五条
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初めまして。
どうも、一条 名前です。
私の幼馴染にはとある界隈ではうん百年ぶりのほにゃららな何かすごーい諸々ハイスペックを持つ人がいます。
はい、お分かりですね?皆さん。
pixivとかその他の設定でよくある、転生者ものである。
ちなみに今回、今大人気の呪術の世界ね。
転生する前の記憶がありますとも。
そして死んだ時の記憶もありますとも。
私の前世の事はここでは割愛しよう。
はい、皆さんが何万回も見たであろうやつです。それそれ、話わかるねーだいたいあってます。
そんなこんなでよろしいですね?
ほらほら、続きがあるのでどんどんいきますよー。
はい、理解が早い皆さん大好き。仲間。
そして、お分かりかと思うが幼馴染は公式イケメンの彼ーーー五条悟だ。
うんうん、設定見たことあるよね〜??
私もあったぁ〜〜。
で、だ。
幼馴染だからほら、色々あるわけでpixivよろしくくっつけようとするお上様の陰謀により……たかだか一桁の子供達がね、無垢な心を親からの圧とドロッドロの欲によりとにかく気に入られろと送り込まれるやつですよ。
同じ年頃だから遊びなさい、と年頃の近い女の子達が集められ五条悟へさとるさまぁ、さとるさまぁ!!とベタベタベタベタ。
頭のよろしいオマセさんな五条悟はその裏をしっかり読み込みうっぜぇ!!とキレ散らかす。
その呪力と圧と顔面力により泣き出す女児達。
地獄か、ここ。
泣き叫ぶ女児複数名。
マジギレの五条悟を落ち着かせようとする大人達。
それを黙って観察する私。
ほら、私の精神年齢はここに居る誰よりも大人かもしれんからさ……先の読める私は黙ってずーーっと成り行きを見てたわ。
しつこくされたら子供だって怒るじゃん?
怒りだして手のつけられなくなった子供を宥めるって大変じゃん?
関わりたくないじゃん?
そりゃ、黙って見るよね。
いくら推しの幼少期とはいえ子供とは時に悪魔にもなるわけです。
その結果、こちらにも火の粉が。
「さっきからジロジロ見てんじゃねーよ、カス」
わぁ、お口が悪い。
何てこった。
「オマエもこんな奴らと一緒になって媚び売りに来てんじゃねーよ。
毎回毎回家に来ては引っ付き周りやがって」
しゃーないですやん。
こっちだってさ、来たくもないのに親の女子会やら会合やらあるなら連れて歩かれるわけ。
ちなみにそのたびに、たっかい着物を着せられ着飾らされるんだぞ?
着物汚してみろ。親に怒られんの私だぞ?
そして親元に居ようとしてもポイって追い出されるから散歩してるだけ。
汚れないよう、そして時間が潰せるように庭園とか歩いたり、軒下でボーーーっとしてるだけ。そこへキミが私の行く先々にいるだけ。
道を変えようとしたらなぜか着いてきてるのキミな?
「目障りだ。消えろよ」
女児にキャーキャーされたのにマジギレな五条悟。
「ガキ(だからしゃーないよな)」
「あぁ!?」
やべ、声に出てた?気のせい気のせい。
しかし良くないだろ。女の子は未来の宝。
優しくしようよ………って思うところはあるが、権力者に逆らったらいけない。
あとイケメンに逆らったらいけない。
つまり、私は五条悟の言葉に従いこの面倒な現場から解放!!ひゃっほい!!
って事を繰り返しながら数十年。
「何とか言ったらどうなんだよ」
なぜか中学2年の五条悟に股ドンされながら威圧されてる。
一般の中学に通っている私達。
今回も毎度の事ながら顔だけはいい五条悟に女の子が集まり囲まれチヤホヤされていた現場に居合わせただけ。
私はその現場をじっと見ていただけ。
そして立ち去ろうとしたのに、突然腕を捕まれ裏に引っ張られ壁に押し付けられ股ドン。
ねぇ、私何かした?してないよね?
ここ数年……私は五条悟に嫌われている。
顔を合わせれば文句を言われ、それが面倒になり遠目に居ればわざわざ近寄ってきて舌打ちされ、暴力的に私の近くの物に八つ当たる。
やめろ。
オマエわりとゴリラなんだからヤメロ。
破壊良くない。
「説明が足りない」
そんな嫌いならほっといてくれよ。
今回だって私何した!?視界に入ったのがアウト?厳しすぎない?
説明してよぉ。
何で私股ドンくらってんの?
たま無くてもヒュンッてなるやつ。
あ、下品?失礼。
「いちいち女送り込んで何考えてんだよ。
オマエの息が掛かった奴らなんざいらねーよ」
はてさて?
一体何の事やら?
思い当たる事は一度もない。
だって私が?五条悟に?女の子を送り込む?
それして私に何の得があんの?
確かに!!
私はさ、ほら……前世からのファンですよ、貴方の。
そのお顔の良さと漫画だから許される性格の悪さに惚れました。そして妄想の中で何度も何度も抱かれました。結婚して子供と共に幸せな人生を妄想しました。
そして君と同級生や後輩や生徒とイチャイチャするモノも拝見しましたよ。
送り込むなら同級生を是非とも並べて視界に収めたい。
なんなら同級生と共に先生してくれと願ってる。
そんな先生サンドイッチでキャッキャうふふしたい夢女子です。
だからこそ前世の知識からキミの親友枠の彼を助けよう!!………なーんて事はしてません。
よく考えてくれ。
私が生きている間には親友の誕生日諸々はまだ出ていなかった……つまり、実家も住所も知らないんだよ。
それなのに今から凸る?むりむり。
個人情報大事。
前世の知識があろうが、無理なことはいっぱいあるのだよ、諸君。
何より私がクッソ雑魚い。
黄金時代を彼ら同等の任務で動ける自信皆無。
話を戻すけどね……五条悟に恋に恋をしていても、現実に出来るか?と問われれば否。
だってさーーー子供の頃からなんっっかしらんが嫌われてるんだぜ?
顔を合わせたら舌打ちだぜ?
心折れるじゃん。
けど、推しは眺めたいじゃん?
だから関わらずに眺めていただけなのに………
いつの間に私は五条悟に泣かされるとわかっていながら女の子を送りつける非道な女認定されてんの?
いやまぁ、確かに幼馴染だからっつって紹介してよーとか、アンタの名前使わせて話すきっかけに〜とか諸々あったから、お好きなようにと言ったさ。
その代わり、私まじで嫌われているから名前使っても意味ねーよ?と念押し。
結果、女の子惨敗。
可哀想じゃん、女の子。
キャッキャウフフな気分から自分より美の化身からボロクソ言われて惨めな気持ち味あわされるって地獄じゃね?
惨敗した腹いせに私に……同情と何したらあそこまで嫌われるんだと女子達に軽蔑された。
何もしてないけどあんなんですよ。ぴぇん。
そもそも私、五条悟との接点ほぼ無いし、上のお偉方とも特にコネ無いのにそんな無駄なこと私がすると思ってんのか五条悟……お子ちゃまだなぁ。
お子ちゃま思想の五条悟にほっこり。
おばちゃん、そーゆーキミの自意識過剰わりと嫌いじゃないよ。
あとね、顔近いよ?
なんで股ドンしながらかがんでメンチ切るの?
可愛い顔面が目の前にあって視界の暴力なんだけど?
推しの顔が目の前いっぱい。幸せをありがとう。
そもそもこれはあれか?私の妄想か?
実は英語が嫌すぎて見てる夢かな?
夢だとしたらありがてぇ!!ここに来てこの美人の顔面を視界いっぱいに私が独占出来るってありがてぇ!!
昨日徹夜しながらアニメ観てたから毛穴開いてない?大丈夫?隈とかやばそ。
私の汚い顔面も見られてる申し訳なさが込み上がる。
いや、夢だから私も美化されてるはず……!!
なら良くね?夢なら好きにしてもいいかな?いいともー!!
顔近いしちゅーしても夢だから怒られないよね?だって推しのお顔が近い。つまりそういう展開。
スケベしたいって思うじゃん?(徹夜のテンション)
右手を目の前の白い髪に手を伸ばし、左手は頬へ。
しかし、悲しきかな触れられぬ……。
「(スケベが)怖い?」
「あ?」
「無下限まで使って」
触れないよぉ。ぴえん。
大丈夫だよぉ。おねーたんがヨスヨスするだけだから。
(コンコッコッコン)「解いてよ」
心の中でノックしておく。
雪だるまつく〜ろ〜
さあ、ドアを開けて〜
一緒に遊ぼう〜
どうして?解いてくれないの〜?
「俺が?オマエを?
何をするかわかんねー奴に解かねーよ」
「(スケベ初心者?)強がってんの?」
「あ?」
あ、解けた。
ふいに無くなった無下限にふわふわの白い髪の毛が触れた。
スベスベのお肌きもちいい(語呂力皆無)
「オマエみてぇな奴相手に術式使う程もったいねーこ……っ!?」
何か言ってるけど、いただきまーす。
チュッ、とプルっプルの唇に触れる。
わお!!!素晴らしく私よりもプルっプルだ!!
その唇をハムハムと唇で食べる。うーん、プルっプル。レロリと舐めれば何かビクッとしていたけどよいよい。その反応初々しいぞよ。ええぞ、もっとしてくれ。普段クッソ生意気でも中身は14歳らしく初々しくあってくれ。
ってことで少し開いている唇の隙間に舌をねじ込む。
容赦?推しに容赦とかする?
現実の手出しは良くないが、夢ならいいじゃん?
顔がいい分初々しい反応とかめちゃんこ可愛い。白い肌を赤くさせて動揺した瞳は彷徨いどうしていいかわからず固まる五条悟。
つまり、エロい。
ぐっと頭を引き寄せてキュッと閉じた唇を再びハムハムする。
角度を変えるように何度も軟らかさを堪能。
ついでに頭の形を確かめるように撫でたりして、じっと五条悟の可愛さを目を開けて見る。
目を閉じてキス?
いやいや。可愛さ目と記憶に焼き付けるべきじゃん。
目が合うたび逸らして頭を上げようとするが、頭を抑える手に力を入れれば止まる。
頑なに唇を開かないようギュッとすれば、顔だけじゃなく身体にも力が入るらしくめちゃくちゃ不自然な格好で身体に力が入っているので頭を抑えてない手で肩や首や胸元に指を滑らせる。
そんな事していれば、どんどんトロンとしてきた五条悟は顔だけじゃなく首を赤くして恐る恐る……って感じに唇が開いた。
いただきます、と心の中で挨拶して容赦なく舌をねじ込んだ。
「っ!!ん、はぁ」
あ、エロ。
舌を擦り合わせて、溢れてきた唾液を吸って。
口の中を丹念に舌で撫でる。
恥ずかしさと気持ちよさでとろんと幼い顔立ちがますます幼くなるし、そもそも顔は美少女顔なんだからエロい。
あらやだ、これは本気出さねば。
辿々しい舌を絡ませて吸ってちょっと噛む。
五条悟からも舌を絡ませてきてくれたので流石夢。サービスがいいぜ。
唇を離せば透明な糸が伸び、ぷつんと切れた。
それを舐めとればピクッと身体が跳ね、そんな自分の反応が恥ずかしいのか先ほども真っ赤になっていたのにそれ以上に真っ赤になった。
「オ、マエッ」
「お子様が(可愛いさ増すから)吠えるなよ」
ドスケベじゃん!!
もう、五条悟は何を持たないの?ドスケベ過ぎてプルっプル震えてかーわーいーいー。
寝不足の頭で目の前の可愛い子犬をどうしてやろうか……と考えてふと我に返る。
あれ?私めっちゃセクハラじゃね?
夢の中とはいえちょっとやりすぎた?
いつもは虫を見下すように冷たい目を向けるのに潤んだ瞳でこちらに熱い視線を頂いている。
………寝よう。
きっと徹夜で連日アニメ観ていたからだ。
五条悟がただただ可愛らしい幼女にしか見えない。
身体でかいけど。
いたいけな幼女にセクハラして喜んでる精神的にババアは良くない。
夢の中だけど寝よう。
身体も心も休めないと駄目だ。
五条悟の頬を撫で、頭を撫で名残惜しいが保健室へ行く。
やべ、眠さ自覚した途端にめちゃくそ眠い。
保健室に入った瞬間私の記憶は全てブラックアウトした。
幼い頃、親から紹介された女………一条 名前。
家に来ては一人で五条家を散策していた変な女。
呪術師としては平凡な才能。
五条家に胡麻すりに来ている馬鹿な大人に使われるカワイソウな駒の一人。
ならば、この女も変わらず俺に胡麻すりに来るものだと思っていつものようにシカトした。
他の子供らは悟様と後ろを追いかけてくる。
大人はヘラヘラと顔を張り付けてペコペコしてる。
懸賞金まで賭けられ命を狙われ媚びを売られる毎日に嫌気がさす。
許嫁になる為に、家の為に、地位の為に……
俺の意思など関係無いというように勝手に進められる縁談。
何もかも嫌気がさす。
一度キレ散らかした時、思い出すのは一人じっと此方を見ていただけのアイツ。
「さっきからジロジロ見てんじゃねーよ、カス」
表情一つ変えず、黙って見てただけの女。
いつも無表情で庭を見たり、俺を見ても頭を下げるだけで何の感情も無く見つめる女。
「オマエもこんな奴らと一緒になって媚び売りに来てんじゃねーよ。
毎回毎回家に来ては引っ付き周りやがって」
コイツが一度も引っ付いて回った事など無いとわかっているのに口が止まらない。
いつも一人物静かなコイツ。
だけど、視界に入る全てに腹が立っていた。
八つ当たりもいいところだったが、この怒りを発散してしまいたい。
「目障りだ。消えろよ」
「ガキ」
「あぁ!?」
蔑むような冷たい視線を向けられ、初めての会話がこれ。
そのままスタスタいなくなる女。
この後俺は盛大に暴れた。
そしてその女の名前を頭に刻んだ。
一条 名前。
俺に媚びない、俺に意見する表情筋を使わない何考えているかわからない変な女。
媚びを売る気が無いくせに付かず離れずの距離にいる。
文句を言っても知らぬ顔。
嫌がらせをしても知らぬ顔。
術式使って驚かそうとしても知らぬ顔。
って事を繰り返しながら数十年。
アイツは俺が嫌いだが上の人間に言われ俺を監視する存在なのだと気付くと嫌悪感が増した。
「何とか言ったらどうなんだよ」
ムカつく。
ムカつくムカつくムカつく。
何年経っても付かず離れず。
女を送り込みどうにかしようとするコイツ。
何を監視したいのか、さっぱりわからないが常々じっと見つめるどこを見ているかわからない暗い瞳が嫌いだ。
今日もまた送られた女達。
一般人だろうとお構い無しになってきたのかよ。
そんなに俺の種が欲しいのかよ。
オマエにとって俺は人間ですらなく、優秀な呪術師を作る機械か何かかよ。
俺が反応しないとわかると残念そうな顔で立ち去ろうとしたから……思わず、ぷっつんときた。
立ち去ろうとする名前の腕を捕み裏に引っ張り連れ出す。
珍しく表情を崩し、驚いた顔で着いてくる名前。
その崩れた表情は少し気分がいい。奴を壁に押し付け股ドン。
これで逃げらんねーだろ?
いつもならスンッと表情が無いのに目を見開きうろうろと周りを見て困っている。
その表情にゾクゾクするほど気分が上がる。
俺を見て、呆れたような諦めたような顔をしてまた表情を無くす名前にイラつく。
顔を近付ければまた少し表情が崩れる。
眉間にシワを寄せ、迷惑そうな表情。
「説明が足りない」
説明?
何の説明をしろと?
オマエの差し金なのはわかってんだよ。
「いちいち女送り込んで何考えてんだよ。
オマエの息が掛かった奴らなんざいらねーよ」
昔からずっとだ。
ボーッとした名前は何を考えているかわからなかった。
友達になれるんじゃないかと思って様子を見ていたら、何も話そうとせず……まるで俺を見張るのが使命だとでもいうように俺を見る目が嫌いだった。
それだけならほっといたというのに、次には女共を宛がわれる。
年下、同級生、年上。
呪術師、非呪術師関係無く名前からの紹介だと口々にすり寄ってくる女達。
正直、ムカついた。
友達になれるんじゃないかと思っていたのに、まさかアイツも俺の事をただの道具の一つとしか見ていなかった。
俺が居なくなった後、術式と眼を持つ者を産ませる母体を宛がうアイツ。
どんな基準かなど知らぬが、俺が断るたびガッカリとした顔をする。
まるで我が儘な俺に呆れるように……。
何を思ったのか突然俺の髪に手を伸ばし、左手は頬へ。
しかし、術式を使っているのでピタリと止まってしまう。
名前が今まで直接何かをしてきた事は無いが、今までの数々の女を差し向けてきた女だぞ?
名前の術式が精神的なモノでは無いにしろ、薬なり呪物なりやりようはいくらでもある。
つまり、これは最低限の警戒。
だと言うのに……
「怖い?」
「あ?」
「無下限まで使って」
こてり、と頭を傾げる名前。
怖い?俺がコイツを怖がる?
そんなわけないだろ、と声を上げようとしたのに、真っ黒な何を考えているかわからない瞳がじっと俺を見る。
何かを見透かすように。
何を探るように。
「解いてよ」
普段は無表情の癖に煽るように口元を上げる。
見たことの無い表情。
「俺が?オマエを?
何をするかわかんねー奴に解かねーよ」
「強がってんの?」
「あ?」
煽られている。馬鹿にされている。
こんな奴に?
ふざけんなよ。
「オマエみてぇな奴相手に術式使う程もったいねーこ……っ!?」
………は?
これは一体何事だ?
頭を下に押されたと思ったら唇に軟らかな感触。
名前の顔が近い。
キス……されている?
俺の頭の中でたった今宇宙が広がっている。
何がどうしてこうなった。
煽られて術式解いたらキスされた。
……なんで?
いやいやいや!!おっかしーだろ!?
何でキス?しかも何か手慣れてねーか!?
唇をハムハムと唇で食べられてる。
は?なぜ?気持ちいいんだけど?
レロリと舐められればビクッとして我に返る。
やっぱおかしいだろこの状況!?
俺が襲うならまだしも、何で俺が襲われてんの?何で?何でなの?
しかも何でコイツ目を開けたままキスしてんの?
むちゃくちゃエロいんだけど?
普段何考えているわかわらないのに、今は薄く頬を染め、うっとりと此方を見つめる優しい瞳がじっと此方の反応を逃すまいと一挙一動見ている。
ぐっと頭を引き寄せられ、好きにさせまいとせめてもの抵抗としてキュッと閉じた唇。
だと言うのに再びハムハムされる。
角度を変え何度も唇を重ね、頭の形を確かめるように撫で、じっと目を開けて此方を見る名前。
目が合うたび逸らして頭を上げようとするが、頭を抑える手に力が入り、動けなくなる。
頑なに唇を開かないようギュッとすれば、顔だけじゃなく身体にも力が入る。
すると優しく触れるか触れないかの微妙な力加減で肩や首や胸元に指を滑らせられる。
エッチかっっっ!!!
ドキドキと高鳴る鼓動。
何もかもが初めてなのに、相手は気に入らない奴なのに……身体はアイツを許すかのように少しずつ力を抜いていく。
もっと、もっとこのキスに酔いたい。
もっと、もっとこの快楽に身を委ねたい。
もどかしさと気持ちよさと少しの期待。
今がお昼時間だなんて気にせず、学校の裏影で唇を重ねている俺達。
少しだけ。
少しだけ、この快楽を……
口を開けば容赦無しに舌が入って来た。
「っ!!ん、はぁ」
あ、エロい声出た。
舌を擦り合わせて、溢れてきた唾液を吸って。
口の中を丹念に舌で撫でられる。
恥ずかしさと気持ちよさでだらしない顔となっているのが自分でもわかる。
キスってこんなに気持ち良かったんだ、とぼんやりした頭で考える。
少し余裕が出てきたら舌を絡ませてみる。
俺よりも小さな口。
その舌も小さいというのに俺の口の中をちょこまか動き、擦り、吸いつき、ちょっと噛む。
いつまでお互い口付けていたのかわからないが、夢中になって口付けていた。
名前に押さえつけられていた頭は俺の頬を撫で、反対の手は俺の腰に。
俺は名前の頭を抑え、名前の腰を抱いていた。
唇を離せばお互いの口を透明な糸が伸び、ぷつんと切れた。
それを名前が舐めとる。
ピクッと身体が跳ね、そんな俺の反応にくすり、と笑う名前。
同じ年齢のはずなのに、名前の方が大人っぽく見えて悔しくなる。
「オ、マエッ」
「お子様が吠えるなよ」
にやり、と笑う名前。
いつもは無表情の癖に優しい顔をしながら俺の頬を撫で頭を撫で離れて行く。
子供扱いをされ、馬鹿にされ……
いいようにされていたから言い返せない。
マジでアイツ何?
唇の柔さが消えない。
「名前、起きた?」
目覚めたら五条悟がいた。
何事?
「オマエ……何考えてんの」
今キミが此処にいる理由だよ。
「俺にキスして」
え?あれ夢じゃなかった?
夢だけとー!夢じゃなかったー!!的なやつ?
どっちにしろ夢じゃねーじゃん!!
「上の奴らに今度はオマエが色仕掛けしろとでも言われた?」
言われてませんが?
あぁ、上って親?
親からはさっさと悟とくっついて「ママねー、悟くんからお義母さんって呼ばれてあわよくば『お義母さん……僕、お義母さんが……』『駄目よ、悟くんっ。私は貴方のお義母さんなのよ!』ってやりたい」って言われてる。
お父さんは「娘はやらん!!って一度やってみたいんだぁ」と言ってる。
ちなみに私と五条悟はそんな関係じゃないと言ってるのに、だ。
「言われてるよ」
「………オマエはそれでいいのかよ」
「今回は(夢だと思っていたから)失敗しただけ」
「失敗……?」
失敗どころか大失態だよ。
夢だと思ってやらかしたら現実ヤッホーでこんな恥ずかし……いや、やらかした感な。
五条悟に申し訳ねぇ。
女共から狙われ、大っ嫌いな私にキスされ……?
五条悟散々じゃん。すまねぇ。
「オマエ、言われたらそのままヤんのかよ」
「(五条悟から許可があるなら)やる」
「……オマエの考えがわかんね」
そうか?
出来るだけ顔に出ないよういつも顔引き締めている癖は出来たし、アニメの観すぎで寝不足だし日の光で目が!!目がぁ!!となり眉間にシワを寄せてしまうが……わりかしわかりやすくね?私。
アニメ観ながら発狂して、毎日ニタニタ絵師さんや夢書きさんの作品を見て親にドン引かれた我だぞ?
「私は……単純、だよ」
推しに金をつぎ込みたいが、私より金持ちだし、本人のベルトや脇にお金を差し込むわけにはいかない……しかしオタクとしてはお金を渡すことこそが最大の愛だと思っている。
つまり、どうやって推しにバレねぇようにこの想いを消化すべきか……と考え思い付いたのは
五条悟を題材としたあはんな本を売り飛ばして金稼いでる事。
そのお金は五条悟貯金として貯金してる。
いつか彼のご祝儀として差し上げたい。
ちなみにお相手はお団子頭の人だったり海外の血が混じってる人とか、13歳ほど年下の器とか、ヒモの息子とか。
その方々のもあるけど、割愛しておこう。
それぞれの貯金してるから大丈夫!!!
微妙に顔や特徴が被ってるだけで、似せているだけで別人だから大丈夫大丈夫。
「今回は(妄想と現実がごちゃ混ぜになり)失敗したけど次は(無いと思いたいがそんな事にならぬよう)努力はするよ」
「………ざけんなよっ!!」
え?なんでおこ?
やっべ?もしや私何か口走ってた?
自らオタク本暴露しちまってた?
「人の事どんだけ振り回してコケにすりゃ気が済むんだよ」
「(五条悟がエロくてエロに)弱いから」
「あぁ!?」
めちゃくちゃ怒らせてしまった。
「オマエが送り付けた女共を母体に選ばなかったからって次は嫌々オマエかよ!!」
「………ん?」
「やっぱ腐った上層部から送られてきただけあるな……命令なら嫌いな奴にすら抱かれるなんて」
「んん?」
私送り付けた事も焚き付けた事もないぞ?
あの噂信じてたの?ま?
あと、私君とキャッキャうふふは大喜びでヤるよ?
しかもうちの親の事……めっちゃディスるじゃん。いや、うちの親か?あれ?
うちの親別にお偉い人じゃないから違う?違くね?
「私キミが好きだよ?」
「はぁ!?」
「あと、上層部って何の話?」
「は?」
「ん?」
無言。
間抜け面も可愛いね、五条悟。
「オマエ俺の事嫌いだから監視してたんだろ」
「何の話?」
「五条家や呪術界上層部から言われて」
「何の話?」
「………は?」
何の話?
「……ちっさい時からいつも家に来てたのは何でだよ」
「キミのお母様とうちの母が仲良いからだね」
「オマエに紹介されたって来る女達は?」
「私が幼馴染だから私の名前出せば会話しやすいだろうと勝手に使われてるよ。
まぁ、私はキミに嫌われているから意味ないとは伝えているけど」
「いつも無表情なのは?」
「人前であまり表情出さないようにしてるんだよ」
「あのキスは!?」
「寝不足で夢と現実が混ざってた」
「はああああああああ!!?」
あ、ベッドに崩れ落ちた。
どうした?
ポンポンと頭を撫でればその手を捕まれる。
「……夢と現実が混ざるほど、夢に俺が出てくるくらい俺の事好きなのかよ」
「いや」
「は?」
好きじゃ足りない。
大好きどころか……
「愛してるよ」
「っ!!」
顔を真っ赤にする五条悟。
可愛い過ぎるんだが押し倒しても良いか?
あ、夢じゃないから駄目か。
………駄目かぁ(残念)
あとがき
今後も勘違いしていくであろうこの二人。
言葉も表情も諸々足りないくせに心の中が喧しい、どっちかと言えば押し倒されたい女の子。
わーい、幼馴染女の子!!って思っていたらなんか上層部の回し者だと勘違いしてファーストキスを厭らしく奪われた悟くん。
今後も言葉が足りない女の子に様々な勘違い継続。
続きは力尽きたので考えていない。
どうも、一条 名前です。
私の幼馴染にはとある界隈ではうん百年ぶりのほにゃららな何かすごーい諸々ハイスペックを持つ人がいます。
はい、お分かりですね?皆さん。
pixivとかその他の設定でよくある、転生者ものである。
ちなみに今回、今大人気の呪術の世界ね。
転生する前の記憶がありますとも。
そして死んだ時の記憶もありますとも。
私の前世の事はここでは割愛しよう。
はい、皆さんが何万回も見たであろうやつです。それそれ、話わかるねーだいたいあってます。
そんなこんなでよろしいですね?
ほらほら、続きがあるのでどんどんいきますよー。
はい、理解が早い皆さん大好き。仲間。
そして、お分かりかと思うが幼馴染は公式イケメンの彼ーーー五条悟だ。
うんうん、設定見たことあるよね〜??
私もあったぁ〜〜。
で、だ。
幼馴染だからほら、色々あるわけでpixivよろしくくっつけようとするお上様の陰謀により……たかだか一桁の子供達がね、無垢な心を親からの圧とドロッドロの欲によりとにかく気に入られろと送り込まれるやつですよ。
同じ年頃だから遊びなさい、と年頃の近い女の子達が集められ五条悟へさとるさまぁ、さとるさまぁ!!とベタベタベタベタ。
頭のよろしいオマセさんな五条悟はその裏をしっかり読み込みうっぜぇ!!とキレ散らかす。
その呪力と圧と顔面力により泣き出す女児達。
地獄か、ここ。
泣き叫ぶ女児複数名。
マジギレの五条悟を落ち着かせようとする大人達。
それを黙って観察する私。
ほら、私の精神年齢はここに居る誰よりも大人かもしれんからさ……先の読める私は黙ってずーーっと成り行きを見てたわ。
しつこくされたら子供だって怒るじゃん?
怒りだして手のつけられなくなった子供を宥めるって大変じゃん?
関わりたくないじゃん?
そりゃ、黙って見るよね。
いくら推しの幼少期とはいえ子供とは時に悪魔にもなるわけです。
その結果、こちらにも火の粉が。
「さっきからジロジロ見てんじゃねーよ、カス」
わぁ、お口が悪い。
何てこった。
「オマエもこんな奴らと一緒になって媚び売りに来てんじゃねーよ。
毎回毎回家に来ては引っ付き周りやがって」
しゃーないですやん。
こっちだってさ、来たくもないのに親の女子会やら会合やらあるなら連れて歩かれるわけ。
ちなみにそのたびに、たっかい着物を着せられ着飾らされるんだぞ?
着物汚してみろ。親に怒られんの私だぞ?
そして親元に居ようとしてもポイって追い出されるから散歩してるだけ。
汚れないよう、そして時間が潰せるように庭園とか歩いたり、軒下でボーーーっとしてるだけ。そこへキミが私の行く先々にいるだけ。
道を変えようとしたらなぜか着いてきてるのキミな?
「目障りだ。消えろよ」
女児にキャーキャーされたのにマジギレな五条悟。
「ガキ(だからしゃーないよな)」
「あぁ!?」
やべ、声に出てた?気のせい気のせい。
しかし良くないだろ。女の子は未来の宝。
優しくしようよ………って思うところはあるが、権力者に逆らったらいけない。
あとイケメンに逆らったらいけない。
つまり、私は五条悟の言葉に従いこの面倒な現場から解放!!ひゃっほい!!
って事を繰り返しながら数十年。
「何とか言ったらどうなんだよ」
なぜか中学2年の五条悟に股ドンされながら威圧されてる。
一般の中学に通っている私達。
今回も毎度の事ながら顔だけはいい五条悟に女の子が集まり囲まれチヤホヤされていた現場に居合わせただけ。
私はその現場をじっと見ていただけ。
そして立ち去ろうとしたのに、突然腕を捕まれ裏に引っ張られ壁に押し付けられ股ドン。
ねぇ、私何かした?してないよね?
ここ数年……私は五条悟に嫌われている。
顔を合わせれば文句を言われ、それが面倒になり遠目に居ればわざわざ近寄ってきて舌打ちされ、暴力的に私の近くの物に八つ当たる。
やめろ。
オマエわりとゴリラなんだからヤメロ。
破壊良くない。
「説明が足りない」
そんな嫌いならほっといてくれよ。
今回だって私何した!?視界に入ったのがアウト?厳しすぎない?
説明してよぉ。
何で私股ドンくらってんの?
たま無くてもヒュンッてなるやつ。
あ、下品?失礼。
「いちいち女送り込んで何考えてんだよ。
オマエの息が掛かった奴らなんざいらねーよ」
はてさて?
一体何の事やら?
思い当たる事は一度もない。
だって私が?五条悟に?女の子を送り込む?
それして私に何の得があんの?
確かに!!
私はさ、ほら……前世からのファンですよ、貴方の。
そのお顔の良さと漫画だから許される性格の悪さに惚れました。そして妄想の中で何度も何度も抱かれました。結婚して子供と共に幸せな人生を妄想しました。
そして君と同級生や後輩や生徒とイチャイチャするモノも拝見しましたよ。
送り込むなら同級生を是非とも並べて視界に収めたい。
なんなら同級生と共に先生してくれと願ってる。
そんな先生サンドイッチでキャッキャうふふしたい夢女子です。
だからこそ前世の知識からキミの親友枠の彼を助けよう!!………なーんて事はしてません。
よく考えてくれ。
私が生きている間には親友の誕生日諸々はまだ出ていなかった……つまり、実家も住所も知らないんだよ。
それなのに今から凸る?むりむり。
個人情報大事。
前世の知識があろうが、無理なことはいっぱいあるのだよ、諸君。
何より私がクッソ雑魚い。
黄金時代を彼ら同等の任務で動ける自信皆無。
話を戻すけどね……五条悟に恋に恋をしていても、現実に出来るか?と問われれば否。
だってさーーー子供の頃からなんっっかしらんが嫌われてるんだぜ?
顔を合わせたら舌打ちだぜ?
心折れるじゃん。
けど、推しは眺めたいじゃん?
だから関わらずに眺めていただけなのに………
いつの間に私は五条悟に泣かされるとわかっていながら女の子を送りつける非道な女認定されてんの?
いやまぁ、確かに幼馴染だからっつって紹介してよーとか、アンタの名前使わせて話すきっかけに〜とか諸々あったから、お好きなようにと言ったさ。
その代わり、私まじで嫌われているから名前使っても意味ねーよ?と念押し。
結果、女の子惨敗。
可哀想じゃん、女の子。
キャッキャウフフな気分から自分より美の化身からボロクソ言われて惨めな気持ち味あわされるって地獄じゃね?
惨敗した腹いせに私に……同情と何したらあそこまで嫌われるんだと女子達に軽蔑された。
何もしてないけどあんなんですよ。ぴぇん。
そもそも私、五条悟との接点ほぼ無いし、上のお偉方とも特にコネ無いのにそんな無駄なこと私がすると思ってんのか五条悟……お子ちゃまだなぁ。
お子ちゃま思想の五条悟にほっこり。
おばちゃん、そーゆーキミの自意識過剰わりと嫌いじゃないよ。
あとね、顔近いよ?
なんで股ドンしながらかがんでメンチ切るの?
可愛い顔面が目の前にあって視界の暴力なんだけど?
推しの顔が目の前いっぱい。幸せをありがとう。
そもそもこれはあれか?私の妄想か?
実は英語が嫌すぎて見てる夢かな?
夢だとしたらありがてぇ!!ここに来てこの美人の顔面を視界いっぱいに私が独占出来るってありがてぇ!!
昨日徹夜しながらアニメ観てたから毛穴開いてない?大丈夫?隈とかやばそ。
私の汚い顔面も見られてる申し訳なさが込み上がる。
いや、夢だから私も美化されてるはず……!!
なら良くね?夢なら好きにしてもいいかな?いいともー!!
顔近いしちゅーしても夢だから怒られないよね?だって推しのお顔が近い。つまりそういう展開。
スケベしたいって思うじゃん?(徹夜のテンション)
右手を目の前の白い髪に手を伸ばし、左手は頬へ。
しかし、悲しきかな触れられぬ……。
「(スケベが)怖い?」
「あ?」
「無下限まで使って」
触れないよぉ。ぴえん。
大丈夫だよぉ。おねーたんがヨスヨスするだけだから。
(コンコッコッコン)「解いてよ」
心の中でノックしておく。
雪だるまつく〜ろ〜
さあ、ドアを開けて〜
一緒に遊ぼう〜
どうして?解いてくれないの〜?
「俺が?オマエを?
何をするかわかんねー奴に解かねーよ」
「(スケベ初心者?)強がってんの?」
「あ?」
あ、解けた。
ふいに無くなった無下限にふわふわの白い髪の毛が触れた。
スベスベのお肌きもちいい(語呂力皆無)
「オマエみてぇな奴相手に術式使う程もったいねーこ……っ!?」
何か言ってるけど、いただきまーす。
チュッ、とプルっプルの唇に触れる。
わお!!!素晴らしく私よりもプルっプルだ!!
その唇をハムハムと唇で食べる。うーん、プルっプル。レロリと舐めれば何かビクッとしていたけどよいよい。その反応初々しいぞよ。ええぞ、もっとしてくれ。普段クッソ生意気でも中身は14歳らしく初々しくあってくれ。
ってことで少し開いている唇の隙間に舌をねじ込む。
容赦?推しに容赦とかする?
現実の手出しは良くないが、夢ならいいじゃん?
顔がいい分初々しい反応とかめちゃんこ可愛い。白い肌を赤くさせて動揺した瞳は彷徨いどうしていいかわからず固まる五条悟。
つまり、エロい。
ぐっと頭を引き寄せてキュッと閉じた唇を再びハムハムする。
角度を変えるように何度も軟らかさを堪能。
ついでに頭の形を確かめるように撫でたりして、じっと五条悟の可愛さを目を開けて見る。
目を閉じてキス?
いやいや。可愛さ目と記憶に焼き付けるべきじゃん。
目が合うたび逸らして頭を上げようとするが、頭を抑える手に力を入れれば止まる。
頑なに唇を開かないようギュッとすれば、顔だけじゃなく身体にも力が入るらしくめちゃくちゃ不自然な格好で身体に力が入っているので頭を抑えてない手で肩や首や胸元に指を滑らせる。
そんな事していれば、どんどんトロンとしてきた五条悟は顔だけじゃなく首を赤くして恐る恐る……って感じに唇が開いた。
いただきます、と心の中で挨拶して容赦なく舌をねじ込んだ。
「っ!!ん、はぁ」
あ、エロ。
舌を擦り合わせて、溢れてきた唾液を吸って。
口の中を丹念に舌で撫でる。
恥ずかしさと気持ちよさでとろんと幼い顔立ちがますます幼くなるし、そもそも顔は美少女顔なんだからエロい。
あらやだ、これは本気出さねば。
辿々しい舌を絡ませて吸ってちょっと噛む。
五条悟からも舌を絡ませてきてくれたので流石夢。サービスがいいぜ。
唇を離せば透明な糸が伸び、ぷつんと切れた。
それを舐めとればピクッと身体が跳ね、そんな自分の反応が恥ずかしいのか先ほども真っ赤になっていたのにそれ以上に真っ赤になった。
「オ、マエッ」
「お子様が(可愛いさ増すから)吠えるなよ」
ドスケベじゃん!!
もう、五条悟は何を持たないの?ドスケベ過ぎてプルっプル震えてかーわーいーいー。
寝不足の頭で目の前の可愛い子犬をどうしてやろうか……と考えてふと我に返る。
あれ?私めっちゃセクハラじゃね?
夢の中とはいえちょっとやりすぎた?
いつもは虫を見下すように冷たい目を向けるのに潤んだ瞳でこちらに熱い視線を頂いている。
………寝よう。
きっと徹夜で連日アニメ観ていたからだ。
五条悟がただただ可愛らしい幼女にしか見えない。
身体でかいけど。
いたいけな幼女にセクハラして喜んでる精神的にババアは良くない。
夢の中だけど寝よう。
身体も心も休めないと駄目だ。
五条悟の頬を撫で、頭を撫で名残惜しいが保健室へ行く。
やべ、眠さ自覚した途端にめちゃくそ眠い。
保健室に入った瞬間私の記憶は全てブラックアウトした。
幼い頃、親から紹介された女………一条 名前。
家に来ては一人で五条家を散策していた変な女。
呪術師としては平凡な才能。
五条家に胡麻すりに来ている馬鹿な大人に使われるカワイソウな駒の一人。
ならば、この女も変わらず俺に胡麻すりに来るものだと思っていつものようにシカトした。
他の子供らは悟様と後ろを追いかけてくる。
大人はヘラヘラと顔を張り付けてペコペコしてる。
懸賞金まで賭けられ命を狙われ媚びを売られる毎日に嫌気がさす。
許嫁になる為に、家の為に、地位の為に……
俺の意思など関係無いというように勝手に進められる縁談。
何もかも嫌気がさす。
一度キレ散らかした時、思い出すのは一人じっと此方を見ていただけのアイツ。
「さっきからジロジロ見てんじゃねーよ、カス」
表情一つ変えず、黙って見てただけの女。
いつも無表情で庭を見たり、俺を見ても頭を下げるだけで何の感情も無く見つめる女。
「オマエもこんな奴らと一緒になって媚び売りに来てんじゃねーよ。
毎回毎回家に来ては引っ付き周りやがって」
コイツが一度も引っ付いて回った事など無いとわかっているのに口が止まらない。
いつも一人物静かなコイツ。
だけど、視界に入る全てに腹が立っていた。
八つ当たりもいいところだったが、この怒りを発散してしまいたい。
「目障りだ。消えろよ」
「ガキ」
「あぁ!?」
蔑むような冷たい視線を向けられ、初めての会話がこれ。
そのままスタスタいなくなる女。
この後俺は盛大に暴れた。
そしてその女の名前を頭に刻んだ。
一条 名前。
俺に媚びない、俺に意見する表情筋を使わない何考えているかわからない変な女。
媚びを売る気が無いくせに付かず離れずの距離にいる。
文句を言っても知らぬ顔。
嫌がらせをしても知らぬ顔。
術式使って驚かそうとしても知らぬ顔。
って事を繰り返しながら数十年。
アイツは俺が嫌いだが上の人間に言われ俺を監視する存在なのだと気付くと嫌悪感が増した。
「何とか言ったらどうなんだよ」
ムカつく。
ムカつくムカつくムカつく。
何年経っても付かず離れず。
女を送り込みどうにかしようとするコイツ。
何を監視したいのか、さっぱりわからないが常々じっと見つめるどこを見ているかわからない暗い瞳が嫌いだ。
今日もまた送られた女達。
一般人だろうとお構い無しになってきたのかよ。
そんなに俺の種が欲しいのかよ。
オマエにとって俺は人間ですらなく、優秀な呪術師を作る機械か何かかよ。
俺が反応しないとわかると残念そうな顔で立ち去ろうとしたから……思わず、ぷっつんときた。
立ち去ろうとする名前の腕を捕み裏に引っ張り連れ出す。
珍しく表情を崩し、驚いた顔で着いてくる名前。
その崩れた表情は少し気分がいい。奴を壁に押し付け股ドン。
これで逃げらんねーだろ?
いつもならスンッと表情が無いのに目を見開きうろうろと周りを見て困っている。
その表情にゾクゾクするほど気分が上がる。
俺を見て、呆れたような諦めたような顔をしてまた表情を無くす名前にイラつく。
顔を近付ければまた少し表情が崩れる。
眉間にシワを寄せ、迷惑そうな表情。
「説明が足りない」
説明?
何の説明をしろと?
オマエの差し金なのはわかってんだよ。
「いちいち女送り込んで何考えてんだよ。
オマエの息が掛かった奴らなんざいらねーよ」
昔からずっとだ。
ボーッとした名前は何を考えているかわからなかった。
友達になれるんじゃないかと思って様子を見ていたら、何も話そうとせず……まるで俺を見張るのが使命だとでもいうように俺を見る目が嫌いだった。
それだけならほっといたというのに、次には女共を宛がわれる。
年下、同級生、年上。
呪術師、非呪術師関係無く名前からの紹介だと口々にすり寄ってくる女達。
正直、ムカついた。
友達になれるんじゃないかと思っていたのに、まさかアイツも俺の事をただの道具の一つとしか見ていなかった。
俺が居なくなった後、術式と眼を持つ者を産ませる母体を宛がうアイツ。
どんな基準かなど知らぬが、俺が断るたびガッカリとした顔をする。
まるで我が儘な俺に呆れるように……。
何を思ったのか突然俺の髪に手を伸ばし、左手は頬へ。
しかし、術式を使っているのでピタリと止まってしまう。
名前が今まで直接何かをしてきた事は無いが、今までの数々の女を差し向けてきた女だぞ?
名前の術式が精神的なモノでは無いにしろ、薬なり呪物なりやりようはいくらでもある。
つまり、これは最低限の警戒。
だと言うのに……
「怖い?」
「あ?」
「無下限まで使って」
こてり、と頭を傾げる名前。
怖い?俺がコイツを怖がる?
そんなわけないだろ、と声を上げようとしたのに、真っ黒な何を考えているかわからない瞳がじっと俺を見る。
何かを見透かすように。
何を探るように。
「解いてよ」
普段は無表情の癖に煽るように口元を上げる。
見たことの無い表情。
「俺が?オマエを?
何をするかわかんねー奴に解かねーよ」
「強がってんの?」
「あ?」
煽られている。馬鹿にされている。
こんな奴に?
ふざけんなよ。
「オマエみてぇな奴相手に術式使う程もったいねーこ……っ!?」
………は?
これは一体何事だ?
頭を下に押されたと思ったら唇に軟らかな感触。
名前の顔が近い。
キス……されている?
俺の頭の中でたった今宇宙が広がっている。
何がどうしてこうなった。
煽られて術式解いたらキスされた。
……なんで?
いやいやいや!!おっかしーだろ!?
何でキス?しかも何か手慣れてねーか!?
唇をハムハムと唇で食べられてる。
は?なぜ?気持ちいいんだけど?
レロリと舐められればビクッとして我に返る。
やっぱおかしいだろこの状況!?
俺が襲うならまだしも、何で俺が襲われてんの?何で?何でなの?
しかも何でコイツ目を開けたままキスしてんの?
むちゃくちゃエロいんだけど?
普段何考えているわかわらないのに、今は薄く頬を染め、うっとりと此方を見つめる優しい瞳がじっと此方の反応を逃すまいと一挙一動見ている。
ぐっと頭を引き寄せられ、好きにさせまいとせめてもの抵抗としてキュッと閉じた唇。
だと言うのに再びハムハムされる。
角度を変え何度も唇を重ね、頭の形を確かめるように撫で、じっと目を開けて此方を見る名前。
目が合うたび逸らして頭を上げようとするが、頭を抑える手に力が入り、動けなくなる。
頑なに唇を開かないようギュッとすれば、顔だけじゃなく身体にも力が入る。
すると優しく触れるか触れないかの微妙な力加減で肩や首や胸元に指を滑らせられる。
エッチかっっっ!!!
ドキドキと高鳴る鼓動。
何もかもが初めてなのに、相手は気に入らない奴なのに……身体はアイツを許すかのように少しずつ力を抜いていく。
もっと、もっとこのキスに酔いたい。
もっと、もっとこの快楽に身を委ねたい。
もどかしさと気持ちよさと少しの期待。
今がお昼時間だなんて気にせず、学校の裏影で唇を重ねている俺達。
少しだけ。
少しだけ、この快楽を……
口を開けば容赦無しに舌が入って来た。
「っ!!ん、はぁ」
あ、エロい声出た。
舌を擦り合わせて、溢れてきた唾液を吸って。
口の中を丹念に舌で撫でられる。
恥ずかしさと気持ちよさでだらしない顔となっているのが自分でもわかる。
キスってこんなに気持ち良かったんだ、とぼんやりした頭で考える。
少し余裕が出てきたら舌を絡ませてみる。
俺よりも小さな口。
その舌も小さいというのに俺の口の中をちょこまか動き、擦り、吸いつき、ちょっと噛む。
いつまでお互い口付けていたのかわからないが、夢中になって口付けていた。
名前に押さえつけられていた頭は俺の頬を撫で、反対の手は俺の腰に。
俺は名前の頭を抑え、名前の腰を抱いていた。
唇を離せばお互いの口を透明な糸が伸び、ぷつんと切れた。
それを名前が舐めとる。
ピクッと身体が跳ね、そんな俺の反応にくすり、と笑う名前。
同じ年齢のはずなのに、名前の方が大人っぽく見えて悔しくなる。
「オ、マエッ」
「お子様が吠えるなよ」
にやり、と笑う名前。
いつもは無表情の癖に優しい顔をしながら俺の頬を撫で頭を撫で離れて行く。
子供扱いをされ、馬鹿にされ……
いいようにされていたから言い返せない。
マジでアイツ何?
唇の柔さが消えない。
「名前、起きた?」
目覚めたら五条悟がいた。
何事?
「オマエ……何考えてんの」
今キミが此処にいる理由だよ。
「俺にキスして」
え?あれ夢じゃなかった?
夢だけとー!夢じゃなかったー!!的なやつ?
どっちにしろ夢じゃねーじゃん!!
「上の奴らに今度はオマエが色仕掛けしろとでも言われた?」
言われてませんが?
あぁ、上って親?
親からはさっさと悟とくっついて「ママねー、悟くんからお義母さんって呼ばれてあわよくば『お義母さん……僕、お義母さんが……』『駄目よ、悟くんっ。私は貴方のお義母さんなのよ!』ってやりたい」って言われてる。
お父さんは「娘はやらん!!って一度やってみたいんだぁ」と言ってる。
ちなみに私と五条悟はそんな関係じゃないと言ってるのに、だ。
「言われてるよ」
「………オマエはそれでいいのかよ」
「今回は(夢だと思っていたから)失敗しただけ」
「失敗……?」
失敗どころか大失態だよ。
夢だと思ってやらかしたら現実ヤッホーでこんな恥ずかし……いや、やらかした感な。
五条悟に申し訳ねぇ。
女共から狙われ、大っ嫌いな私にキスされ……?
五条悟散々じゃん。すまねぇ。
「オマエ、言われたらそのままヤんのかよ」
「(五条悟から許可があるなら)やる」
「……オマエの考えがわかんね」
そうか?
出来るだけ顔に出ないよういつも顔引き締めている癖は出来たし、アニメの観すぎで寝不足だし日の光で目が!!目がぁ!!となり眉間にシワを寄せてしまうが……わりかしわかりやすくね?私。
アニメ観ながら発狂して、毎日ニタニタ絵師さんや夢書きさんの作品を見て親にドン引かれた我だぞ?
「私は……単純、だよ」
推しに金をつぎ込みたいが、私より金持ちだし、本人のベルトや脇にお金を差し込むわけにはいかない……しかしオタクとしてはお金を渡すことこそが最大の愛だと思っている。
つまり、どうやって推しにバレねぇようにこの想いを消化すべきか……と考え思い付いたのは
五条悟を題材としたあはんな本を売り飛ばして金稼いでる事。
そのお金は五条悟貯金として貯金してる。
いつか彼のご祝儀として差し上げたい。
ちなみにお相手はお団子頭の人だったり海外の血が混じってる人とか、13歳ほど年下の器とか、ヒモの息子とか。
その方々のもあるけど、割愛しておこう。
それぞれの貯金してるから大丈夫!!!
微妙に顔や特徴が被ってるだけで、似せているだけで別人だから大丈夫大丈夫。
「今回は(妄想と現実がごちゃ混ぜになり)失敗したけど次は(無いと思いたいがそんな事にならぬよう)努力はするよ」
「………ざけんなよっ!!」
え?なんでおこ?
やっべ?もしや私何か口走ってた?
自らオタク本暴露しちまってた?
「人の事どんだけ振り回してコケにすりゃ気が済むんだよ」
「(五条悟がエロくてエロに)弱いから」
「あぁ!?」
めちゃくちゃ怒らせてしまった。
「オマエが送り付けた女共を母体に選ばなかったからって次は嫌々オマエかよ!!」
「………ん?」
「やっぱ腐った上層部から送られてきただけあるな……命令なら嫌いな奴にすら抱かれるなんて」
「んん?」
私送り付けた事も焚き付けた事もないぞ?
あの噂信じてたの?ま?
あと、私君とキャッキャうふふは大喜びでヤるよ?
しかもうちの親の事……めっちゃディスるじゃん。いや、うちの親か?あれ?
うちの親別にお偉い人じゃないから違う?違くね?
「私キミが好きだよ?」
「はぁ!?」
「あと、上層部って何の話?」
「は?」
「ん?」
無言。
間抜け面も可愛いね、五条悟。
「オマエ俺の事嫌いだから監視してたんだろ」
「何の話?」
「五条家や呪術界上層部から言われて」
「何の話?」
「………は?」
何の話?
「……ちっさい時からいつも家に来てたのは何でだよ」
「キミのお母様とうちの母が仲良いからだね」
「オマエに紹介されたって来る女達は?」
「私が幼馴染だから私の名前出せば会話しやすいだろうと勝手に使われてるよ。
まぁ、私はキミに嫌われているから意味ないとは伝えているけど」
「いつも無表情なのは?」
「人前であまり表情出さないようにしてるんだよ」
「あのキスは!?」
「寝不足で夢と現実が混ざってた」
「はああああああああ!!?」
あ、ベッドに崩れ落ちた。
どうした?
ポンポンと頭を撫でればその手を捕まれる。
「……夢と現実が混ざるほど、夢に俺が出てくるくらい俺の事好きなのかよ」
「いや」
「は?」
好きじゃ足りない。
大好きどころか……
「愛してるよ」
「っ!!」
顔を真っ赤にする五条悟。
可愛い過ぎるんだが押し倒しても良いか?
あ、夢じゃないから駄目か。
………駄目かぁ(残念)
あとがき
今後も勘違いしていくであろうこの二人。
言葉も表情も諸々足りないくせに心の中が喧しい、どっちかと言えば押し倒されたい女の子。
わーい、幼馴染女の子!!って思っていたらなんか上層部の回し者だと勘違いしてファーストキスを厭らしく奪われた悟くん。
今後も言葉が足りない女の子に様々な勘違い継続。
続きは力尽きたので考えていない。