通行人 番外編
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どーーーもっ!!
通行人 名前でっす★キラッ
今日は〜なんとっ!!とっても驚いたことがあったの★
聞きたい?聞きたいよね?
そ・れ・は・ね★
「裸で眠る男女(片方旦那)が寝室のベッドに居たんですよ」
「「「うわぁ」」」
「しかも、女が起きて
『キャッ、アナタ…モトコンヤクシャノ?』って始まりました」
「それで?」
「泣きながら出てくるオマエじゃないだろ」
「正★解、硝子ちゃん。
『ワタクシハゴジョウケカラセイシキナ』って語りだしたから、とりあえず」
「「とりあえず…?」」
「消臭ビーズぶちまけてやったわ」
あれ、掃除大変なんだよねー。
「旦那(仮)はどうしたんだ?」
「起きたよ。起きて女見て、ビーズまみれで驚いてた」
「それで?それで?」
「『は?何これ?』って言い出したので
消臭ビーズまみれで、見知らぬ女と裸で添い寝写真を連写し笑顔で手を振って出てきました」
笑いだす硝子ちゃん、野薔薇ちゃん、真希ちゃん。
ただいま、高専女子寮なう!
疲れて帰って来て浮気現場な状況にさて、どーしたもんか……と考えた故の行動である。
ちなみに今も携帯は震えている。
「着信ヤベー」
「アレでしょ?上からの刺客みたいな」
「まぁね」
悟と入籍しまーす、と言ったものの……なんやかんや理由をつけて私や悟へ人を差し向けてきた上層部。
やはりもう一度お話合いという破壊光線が必要かな?と思っている。
「まさか家特定されて中に入って来るとは思わないじゃん?」
「「それな」」
「五条の家ならセキュリティは万全だったはずだろ?」
「だと思ってたんだけどね」
悟もここのところ連続任務で忙しかった。まともに寝る暇も無かったみたいなので、久々にぐっすりと眠っていたのだろう。
すれ違いの任務は上層部からの嫌がらせだ。
なので私もさっさと終わらせてきたら……あらビックリ!
「シャワー浴びての寝落ちだったにしても、気付かなかった悟にはイラッとした」
「かなり詰め込まれた任務だったからな」
「アイツも名前さんも嫌がらせされてるもんね」
「どーすんだ?男寝取られた名前は」
ニヤニヤする女三人。
「まぁ、やるしかないよね」
ニヤリ、と私も笑った。
翌日、高専に報告書を書き上げていればバァンッと入って来た悟。
かなりイライラしているご様子。
「ちょっと、何で電話出ないんだよ」
「悟さぁん、待ってください!」
「近寄らないでくれない?」
引っ付いてきた女を無下限で弾きながらイライラした様子で近寄ってきた。
そんな彼へ私はにこやかにスマイル0円を向ける。
「あら、五条さんおはようございます」
「オイ、笑えないよ」
「お隣の方も朝からお熱いですね」
「ふふ、アナタのお荷物邪魔なので処分させて頂きました」
「捨ててないし、あれからコイツも追い出した。コイツとは何もない!
あのビーズ片付けるのどれだけ大変だったと思ってんだよ」
「おやおや?浮気者の台詞みたいですね、五条さん?」
「あ"ん"?」
額に青筋が見える。
それでも私はスマイル0円。
「五条さん、私達終わりにしましょ」
「は?」
「コレを」
ペラリ、と手渡した一枚の紙。
「一度約束したとはいえ、こういったものはきちんと出しておかなきゃいけないと思って」
「………本気?」
「勿論。その為に私は硝子ちゃんにも七海くんにも頼んで証人欄に書いて貰ったの」
急だったとはいえ、書いてくれる人がいて良かった。
昨日の夜にあれから急いで役所行ったかいがあった。
紙を見て驚き、棒立ちになる悟。
逆に嬉しそうな顔をする女。
「本当に……本気?」
「周りが納得してくれないなら、納得するようにしていくしかないでしょ?」
「だ、けど……」
「五条さんが嫌だと思うなら破り捨ててもいいよ」
「悟さん!相手から婚約破棄にサインされているのなら、悟さんもすべきですよ」
一人楽しそうな女に対し、周りはヒヤヒヤとしていた。
高専名物のバカップルが婚約したのは有名な話。
それが今……上層部から女を宛がわれ、名前が五条悟に婚約破棄の用紙を叩き付けている。
難しそうな顔をして、黙ってその用紙を見つめる五条。
「……本当に、いいんだね?」
「それが私の覚悟よ」
「伊地知、ペン」
「は、はいっ」
ささっとサインをした悟。
その用紙を綺麗に畳む。
「出しに行くから……伊地知、車出して」
「私、お爺様達にお話してきますね!」
いなくなった女。
出ていく悟。
シンッとした高専は一気にザワめいた。
「いいのか?」
「いいんですよ。いい加減上層もしつこくって」
「……だが」
「あ、夜蛾学長。私これからちょっと出掛けてきていいですか?
色々やらなきゃいけないこともあって」
「わかった。任務は入らないようにしておく」
「お願いします」
さーて、と。
いきますか、と私は目的地へ向かった。
「これは……どういう事だっ!!」
数日後、お爺ちゃん達に悟と私は呼び出された。
あの女も眉間にシワを寄せ鬼のような形相で居る。
「えー?どーもこーもそのまんまですが?」
「ねー?」
「ねー?」
私と悟は仲良く手を繋いでいる。
「婚約破棄が、どうして婚姻届けになっているのよっ!!」
「確認しなかったそっちのミスじゃん」
「私は悟にきちんと婚姻届け渡したし」
「僕も婚姻届け書いて出したよ」
ねー?と仲良く顔を見合わせる私達。
「こんなの、認められるわけがっ!!」
「もう役所で認められました」
「離婚届け書く気は無いよ」
そう、あの日私が悟に叩き付けたのは婚姻届け。
私達は婚約した……と言っても特に書面を残したわけではない。
「だいたい五条家の当主は僕だし、僕の親も名前の事は認めているよ」
「なので、結婚報告したらうちも悟の親も大喜びでした」
イェイ、とピースしておく。
「元々私達、入籍するなら落ち着いてからにしようって言ってたけど……こう、邪魔ばかりされるなら話は別」
「僕としては早くお嫁さんにしたかったから、まさか名前からこんなに早くOK出されるなんて思ってもいなかったよ」
「こんな勝手、許されるとでも!?」
ワナワナ震え出す女。
ならばこちらも、と女に向かって紙をばらまく。
「うちの優秀な子らが調べてくれたの」
「こ、れっ」
「アンタ凄いね。不法侵入だけじゃなく不倫に買収にその他諸々」
「悟さん、これはっ」
出るわ出るわ、上層部が選んだ女なら何かしらヤベー情報出るだろ……とは思っていたが、出すぎた。
「これ、警察に持っていったらどーなるかな?」
「警察ぐらい何よっ」
「あぁ、ネットもいいね。
今の時代ならネットの方がきっとキミを追い詰めるよ」
「そ、んな……悟さんっ」
「うちの旦那に手を出すならそれ相応の覚悟してやってもらえる?」
「……名前」
「何の覚悟も無く悟の隣に立つわけ無いじゃない」
御三家のヤバさはそれなりに聞いていた。
真希ちゃんも嫌な事沢山あったと。
悟からもボチボチ聞いていたから、入籍するならそれ相応の覚悟をしてほしいと。
「私の家族奪おうとするなら、オマエ達も相応の覚悟はするって事だよね?」
「何をっ」
「1号」
「これは反逆行為にっ!!」
「大丈夫大丈夫。話し合いだから!!」
犯罪行為しておいて何今さら権力振りかざしてんだ。
それなら物理的な話し合い決行だろ。
「駄目だよ、名前。あんまり無茶したら
もう一人の身体じゃないんだから」
「あら、ごめんねパパ」
悟に止められ、後ろから抱き締められる。
お腹に手を当てまだまだ膨らみの無いお腹を撫でる。
「は……?」
「パパ…?」
ポカーンとする上層。
私と悟はニッコリ笑って親指を立てた。
「何だって……!?」
「何だって……!?っと聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け」
「世界の呪いを防ぐため」
「世界の平和を守るため」
「愛と子供への未来を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
「名前!」
「悟!」
「銀河をかける特級呪術師の2人には」
「ホワイトホール、素敵な家族が待ってるぜ」
ビシィッ、と二人で決めポーズ。
ちなみに目の横でピースにウィンクというもう古いポージングだ。
「ってことで妊娠しました」
「させました」
「母として、妻として……人様の旦那に手を出すなら覚悟しろよゴラァッって話ですが何か?」
「僕の奥さん漢前で素敵でしょ?」
「次はまじで容赦しないんで。
人の家庭壊す気なら此方も家庭(一族)壊す気で暴れるのでどうぞよろしくお願いいたします」
頭を下げれば未だに声が出せないのか返事が返って来ない。
「じゃ、用事無いなら失礼しまーす」
「あ、そうだ。
万が一僕の奥さんに変な計画立てて何かあったら……オマエら全員、生きていられると思わないでね?」
じゃ、と二人でお偉いさん達の所から出る。
怒り狂った叫び声に二人で笑った。
「あー、笑った」
「ったく、イチイチ面倒な人達」
「腐ってるからまともじゃないんだよ」
悟と手を繋ぎながら歩いていると、焦った様子の悠仁くんとめぐみんが。
「五条先生と名前姉別れるって本当!?」
「今、高専内で噂なってますよ」
「何で二人ともっ………あれ?手繋いでる?」
頭を傾げる二人。
その後ろからゆっくり歩いてくるのは2年と野薔薇ちゃん。
「別れないよ?」
「けど、五条先生に名前姉が紙叩き付けたって」
「うん。婚姻届け叩き付けた」
「こんいんとどけ?」
「……嘘だろ」
「本当だよ恵。僕、名前から婚姻届け叩き付けられちゃって嬉しくってすぐサインして役所に出してきちゃった!!」
「「………うわぁ」」
片や嬉しそうに。片や嫌そうに。
正反対の反応に笑う私と悟。
「本当にやったんだな」
「真希ちゃん」
「話聞いてはいたけど、有言実行すぎない?
アンタ本当にコイツで良かったの?」
「ボロクソじゃん、野薔薇ちゃん」
呆れながらも笑う二人。
女子会の時には既に計画内容を話していたので驚きはしていない。
「うるさい上層部ギャフンとは言わせられなかったけど黙らす事は出来たからよしとしようかなーと思って」
「咄嗟とは言え名前も酷いよねー。
子供出来た〜なんてさ!
僕らこれから急いで子作りしなきゃダメじゃん。僕としては喜んでヤるけど」
「悟キメェ」
「五条先生名前さんに近寄らないでください」
「禪院の血筋のセコム強すぎて笑うんだけど」
「うわ……名前さんまじで子供ネタまでやったの?」
「え?ネタじゃないけど」
「「「「「ん?」」」」」
おやおや?
悟までも頭を傾げているが……
「悟にも言ったじゃん」
「上層部ギャフンとさせるための嘘でしょ?」
「ん?」「んん?」
お互いに頭を傾け合う。
おかしいなぁ。
会話が通じあってないぞ。
「……名前さん、マジなの?
あれネタじゃなくて?」
「嘘で子供をネタに使わないよ」
「昔みたいな勘違いとかは?」
「えーっとね、ほら嘘だろ!って言われない為に病院行ってきたら3ヶ月だって」
ほらほら、とエコー写真を見せる。
まだ袋に小さな豆粒が写っているだけの白黒写真。
「何これ」
「赤ちゃんの写真だよバーロー」
「どれ?」
「この豆粒」
「人の形……に見えなくもない?」
「ここ頭、ここ身体でこれ心臓」
白黒だけど、実際は12ミリとかのちっちゃな存在。
「凄いよね……心臓の音も聞けるんだよ」
「名前姉……お母さんになんの?
おめでとーーー!!」
「わーい!ありがとう、悠仁くん!!」
悠仁くんだけが喜んでくれる状況におやおやと頭を傾げる。
「………え?マジ?」
「悟?キミの頭が大丈夫?」
「……いるの?ここに」
「そーだよ!悟パパ」
恐る恐るお腹に触れる悟。
そして私の身体を抱き締めた。
「……幸せにする」
「当たり前じゃん。私も悟を幸せにしてやんよ」
「僕の嫁が男前すぎて辛いっ」
ポカンとしていたが、その後生徒達が一斉に喜んで飛び付いてきた。
勿論悟の無下限により無事ではあるが
「オイ馬鹿!!一人占めすんなっ!!」
「キミらが飛びかかってきて僕の嫁と子供がどうにかなったらどうすんのさ!!」
「既に過保護かよ」
「箸より重たいもの持たないでね」
「現時点で190オーバーのデカイ荷物背負ってるんだが?」
「この嫁酷くない!?旦那の事荷物って!!」
「五条先生、妊婦さんに寄りかかるのはどうかと思う」
「悠仁の正論が痛い!けどヤダ!!離れたくないっ!!」
へろーへろー。
相変わらず通行人の私の周りは賑やかです。
あとがき
浮気した五条(誤解)と泥沼な感じに書きたかったはずなのに……やはり通行人は強かったwww
通行人 名前でっす★キラッ
今日は〜なんとっ!!とっても驚いたことがあったの★
聞きたい?聞きたいよね?
そ・れ・は・ね★
「裸で眠る男女(片方旦那)が寝室のベッドに居たんですよ」
「「「うわぁ」」」
「しかも、女が起きて
『キャッ、アナタ…モトコンヤクシャノ?』って始まりました」
「それで?」
「泣きながら出てくるオマエじゃないだろ」
「正★解、硝子ちゃん。
『ワタクシハゴジョウケカラセイシキナ』って語りだしたから、とりあえず」
「「とりあえず…?」」
「消臭ビーズぶちまけてやったわ」
あれ、掃除大変なんだよねー。
「旦那(仮)はどうしたんだ?」
「起きたよ。起きて女見て、ビーズまみれで驚いてた」
「それで?それで?」
「『は?何これ?』って言い出したので
消臭ビーズまみれで、見知らぬ女と裸で添い寝写真を連写し笑顔で手を振って出てきました」
笑いだす硝子ちゃん、野薔薇ちゃん、真希ちゃん。
ただいま、高専女子寮なう!
疲れて帰って来て浮気現場な状況にさて、どーしたもんか……と考えた故の行動である。
ちなみに今も携帯は震えている。
「着信ヤベー」
「アレでしょ?上からの刺客みたいな」
「まぁね」
悟と入籍しまーす、と言ったものの……なんやかんや理由をつけて私や悟へ人を差し向けてきた上層部。
やはりもう一度お話合いという破壊光線が必要かな?と思っている。
「まさか家特定されて中に入って来るとは思わないじゃん?」
「「それな」」
「五条の家ならセキュリティは万全だったはずだろ?」
「だと思ってたんだけどね」
悟もここのところ連続任務で忙しかった。まともに寝る暇も無かったみたいなので、久々にぐっすりと眠っていたのだろう。
すれ違いの任務は上層部からの嫌がらせだ。
なので私もさっさと終わらせてきたら……あらビックリ!
「シャワー浴びての寝落ちだったにしても、気付かなかった悟にはイラッとした」
「かなり詰め込まれた任務だったからな」
「アイツも名前さんも嫌がらせされてるもんね」
「どーすんだ?男寝取られた名前は」
ニヤニヤする女三人。
「まぁ、やるしかないよね」
ニヤリ、と私も笑った。
翌日、高専に報告書を書き上げていればバァンッと入って来た悟。
かなりイライラしているご様子。
「ちょっと、何で電話出ないんだよ」
「悟さぁん、待ってください!」
「近寄らないでくれない?」
引っ付いてきた女を無下限で弾きながらイライラした様子で近寄ってきた。
そんな彼へ私はにこやかにスマイル0円を向ける。
「あら、五条さんおはようございます」
「オイ、笑えないよ」
「お隣の方も朝からお熱いですね」
「ふふ、アナタのお荷物邪魔なので処分させて頂きました」
「捨ててないし、あれからコイツも追い出した。コイツとは何もない!
あのビーズ片付けるのどれだけ大変だったと思ってんだよ」
「おやおや?浮気者の台詞みたいですね、五条さん?」
「あ"ん"?」
額に青筋が見える。
それでも私はスマイル0円。
「五条さん、私達終わりにしましょ」
「は?」
「コレを」
ペラリ、と手渡した一枚の紙。
「一度約束したとはいえ、こういったものはきちんと出しておかなきゃいけないと思って」
「………本気?」
「勿論。その為に私は硝子ちゃんにも七海くんにも頼んで証人欄に書いて貰ったの」
急だったとはいえ、書いてくれる人がいて良かった。
昨日の夜にあれから急いで役所行ったかいがあった。
紙を見て驚き、棒立ちになる悟。
逆に嬉しそうな顔をする女。
「本当に……本気?」
「周りが納得してくれないなら、納得するようにしていくしかないでしょ?」
「だ、けど……」
「五条さんが嫌だと思うなら破り捨ててもいいよ」
「悟さん!相手から婚約破棄にサインされているのなら、悟さんもすべきですよ」
一人楽しそうな女に対し、周りはヒヤヒヤとしていた。
高専名物のバカップルが婚約したのは有名な話。
それが今……上層部から女を宛がわれ、名前が五条悟に婚約破棄の用紙を叩き付けている。
難しそうな顔をして、黙ってその用紙を見つめる五条。
「……本当に、いいんだね?」
「それが私の覚悟よ」
「伊地知、ペン」
「は、はいっ」
ささっとサインをした悟。
その用紙を綺麗に畳む。
「出しに行くから……伊地知、車出して」
「私、お爺様達にお話してきますね!」
いなくなった女。
出ていく悟。
シンッとした高専は一気にザワめいた。
「いいのか?」
「いいんですよ。いい加減上層もしつこくって」
「……だが」
「あ、夜蛾学長。私これからちょっと出掛けてきていいですか?
色々やらなきゃいけないこともあって」
「わかった。任務は入らないようにしておく」
「お願いします」
さーて、と。
いきますか、と私は目的地へ向かった。
「これは……どういう事だっ!!」
数日後、お爺ちゃん達に悟と私は呼び出された。
あの女も眉間にシワを寄せ鬼のような形相で居る。
「えー?どーもこーもそのまんまですが?」
「ねー?」
「ねー?」
私と悟は仲良く手を繋いでいる。
「婚約破棄が、どうして婚姻届けになっているのよっ!!」
「確認しなかったそっちのミスじゃん」
「私は悟にきちんと婚姻届け渡したし」
「僕も婚姻届け書いて出したよ」
ねー?と仲良く顔を見合わせる私達。
「こんなの、認められるわけがっ!!」
「もう役所で認められました」
「離婚届け書く気は無いよ」
そう、あの日私が悟に叩き付けたのは婚姻届け。
私達は婚約した……と言っても特に書面を残したわけではない。
「だいたい五条家の当主は僕だし、僕の親も名前の事は認めているよ」
「なので、結婚報告したらうちも悟の親も大喜びでした」
イェイ、とピースしておく。
「元々私達、入籍するなら落ち着いてからにしようって言ってたけど……こう、邪魔ばかりされるなら話は別」
「僕としては早くお嫁さんにしたかったから、まさか名前からこんなに早くOK出されるなんて思ってもいなかったよ」
「こんな勝手、許されるとでも!?」
ワナワナ震え出す女。
ならばこちらも、と女に向かって紙をばらまく。
「うちの優秀な子らが調べてくれたの」
「こ、れっ」
「アンタ凄いね。不法侵入だけじゃなく不倫に買収にその他諸々」
「悟さん、これはっ」
出るわ出るわ、上層部が選んだ女なら何かしらヤベー情報出るだろ……とは思っていたが、出すぎた。
「これ、警察に持っていったらどーなるかな?」
「警察ぐらい何よっ」
「あぁ、ネットもいいね。
今の時代ならネットの方がきっとキミを追い詰めるよ」
「そ、んな……悟さんっ」
「うちの旦那に手を出すならそれ相応の覚悟してやってもらえる?」
「……名前」
「何の覚悟も無く悟の隣に立つわけ無いじゃない」
御三家のヤバさはそれなりに聞いていた。
真希ちゃんも嫌な事沢山あったと。
悟からもボチボチ聞いていたから、入籍するならそれ相応の覚悟をしてほしいと。
「私の家族奪おうとするなら、オマエ達も相応の覚悟はするって事だよね?」
「何をっ」
「1号」
「これは反逆行為にっ!!」
「大丈夫大丈夫。話し合いだから!!」
犯罪行為しておいて何今さら権力振りかざしてんだ。
それなら物理的な話し合い決行だろ。
「駄目だよ、名前。あんまり無茶したら
もう一人の身体じゃないんだから」
「あら、ごめんねパパ」
悟に止められ、後ろから抱き締められる。
お腹に手を当てまだまだ膨らみの無いお腹を撫でる。
「は……?」
「パパ…?」
ポカーンとする上層。
私と悟はニッコリ笑って親指を立てた。
「何だって……!?」
「何だって……!?っと聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け」
「世界の呪いを防ぐため」
「世界の平和を守るため」
「愛と子供への未来を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
「名前!」
「悟!」
「銀河をかける特級呪術師の2人には」
「ホワイトホール、素敵な家族が待ってるぜ」
ビシィッ、と二人で決めポーズ。
ちなみに目の横でピースにウィンクというもう古いポージングだ。
「ってことで妊娠しました」
「させました」
「母として、妻として……人様の旦那に手を出すなら覚悟しろよゴラァッって話ですが何か?」
「僕の奥さん漢前で素敵でしょ?」
「次はまじで容赦しないんで。
人の家庭壊す気なら此方も家庭(一族)壊す気で暴れるのでどうぞよろしくお願いいたします」
頭を下げれば未だに声が出せないのか返事が返って来ない。
「じゃ、用事無いなら失礼しまーす」
「あ、そうだ。
万が一僕の奥さんに変な計画立てて何かあったら……オマエら全員、生きていられると思わないでね?」
じゃ、と二人でお偉いさん達の所から出る。
怒り狂った叫び声に二人で笑った。
「あー、笑った」
「ったく、イチイチ面倒な人達」
「腐ってるからまともじゃないんだよ」
悟と手を繋ぎながら歩いていると、焦った様子の悠仁くんとめぐみんが。
「五条先生と名前姉別れるって本当!?」
「今、高専内で噂なってますよ」
「何で二人ともっ………あれ?手繋いでる?」
頭を傾げる二人。
その後ろからゆっくり歩いてくるのは2年と野薔薇ちゃん。
「別れないよ?」
「けど、五条先生に名前姉が紙叩き付けたって」
「うん。婚姻届け叩き付けた」
「こんいんとどけ?」
「……嘘だろ」
「本当だよ恵。僕、名前から婚姻届け叩き付けられちゃって嬉しくってすぐサインして役所に出してきちゃった!!」
「「………うわぁ」」
片や嬉しそうに。片や嫌そうに。
正反対の反応に笑う私と悟。
「本当にやったんだな」
「真希ちゃん」
「話聞いてはいたけど、有言実行すぎない?
アンタ本当にコイツで良かったの?」
「ボロクソじゃん、野薔薇ちゃん」
呆れながらも笑う二人。
女子会の時には既に計画内容を話していたので驚きはしていない。
「うるさい上層部ギャフンとは言わせられなかったけど黙らす事は出来たからよしとしようかなーと思って」
「咄嗟とは言え名前も酷いよねー。
子供出来た〜なんてさ!
僕らこれから急いで子作りしなきゃダメじゃん。僕としては喜んでヤるけど」
「悟キメェ」
「五条先生名前さんに近寄らないでください」
「禪院の血筋のセコム強すぎて笑うんだけど」
「うわ……名前さんまじで子供ネタまでやったの?」
「え?ネタじゃないけど」
「「「「「ん?」」」」」
おやおや?
悟までも頭を傾げているが……
「悟にも言ったじゃん」
「上層部ギャフンとさせるための嘘でしょ?」
「ん?」「んん?」
お互いに頭を傾け合う。
おかしいなぁ。
会話が通じあってないぞ。
「……名前さん、マジなの?
あれネタじゃなくて?」
「嘘で子供をネタに使わないよ」
「昔みたいな勘違いとかは?」
「えーっとね、ほら嘘だろ!って言われない為に病院行ってきたら3ヶ月だって」
ほらほら、とエコー写真を見せる。
まだ袋に小さな豆粒が写っているだけの白黒写真。
「何これ」
「赤ちゃんの写真だよバーロー」
「どれ?」
「この豆粒」
「人の形……に見えなくもない?」
「ここ頭、ここ身体でこれ心臓」
白黒だけど、実際は12ミリとかのちっちゃな存在。
「凄いよね……心臓の音も聞けるんだよ」
「名前姉……お母さんになんの?
おめでとーーー!!」
「わーい!ありがとう、悠仁くん!!」
悠仁くんだけが喜んでくれる状況におやおやと頭を傾げる。
「………え?マジ?」
「悟?キミの頭が大丈夫?」
「……いるの?ここに」
「そーだよ!悟パパ」
恐る恐るお腹に触れる悟。
そして私の身体を抱き締めた。
「……幸せにする」
「当たり前じゃん。私も悟を幸せにしてやんよ」
「僕の嫁が男前すぎて辛いっ」
ポカンとしていたが、その後生徒達が一斉に喜んで飛び付いてきた。
勿論悟の無下限により無事ではあるが
「オイ馬鹿!!一人占めすんなっ!!」
「キミらが飛びかかってきて僕の嫁と子供がどうにかなったらどうすんのさ!!」
「既に過保護かよ」
「箸より重たいもの持たないでね」
「現時点で190オーバーのデカイ荷物背負ってるんだが?」
「この嫁酷くない!?旦那の事荷物って!!」
「五条先生、妊婦さんに寄りかかるのはどうかと思う」
「悠仁の正論が痛い!けどヤダ!!離れたくないっ!!」
へろーへろー。
相変わらず通行人の私の周りは賑やかです。
あとがき
浮気した五条(誤解)と泥沼な感じに書きたかったはずなのに……やはり通行人は強かったwww