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「よろしゅう」
禪院直哉様。
私は彼の婚約者となった。
これといった才能の無い私だが、遠いながらも禪院の血が流れている。
血が濃くなれば異形が産まれやすくなるからと、遠い昔に禪院家と契った過去があったらしい我が家が指名された。
我が家では呪術師としてもうほとんど術式を受け継いでいる者はいない。
父が受け継いだのは結界術式。
小さな結界に呪霊を閉じ込め滅する術式。
人を守ることにも攻撃にも使用できるものの、綿密な呪力コントロールが必要となってくる。
私も父から指導され、なんとか三級を祓えるレベル。
昔はとても強い力があったらしいが、今となっては……。
今後、伸びる可能性などない落ちぶれた家。
そんな我が家が禪院家からの指名を断れる事など出来ず、精一杯のお洒落をして行った先……居たのは禪院直哉様だった。
直哉様は柔らかな笑みを浮かべ、優しく対応してくださった。
一時の婚姻関係で、昔からのしきたりで年の近しい者の中から選ばれるだけなのだと、堅苦しい事ではないと。
その話にほっとした父と母はよろしくお願いいたしますと頭を下げて婚約が成立。
まずは交流を増やし、仲を深めようと直哉様に本家へ呼ばれることが増えた。
直哉様の婚約者として御三家の話し合いの場に連れられることも。
直哉様は優しかった。
何もわからない私に色々と教えてくれた。
「アンタ録な術式でも無いから胎としてしか扱えんやろ。まぁ、術式ある分マシやと思うで?
俺の子を産むからにはちゃぁんと継いでくれんとな」
優しく、優しく。
ゆっくりと真綿で首を絞めるように。
私の知らない私の立場を私に分からせる。
「逃がさんよ。
同い年の子らの中でも一番マシな面やったんやから」
私は直哉様の子を産む為だけの胎。
直哉様の術式、又は禪院家の術式を持つ子を産めなかった場合私に価値など無いのだと。
顔が少しだけ直哉様に気に入られただけ。
「大丈夫。
ちゃぁんと愛したる。大事にしたるよ。
名前ちゃんが俺の言うこと聞いてくれるなら」
禪院家に嫁入りする立場として、幼い頃から色々教わった。
直哉様は時期当主候補として争っている。
彼を支え、彼の子を産み、よりよい術式を受け継がせることのみが私の使命。
本家の子である直哉様から要らないと言われるまでは私の家から断ることなど出来ない。
それに、没落していた我が家に寄付金を与えたのは直哉様だ。
父と母と兄妹らを私の我が儘で路頭に迷わせるわけにはいかない。
「男を立てて三歩後ろを歩き。
キミなら出来るやろ?名前ちゃん」
「はい、直哉様」
「ん。ええ子やね」
直哉様は優しい。
私が粗相した場合きちんと叱ってくれる。
直哉様に相応しくなれるよう指導なさってくれる。
バチンッ
頬が痛い。
けど、私が悪い。
直哉様のご意志に反してしまったのだから。
「駄目やで、名前ちゃん?
俺の事だーい好きやろ?せやったらちゃーんと俺の事褒めな。
ええんやで?名前ちゃんのお家にあげたの全部返してもらってこの縁談終わりにしたっても」
「も、申し訳ございません!」
「学習しないグズは嫌やで?
まぁ、そこが名前ちゃんの可愛らしさでもあるんやけど」
馬鹿で、間抜けで、のろまな名前ちゃんは可愛らしいね……。
時々苛つくんは堪忍な?
直哉様は優しいから何度も粗相してしまう私を叱ってから抱き締めてくれる。
ぶった頬に触れられるのは痛いけれど、ちゃんと謝ってくれるし治療室に連れていってくれる。
私は直哉様に愛されているし、大切にされている。
直哉様の期待に答えられない私が悪い。
だから、涙を溢すなんて間違っているのにーーー
治療室帰り、庭に佇み一人隠れて涙する。
いつもいつも、ここで耐えてからまた直哉様の元へ戻る。
泣くな。
泣けば目が腫れて不細工になる。
直哉様に私の泣き顔や腫れた顔を見せるわけにはいかない。
耐えろ、耐えろ耐えろ耐えろ!!
いつもの事。
耐えなければ家族を失う。
溜まった涙を流さないように上を向いて空を見上げる。
よく、晴れていた。
雲一つない青空はとてと綺麗で……美しかった。
「何してんだよオマエ」
聞きなれない声に振り向けば、そこには白い髪に空色の瞳があった。
「泣いてんの?」
「え、あの……」
大変だ。
直哉様の許可無く知らない人と話してしまった。
キュッ、と口を結び下を向けば……耐えていた涙が溢れてしまった。
「っ!!」
一度泣いてしまえば、ボロボロと溢れてしまう。
慌てて着物で目を押さえつけようとするものの、着物も直哉様が用意したものだ。汚すわけにはいかない。
「頬殴られたのかよ」
「あ……っ」
「うわ、酷。俺反転術式使えねーんだよ」
直哉様意外に触れられた。
その事にこれが知られればこの後何をされるのか怖くて身体が震える。
「ご、めんなさい。ごめんなさいっ」
「は?」
「ごめんなさい……っ!!どうか、どうか誰にも口にしないでください!!」
「オマエ……何言って」
「ごめんなさい!ごめんなさいっ!!
直哉様に知られたら……っ」
震えが止まらない。
家族がどうにかなってしまうなんて考えたくない。
この人がどなたか知らないが……万が一、直哉様のお耳に入れば……。
「何でもしますっ!だから、だからどうか……っ」
「あーもう、うっせーよ!黙れ!!
俺だって今逃げて来て隠れてんだから黙れって!」
空色の瞳が近い。
一緒にしゃがみこんで草むらの影に隠れれば、パタパタと走り回る音がした。
その音に身体が震えてしまうが、暖かな腕と穏やかな心臓の音に身体が固まった。
「黙ってろよ」
ぎゅっ、と小さいけれど温かな腕の中。
驚いて涙が止まる。
直哉様の腕は怖くて、重くて。
ぎゅっとされても安心出来なくて……。
なのに
この人の腕の中は安心した。
ほぅ、と呼吸が出来る。
パタパタした足音は止み、静寂が戻る。
「行ったな」
「……あの」
「オマエ名前は?」
「……名前、です」
「俺悟。たまに此処来るから次も居ろよ」
「え?」
「泣いてた事や触った事内緒にしてやるから。
だから次も此処で待ってろ」
「あの、私…」
「約束な、名前」
いつ来るのか、なんてわからないのに。
直哉様からの約束を破っているのに。
自由な空色が楽しそうに笑うから、指を絡めて約束を交わした。
この後、直哉様が迎えに来るまで私は庭でボーッとしていた。
直哉様には文句を言われたが、屋敷内が慌ただしく女中と間違われ何かの捜索を任されていたのだと嘘をついた。
何か、は知らなかったのであそこで困っていたのだと説明をすれば直哉様は笑って私は馬鹿だから仕方ないと許して貰った。
それから私はちょくちょく直哉様の許可を貰い、屋敷の掃除を申し出た。
幸いにも空色の方がいた場所は直哉様の管轄内。その庭が気に入っているから自分で手入れをして直哉様に見せたいのだと機嫌の良い時に言えば許可が降りた。
直哉様から離れられる理由が出来て、少しだけ呼吸が楽になった。
庭を手入れしていれば余計な事を忘れられた。
草花に触れ、池の鯉に餌やりをしていれば少しだけ気持ちに余裕が出来た。
「よっ」
「悟様」
あれから何度も悟様は約束通り言いふらしたりせず足を運んでくれた。
悟様はどうやらお偉い方らしく、私は会ったことが無いような上層部の方々の名前を上げては文句を言っている。
私のお菓子で申し訳ないが、不機嫌な悟様にお菓子を渡せば嬉しそうに飛び付く姿が面白くて笑ってしまう。
「名前」
「はい?」
「来年高専だろ?東京来いよ」
「でも……」
「俺も東京行くし。あと、反転術式の使い手も来るんだってさ」
「……反転、術式の?」
「名前練習してたろ?京都には反転術式の使い手いねーしそれなら東京の方が名前の勉強にもなるだろ」
「許可……出るかな?」
「例の婚約者には直接言わず親に言えよ。
で、親説得してから名前の婚約者に婚約者の為に反転術式を覚えたいって親から言って貰え。
それで……」
悟様の言葉を信じ、親にお願いしてみた。
最初は渋られたものの、貴重な反転術式を習得すれば禪院の、直哉様の為にもなると判断してくれた。
親からのお願いとして直哉様に申告すればいい顔はされなかったものの、両親の前では比較的良心的な直哉様は許可をくれた。
「なんで名前ちゃん京都やないの?」
「ごめんなさい……私一人では勉強がはかどらなくて」
「名前ちゃんが反転術式使えるんなら俺にとってもええことやけど」
「……離れるのはとっても寂しいし、辛いです。けど、いつまでも直哉様に甘えていてはいけないと言われ……直哉様の為に頑張ります」
「ふぅーん。甘えててええのに。
どこの誰が言ったんかなぁ」
髪をすく直哉様の手に力が入る。
少し引かれた髪の毛が痛い。
「浮気はあかんよ?」
「私には直哉様だけです」
「しゃーないなぁ。ちょくちょく帰って来てな?」
「はい」
まさか。
まさかまさかまさか。
こんなにも上手くいくとは思わなかった。
ギリギリまで東京には行かず、直哉様と居たくて……と我が儘を言い共に過ごした。
直哉様からそろそろ入学に遅れるから、と送り出してくれた時は泣いてしまった。
入学式には間に合わず、1日遅れての入学となったものの……
東京の高専に行けば、待って居てくれる人がいた。
「よぉ、1日遅れの大遅刻した問題児」
「悟様!!」
「知り合いかい?」
「婚約者と離れたくなくて駄々っ子した問題児じゃん」
悟様は何故かボロボロだった。
そしてお団子に独特な前髪のセンスをお持ちの男の子もボロボロ。
泣き黒子のある女の子。
「上手くやれたんだな」
「はい!しっかり送り出されるまで媚びて来ました!」
「やるじゃん」
ケラケラ笑って頭を撫で回される。
理解していない同級生二人は頭を傾げている。
「傑、硝子。
コイツ名前。
婚約者に胎扱いされてボロクソ洗脳されかかってるから優しく接してあげて」
「「は?」」
「名前、傑は一般家庭の出だけど俺と同じくらい強いから困ったら盾にしろよ。
硝子は名前がお勉強したい反転術式の使い手だからしっかり教えて貰え……理解できんなら」
「ふ、不束者ですが……よろしくお願いいたします。傑様、硝子様」
「「えっ」」
「んで、わかってると思うけど俺は五条悟!
五条家とか禪院家とか無しにこれからも仲良くしような?あ、様付け禁止な」
「………五条?」
「おう」
「……五条…悟、様?」
「様付け禁止」
なんという事でしょう……。
私は五条家のご子息とは知らず、今までお話を……。
流れるように地面に頭を擦り付けようとしたが、悟様に止められた。
「傑、硝子。名前ってめちゃくちゃいい子だから悪さ吹き込むなよ?」
「悟……キミが言うことでは無いと思うよ」
「まずその宇宙人状態止めてやれよ」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい……」
「手離したら土下座して動かないぞコイツ」
「「あぁ」」
そんなやり取りをしたことすらお恥ずかしくなるくらい、三人には良くしてもらった。
今では三人を様付けせず、目を見て話す事が出きるほどには普通になれた。
「硝子ちゃん」
「何?」
「あのね、今度の休み此処に行ってみたいの」
「いいよ」
「ありがとう」
「いいなー!俺もいきたーい」
「悟くん」
「どうせなら四人で行かないかい?」
「来んなよ」
「ピュアっ子の名前の保護者いないと駄目だろ?すぐキャッチ捕まるし」
「変な輩に素直に付いて行ってしまうからね……」
「……よし、来い」
悪気は無いのだが……直哉様以外と話してはいけない状況だった事に慣れてしまったのが、徐々にクラスメートと談笑する楽しみを覚え、街で声を掛けられると反応してしまう。
困っているというから付いて行ってしまうのだが……良くない事だったらしい。
「はい、お出かけのお約束!」
「えっと……知らない人に付いて行ってはいけません。
困っている人がいても無闇に近寄らず、同行者に相談する。
困ったら三人に連絡する。
必ず三人の誰かと手を繋ぐ!」
「……子供のお使いかよ」
「いいや、硝子。これくらいが打倒だよ」
子供より子供扱いをする三人だが、出掛けた日……私は三人が少し余所見をした瞬間に迷子を見付けてしまい離れた。
親はすぐ見付かったものの、三人とはぐれて困ってしまった所に見知らぬ男性に囲まれあれよあれよという間にカラオケボックスに連れられそうな所を傑くんに発見された。
この後めちゃくちゃ三人から怒られたものの、心配したとそれぞれから抱き締められた。
「名前、いいカモに見えるから凄い狙われやすいんだ」
「意味わかんね!!なんでたった一瞬で消えるんだよ!?」
「探すよ。五条、眼使え。何のための六眼だよ」
「迷子探しじゃねーことは確かだよ!!」
お出かけする時は必ず二人以上で誰かと手を繋いで離さない約束が追加された。
東京の高専はとても楽しかった。
私が私らしく居られて。
傑くんも、硝子ちゃんも、悟くんも。
皆優しくて、楽しくて、居心地が良かった。
だからかな?
私は浮かれていた。
私は私の立場を忘れていた。
「名前、オマエの両親から連絡があった。
今すぐ帰って来て欲しいと……父親が倒れたらしい」
「え?」
「授業は出なくていい。急げ」
夜蛾先生に呼び出され、告げられた内容に驚いた。
三人に言う暇も無く、京都への新幹線のチケットを取って制服のまま帰る。
ドキドキとうるさい心臓を押さえ、家につけば……出迎えてくれたのは直哉様。
なぜ、ここに?
ヒュッ、と息が詰まる。
「久しいな、名前ちゃん」
優しい笑顔を浮かべ、抱き締めてくれる。
手を引いて玄関のドアを開け……私を廊下へ放り投げた。
受け身は取ったものの、すぐに背中に足を乗せられ肺が圧迫される。
「悲しいわぁ。ええ子の名前ちゃんなら俺との約束守ってくれると思っとったのに」
「かはっ」
「向こうでえらく楽しくやってんやねぇ」
バラバラと落とされたのは写真。
傑くんと、硝子ちゃんと、悟くんと。
楽しく出掛けていた写真の私は笑っていた。
「浮気、良くないなぁ」
「違っ」
「お父さんにも嘘言って俺の事騙すなんて酷いわぁ」
「う、そ?」
「やからお父さん。お仕置きされるんやで?」
直哉様の言葉にゾクリとした。
髪を引かれ、引きずられて行った先
お父さんが血塗れで倒れていた。
「おと……お父さんっ、お父さん!!」
「大丈夫。生きとるよ」
慌てて駆け寄り、反転術式を使う。
硝子ちゃんみたいに他人に使うのは慣れておらず完璧とまではいかないものの、出血を止める事は出来た。
部屋の隅では兄妹と母が泣きながら震えている。
「お?ちゃんと反転術式は成長しとるな。
なら反転術式の話は嘘やなかったんか」
「ち、違います!嘘ではありません!!」
「なら名前ちゃんが浮気したんは?」
「それも!!」
バシンッ、と頬に走る痛み。
久しぶりの口の中が切れるほどの頬の痛みに身体が震える。
「口答えすな」
「……申し訳、ございませんっ」
「五条とこの坊と仲良しなんて頭おかしいやろ。
しかもコイツ一般の出やろ?
そないな奴らと楽しくやってるなんてお仕置き、必要やろ?」
思い出すお仕置きに身体が震えるのが止まらない。
逃げ出そうにも、視界に入る兄妹と母の恐怖に染まった顔から目を逸らせない。
「選べや。
自分からお仕置き受けるか、それとも」
ーーー自分の代わりに妹ちゃんが代わりになるか?
囁かれた言葉は恐ろしいものだった。
どうする?と優しく微笑んでいるこの人の機嫌をこれ以上悪くしてはいけない。
「私が……っ、私が、悪いです。
家族は関係ありません……っ!!
私が、私が直哉様を裏切る行為を致しました……っ」
「そか……なら、仕方ないな」
腕を引かれ、いつの間にか止まっていた車に乗せられる。
行き先はわかっている。
直哉様の部屋だ。
「本当は高専卒業するまで待とう思ってたんやけど……名前ちゃんが俺の目の届かんとこで悪さしとるならもぉええやろ?」
「直哉、様?」
「今でも後でもヤることは変わらん。
名前ちゃん……役目、忘れた訳ないやろ?
」
「っ!!」
「断るなら断ってもええよ?
その代わり……妹ちゃん、いくつやったっけ?」
直哉様の抱き着く腕が重い。
耳元で話される言葉が怖い。
呼吸が苦しい。
涙が止まらない。
「泣いとんの?」
「……っ」
「許さんよ。裏切ったのは名前ちゃんや」
噛み付かれた首が痛い。
お父さんの血塗れた姿が頭から離れない。
家族の恐怖に染まった泣き顔に心が痛い。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
少しでも楽しいと思えた日常を望んでしまって……。
少しでも普通に戻りたくなってしまって。
自由になりたいと手を伸ばして。
「言ったろ?離さんって」
天井と直哉様の顔しか見えない。
伸ばした手は、直哉様に握られた。
「助けて……っ!!
助けて、お姉ちゃんがっ!!」
『……泣くな』
「お願いっ!!お姉ちゃんを、お姉ちゃんをっ!!」
『わかってる。
連絡してくれてありがとな。
後は俺に任せろ』
あとがき
禪院直哉がツボりそうでしんどい!!!!!
なんだよあの北さん!!!
ちゃんとやらなアカンって言わせたくなるじゃん!!!
なのに北さんと違ってクソ野郎感半端ない!!!
皆さんのツボに入りますよね!?
入って!!!!(笑)
話し言葉は適当なので突っ込まないでください。
名前ちゃん
ピュアピュアのピュアっ子が直哉くんによって洗脳と調教されてしまっている。
あるかわからん捏造の御三家会議in禪院家に連れてこられた五条悟と出会って東京高専ご招待される。
クラスメートに洗脳と調教を少しずつ緩和されたらなんと……誰にでもついていくピュアっ子が生まれた。
すいません、道を……あ、わからないのでちょっと付いてきて……ってーのに引っかかる。
一人で置いとくとナンパされて簡単に連れ去られる。
クラスメートは手が離せない(ガチ)
直哉くん
初回登場でトレンド入りを果たした。
きっと五条さんと同世代(だといいな)
そして交流戦で夏油を一般の出だと馬鹿にして「次期当主と噂で聞いていたが……すまない、私相手じゃ本来の力を発揮させてあげられなかったようだ」って夏油にボッコボコにされてそう。
我が家では今回鬼畜使用。
この後悟くんにお姫様奪還される。
実は名前ちゃんに一目惚れしたものの、素直になれないツンツンツンツンデレ。
愛情方法間違っちゃう人。
悟くん
次回があったら禪院家に術式ぶっぱなしてお邪魔しますしちゃう人。
そしてお姫様を婚約者にしちゃう人。
幼い頃に胎にされる憐れな奴だと思ったが、小動物みたいにプルっプルしてて加護欲生まれた。なるほど、これが母性!!
高専誘うのに女に手を出すヤベェ婚約者から引き離そうと色々理由まで考えて、行動まで指定した。
入学式に来ないのは予測済み。
そして夏油煽って大喧嘩の末1日で親友に。
目が離せないピュアっ子に加護欲と独占欲と愛情がごちゃ混ぜになった。
この度、妹ちゃんから電話来て出たら内容聞いて危うく携帯粉砕するとこだった。
OK。待ってろ(アップスタート)
傑くん
入学式に婚約者とイチャついて遅れていると聞いてどんな子かと思ったらピュアっ子だった。
話しかける度泣きそうな顔されて口をつぐまれ悟の顔を見て許可を貰う姿に最初の頃は心が折れた。
洗脳されて、婚約者の許可が無いと話せないと言われて虚無虚無プリンなった。
初めて声を掛けられた時は目頭押さえた。
初めて任務で一緒になった時、街を歩いたら10秒でキャッチに捕まり連れ去られたのを目の当たりにし、固まった。勿論すぐに救出。
その後、歩く度いなくなるので最終的に手を繋いで歩いた。
妹ちゃんからの電話を聞いてアップを始めた。
OK、悟。微力ながら手伝うよ。
硝子ちゃん
同じく婚約者と〜を聞いて同性とはいえ仲良くなれないな、と思ったら小動物来た。
何か常にプルプルしていて、寮に入ってもプルプルしてたので観察しつつ面倒見てたら懐かれた。
婚約者のクソ具合に、全て訂正入れた。
自然とクラスメートと話せるようになったと思ったら、クラスメートが保護者になってた。
お出かけして理由がわかり保護者となる。
妹ちゃんからの電話を聞いてアップを始めた。
OK。何度でも反転術式使ってやるから何度でもぶちのめせ。じゃなかったらギリギリまでなら許す。殺れ。
って感じのストーリーを書きたい。
が、直哉さんの口調がいまいちわからないから出きるなら京都弁?あれ何?どこ?
って感じなので話し言葉を突っ込まないで。
ノリとテンションと夢だから!!!!!
禪院直哉様。
私は彼の婚約者となった。
これといった才能の無い私だが、遠いながらも禪院の血が流れている。
血が濃くなれば異形が産まれやすくなるからと、遠い昔に禪院家と契った過去があったらしい我が家が指名された。
我が家では呪術師としてもうほとんど術式を受け継いでいる者はいない。
父が受け継いだのは結界術式。
小さな結界に呪霊を閉じ込め滅する術式。
人を守ることにも攻撃にも使用できるものの、綿密な呪力コントロールが必要となってくる。
私も父から指導され、なんとか三級を祓えるレベル。
昔はとても強い力があったらしいが、今となっては……。
今後、伸びる可能性などない落ちぶれた家。
そんな我が家が禪院家からの指名を断れる事など出来ず、精一杯のお洒落をして行った先……居たのは禪院直哉様だった。
直哉様は柔らかな笑みを浮かべ、優しく対応してくださった。
一時の婚姻関係で、昔からのしきたりで年の近しい者の中から選ばれるだけなのだと、堅苦しい事ではないと。
その話にほっとした父と母はよろしくお願いいたしますと頭を下げて婚約が成立。
まずは交流を増やし、仲を深めようと直哉様に本家へ呼ばれることが増えた。
直哉様の婚約者として御三家の話し合いの場に連れられることも。
直哉様は優しかった。
何もわからない私に色々と教えてくれた。
「アンタ録な術式でも無いから胎としてしか扱えんやろ。まぁ、術式ある分マシやと思うで?
俺の子を産むからにはちゃぁんと継いでくれんとな」
優しく、優しく。
ゆっくりと真綿で首を絞めるように。
私の知らない私の立場を私に分からせる。
「逃がさんよ。
同い年の子らの中でも一番マシな面やったんやから」
私は直哉様の子を産む為だけの胎。
直哉様の術式、又は禪院家の術式を持つ子を産めなかった場合私に価値など無いのだと。
顔が少しだけ直哉様に気に入られただけ。
「大丈夫。
ちゃぁんと愛したる。大事にしたるよ。
名前ちゃんが俺の言うこと聞いてくれるなら」
禪院家に嫁入りする立場として、幼い頃から色々教わった。
直哉様は時期当主候補として争っている。
彼を支え、彼の子を産み、よりよい術式を受け継がせることのみが私の使命。
本家の子である直哉様から要らないと言われるまでは私の家から断ることなど出来ない。
それに、没落していた我が家に寄付金を与えたのは直哉様だ。
父と母と兄妹らを私の我が儘で路頭に迷わせるわけにはいかない。
「男を立てて三歩後ろを歩き。
キミなら出来るやろ?名前ちゃん」
「はい、直哉様」
「ん。ええ子やね」
直哉様は優しい。
私が粗相した場合きちんと叱ってくれる。
直哉様に相応しくなれるよう指導なさってくれる。
バチンッ
頬が痛い。
けど、私が悪い。
直哉様のご意志に反してしまったのだから。
「駄目やで、名前ちゃん?
俺の事だーい好きやろ?せやったらちゃーんと俺の事褒めな。
ええんやで?名前ちゃんのお家にあげたの全部返してもらってこの縁談終わりにしたっても」
「も、申し訳ございません!」
「学習しないグズは嫌やで?
まぁ、そこが名前ちゃんの可愛らしさでもあるんやけど」
馬鹿で、間抜けで、のろまな名前ちゃんは可愛らしいね……。
時々苛つくんは堪忍な?
直哉様は優しいから何度も粗相してしまう私を叱ってから抱き締めてくれる。
ぶった頬に触れられるのは痛いけれど、ちゃんと謝ってくれるし治療室に連れていってくれる。
私は直哉様に愛されているし、大切にされている。
直哉様の期待に答えられない私が悪い。
だから、涙を溢すなんて間違っているのにーーー
治療室帰り、庭に佇み一人隠れて涙する。
いつもいつも、ここで耐えてからまた直哉様の元へ戻る。
泣くな。
泣けば目が腫れて不細工になる。
直哉様に私の泣き顔や腫れた顔を見せるわけにはいかない。
耐えろ、耐えろ耐えろ耐えろ!!
いつもの事。
耐えなければ家族を失う。
溜まった涙を流さないように上を向いて空を見上げる。
よく、晴れていた。
雲一つない青空はとてと綺麗で……美しかった。
「何してんだよオマエ」
聞きなれない声に振り向けば、そこには白い髪に空色の瞳があった。
「泣いてんの?」
「え、あの……」
大変だ。
直哉様の許可無く知らない人と話してしまった。
キュッ、と口を結び下を向けば……耐えていた涙が溢れてしまった。
「っ!!」
一度泣いてしまえば、ボロボロと溢れてしまう。
慌てて着物で目を押さえつけようとするものの、着物も直哉様が用意したものだ。汚すわけにはいかない。
「頬殴られたのかよ」
「あ……っ」
「うわ、酷。俺反転術式使えねーんだよ」
直哉様意外に触れられた。
その事にこれが知られればこの後何をされるのか怖くて身体が震える。
「ご、めんなさい。ごめんなさいっ」
「は?」
「ごめんなさい……っ!!どうか、どうか誰にも口にしないでください!!」
「オマエ……何言って」
「ごめんなさい!ごめんなさいっ!!
直哉様に知られたら……っ」
震えが止まらない。
家族がどうにかなってしまうなんて考えたくない。
この人がどなたか知らないが……万が一、直哉様のお耳に入れば……。
「何でもしますっ!だから、だからどうか……っ」
「あーもう、うっせーよ!黙れ!!
俺だって今逃げて来て隠れてんだから黙れって!」
空色の瞳が近い。
一緒にしゃがみこんで草むらの影に隠れれば、パタパタと走り回る音がした。
その音に身体が震えてしまうが、暖かな腕と穏やかな心臓の音に身体が固まった。
「黙ってろよ」
ぎゅっ、と小さいけれど温かな腕の中。
驚いて涙が止まる。
直哉様の腕は怖くて、重くて。
ぎゅっとされても安心出来なくて……。
なのに
この人の腕の中は安心した。
ほぅ、と呼吸が出来る。
パタパタした足音は止み、静寂が戻る。
「行ったな」
「……あの」
「オマエ名前は?」
「……名前、です」
「俺悟。たまに此処来るから次も居ろよ」
「え?」
「泣いてた事や触った事内緒にしてやるから。
だから次も此処で待ってろ」
「あの、私…」
「約束な、名前」
いつ来るのか、なんてわからないのに。
直哉様からの約束を破っているのに。
自由な空色が楽しそうに笑うから、指を絡めて約束を交わした。
この後、直哉様が迎えに来るまで私は庭でボーッとしていた。
直哉様には文句を言われたが、屋敷内が慌ただしく女中と間違われ何かの捜索を任されていたのだと嘘をついた。
何か、は知らなかったのであそこで困っていたのだと説明をすれば直哉様は笑って私は馬鹿だから仕方ないと許して貰った。
それから私はちょくちょく直哉様の許可を貰い、屋敷の掃除を申し出た。
幸いにも空色の方がいた場所は直哉様の管轄内。その庭が気に入っているから自分で手入れをして直哉様に見せたいのだと機嫌の良い時に言えば許可が降りた。
直哉様から離れられる理由が出来て、少しだけ呼吸が楽になった。
庭を手入れしていれば余計な事を忘れられた。
草花に触れ、池の鯉に餌やりをしていれば少しだけ気持ちに余裕が出来た。
「よっ」
「悟様」
あれから何度も悟様は約束通り言いふらしたりせず足を運んでくれた。
悟様はどうやらお偉い方らしく、私は会ったことが無いような上層部の方々の名前を上げては文句を言っている。
私のお菓子で申し訳ないが、不機嫌な悟様にお菓子を渡せば嬉しそうに飛び付く姿が面白くて笑ってしまう。
「名前」
「はい?」
「来年高専だろ?東京来いよ」
「でも……」
「俺も東京行くし。あと、反転術式の使い手も来るんだってさ」
「……反転、術式の?」
「名前練習してたろ?京都には反転術式の使い手いねーしそれなら東京の方が名前の勉強にもなるだろ」
「許可……出るかな?」
「例の婚約者には直接言わず親に言えよ。
で、親説得してから名前の婚約者に婚約者の為に反転術式を覚えたいって親から言って貰え。
それで……」
悟様の言葉を信じ、親にお願いしてみた。
最初は渋られたものの、貴重な反転術式を習得すれば禪院の、直哉様の為にもなると判断してくれた。
親からのお願いとして直哉様に申告すればいい顔はされなかったものの、両親の前では比較的良心的な直哉様は許可をくれた。
「なんで名前ちゃん京都やないの?」
「ごめんなさい……私一人では勉強がはかどらなくて」
「名前ちゃんが反転術式使えるんなら俺にとってもええことやけど」
「……離れるのはとっても寂しいし、辛いです。けど、いつまでも直哉様に甘えていてはいけないと言われ……直哉様の為に頑張ります」
「ふぅーん。甘えててええのに。
どこの誰が言ったんかなぁ」
髪をすく直哉様の手に力が入る。
少し引かれた髪の毛が痛い。
「浮気はあかんよ?」
「私には直哉様だけです」
「しゃーないなぁ。ちょくちょく帰って来てな?」
「はい」
まさか。
まさかまさかまさか。
こんなにも上手くいくとは思わなかった。
ギリギリまで東京には行かず、直哉様と居たくて……と我が儘を言い共に過ごした。
直哉様からそろそろ入学に遅れるから、と送り出してくれた時は泣いてしまった。
入学式には間に合わず、1日遅れての入学となったものの……
東京の高専に行けば、待って居てくれる人がいた。
「よぉ、1日遅れの大遅刻した問題児」
「悟様!!」
「知り合いかい?」
「婚約者と離れたくなくて駄々っ子した問題児じゃん」
悟様は何故かボロボロだった。
そしてお団子に独特な前髪のセンスをお持ちの男の子もボロボロ。
泣き黒子のある女の子。
「上手くやれたんだな」
「はい!しっかり送り出されるまで媚びて来ました!」
「やるじゃん」
ケラケラ笑って頭を撫で回される。
理解していない同級生二人は頭を傾げている。
「傑、硝子。
コイツ名前。
婚約者に胎扱いされてボロクソ洗脳されかかってるから優しく接してあげて」
「「は?」」
「名前、傑は一般家庭の出だけど俺と同じくらい強いから困ったら盾にしろよ。
硝子は名前がお勉強したい反転術式の使い手だからしっかり教えて貰え……理解できんなら」
「ふ、不束者ですが……よろしくお願いいたします。傑様、硝子様」
「「えっ」」
「んで、わかってると思うけど俺は五条悟!
五条家とか禪院家とか無しにこれからも仲良くしような?あ、様付け禁止な」
「………五条?」
「おう」
「……五条…悟、様?」
「様付け禁止」
なんという事でしょう……。
私は五条家のご子息とは知らず、今までお話を……。
流れるように地面に頭を擦り付けようとしたが、悟様に止められた。
「傑、硝子。名前ってめちゃくちゃいい子だから悪さ吹き込むなよ?」
「悟……キミが言うことでは無いと思うよ」
「まずその宇宙人状態止めてやれよ」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい……」
「手離したら土下座して動かないぞコイツ」
「「あぁ」」
そんなやり取りをしたことすらお恥ずかしくなるくらい、三人には良くしてもらった。
今では三人を様付けせず、目を見て話す事が出きるほどには普通になれた。
「硝子ちゃん」
「何?」
「あのね、今度の休み此処に行ってみたいの」
「いいよ」
「ありがとう」
「いいなー!俺もいきたーい」
「悟くん」
「どうせなら四人で行かないかい?」
「来んなよ」
「ピュアっ子の名前の保護者いないと駄目だろ?すぐキャッチ捕まるし」
「変な輩に素直に付いて行ってしまうからね……」
「……よし、来い」
悪気は無いのだが……直哉様以外と話してはいけない状況だった事に慣れてしまったのが、徐々にクラスメートと談笑する楽しみを覚え、街で声を掛けられると反応してしまう。
困っているというから付いて行ってしまうのだが……良くない事だったらしい。
「はい、お出かけのお約束!」
「えっと……知らない人に付いて行ってはいけません。
困っている人がいても無闇に近寄らず、同行者に相談する。
困ったら三人に連絡する。
必ず三人の誰かと手を繋ぐ!」
「……子供のお使いかよ」
「いいや、硝子。これくらいが打倒だよ」
子供より子供扱いをする三人だが、出掛けた日……私は三人が少し余所見をした瞬間に迷子を見付けてしまい離れた。
親はすぐ見付かったものの、三人とはぐれて困ってしまった所に見知らぬ男性に囲まれあれよあれよという間にカラオケボックスに連れられそうな所を傑くんに発見された。
この後めちゃくちゃ三人から怒られたものの、心配したとそれぞれから抱き締められた。
「名前、いいカモに見えるから凄い狙われやすいんだ」
「意味わかんね!!なんでたった一瞬で消えるんだよ!?」
「探すよ。五条、眼使え。何のための六眼だよ」
「迷子探しじゃねーことは確かだよ!!」
お出かけする時は必ず二人以上で誰かと手を繋いで離さない約束が追加された。
東京の高専はとても楽しかった。
私が私らしく居られて。
傑くんも、硝子ちゃんも、悟くんも。
皆優しくて、楽しくて、居心地が良かった。
だからかな?
私は浮かれていた。
私は私の立場を忘れていた。
「名前、オマエの両親から連絡があった。
今すぐ帰って来て欲しいと……父親が倒れたらしい」
「え?」
「授業は出なくていい。急げ」
夜蛾先生に呼び出され、告げられた内容に驚いた。
三人に言う暇も無く、京都への新幹線のチケットを取って制服のまま帰る。
ドキドキとうるさい心臓を押さえ、家につけば……出迎えてくれたのは直哉様。
なぜ、ここに?
ヒュッ、と息が詰まる。
「久しいな、名前ちゃん」
優しい笑顔を浮かべ、抱き締めてくれる。
手を引いて玄関のドアを開け……私を廊下へ放り投げた。
受け身は取ったものの、すぐに背中に足を乗せられ肺が圧迫される。
「悲しいわぁ。ええ子の名前ちゃんなら俺との約束守ってくれると思っとったのに」
「かはっ」
「向こうでえらく楽しくやってんやねぇ」
バラバラと落とされたのは写真。
傑くんと、硝子ちゃんと、悟くんと。
楽しく出掛けていた写真の私は笑っていた。
「浮気、良くないなぁ」
「違っ」
「お父さんにも嘘言って俺の事騙すなんて酷いわぁ」
「う、そ?」
「やからお父さん。お仕置きされるんやで?」
直哉様の言葉にゾクリとした。
髪を引かれ、引きずられて行った先
お父さんが血塗れで倒れていた。
「おと……お父さんっ、お父さん!!」
「大丈夫。生きとるよ」
慌てて駆け寄り、反転術式を使う。
硝子ちゃんみたいに他人に使うのは慣れておらず完璧とまではいかないものの、出血を止める事は出来た。
部屋の隅では兄妹と母が泣きながら震えている。
「お?ちゃんと反転術式は成長しとるな。
なら反転術式の話は嘘やなかったんか」
「ち、違います!嘘ではありません!!」
「なら名前ちゃんが浮気したんは?」
「それも!!」
バシンッ、と頬に走る痛み。
久しぶりの口の中が切れるほどの頬の痛みに身体が震える。
「口答えすな」
「……申し訳、ございませんっ」
「五条とこの坊と仲良しなんて頭おかしいやろ。
しかもコイツ一般の出やろ?
そないな奴らと楽しくやってるなんてお仕置き、必要やろ?」
思い出すお仕置きに身体が震えるのが止まらない。
逃げ出そうにも、視界に入る兄妹と母の恐怖に染まった顔から目を逸らせない。
「選べや。
自分からお仕置き受けるか、それとも」
ーーー自分の代わりに妹ちゃんが代わりになるか?
囁かれた言葉は恐ろしいものだった。
どうする?と優しく微笑んでいるこの人の機嫌をこれ以上悪くしてはいけない。
「私が……っ、私が、悪いです。
家族は関係ありません……っ!!
私が、私が直哉様を裏切る行為を致しました……っ」
「そか……なら、仕方ないな」
腕を引かれ、いつの間にか止まっていた車に乗せられる。
行き先はわかっている。
直哉様の部屋だ。
「本当は高専卒業するまで待とう思ってたんやけど……名前ちゃんが俺の目の届かんとこで悪さしとるならもぉええやろ?」
「直哉、様?」
「今でも後でもヤることは変わらん。
名前ちゃん……役目、忘れた訳ないやろ?
」
「っ!!」
「断るなら断ってもええよ?
その代わり……妹ちゃん、いくつやったっけ?」
直哉様の抱き着く腕が重い。
耳元で話される言葉が怖い。
呼吸が苦しい。
涙が止まらない。
「泣いとんの?」
「……っ」
「許さんよ。裏切ったのは名前ちゃんや」
噛み付かれた首が痛い。
お父さんの血塗れた姿が頭から離れない。
家族の恐怖に染まった泣き顔に心が痛い。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
少しでも楽しいと思えた日常を望んでしまって……。
少しでも普通に戻りたくなってしまって。
自由になりたいと手を伸ばして。
「言ったろ?離さんって」
天井と直哉様の顔しか見えない。
伸ばした手は、直哉様に握られた。
「助けて……っ!!
助けて、お姉ちゃんがっ!!」
『……泣くな』
「お願いっ!!お姉ちゃんを、お姉ちゃんをっ!!」
『わかってる。
連絡してくれてありがとな。
後は俺に任せろ』
あとがき
禪院直哉がツボりそうでしんどい!!!!!
なんだよあの北さん!!!
ちゃんとやらなアカンって言わせたくなるじゃん!!!
なのに北さんと違ってクソ野郎感半端ない!!!
皆さんのツボに入りますよね!?
入って!!!!(笑)
話し言葉は適当なので突っ込まないでください。
名前ちゃん
ピュアピュアのピュアっ子が直哉くんによって洗脳と調教されてしまっている。
あるかわからん捏造の御三家会議in禪院家に連れてこられた五条悟と出会って東京高専ご招待される。
クラスメートに洗脳と調教を少しずつ緩和されたらなんと……誰にでもついていくピュアっ子が生まれた。
すいません、道を……あ、わからないのでちょっと付いてきて……ってーのに引っかかる。
一人で置いとくとナンパされて簡単に連れ去られる。
クラスメートは手が離せない(ガチ)
直哉くん
初回登場でトレンド入りを果たした。
きっと五条さんと同世代(だといいな)
そして交流戦で夏油を一般の出だと馬鹿にして「次期当主と噂で聞いていたが……すまない、私相手じゃ本来の力を発揮させてあげられなかったようだ」って夏油にボッコボコにされてそう。
我が家では今回鬼畜使用。
この後悟くんにお姫様奪還される。
実は名前ちゃんに一目惚れしたものの、素直になれないツンツンツンツンデレ。
愛情方法間違っちゃう人。
悟くん
次回があったら禪院家に術式ぶっぱなしてお邪魔しますしちゃう人。
そしてお姫様を婚約者にしちゃう人。
幼い頃に胎にされる憐れな奴だと思ったが、小動物みたいにプルっプルしてて加護欲生まれた。なるほど、これが母性!!
高専誘うのに女に手を出すヤベェ婚約者から引き離そうと色々理由まで考えて、行動まで指定した。
入学式に来ないのは予測済み。
そして夏油煽って大喧嘩の末1日で親友に。
目が離せないピュアっ子に加護欲と独占欲と愛情がごちゃ混ぜになった。
この度、妹ちゃんから電話来て出たら内容聞いて危うく携帯粉砕するとこだった。
OK。待ってろ(アップスタート)
傑くん
入学式に婚約者とイチャついて遅れていると聞いてどんな子かと思ったらピュアっ子だった。
話しかける度泣きそうな顔されて口をつぐまれ悟の顔を見て許可を貰う姿に最初の頃は心が折れた。
洗脳されて、婚約者の許可が無いと話せないと言われて虚無虚無プリンなった。
初めて声を掛けられた時は目頭押さえた。
初めて任務で一緒になった時、街を歩いたら10秒でキャッチに捕まり連れ去られたのを目の当たりにし、固まった。勿論すぐに救出。
その後、歩く度いなくなるので最終的に手を繋いで歩いた。
妹ちゃんからの電話を聞いてアップを始めた。
OK、悟。微力ながら手伝うよ。
硝子ちゃん
同じく婚約者と〜を聞いて同性とはいえ仲良くなれないな、と思ったら小動物来た。
何か常にプルプルしていて、寮に入ってもプルプルしてたので観察しつつ面倒見てたら懐かれた。
婚約者のクソ具合に、全て訂正入れた。
自然とクラスメートと話せるようになったと思ったら、クラスメートが保護者になってた。
お出かけして理由がわかり保護者となる。
妹ちゃんからの電話を聞いてアップを始めた。
OK。何度でも反転術式使ってやるから何度でもぶちのめせ。じゃなかったらギリギリまでなら許す。殺れ。
って感じのストーリーを書きたい。
が、直哉さんの口調がいまいちわからないから出きるなら京都弁?あれ何?どこ?
って感じなので話し言葉を突っ込まないで。
ノリとテンションと夢だから!!!!!