通行人 番外編
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「自分が悟君の彼女なん?」
「は?悟はオメェの彼女じゃないぞ」
どもども!!
この度特別特級呪術師を名乗ることになりました通行人名前でございます。
この度、御三家?だかからの依頼により何やら初対面でわけわかんない人と共に任務に当たることになりまして……初対面の「どうもこんにちは、初めまして」をすっ飛ばして悟の彼女とか名乗る男に出会いました。
「は?」「は?」
お互いに頭を傾け合う。
「アーユーヴィラン?」
「何やそのド下手くそな英語」
「OK。オマエ敵な」
捻れたリズムで踊ってやろうか!?
おじたんコールしながらかごめかごめを阿波おどりしてやろうか?
「悟君趣味悪っ!!イカれた女囲っとるとかキッショ」
「どこの悟君?」
「自分特別特級なんやって?
元一般人が随分偉い立場居るけど……上と寝たん?」
「今でも心は一般人だが?」
「おじぃちゃんらの相手だけやなく俺とも仲良ぅしてくれへん?」
さっきからこの人何言ってんだ?
新手のセクハラか?
国語習ってから出直してきてくれないかな?
むぎゅっ、と何故か私のおっぱいを揉む目の前の男。
「えぇ身体しとるなぁ」
OK。
これはセクハラ。
そしてこれは正当防衛。
胸元の腕をギュッと抱き締める。
「サービスえぇや…」
「喰らえ!!神の雷……バ○スッ!!」
「うぎゃぁあああああああっ!!!!!
目がぁっ!!目があああああっ!!!!」
「旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした、天の火だよ。ラーマ・ヤーナではインドラの矢とも伝えているがね」(某ム○カvoice)
「な、んの話やぁぁああああっ!!!!
何なん!?めっちゃ目が痛いんやけど!?」
「安心したまえ、これはただの唐辛子スプレー(変態撃退スプレー)だ」(某ム○カvoice)
「安心できるかぁぁあああっ!!!
何ってことするん!?目がっ、目がぁぁあああっ!!!」
はっはっはっ、愉快だな。
ってム○カ気分で笑っておいた。
最近ちょいちょい多いのよね。
勘違いして上のお手付きなんだろ(はぁと)なんて言いながら寄ってくる奴ら。
手加減?するわけない。
「初対面でセクハラは良くないよ?
悟も初対面わりと失礼だったけどセクハラはしてないよ?」
「初対面で唐辛子スプレー顔面噴射する奴に言われた無いわ!!」
「いい?女の子のおっぱいは夢と希望と愛が詰まっているんだからそんな軽々しく掴むものではございません」
「頭イカれ過ぎやろ!!常識無いんか!?」
失礼だな!!(プンプン)
「イカれた代表の御三家の方が一般人の常識語らないで下さいな」
「ほんっっっま失礼な奴やな!?」
「名乗りもせず初対面で女性の乳揉む男には正当防衛かと」
「変質者扱いやないか!!」
「事実変質者かと」
私オマエとお友達じゃない。
私オマエと初対面。
つまり?
「正当防衛」スチャッ
「スプレー両手に構えんなやっ!!」
って感じのこんにちは初めましてをして任務開始。
今回わざわざ京都に来て御三家の……ぜんいち?あ、禪院ね。失礼失礼。
そこから任務依頼が来てさー、悟のいない間に決まったから激おこだったんだよね。
まぁ、八ツ橋食べたいからいいよ!!って返事しちゃったから私が悟にコッテリねっちょり怒られました。解せぬ。
禪院からの刺客に気を付けろ〜と言われたが……刺客って何事?何時代?みたいな。
特別特級呪術師になってから来るわ来るわ見合い話。
なんかよくわからないけど真希ちゃんとめぐみんと悟で毎回焚き火しているから焼き芋がよく焼けること焼けること。
こないだは焼き芋飽きたからお見合い写真でBBQしたわってくらい大量にくるわけさ。
悟もこんなんなの?って聞いたらお見合い話は来るけどこれは異常だと。
上層部が嫌がらせととにかく悟から引き離したくてあの手この手でやらかしているのを悟と伊地知くんが引き留めているらしい。
ありがとう、伊地知くん。今度いい胃薬贈るね。
ってわけで、今回も何かあるぞ……と気合いを入れて八ツ橋を買いに……いや呪霊討伐をしに来たわけですが………。
禪院さん家のパツキンくんが何もしない件について。
ちなみに一級討伐だったので強そうだったからペットにしました。
「呪霊従えるなんてどっかの呪詛師みたいやね」
この人何もしていないんだが何しに来たんだ?
セクハラ?
「………」
「傑君やったっけ?
悟君と仲良ぅしとった前髪の人。
彼も一般家庭からの出で偉い事しでかしたみたいやな」
前髪の話ぶっこんできたぞ。
なんだなんだ?
それ悟の前で言ったらブチギレ案件だからな?地雷だからな?
私はほら、おおらかだから。
悟と違って昔の友人の事悪く言われてもそりゃオマエが何知ってんの?ってなるがやっちまった事も事実だからさ……何も言え無いが………。
「キミも気ぃつけな。
そのご自慢の身体でおじぃちゃんらに愛想振り撒かな傑君と同じ……」
セクハラは許さん。
「怒ったかんな怒ったかんな」ダンダン
「っ!?」
「許さないかんな許さないかんな」ダンダン
片足で床ダンダン踏み鳴らしながら、両腕ぐるぐるして踊る。
「は?怖っ」
「通行人 名前でーす☆」
「いや、そのノリついていけへん」
「ハニーフラッシュ☆」
「あああああああっ!!!目が、目がぁぁあああっ!!」
めちゃくちゃ明るいペンライトで照らしてあげる。
良い子のみんなは真似しちゃダメだぞ☆
「ねぇ、年甲斐も無くはしゃいじゃった頭したキミさ」
「なっっっんやねん!?今それどころやないわアホ!!流れるようにな人の頭ディスんな!!」
「さっきから下ネタばっかで普通に気持ち悪いよ?」
「あ"?」
「黙って聞いていたらペラペラペラペラ……下ネタばっかでどうしたの?頭の中パァラダイス?頭に下半身ついてるの?提灯アンコウなの?」
セクハラ、セクハラ、セクハラ!!
見なさいよ、隣の補助監督の子!!女子ドン引きだよ?
「まじで何しに来たの?」
「……自分何言うてるかわかっとる?」
「セクハラパツキン野郎こそ何しに来たの?セクハラ?公開セクハラプレイはそういうお店だけにしていただけます?
おじぃちゃん達もなかなかなパワハラだけどここまで露骨に……いや、あれはあれでドスケベジジィ共の集まりだから結構ヤバイな。
毎回毎回セクハラ三昧だからそろそろ股間も頭も爆発すればいいと思うけどどう思う?補助監督ちゃん」
「え"!?えーっと…」
「股間回りに爆竹装着して一斉に点火すれば悲鳴と花火でそれはそれは汚い絵面になるんだろうけど」
「あの、その……私からは、何とも……」
「そもそも呪術界の上層部に相談窓口とか無くね?男女雇用機会均等法どこいった?
呪術界まじで子供と女性に優しくないと思うんだけどどう思う?補助監督ちゃん?」
「そう…で、すね……」
「アホか。女は男の為にいるんやから男より目立とうとしなくてえぇやろ」
「………んー?」
なんつった?今この男。
「男を立てられん女はアカン。
3歩後ろを歩かれへん女は背中刺されて死んだらええ」
「オマエが3歩女性の後ろを歩けポンコツ」
「………あ"?」
ポンコツ扱いしたら凄い怖い顔してきたけど……
こちとら経験が違うんだよ!!
「オマエの3歩後ろ歩くくらいなら誰もがそれを助走距離確保として背中に飛び蹴り食らわすレベルだぞ」
「猿やん」
「どちらかと言えばアンタの頭の中が猿かと」
「面白い冗談やなぁ。シバくで?」
「種撒くしか才能無いなら呪術師辞めれば?」
睨まれたがハッ、と鼻で笑っておく。
呪霊討伐終わったから八ツ橋買いに行って帰らなきゃ。
「八ツ橋、茶の菓、阿闍梨餅、名代豆餅、抹茶ばぁむ、抹茶テリーヌ、京都三色」
「何の呪文や」
「ねーぇ?補助監督ちゃんオススメの店はあるかい?」
ふと、禪院で思い出した。
「真希ちゃんが実家クソって言ってた意味がよーくわかった。
確かにこりゃクソどころか肥溜めだ」
サーーッと顔色が悪くなる補助監督ちゃん。
すまんすまん。補助監督ちゃんは悪くないよー。
「随分な事言うお口やなぁ」
「あらやだ、まだ居たの?
私これから補助監督ちゃんとデートなんだが」
「そんなんより俺とえぇ事しよ」
「いい事?」
「自分が貶したクソにえぇ思いさせて貰えるんやで?喜び」
「まじで何しに来たんだこの人?」
さっきから鬱陶しいな。
何かとあればセクハラしてきやがる。
「補助監督ちゃん、この人何なの?どこの動物園から逃げ出してきたお猿さん?」
「おさ……、この方は禪院家当主である直毘人様のご子息で…」
「あぁ、あの酔っ払いのおじぃちゃんか」
「おじ…っ!?
……禪院直哉様。次期禪院家当主候補です」
「紹介ありがとな、補助監督ちゃん。
今さらやけどよろしゅう、名前ちゃん」
「へー」
スッ、スッとスマホでお土産検索。
百貨店で全部手に入る場所無いかな?
「……名前さん、そもそも今回何て聞いて来たんですか?」
「八ツ橋買いに行くがてら一級討伐」
「「え"?」」
「え?何か間違ってた?」
補助監督ちゃんが顔をひきつらせている。
何か問題あったかな?
「間違いすぎや。
今回の任務は俺との共同…」
「何もしてなくね?駄目な金髪訳してダメキン」
「……任務はオマケ。
本当の目的は俺とアンタのお見合いや」
「んー?」
何の話?
「悟君との婚約を阻止する上からの命令や。
悪く思わんといてな」
「あー、はいはい。それじゃあお疲れー。
で……補助監督ちゃんさ、ここらのデパートとかでお土産全て買える場所知らない?」
「いやいやいや。
何流しとんの?お疲れやないわ」
「お疲れって言ってやった私の優しさ受けとれって。
私時間無いからさっさとお土産買いたいんだよ」
「は?泊まりやん」
「あぁ、当主様から禪院家泊まれってやつ?
断った」
「はぁぁあああ!?」
リアクションの大きいダメキンだな。
補助監督ちゃん、さっきから百面相だし。
「悟がいるのにお泊まりとか無いわ」
「名前さん?あの……」
「なぁに?補助監督ちゃん」
「どうやって禪院家の当主とお話を?」
「ラインで」
「はぁ!?」
「直毘人さんとは飲み友達としてライン交換したんだよね。
その時にふざけて息子紹介するって話はしたけどまさかマジだったとは」
世の中何があるかわからないね。
「任務と共にお泊まりしながら飲み会しよって来たけど悟が駄目って。
禪院の男は下半身緩いから食われるって心配性でさ」
「五条さん……」
「酷ない?」
「そのままの内容悟が直毘人さんに送ったら笑いながら任務だけしていけって押し付けられた」
そろそろこのダメキン引き取ってくんねーかな?
「えぇから黙ってついて…」
「そもそもさ、キミ好みのタイプじゃないんだ。ごめんね?」
「はぁ!?」
「金髪じゃなくて銀髪なら少しキュンとしたかもしれんが、それだと知り合いの知り合いと被るんだよね。
まぁ、その人のが性格もキチンとしてるしすんげぇいい男なんだけど」
「俺のがえぇ男や」
「そもそもドクズはいい男ではないよね。
まず米農家であの人の下について人生勉強してこいよ」
すげーんだぜ?あの宮くんを黙らせるとか何事!?ってなったもん。
悟ですら正論パンチの嵐に黙ったレベルだぞ?
「俺様でマイナス1ポイント」
「何のポイントシステムなん?」
「女性への扱い方マイナス10億ポイント」
「マイナスの値おかしない?」
「存在が地面に這いつくばらせたいからプラス五万ポイント」
「待てや。何なん?ほんま何なん?」
「今すぐ地べたに這いつくばったらマイナスポイント0にしてあげるけど?」
「何様なん?」
米神に青筋を浮かべるパツキンくん。
「聞いて驚け!!」
「え?え?」
「見て笑え!!」
「あの、名前さん?」
「えーっと……我ら……閻魔様いちの……子分だっけ?」
「中途半端にボケんなや!!」
タタタタ、と携帯を弄って検索していてもよくわからない。
よし、と決めて歩きだす。
「さあ、そんなことは置いといて
これから重大なミッションよ」
パンパンっと手を叩いて真面目な顔をする。
「時は金なり。
今ここでお猿さんに構っている暇は無いわ」
「オイ。猿って俺の事か」
「お猿さんはこれからヴァイオリーンのお稽古でしょう?ほら、行った行った。
先生がお待ちよ?今日こそは迷子の迷子の仔猫ちゃんを完璧にするんでしょ?」
「待てや。どんな設定なん?」
「人生の迷子」
「………っ」
補助監督ちゃんがプルプル震えてる。
ダメキンを置いて補助監督ちゃんの手を引き車に乗り込む。
「待てやぁっ!!」
「出して」
何か乗り込んできた。
補助監督ちゃんにとりあえずお土産たくさん売ってる場所へ行くことを頼んで電話する。
「ちょっとなおぴ。お宅の息子どうなってんの?……は?いやいやないない。
キュンっともしないわ。
なおぴの息子だからって言ってもコレは無いわー。悟と別れさせたいならもっと中身いい男連れてこいよ」
「……どこに電話しとんねん」
「禪院さん家の直毘人くん」
「え"?今名前さんなおぴって……嘘、ですよね?」
「補助監督ちゃん、なおぴはなおぴだよ?
あ、そーそー!なおぴオススメの菓子屋無い?
お宅の息子の迷惑料として高級菓子つけとくから贔屓にしてる店教えてよ。
……いいの?オケオケ。そしたら財布として使うわ」
「なんっちゅー会話しとんねん」
「あー、わかった。悟が許したらね。
はいはい。んじゃ、またご贔屓に!」
なおぴこと直毘人くんとの会話を終わらせる。
そうこうしている間に車は某アウトレットへ。
「制限時間は30分よ」
「?」
「これは戦い……なおぴからは許可が降りてる。
何でも好きなものをダメキンに集れって」
デート、しよっか(はぁと)
次の新幹線の時間と移動時間を考えたら30分。
「さぁ、いこっか」
「ま、待ちぃ!!俺が奢るなんて一言もっ」
「いい女侍らせて奢りなんて最高に格好いいぞ」
「自分の事えぇ女って……」
「キサマに女子の全力を教えてやる」
さあ、行くぜ!!!
京都狩りじゃ!!
ダメキンを引き連れてお土産コーナーからブランドコーナーを駆け回る。
「支払いよろしく」
「は?何で俺が……」
「え?ダメキンこれくらい奢れないの?」
「は?馬鹿にすんなや。こんくらい…
……って待ちぃ!!何やこの金額!?遠慮ってもん知らんの!?」
「ゴチになりまーす」
「あぁ、もうっ」
「はいはい、次行くよ次」
「まっ!?荷物くらい持てやぁ!!」
「……ふっ、貧弱」
「あ"!?」
お土産、ブランド、帰りの弁当。
ドッサリ荷物をまとめて車のトランクへ。
再び車に乗り込み戦利品に私はほっこり。
「って、何で俺が全部支払わなあかんの!?」
「なおぴがいいって言ったから」
「俺の金や!!」
「ちっちぇえな。気にすんな」
「クソ女がっ!!」
イライラしたダメキン。
駅について私の荷物をトランクから降ろす。
「じゃ」
にこやかに手を振って手土産いっぱい持ってるんるんで帰る。
「なんっっっやねん!!!
………ん?アイツの忘れもんか?」
残った一つの手土産。
中にはいつの間にやら手紙が。
「……可愛ぇとこあるやん。ま、俺の金やけ……んん?」
"たべてね(はぁと)"の文字の下
なぜか折り畳まれた部分。
ガサガサと開いて………
"京都校のみんなに渡してね!
間違ってもオマエのじゃないぞダメキン"
ぐしゃぁ、と握りしめた。
「………こない女にコケにされたん始めてや」
「ただいまー!お土産だよー」
「名前!オマエっ、禪院に呼び出しされたって…!!」
真っ青な真希ちゃんが慌てて来てくれた。
同じく野薔薇ちゃんも心配そうだ。
「なおぴに指名されちゃった☆」
「誰だよ!!」
「あ、これお土産。なおぴがお見合い相手にクソみたいなダメキン当ててきたからダメキンに奢らせたものだけど」
「どんな状況よ」
「悟はー?」
「いるよー!お疲れサマンサ」
「ありがトンネル」
うぇーい、と悟とハイタッチ。
そのままボディチェックされた。
「本当に何もない?」
「ないない。案外チョロいぞ次期当主。
真希ちゃんのが絶対当主似合うわ」
「オマエ……直哉相手にこれ奢らせたのか?」
「勿論。全力で奢らせた」
次々と出てくるお土産に真希ちゃんの顔色が悪くなっていく。
最終的には大きなため息。
「………心配して損した」
「真希ちゃん、心配してくれたの!?」
「当たり前だろ。あのジジィと直哉だぞ?どんな手を使うかわかんねぇのに……」
「大丈夫大丈夫!
なおぴの拗れ具合なんて学生の頃の悟に比べたら可愛いもんだったから!」
「僕あんなに拗れてないよ」
「前髪に一般常識叩き込まれてた奴が何言ってんだ」
「僕も若かったって事で」
その前髪も拗らせていたけどな。
まぁ、それはそれとして……。
「君たちは初対面でセクハラ発言からの女の子のおっぱい揉むような糞野郎になっちゃ駄目だよ?」
「「「は?」」」
「ちょっと禪院潰してくるわ」
「悟、当主と次期当主の首は私に寄越せ」
「真希さん、俺にも半分下さい」
「ちょっとアンタ!!!迂闊な発言止めなさいよ!!!アンタの発言で過激派が動き出すんだから!!」
「でも野薔薇ちゃん、セクハラやパワハラは良くないよ。
女は男の3歩後ろを歩けとか言うのはねぇ?」
「OK。
その糞男私に紹介しなさいよ。
頭かち割って女の大切さ叩き込むわ」
「みんな過激派だなぁ」
「名前のせいダロ」
「しゃけ」
パンダと棘くんとケタケタ笑う。
私、愛されてるぅなんてふざけたら真希ちゃんに叩かれたが照れ隠しだもんね?
わかっておるわかっておる。
「ダメキンとは何も無いから安心してよ」
「今の発言のどこに安心しろって?」
「私には貴方だけよ、ダーリン」
「当たり前だよね。浮気絶許だからハニー」
「なるほど。この間街で声掛けられてほいほいケーキ屋で茶シバいていた野郎は言うことが違うな?」
「………え?ナンノコト?」
「証拠は上がってんだ。補助監督達とライン友達の私の情報量舐めんなよ。
伊地知さん口止めしてもネタ上がってんだぞ」
「名前、落ち着いて?話せばわかる」
「そう言って連絡先交換して勘違いした彼女面女量産させて私に迷惑かかってるのわかん無いの?」
ダラダラ冷や汗をかきだす最強。
そう……今回の禪院直哉とドキドキ☆呪霊シバいてお見合いデートは悟への嫌がらせだ。
「見合い相手があそこまで糞だと思っていなかったがな」
「名前には僕がいるのに!」
「まだ言うか」
「ちょっとケーキ食べただけじゃん。誰がどの女かわかんないんだけど?
連絡先も一方的に渡されたけど返してないし」
「開き直ったわよこのクズ」
「最悪だな」
「おかか」
「あり得ないです」
「悟、不潔だぞ」
生徒にすらドン引きされている悟。
そりゃそーだ。
「悟」
「なぁに?」
「私今夜七海くんと口直しデートだから」
「はぁ!?七海!?何で!!?」
「まずは六本木のケーキ女どうにかしろ。
アイツこの間私のラインにめちゃくちゃ彼女面して長々とライン送ってきたんだからな」
「誰?僕わかんない。あと僕も今夜行くから。絶対行くから。七海とデートとか許さない。浮気だよ、浮気!!七海こそ危ないのに!!」
「猪野きゅんも一緒だ馬鹿たれ」
「やーだー!!もっとやーだー!!」
「皆何してんの?」
やっほー、と遅れて登場悠仁くん。
七海くんと猪野くんと一緒に任務だった。
「健人!!やはり私には貴女しかいないわっ!!」
「名前さん、今すぐ飛びましょう。大丈夫……私が貴女を幸せにいたしますよ」
ぶわっと目尻に涙を溜めて七海くんのところへ。
七海くんは間髪いれず片腕で肩を抱いてくれる。
ギョッとする理由のわからない悠仁くんと猪野くんが私らと悟を交互に見ている。
「オイオイオイオーイ。七海ィ、アウト。タイキックな」
「今度は何したんですか五条さん」
「…………べっつにぃ」
「先生何したの?また名前姉怒らせたの?
」
「悠仁、僕が何かした体やめて?」
何があったのー?とめぐみんと野薔薇ちゃんの所へ。
「五条さんが」
「彼女面女を量産し」
「名前がキレた」
「え?五条先生が悪いじゃん。先生ちゃんと名前姉に謝らないと」
上からめぐみん、野薔薇ちゃん、真希ちゃん。
たった3行で伝えた結果に悠仁くんは若干引きながら悟へ。
「僕の味方は?」
「いるわけないでしょう」
「僕悪く無くね?」
「勘違いさせるような事をしなければいいでしょう?
最近構って貰えないからと馬鹿な構ってちゃんは止めてください。
彼女を泣かせるなら貰いますよ」
「は?七海の前で泣いてんの?
ちょっと名前お話合いしようよ」
ギャーギャー言い合い始めた大人2人。
呆れた顔をして放置する生徒達。
「仲良しだなぁ」
「どこ見て言ってんのよ」
「だってほら。そろそろ……」
名前が五条へ腹パンし、五条が名前の頭を叩く。
睨み合っていたものの名前が五条へと抱き付いて五条がのし掛かるように抱き付いている。
「バカップルめ」
「野薔薇、ほっとけ」
「何だかんだ言って名前さんが五条さんに甘いから仕方ない」
「五条先生も名前姉には激甘だからなー」
イチャイチャとイチャつき出した二人に真希と伏黒と七海が舌打ちした。
あとがき
直哉を書くと結果に残念で終わる呪いでもかかっているんだろうか?
女性関係クズってる部分の五条を入れてみたものの、通行人がいる限り倫理観しっかりさせられてそう。
凸ってくる女には容赦なく戦うが、五条のせいで本当に勘違いしちゃった系控え目真面目系女子とかは五条を締め上げる。
おまっ、乙女の純情もてあそぶんじゃねーよって。
結果、七海とのお酒が増える。
それがムカついてわざと思わせ振りな態度で女の子量産するが、本命以外どうでもいいので女の子の扱いが雑。
構ってちゃんの困ったさんな五条家の悟くんがそんな構ってちゃん遊びを繰り返すならば通行人が七海との『愛と哀しみの果て〜魔のトライアングル〜』って台本作って復讐しそう。
監督は硝子ちゃん。
………あれ?直哉くんのお話だよね?(笑)
あとがきにすらこの仕打ち。
我が家の直哉くんへの扱い方は基本これです(笑)
「は?悟はオメェの彼女じゃないぞ」
どもども!!
この度特別特級呪術師を名乗ることになりました通行人名前でございます。
この度、御三家?だかからの依頼により何やら初対面でわけわかんない人と共に任務に当たることになりまして……初対面の「どうもこんにちは、初めまして」をすっ飛ばして悟の彼女とか名乗る男に出会いました。
「は?」「は?」
お互いに頭を傾け合う。
「アーユーヴィラン?」
「何やそのド下手くそな英語」
「OK。オマエ敵な」
捻れたリズムで踊ってやろうか!?
おじたんコールしながらかごめかごめを阿波おどりしてやろうか?
「悟君趣味悪っ!!イカれた女囲っとるとかキッショ」
「どこの悟君?」
「自分特別特級なんやって?
元一般人が随分偉い立場居るけど……上と寝たん?」
「今でも心は一般人だが?」
「おじぃちゃんらの相手だけやなく俺とも仲良ぅしてくれへん?」
さっきからこの人何言ってんだ?
新手のセクハラか?
国語習ってから出直してきてくれないかな?
むぎゅっ、と何故か私のおっぱいを揉む目の前の男。
「えぇ身体しとるなぁ」
OK。
これはセクハラ。
そしてこれは正当防衛。
胸元の腕をギュッと抱き締める。
「サービスえぇや…」
「喰らえ!!神の雷……バ○スッ!!」
「うぎゃぁあああああああっ!!!!!
目がぁっ!!目があああああっ!!!!」
「旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした、天の火だよ。ラーマ・ヤーナではインドラの矢とも伝えているがね」(某ム○カvoice)
「な、んの話やぁぁああああっ!!!!
何なん!?めっちゃ目が痛いんやけど!?」
「安心したまえ、これはただの唐辛子スプレー(変態撃退スプレー)だ」(某ム○カvoice)
「安心できるかぁぁあああっ!!!
何ってことするん!?目がっ、目がぁぁあああっ!!!」
はっはっはっ、愉快だな。
ってム○カ気分で笑っておいた。
最近ちょいちょい多いのよね。
勘違いして上のお手付きなんだろ(はぁと)なんて言いながら寄ってくる奴ら。
手加減?するわけない。
「初対面でセクハラは良くないよ?
悟も初対面わりと失礼だったけどセクハラはしてないよ?」
「初対面で唐辛子スプレー顔面噴射する奴に言われた無いわ!!」
「いい?女の子のおっぱいは夢と希望と愛が詰まっているんだからそんな軽々しく掴むものではございません」
「頭イカれ過ぎやろ!!常識無いんか!?」
失礼だな!!(プンプン)
「イカれた代表の御三家の方が一般人の常識語らないで下さいな」
「ほんっっっま失礼な奴やな!?」
「名乗りもせず初対面で女性の乳揉む男には正当防衛かと」
「変質者扱いやないか!!」
「事実変質者かと」
私オマエとお友達じゃない。
私オマエと初対面。
つまり?
「正当防衛」スチャッ
「スプレー両手に構えんなやっ!!」
って感じのこんにちは初めましてをして任務開始。
今回わざわざ京都に来て御三家の……ぜんいち?あ、禪院ね。失礼失礼。
そこから任務依頼が来てさー、悟のいない間に決まったから激おこだったんだよね。
まぁ、八ツ橋食べたいからいいよ!!って返事しちゃったから私が悟にコッテリねっちょり怒られました。解せぬ。
禪院からの刺客に気を付けろ〜と言われたが……刺客って何事?何時代?みたいな。
特別特級呪術師になってから来るわ来るわ見合い話。
なんかよくわからないけど真希ちゃんとめぐみんと悟で毎回焚き火しているから焼き芋がよく焼けること焼けること。
こないだは焼き芋飽きたからお見合い写真でBBQしたわってくらい大量にくるわけさ。
悟もこんなんなの?って聞いたらお見合い話は来るけどこれは異常だと。
上層部が嫌がらせととにかく悟から引き離したくてあの手この手でやらかしているのを悟と伊地知くんが引き留めているらしい。
ありがとう、伊地知くん。今度いい胃薬贈るね。
ってわけで、今回も何かあるぞ……と気合いを入れて八ツ橋を買いに……いや呪霊討伐をしに来たわけですが………。
禪院さん家のパツキンくんが何もしない件について。
ちなみに一級討伐だったので強そうだったからペットにしました。
「呪霊従えるなんてどっかの呪詛師みたいやね」
この人何もしていないんだが何しに来たんだ?
セクハラ?
「………」
「傑君やったっけ?
悟君と仲良ぅしとった前髪の人。
彼も一般家庭からの出で偉い事しでかしたみたいやな」
前髪の話ぶっこんできたぞ。
なんだなんだ?
それ悟の前で言ったらブチギレ案件だからな?地雷だからな?
私はほら、おおらかだから。
悟と違って昔の友人の事悪く言われてもそりゃオマエが何知ってんの?ってなるがやっちまった事も事実だからさ……何も言え無いが………。
「キミも気ぃつけな。
そのご自慢の身体でおじぃちゃんらに愛想振り撒かな傑君と同じ……」
セクハラは許さん。
「怒ったかんな怒ったかんな」ダンダン
「っ!?」
「許さないかんな許さないかんな」ダンダン
片足で床ダンダン踏み鳴らしながら、両腕ぐるぐるして踊る。
「は?怖っ」
「通行人 名前でーす☆」
「いや、そのノリついていけへん」
「ハニーフラッシュ☆」
「あああああああっ!!!目が、目がぁぁあああっ!!」
めちゃくちゃ明るいペンライトで照らしてあげる。
良い子のみんなは真似しちゃダメだぞ☆
「ねぇ、年甲斐も無くはしゃいじゃった頭したキミさ」
「なっっっんやねん!?今それどころやないわアホ!!流れるようにな人の頭ディスんな!!」
「さっきから下ネタばっかで普通に気持ち悪いよ?」
「あ"?」
「黙って聞いていたらペラペラペラペラ……下ネタばっかでどうしたの?頭の中パァラダイス?頭に下半身ついてるの?提灯アンコウなの?」
セクハラ、セクハラ、セクハラ!!
見なさいよ、隣の補助監督の子!!女子ドン引きだよ?
「まじで何しに来たの?」
「……自分何言うてるかわかっとる?」
「セクハラパツキン野郎こそ何しに来たの?セクハラ?公開セクハラプレイはそういうお店だけにしていただけます?
おじぃちゃん達もなかなかなパワハラだけどここまで露骨に……いや、あれはあれでドスケベジジィ共の集まりだから結構ヤバイな。
毎回毎回セクハラ三昧だからそろそろ股間も頭も爆発すればいいと思うけどどう思う?補助監督ちゃん」
「え"!?えーっと…」
「股間回りに爆竹装着して一斉に点火すれば悲鳴と花火でそれはそれは汚い絵面になるんだろうけど」
「あの、その……私からは、何とも……」
「そもそも呪術界の上層部に相談窓口とか無くね?男女雇用機会均等法どこいった?
呪術界まじで子供と女性に優しくないと思うんだけどどう思う?補助監督ちゃん?」
「そう…で、すね……」
「アホか。女は男の為にいるんやから男より目立とうとしなくてえぇやろ」
「………んー?」
なんつった?今この男。
「男を立てられん女はアカン。
3歩後ろを歩かれへん女は背中刺されて死んだらええ」
「オマエが3歩女性の後ろを歩けポンコツ」
「………あ"?」
ポンコツ扱いしたら凄い怖い顔してきたけど……
こちとら経験が違うんだよ!!
「オマエの3歩後ろ歩くくらいなら誰もがそれを助走距離確保として背中に飛び蹴り食らわすレベルだぞ」
「猿やん」
「どちらかと言えばアンタの頭の中が猿かと」
「面白い冗談やなぁ。シバくで?」
「種撒くしか才能無いなら呪術師辞めれば?」
睨まれたがハッ、と鼻で笑っておく。
呪霊討伐終わったから八ツ橋買いに行って帰らなきゃ。
「八ツ橋、茶の菓、阿闍梨餅、名代豆餅、抹茶ばぁむ、抹茶テリーヌ、京都三色」
「何の呪文や」
「ねーぇ?補助監督ちゃんオススメの店はあるかい?」
ふと、禪院で思い出した。
「真希ちゃんが実家クソって言ってた意味がよーくわかった。
確かにこりゃクソどころか肥溜めだ」
サーーッと顔色が悪くなる補助監督ちゃん。
すまんすまん。補助監督ちゃんは悪くないよー。
「随分な事言うお口やなぁ」
「あらやだ、まだ居たの?
私これから補助監督ちゃんとデートなんだが」
「そんなんより俺とえぇ事しよ」
「いい事?」
「自分が貶したクソにえぇ思いさせて貰えるんやで?喜び」
「まじで何しに来たんだこの人?」
さっきから鬱陶しいな。
何かとあればセクハラしてきやがる。
「補助監督ちゃん、この人何なの?どこの動物園から逃げ出してきたお猿さん?」
「おさ……、この方は禪院家当主である直毘人様のご子息で…」
「あぁ、あの酔っ払いのおじぃちゃんか」
「おじ…っ!?
……禪院直哉様。次期禪院家当主候補です」
「紹介ありがとな、補助監督ちゃん。
今さらやけどよろしゅう、名前ちゃん」
「へー」
スッ、スッとスマホでお土産検索。
百貨店で全部手に入る場所無いかな?
「……名前さん、そもそも今回何て聞いて来たんですか?」
「八ツ橋買いに行くがてら一級討伐」
「「え"?」」
「え?何か間違ってた?」
補助監督ちゃんが顔をひきつらせている。
何か問題あったかな?
「間違いすぎや。
今回の任務は俺との共同…」
「何もしてなくね?駄目な金髪訳してダメキン」
「……任務はオマケ。
本当の目的は俺とアンタのお見合いや」
「んー?」
何の話?
「悟君との婚約を阻止する上からの命令や。
悪く思わんといてな」
「あー、はいはい。それじゃあお疲れー。
で……補助監督ちゃんさ、ここらのデパートとかでお土産全て買える場所知らない?」
「いやいやいや。
何流しとんの?お疲れやないわ」
「お疲れって言ってやった私の優しさ受けとれって。
私時間無いからさっさとお土産買いたいんだよ」
「は?泊まりやん」
「あぁ、当主様から禪院家泊まれってやつ?
断った」
「はぁぁあああ!?」
リアクションの大きいダメキンだな。
補助監督ちゃん、さっきから百面相だし。
「悟がいるのにお泊まりとか無いわ」
「名前さん?あの……」
「なぁに?補助監督ちゃん」
「どうやって禪院家の当主とお話を?」
「ラインで」
「はぁ!?」
「直毘人さんとは飲み友達としてライン交換したんだよね。
その時にふざけて息子紹介するって話はしたけどまさかマジだったとは」
世の中何があるかわからないね。
「任務と共にお泊まりしながら飲み会しよって来たけど悟が駄目って。
禪院の男は下半身緩いから食われるって心配性でさ」
「五条さん……」
「酷ない?」
「そのままの内容悟が直毘人さんに送ったら笑いながら任務だけしていけって押し付けられた」
そろそろこのダメキン引き取ってくんねーかな?
「えぇから黙ってついて…」
「そもそもさ、キミ好みのタイプじゃないんだ。ごめんね?」
「はぁ!?」
「金髪じゃなくて銀髪なら少しキュンとしたかもしれんが、それだと知り合いの知り合いと被るんだよね。
まぁ、その人のが性格もキチンとしてるしすんげぇいい男なんだけど」
「俺のがえぇ男や」
「そもそもドクズはいい男ではないよね。
まず米農家であの人の下について人生勉強してこいよ」
すげーんだぜ?あの宮くんを黙らせるとか何事!?ってなったもん。
悟ですら正論パンチの嵐に黙ったレベルだぞ?
「俺様でマイナス1ポイント」
「何のポイントシステムなん?」
「女性への扱い方マイナス10億ポイント」
「マイナスの値おかしない?」
「存在が地面に這いつくばらせたいからプラス五万ポイント」
「待てや。何なん?ほんま何なん?」
「今すぐ地べたに這いつくばったらマイナスポイント0にしてあげるけど?」
「何様なん?」
米神に青筋を浮かべるパツキンくん。
「聞いて驚け!!」
「え?え?」
「見て笑え!!」
「あの、名前さん?」
「えーっと……我ら……閻魔様いちの……子分だっけ?」
「中途半端にボケんなや!!」
タタタタ、と携帯を弄って検索していてもよくわからない。
よし、と決めて歩きだす。
「さあ、そんなことは置いといて
これから重大なミッションよ」
パンパンっと手を叩いて真面目な顔をする。
「時は金なり。
今ここでお猿さんに構っている暇は無いわ」
「オイ。猿って俺の事か」
「お猿さんはこれからヴァイオリーンのお稽古でしょう?ほら、行った行った。
先生がお待ちよ?今日こそは迷子の迷子の仔猫ちゃんを完璧にするんでしょ?」
「待てや。どんな設定なん?」
「人生の迷子」
「………っ」
補助監督ちゃんがプルプル震えてる。
ダメキンを置いて補助監督ちゃんの手を引き車に乗り込む。
「待てやぁっ!!」
「出して」
何か乗り込んできた。
補助監督ちゃんにとりあえずお土産たくさん売ってる場所へ行くことを頼んで電話する。
「ちょっとなおぴ。お宅の息子どうなってんの?……は?いやいやないない。
キュンっともしないわ。
なおぴの息子だからって言ってもコレは無いわー。悟と別れさせたいならもっと中身いい男連れてこいよ」
「……どこに電話しとんねん」
「禪院さん家の直毘人くん」
「え"?今名前さんなおぴって……嘘、ですよね?」
「補助監督ちゃん、なおぴはなおぴだよ?
あ、そーそー!なおぴオススメの菓子屋無い?
お宅の息子の迷惑料として高級菓子つけとくから贔屓にしてる店教えてよ。
……いいの?オケオケ。そしたら財布として使うわ」
「なんっちゅー会話しとんねん」
「あー、わかった。悟が許したらね。
はいはい。んじゃ、またご贔屓に!」
なおぴこと直毘人くんとの会話を終わらせる。
そうこうしている間に車は某アウトレットへ。
「制限時間は30分よ」
「?」
「これは戦い……なおぴからは許可が降りてる。
何でも好きなものをダメキンに集れって」
デート、しよっか(はぁと)
次の新幹線の時間と移動時間を考えたら30分。
「さぁ、いこっか」
「ま、待ちぃ!!俺が奢るなんて一言もっ」
「いい女侍らせて奢りなんて最高に格好いいぞ」
「自分の事えぇ女って……」
「キサマに女子の全力を教えてやる」
さあ、行くぜ!!!
京都狩りじゃ!!
ダメキンを引き連れてお土産コーナーからブランドコーナーを駆け回る。
「支払いよろしく」
「は?何で俺が……」
「え?ダメキンこれくらい奢れないの?」
「は?馬鹿にすんなや。こんくらい…
……って待ちぃ!!何やこの金額!?遠慮ってもん知らんの!?」
「ゴチになりまーす」
「あぁ、もうっ」
「はいはい、次行くよ次」
「まっ!?荷物くらい持てやぁ!!」
「……ふっ、貧弱」
「あ"!?」
お土産、ブランド、帰りの弁当。
ドッサリ荷物をまとめて車のトランクへ。
再び車に乗り込み戦利品に私はほっこり。
「って、何で俺が全部支払わなあかんの!?」
「なおぴがいいって言ったから」
「俺の金や!!」
「ちっちぇえな。気にすんな」
「クソ女がっ!!」
イライラしたダメキン。
駅について私の荷物をトランクから降ろす。
「じゃ」
にこやかに手を振って手土産いっぱい持ってるんるんで帰る。
「なんっっっやねん!!!
………ん?アイツの忘れもんか?」
残った一つの手土産。
中にはいつの間にやら手紙が。
「……可愛ぇとこあるやん。ま、俺の金やけ……んん?」
"たべてね(はぁと)"の文字の下
なぜか折り畳まれた部分。
ガサガサと開いて………
"京都校のみんなに渡してね!
間違ってもオマエのじゃないぞダメキン"
ぐしゃぁ、と握りしめた。
「………こない女にコケにされたん始めてや」
「ただいまー!お土産だよー」
「名前!オマエっ、禪院に呼び出しされたって…!!」
真っ青な真希ちゃんが慌てて来てくれた。
同じく野薔薇ちゃんも心配そうだ。
「なおぴに指名されちゃった☆」
「誰だよ!!」
「あ、これお土産。なおぴがお見合い相手にクソみたいなダメキン当ててきたからダメキンに奢らせたものだけど」
「どんな状況よ」
「悟はー?」
「いるよー!お疲れサマンサ」
「ありがトンネル」
うぇーい、と悟とハイタッチ。
そのままボディチェックされた。
「本当に何もない?」
「ないない。案外チョロいぞ次期当主。
真希ちゃんのが絶対当主似合うわ」
「オマエ……直哉相手にこれ奢らせたのか?」
「勿論。全力で奢らせた」
次々と出てくるお土産に真希ちゃんの顔色が悪くなっていく。
最終的には大きなため息。
「………心配して損した」
「真希ちゃん、心配してくれたの!?」
「当たり前だろ。あのジジィと直哉だぞ?どんな手を使うかわかんねぇのに……」
「大丈夫大丈夫!
なおぴの拗れ具合なんて学生の頃の悟に比べたら可愛いもんだったから!」
「僕あんなに拗れてないよ」
「前髪に一般常識叩き込まれてた奴が何言ってんだ」
「僕も若かったって事で」
その前髪も拗らせていたけどな。
まぁ、それはそれとして……。
「君たちは初対面でセクハラ発言からの女の子のおっぱい揉むような糞野郎になっちゃ駄目だよ?」
「「「は?」」」
「ちょっと禪院潰してくるわ」
「悟、当主と次期当主の首は私に寄越せ」
「真希さん、俺にも半分下さい」
「ちょっとアンタ!!!迂闊な発言止めなさいよ!!!アンタの発言で過激派が動き出すんだから!!」
「でも野薔薇ちゃん、セクハラやパワハラは良くないよ。
女は男の3歩後ろを歩けとか言うのはねぇ?」
「OK。
その糞男私に紹介しなさいよ。
頭かち割って女の大切さ叩き込むわ」
「みんな過激派だなぁ」
「名前のせいダロ」
「しゃけ」
パンダと棘くんとケタケタ笑う。
私、愛されてるぅなんてふざけたら真希ちゃんに叩かれたが照れ隠しだもんね?
わかっておるわかっておる。
「ダメキンとは何も無いから安心してよ」
「今の発言のどこに安心しろって?」
「私には貴方だけよ、ダーリン」
「当たり前だよね。浮気絶許だからハニー」
「なるほど。この間街で声掛けられてほいほいケーキ屋で茶シバいていた野郎は言うことが違うな?」
「………え?ナンノコト?」
「証拠は上がってんだ。補助監督達とライン友達の私の情報量舐めんなよ。
伊地知さん口止めしてもネタ上がってんだぞ」
「名前、落ち着いて?話せばわかる」
「そう言って連絡先交換して勘違いした彼女面女量産させて私に迷惑かかってるのわかん無いの?」
ダラダラ冷や汗をかきだす最強。
そう……今回の禪院直哉とドキドキ☆呪霊シバいてお見合いデートは悟への嫌がらせだ。
「見合い相手があそこまで糞だと思っていなかったがな」
「名前には僕がいるのに!」
「まだ言うか」
「ちょっとケーキ食べただけじゃん。誰がどの女かわかんないんだけど?
連絡先も一方的に渡されたけど返してないし」
「開き直ったわよこのクズ」
「最悪だな」
「おかか」
「あり得ないです」
「悟、不潔だぞ」
生徒にすらドン引きされている悟。
そりゃそーだ。
「悟」
「なぁに?」
「私今夜七海くんと口直しデートだから」
「はぁ!?七海!?何で!!?」
「まずは六本木のケーキ女どうにかしろ。
アイツこの間私のラインにめちゃくちゃ彼女面して長々とライン送ってきたんだからな」
「誰?僕わかんない。あと僕も今夜行くから。絶対行くから。七海とデートとか許さない。浮気だよ、浮気!!七海こそ危ないのに!!」
「猪野きゅんも一緒だ馬鹿たれ」
「やーだー!!もっとやーだー!!」
「皆何してんの?」
やっほー、と遅れて登場悠仁くん。
七海くんと猪野くんと一緒に任務だった。
「健人!!やはり私には貴女しかいないわっ!!」
「名前さん、今すぐ飛びましょう。大丈夫……私が貴女を幸せにいたしますよ」
ぶわっと目尻に涙を溜めて七海くんのところへ。
七海くんは間髪いれず片腕で肩を抱いてくれる。
ギョッとする理由のわからない悠仁くんと猪野くんが私らと悟を交互に見ている。
「オイオイオイオーイ。七海ィ、アウト。タイキックな」
「今度は何したんですか五条さん」
「…………べっつにぃ」
「先生何したの?また名前姉怒らせたの?
」
「悠仁、僕が何かした体やめて?」
何があったのー?とめぐみんと野薔薇ちゃんの所へ。
「五条さんが」
「彼女面女を量産し」
「名前がキレた」
「え?五条先生が悪いじゃん。先生ちゃんと名前姉に謝らないと」
上からめぐみん、野薔薇ちゃん、真希ちゃん。
たった3行で伝えた結果に悠仁くんは若干引きながら悟へ。
「僕の味方は?」
「いるわけないでしょう」
「僕悪く無くね?」
「勘違いさせるような事をしなければいいでしょう?
最近構って貰えないからと馬鹿な構ってちゃんは止めてください。
彼女を泣かせるなら貰いますよ」
「は?七海の前で泣いてんの?
ちょっと名前お話合いしようよ」
ギャーギャー言い合い始めた大人2人。
呆れた顔をして放置する生徒達。
「仲良しだなぁ」
「どこ見て言ってんのよ」
「だってほら。そろそろ……」
名前が五条へ腹パンし、五条が名前の頭を叩く。
睨み合っていたものの名前が五条へと抱き付いて五条がのし掛かるように抱き付いている。
「バカップルめ」
「野薔薇、ほっとけ」
「何だかんだ言って名前さんが五条さんに甘いから仕方ない」
「五条先生も名前姉には激甘だからなー」
イチャイチャとイチャつき出した二人に真希と伏黒と七海が舌打ちした。
あとがき
直哉を書くと結果に残念で終わる呪いでもかかっているんだろうか?
女性関係クズってる部分の五条を入れてみたものの、通行人がいる限り倫理観しっかりさせられてそう。
凸ってくる女には容赦なく戦うが、五条のせいで本当に勘違いしちゃった系控え目真面目系女子とかは五条を締め上げる。
おまっ、乙女の純情もてあそぶんじゃねーよって。
結果、七海とのお酒が増える。
それがムカついてわざと思わせ振りな態度で女の子量産するが、本命以外どうでもいいので女の子の扱いが雑。
構ってちゃんの困ったさんな五条家の悟くんがそんな構ってちゃん遊びを繰り返すならば通行人が七海との『愛と哀しみの果て〜魔のトライアングル〜』って台本作って復讐しそう。
監督は硝子ちゃん。
………あれ?直哉くんのお話だよね?(笑)
あとがきにすらこの仕打ち。
我が家の直哉くんへの扱い方は基本これです(笑)