねーの?」
「来てないね。硝子知ってるかい?」
「朝早く出てったよ」
朝、教室に入るといつもいるはずの名前がいない。
体調を崩すような様子は昨日無かったはず。
「任務?」
「一人で?ありえねーだろ」
等級が上ならあり得たかもしれないが、名前は二級。
俺や傑すら一人で任務に行くことはない。
「授業を始めるぞ」
「先生、名前がまだ来ていません」
「名前は今実家に戻っている。
父親が大怪我をしたらしく……名前を呼び戻して欲しいと連絡があった」
父親が?
確かに名前の父親も名前と同じ術式持ちで任務を請け負っている。
そこで何かしらあり、大怪我をして命に関わるのなら……家族想いの名前が呼び出されても不思議ではない。
「大丈夫かな?」
「酷くないといいね」
名前の家族好きは一緒に過ごしていてわかっていた。
週末に家族と電話をして楽しそうに話しているのを何度も聞いていた。中でも弟や妹が最近の流行り物や、東京にしかない食べ物の話をすれば家族へお土産を買いたいのだと一緒に回っていたのだから。
こちらの世界ではあまり見ない、仲の良い家族関係だと思っている。
一般家庭出身の傑すら時々羨ましそうにしているのだから。
呪術界に触れながら、一般家庭のように暖かな家。
うちのように見知らぬ女を宛がわれ命を狙われるわけでもなく
見えることで距離を置かれるわけでもなく
兄妹同士で地位を奪い合うわけでもなく
術式持ちとか、見えないとか、関係なく……
呪いと触れ合いながらも家族を愛し、大切にし合える当たり前の家族という関係を見せられている気がした。
名前のいない授業はいつも通り。
いないとわかっていてもドジをしていないかと姿を探してしまう。
「こんなに穏やかな日も無いな」
「そうだね」
「何かしら起こるもんな」
俺達の日常に名前は欠かせない。
突拍子もない事をする名前に何度も笑い、驚かされる。
ppppp
暇をもて余していたところに鳴り響いた電話。
見れば名前から。
「名前からだ」
「……もしや、実家に帰るまでに何かしらあったとか?」
「……笑えねー」
名前からの電話で多いのは迷子だ。
人波に流され現在地がわからないなんてよくある事。
朝イチで出ていき、今まで迷子……って事は無いだろうから、帰りにまた変なのに巻き込まれたとかだろう。
通話を押していつものように声を掛けようとしたのに、聞こえてきたのは思い描いていたものとは違う叫びだった。
『助けて……っ!!
助けて、お姉ちゃんがっ!!』
思いの外大きな声に傑も硝子も驚く。
この声は誰だ?
グスグスと泣きながら"姉"を"助けて"と何度も頼んでくる電話相手。
「オマエ、名前の妹か?」
年の離れた兄妹か可愛いといつも嬉しそうに話す名前。
その妹が泣いている。
何度も姉を……名前を助けてくれと泣く電話に何あったのは確実
「……泣くな」
『お願いっ!!お姉ちゃんを、お姉ちゃんをっ!!』
妹が泣きながら話したのは、婚約者が父親に暴力を奮い怪我をさせて名前を呼び出した事。
名前が叩かれた事。
名前が婚約者に連れていかれた事。
父親に名前が反転術式を使ったものの、目覚めない父親を今は病院に連れていった事。
名前が玄関に落としてた携帯を見付け、妹が連絡してきた事。
聞き取り辛い中、必死に今の状況を伝えてくる妹は何度も謝っていた。
「連絡してくれてありがとな。
後は俺に任せろ」
視界の隅で傑が夜蛾に連絡を取っている。
硝子が補助監督に車とチケットの準備を早急に頼んでいた。
『ごめん……っ、ごめんなさいっ!!』
「今からそっち行くけど親は?」
『お母さん……お父さんの、とこ……っ
お兄ちゃんと、今…親戚の、人と一緒に…っ』
「誰かと一緒なんだな?
じゃあちゃんと待ってろよ。
名前連れて一緒に帰るから」
何度も鼻を啜りながら返事を返す妹。
また連絡をすると約束して一度電話を切る。
「悟、外泊届けは先生に頼んだよ。三人分」
「車は下。行きのチケットは取れた。三人分」
「連携バッチリじゃん」
ははっ、と笑うものの心の中は穏やかではない。
準備万端ならさっさと行動に移すのみ。
「んじゃ……乗り込むか」
傑も硝子も怒っている。
俺達の可愛い同級生を泣かされて、監禁なんて喧嘩売られたも同然。
一度、告げたからには遠慮なんかしない。
「禪院、ぶっ潰すか」
中途半端に千切られた制服。
ボタンは弾け、見える下着。
「こんなんいつ買ったん?」
下着はズラされ、此方の痛みなどお構い無しに力任せに胸を掴まれる。
投げられた時に打ち付けられた背中が痛い。
直哉様の体重がかかるたび、息がつまる。
何度も何度も唇を重ねて、唇をやわやわと噛みまた唇を重ねる。息苦しくなって顔を背けても戻され舌を入れて唇を重ねられる。
涙が零れれば舌で舐め取られ、唇を重ねて舌が絡み合うと少し塩辛い。
「ふっ、直哉……様っ」
胸を押しても動かない。
邪魔だとばかりに畳に押し付けられると手の甲が擦れて痛い。
タイツを脱がされ誰も触れた事の無い場所を指で触れられるたび変な気分になる。
どちらの唾液かわからない飲み込みきれなかったものが唇の端から流れる。
恋人のように指を絡めてギュッと握り、唇を重ねる。
やっていることは愛し合う者同士ならばとても幸せで嬉しいはずの行為なはずなのに……
今の私は涙を流しているし、直哉様は眉間にシワを寄せて何かに堪えるように歯を食い縛っている。
なんで……だろう?
直哉様は私が嫌いだった?
顔だけで選ばれた婚約者とはいえ、直哉様に気に入られていると思っていたことすら思い上がりだった?
ただの胎に情など無く、己の所有物が好き勝手しているのが気に入らなかった?
私は直哉様にお金で買われた玩具であり
玩具に意思など必要無かった?
だとしたら……直哉様が気に入らないのも頷ける。
そもそもが勘違いをしていたのだから。
道具に意思など必要無い。
直哉様の為に、だなんて無機物の道具は思わない。
直哉様の側にいないで、遊び歩いた道具など必要とされないに決まっている。
必要とされる為には何をすべきか……。
泣くな。
己の立場を思い出せ。
己のやるべき事を思い出せ。
私は何のために必要とされた?
迷惑、かけちゃいけない。
「……直哉、様」
「なん?」
「手、少しだけよろしいでしょうか?」
「暴れるなら…」
「違います」
ゆっくりと離された手。
叩かれた頬を反転術式で治す。
「……何しとんの」
「直哉様の目に汚れが入ったままでは気が散りますでしょう?」
ズラされた上の下着が窮屈で自分で後ろのホックを外す。
少し身体をズラしてくれた直哉様の下から起き上がり、自分で制服を脱ぐ。
パンツだけの私を見て、驚いた顔をした直哉様の首に腕を回す。
「責任も果たせず直哉様の優しさに甘えて身勝手な事をしていた愚かな胎をお許し下さい」
「……何、言うて」
「今後直哉様の意思を尊重し必要最低限話さず胎としての務めを果たす為に精進致します。
なので、どうか……恐れ多いお願いではございますが我が一族をお許し下さい。
私の愚かな行いによる責任は私のみでお許し下さい」
唇を重ねて、先ほどまで直哉様がしていたように下手くそながら舌を入れて絡める。
直哉様の衣類に手をかけて、同じ学生服を脱がす。
頬に、首に、胸元に口付けて……
「止め」
直哉様から離される。
冷たい顔をして私を見る直哉様が何を考えているかわからない。
だけど……もう、わからなくていい。
直哉様の顔色などもう気にしなくてもいい。
叩かれても
殴られても
叱られても
抱かれても
私の感情など必要無いのだから。
バサリ、と頭から被せられたのは直哉様の学生服。
視界が帳が降りたように真っ黒になる。
「ガッつく女嫌いやねん。頭冷やし」
襖の閉じる音と、遠ざかる足音。
流れ落ちる涙は直哉様の制服を濡らす。
私はただ、直哉様に普通に愛されたかった。
友達と遊んだりする普通の生活を楽しみたかった。
例え、未来が子を産むだけの道具として扱われようと……愛され、大切にされたかった。
"普通"に憧れた私がいけなかったのだろうか?
父と母のような関係に憧れ、幼いながらにいつか自分も最愛の人と何年歳を取っても笑って子と共に生きる事を夢見たのに……現実はうまく行かない。
止まらない涙をそのままに、一人部屋に崩れ落ちる。
もう、何が正しいのかわからない。
もう、どうすれば愛されるのかわからない。
胎としても必要とされず
人としても必要とされず
何のために必要とされているのか……わからない。
私は何を間違えてしまったのだろう……?
あとがき
R18に突入も考えましたが……うちの直哉くんってヘタレなので思い止まってもらいました(笑)
出来たら頑張ってR18も書きたい……が、私エッチィの書けないんですよね。すまぬ。
・壊れちゃった名前ちゃん
初めてなりに知識無いのに頑張ったら拒否られた。
もうやだぁ……蛸壺ください。
救済求む
・ヘタレ代表直哉くん
途中まで興奮していたのに表情無くなっておかしなこと口走り出した名前ちゃんにヘタレた。
あれ……?俺のたっぷりの愛情込めたのになんでそんな顔なるん?あれれ〜?
めっちゃ積極的なのなんで?どこで覚え……あっ、さーせん。タンマ。ちょっと考えさせて。
怒ってる。怒ってるけどラブラブエッチしたいのに……あれれ?
・激おこさしす
ただいまヤンキーがご乗車いたします。ご注意ください。
一般の方は白線より後ろにお下がり下さい。
間も無く京都〜京都〜。
ヤンキーが下車致します。ご注意ください。