先輩ifシリーズ
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5ヶ月に入り
悟が楽しみにしていた
お腹のエコーが始まる。
産婦人科は妊婦さんが多く
付き添いのお父さんは
数人いるが……
「…………」
「まだ順番来ないの」
「うん」
視線が痛い。
モデル顔負けの整った顔立ちに
サングラス。
黒い上下姿の悟はとにかく目立つ。
待合室の椅子に座ってて
足が長すぎて目立つ。
とにかく目立つ。
しかし、本人は
エコーが楽しみすぎて
そわそわ落ち着かない。
黙ってればイケメンの悟を見て
人妻達がそわそわしている。
奥様方、隣の旦那さんが見てますよ。
「五条さーん」
「呼ばれたな、行くか」
「旦那さんも付き添いですか?」
「うん」
私が答えるより先に
悟が答えて看護師さんに着いていく。
うん……こんなワクワクした悟
初めて見たぞ?とか思いながら
私も着いていく。
ベットに寝かされ
お腹を出してくださいと言われ
お腹だけを出したが
もう少し下まで……と言われ
ずり下げたのは際どい所まで。
もう少し下げたら、下の毛が見えそう……と
お股を広げるのも恥ずかしいが
これはこれで恥ずかしい……と思った。
ゼリーのようなものを機械に付け
お腹にそのまま塗られた時は
少し冷たかったが
へそから下…膀胱あたりだったため
なるほど、ここまで下げる理由はこれか…と
新たな発見。
画面に映る映像では
赤ちゃんが人の形をしていて
手、足もはっきりとわかる。
動く心臓を見るたび
生きている…と実感する。
「お父さん、これが目でこれが口
そして手に足です。
もう少し大きくなると
全体が入りきらなくなるんですよ」
「……人だ」
「ふふっ、そうですね
これからもどんどん成長していくんですよ」
じっとモニターを見つめる悟。
帰り道
あれから黙ってしまった悟は
支払いまでの間
ずーっとエコー写真を見ていた。
「悟?」
「……名前」
「なぁに?」
「頭でわかっていても
実際あぁして見ると……感動するね」
「うん」
「動いてた」
「まだちっちゃいのにね」
「人だった」
「うん」
「生きてるんだな……こいつ」
くしゃり、と表情を歪めて笑う悟。
私達はいつも、死の隣に立っている。
他の人よりも
ずっと死と隣り合わせの生活。
悟の身の回りはいつも
死が付きまとう。
歪な死体を見慣れてしまった。
私達は
血の臭いに
死の臭いに
慣れてしまった。
生命の誕生とは遠い場所にいる。
「次は4週間後か……」
「そんな長くて平気なの?」
「余程のことがない限り大丈夫じゃない?」
「例えば?」
「切迫早産とか、出血とか、張りすぎとか…」
「…………」
「ネット見たら安定期とはいえ
無理したら予定外の入院コースだって」
「名前、止めてね?」
真顔で言われた。
悟に心配されるほど、私は酷いだろうか……??
「無理しないでよ」
「わかったわかった」
その後、4週間
悟の過保護は酷く
高専の事務仕事のお手伝いを
許してもらえたため
高専に行くたび
階段を無下限を使われながら
抱えられた時には流石に怒った。
無下限だから、負担は少ないとはいえ
そんなことに術式を使うなと。
6ヶ月
再び悟がウキウキしながら
一緒に検診へ。
たった4週間で
モニターに全身は映りきらず
頭、足の骨、腹囲で体重を出していた。
「性別聞きますか?」
「え?もうわかんの?」
「わかりますよー」
悟と顔を見合せる。
こくり、と頷けば
悟も嬉しそうに笑う。
「お願いします」
「これ、しっかり映ってるので
男の子ですね」
「……ちんこ?」
「はい、ちんちんです」
「え、こんなはっきり映るんですね…」
「しっかり映ってますね」
ぱっかーんと、股を開いた中心に
しっかりとしたものが
映っている。
「こいつ、堂々としてるな…」
「隠しちゃって見えない子もいるんですけど」
くすくすと先生に笑われ
お顔も見せてくれてるねーと
エコー写真をいっぱいもらった。
頭、骨、お腹、ちんちん、顔
待合室で写真を撮りながら
にやにやして見る悟は
楽しそうだ。
「男の子だって」
「しっかりしたもの映ってるもんな」
「悟の子だわ」
「どーゆー意味だよ」
「あ、帰り道アルバム買いたい」
「アルバム?」
「エコー写真って劣化しやすいみたいでさ
粘着のアルバムに入れると
大丈夫って聞いたから」
「なるほど」
「悟みたいにデータで残しておく方が
劣化はしないみたいだけど
こうやって貰った写真も残したいからさ」
「いいね。買いに行こう」
写真屋さんで
あれがいい、これがいいと
アルバムを吟味して
テープや可愛い付箋も買い
暇なときに作ろうと決意。
まだ出会えぬ小さな命だが
生きている証を刻む。
「………ん?」
「なしたの?」
「何か、お腹ポコポコする」
「?」
「最近よくポコポコするんだけど……
胎動、なのかな?」
「触ったらわかる?」
「んー、どうなんだろ?」
内側から空気がポコポコするというか
触っていてもよくわからないが
動いている感じはする。
じっと、悟の大きな手が素肌に触り
黙って二人で待つ。
ポコッ、と動く感覚に
二人で顔を見合せる。
「………わかった?」
「………わかった」
「胎動……だよね?」
「だと思う」
二人で嬉しくなって
お腹に手を当てて
小さな命の反応を楽しむ。
300gも無いけれど
小さな命は
大きく成長している。
あとがき
恥ずかしいんですよね(笑)
なかなか際どいとこまで下げないと
エコーのときに邪魔になるので。
悟が楽しみにしていた
お腹のエコーが始まる。
産婦人科は妊婦さんが多く
付き添いのお父さんは
数人いるが……
「…………」
「まだ順番来ないの」
「うん」
視線が痛い。
モデル顔負けの整った顔立ちに
サングラス。
黒い上下姿の悟はとにかく目立つ。
待合室の椅子に座ってて
足が長すぎて目立つ。
とにかく目立つ。
しかし、本人は
エコーが楽しみすぎて
そわそわ落ち着かない。
黙ってればイケメンの悟を見て
人妻達がそわそわしている。
奥様方、隣の旦那さんが見てますよ。
「五条さーん」
「呼ばれたな、行くか」
「旦那さんも付き添いですか?」
「うん」
私が答えるより先に
悟が答えて看護師さんに着いていく。
うん……こんなワクワクした悟
初めて見たぞ?とか思いながら
私も着いていく。
ベットに寝かされ
お腹を出してくださいと言われ
お腹だけを出したが
もう少し下まで……と言われ
ずり下げたのは際どい所まで。
もう少し下げたら、下の毛が見えそう……と
お股を広げるのも恥ずかしいが
これはこれで恥ずかしい……と思った。
ゼリーのようなものを機械に付け
お腹にそのまま塗られた時は
少し冷たかったが
へそから下…膀胱あたりだったため
なるほど、ここまで下げる理由はこれか…と
新たな発見。
画面に映る映像では
赤ちゃんが人の形をしていて
手、足もはっきりとわかる。
動く心臓を見るたび
生きている…と実感する。
「お父さん、これが目でこれが口
そして手に足です。
もう少し大きくなると
全体が入りきらなくなるんですよ」
「……人だ」
「ふふっ、そうですね
これからもどんどん成長していくんですよ」
じっとモニターを見つめる悟。
帰り道
あれから黙ってしまった悟は
支払いまでの間
ずーっとエコー写真を見ていた。
「悟?」
「……名前」
「なぁに?」
「頭でわかっていても
実際あぁして見ると……感動するね」
「うん」
「動いてた」
「まだちっちゃいのにね」
「人だった」
「うん」
「生きてるんだな……こいつ」
くしゃり、と表情を歪めて笑う悟。
私達はいつも、死の隣に立っている。
他の人よりも
ずっと死と隣り合わせの生活。
悟の身の回りはいつも
死が付きまとう。
歪な死体を見慣れてしまった。
私達は
血の臭いに
死の臭いに
慣れてしまった。
生命の誕生とは遠い場所にいる。
「次は4週間後か……」
「そんな長くて平気なの?」
「余程のことがない限り大丈夫じゃない?」
「例えば?」
「切迫早産とか、出血とか、張りすぎとか…」
「…………」
「ネット見たら安定期とはいえ
無理したら予定外の入院コースだって」
「名前、止めてね?」
真顔で言われた。
悟に心配されるほど、私は酷いだろうか……??
「無理しないでよ」
「わかったわかった」
その後、4週間
悟の過保護は酷く
高専の事務仕事のお手伝いを
許してもらえたため
高専に行くたび
階段を無下限を使われながら
抱えられた時には流石に怒った。
無下限だから、負担は少ないとはいえ
そんなことに術式を使うなと。
6ヶ月
再び悟がウキウキしながら
一緒に検診へ。
たった4週間で
モニターに全身は映りきらず
頭、足の骨、腹囲で体重を出していた。
「性別聞きますか?」
「え?もうわかんの?」
「わかりますよー」
悟と顔を見合せる。
こくり、と頷けば
悟も嬉しそうに笑う。
「お願いします」
「これ、しっかり映ってるので
男の子ですね」
「……ちんこ?」
「はい、ちんちんです」
「え、こんなはっきり映るんですね…」
「しっかり映ってますね」
ぱっかーんと、股を開いた中心に
しっかりとしたものが
映っている。
「こいつ、堂々としてるな…」
「隠しちゃって見えない子もいるんですけど」
くすくすと先生に笑われ
お顔も見せてくれてるねーと
エコー写真をいっぱいもらった。
頭、骨、お腹、ちんちん、顔
待合室で写真を撮りながら
にやにやして見る悟は
楽しそうだ。
「男の子だって」
「しっかりしたもの映ってるもんな」
「悟の子だわ」
「どーゆー意味だよ」
「あ、帰り道アルバム買いたい」
「アルバム?」
「エコー写真って劣化しやすいみたいでさ
粘着のアルバムに入れると
大丈夫って聞いたから」
「なるほど」
「悟みたいにデータで残しておく方が
劣化はしないみたいだけど
こうやって貰った写真も残したいからさ」
「いいね。買いに行こう」
写真屋さんで
あれがいい、これがいいと
アルバムを吟味して
テープや可愛い付箋も買い
暇なときに作ろうと決意。
まだ出会えぬ小さな命だが
生きている証を刻む。
「………ん?」
「なしたの?」
「何か、お腹ポコポコする」
「?」
「最近よくポコポコするんだけど……
胎動、なのかな?」
「触ったらわかる?」
「んー、どうなんだろ?」
内側から空気がポコポコするというか
触っていてもよくわからないが
動いている感じはする。
じっと、悟の大きな手が素肌に触り
黙って二人で待つ。
ポコッ、と動く感覚に
二人で顔を見合せる。
「………わかった?」
「………わかった」
「胎動……だよね?」
「だと思う」
二人で嬉しくなって
お腹に手を当てて
小さな命の反応を楽しむ。
300gも無いけれど
小さな命は
大きく成長している。
あとがき
恥ずかしいんですよね(笑)
なかなか際どいとこまで下げないと
エコーのときに邪魔になるので。