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やぁやぁハロー。
拉致監禁されてなんやかんや穏やかに過ごしている通行人名前だ。
この度はmission:Aを遂行する。
今私がいるのは元ヤクザの事務所。
そして目の前には脹相くんが本を見ていて、その後ろにはドア。
OK、みんな理解出来たな?
そう、これはmission〜通行人が通行してお外に出よう〜のAプランだ。
なぜ私がこんなことを考えているのか?
もっと早くに逃げ出せよって?
それは遡ること数日前………。
まず仲良くなったのは陀艮ちゃん。
モンスターボールが無いため捕まえられず野生のままだが私の椅子になってくれたり(一方的に乗る)
なみのりができる(勝手に乗る)。
この数日で何があったって?
一方的に絡み、そして勝ち得た勝利。
(またの名をウザ絡みからの勘違い)
野生のポケモンも気持ちが通じあえば大丈夫って永遠の10歳のサトシが言ってた。
あれ?サトシは10歳だっけ?30……やめておこう。
その結果、このまま海渡れば逃げられるんじゃ?とサーファー気取りで逃げ出そうと思ってた事もありました。
「ひゃっふぅぅううううっ!!!
いい波きてるぜ!!」
「小娘ェェェエエッ!!!!陀艮で遊ぶなうつけもの!!」
想像以上に楽しくて漏瑚さんに怒られた。
そして私は忘れていた。領域って逃げ場ねーじゃん、と。ちなみに陀艮ちゃんの領域の出入りは一人では禁止された。解せぬ。
そして花御さん。
こちらも(一方的に)仲良くなった(つもりな)ので、森に安らぎにいかが?と誘われ(多分言葉のまま。深い意味はない……よね?精神的な安らぎだよね?)拉致られたので……
深い森の中、綺麗な湖……これは……やれ、と読者が期待している!!!と思って
そのまま全力のもののけ姫ごっこしながら逃げ出そうとした。
「はーりーつーめたーゆみのー」
「歌うな」
「カタカタカタカタカタカタ」
「奇妙な動き止めろ」
「シシガミ様ぁー!!首をお返しする!!」
「どっから拾ってきた!その動物の骨捨てろ!!」
漏瑚さんに怒られた。
ちょっと久々の領域じゃないお外の空気にテンションぶち上がった。
森で騒ぐなと行くこと禁止された。解せぬ。
陀艮ちゃんと花御さんはしょんぼり(真顔)して今後、私を甘やかすなと漏瑚さんに叱られていた。
そして強敵、オカンこと漏瑚さん。
どうやらトレーナーレベルが足りなさ過ぎて、隙がないからボールすら投げられない。
気持ちでぶつかってもポッポーされるし、森の民になっても、風の民になってもポッポーされる。なんてこった……じゃあ何の民なら許されるの?
そんな彼はいつもいつも文句を言いながら私を見張って叱っている。
「おかーさーん」
「誰が母だ」
「オイルが私を厭らしい目でヌルヌル見てくるよー」
「知らん」
「おじーたーん」
「誰がおじたんだ」
「ブフッ!!おじたんって言ったの可愛いね」
「燃やすぞ小娘がっっ!!!」
ポッポーって怒られるのがほとんど。
なんやかんや殺されずに仲良くやっている。
その代わり(主に)私の失敗により、逃げ出すタイミングを逃している。
……オイそこ。
遊ぶな!ふざけんな!と思ったろ?
じゃあ逆に聞きますけどォォォオオオ!!
ガチ戦闘モードの吉田沙○里×10体に囲まれ逃げきれる自信ありますかぁ?
目から光線出るかもしれないのに、殺気こそないけど隙のない、乙女モードじゃなく肉狩る猛獣モードのSECOM相手に逃げきれる自信があると言うなら名乗り出てくれよ!!!あぁん?
ツギハギ?いやいや、あなた方よく考えなさいよぉ!!好きな人を物理的に変形させて人形遊びするような男子と仲良くなりたいと思いますかーーーー!?
ならねーーーっよ!!!
隙あれば弄っていい?ハァハァってやるような変態とは仲良くなれない。
つまり!!!
オイル(変態)とも仲良くなれない。
おわかりだね?皆さん。
「べ様の氷の世界を習得すべきか」
「さっきからブツブツうるさいぞ。
あと逃がす気はない」
「脹相くんまで私の行動の制限する気か」
「人質のくせに態度がデカイ」
「黙ってろってか。無理」
殺されないからこそ、私の全力を発揮する!!
いでよ!!コミュニケーションから産まれ、コミュニケーションで生きてきた我が人生を!!
「脹相くん、本日はどのような髪型になさいましょう?」
「好きにしろ」
「OK。サイドテール?」
「名前出てすぐに切り刻まれそうな髪型は断る」
「じゃあセーラームーン?」
「普通にやれ」
いつものツインテールか……
仕方ない、と髪を弄る。
「オマエはなぜ普通に居られる」
「何が?」
「命を狙われないとは言え俺らと関わって何の得がある」
「んー……普通に今も攻撃されたら死ぬし、怖いとは思うけど
せっかく言葉を交わせるなら話してみたいと思ったんだよ」
彼らは呪い。
無差別に理由なく、何の感情もなく人を襲う。
そんな彼らに道徳心など説いて解決するならいくらでもやってやるが、彼らは理解もしなけりゃする気もない。
「損得なんて関係なく、黙ってガタガタ震えてても疲れるだけだからお話しよーよーってノリ」
「理解できんし、そのノリに付き合わされる此方が疲れるから黙ってろ」
「黙らん。
ここでコミュニケーション能力を発揮せず、どこで発揮しろと?」
脹相くんわりと寡黙な方だけどめちゃくそ話すよね。
あと、ノリ良い気がする。
「喧しい」
「褒め言葉として受け取っとくよ。
私は精一杯生きる事を目標にしているからさ……短い人生、笑って生きるための努力は惜しまないよ」
「くだらん」
この関わりは私なりの悪あがきだ。
損得ではなく、私が生き残るために必要なことだと思っている。
「ところでオマエ………何やっている」
「ん?」
片側だけ完成されたコーンロウもどき。
「脹相くん」
「何だ」
「めちゃくそイケメン」
「戻せ」
お気に召さなかったらしい……。
折角上手に編み込めたのに……ぐすん。
「俺で遊ぶな」
「だってさー」
携帯もねぇ!娯楽もねぇ!ついでにまともな人もいねぇ!
「あぁ、こんな場所いやだー。こんな場所いやだー。
東京へ出るだ。東京へ出だら銭コァ貯めで東京で飯食うだー」
「飯は東京のだ」
「美味しいもの食わせろ」
脹相くんに凄い嫌な顔された。
コイツ面倒臭いって顔。
「テレビもぬぇ、ラジオもぬぇ。ついでにまともな人もいぬぇ!」
よし、このままウザ絡みで歌って踊ってお外へ!!
「キミのことかい?」
「フザケンナ、サマーオイル」
「ありがとう、脹相」
mission:クリア出来ず。
このサマーオイル。自分がいない時はこうして誰かを置いていく。私としてはツギハギと二人きりよりは陀艮ちゃんや花御さんや脹相くんと居れば少し安全っぽく感じるのでいいのだが。ツギハギ?論外。
アイツ隙あれば遊ぼうとヤベェことしてくるから。
漏瑚さん?あの人勝手についてくるから。
保護者だよ。主に私が変なことしないように見張る。
今はいないけど。
「すっかり皆と仲良くなったね」
「まさか。それ本当にそう思って言ってる?」
にこにこと笑いながら隣に座ってくるオイル。
missionもコイツのせいで失敗したし、サマーオイルって長いからもうオイルでいい?
「殺されない程度に仲良くしてくれているなら良かったよ」
「うっかり殺られそうだけど」
「漏瑚と仲良くね」
「……仲良く、していいんだ?」
「どうかしたかい?」
「べっつにー?
あんたにとったら私は時間稼ぎの道具だもん。
殺された所で悟に隙出来るか、とか考えてるくらいでしょ」
「友人をそんな扱いするわけないだろ」
「友人?」
ハッ、と鼻で笑ってしまう。
「お前は私の友人ではないよ」
「寂しいこと言うなよ」
「私はね、誰かを嫌悪するなんてほとんど無いよ」
嫌いだと、イヤだと思うことはあっても
腸が煮えくり返るほど誰かを呪ったことはない。
「私の友人は前髪……夏油傑だ。
彼本人の体をお前が使っているだけでも彼を侮辱して、彼と関わりのあった人達すらも侮辱しているお前と友人?絶対にお断りだね」
「キミにとってはただの学生時代の顔見知り程度だろ?
彼と深い仲であったわけでもないし、キミは彼からすれば駆逐すべき人種だ」
にやり、と笑う姿を見るたび手が出そうになる。
こいつが話すたび、動くたび、抑えきれない悔しさが込み上げる。
「私を恨むならお門違いだよ。
この体の死体処理をきちんとしなかったのは五条悟だ」
「っ!!」
「くだらない正義を振り上げ、友人の手で始末された。そしてきちんと処理をしなかった結果だよ。私としてはありがたかったけどね」
「お前がっ!!お前がアイツらの関係を知った気で話すな!!」
私ですら入り込めない絆があった。
この二人はお互いに選んだんだ。
「夏油傑も五条悟もどちらも大馬鹿さ。
頭いいくせにお互いわかりあった気でいて、肝心なとこ話さず食い違って!!
けど…っ!!そんなの他人に言われなくても、本人達が一番よくわかってんだよ!!」
どこで食い違った?
どこなら引き返せた?
どこが間違っていた?
何度も何度も自分を責めたはずだ。
何度も何度も自分を引き返そうとしたはずだ。
けど
誰か、がやらなきゃいけないことを
彼らはお互いにするため突き進んだ。
「あいつらは間違っていても進むしかなかった。
後悔してる暇もなく」
他人が口を挟んだり、慰めの言葉を投げ掛ける隙間などない。
「まっすぐ生きた夏油傑をぶん殴って怒っていいのは悟だけなんだよ。
お前が余計な事すんな!」
「綺麗事だね」
私は知らない。
彼らがどうやって出会い、仲良くなったのか。
喧嘩多くて仲悪い時もあるのに、お互いを認めあってる。
笑いあって背中を預けられる。
敵になっても消えることの無い唯一の親友の地位。
「私は夏油傑をよく知らない」
呪術界で悪名高く、最悪の呪詛師と呼ばれようと
人としてやってはいけないことをしようと
「だけど、私は夏油傑の友人だ」
馬鹿なことを話して笑い合ったのも
チョコミント食べたのも
語り合ったのも
お前じゃない。
お前は、彼じゃない。
だからこそ、お前を友と認めない。
「だから私はあんたとは友達にならない」
「ふふ……夏油傑という人間は色んな形で大切にされていたんだね。妬けるな」
「優しい人だからね。
自分のこと後回しにして面倒見るお兄さんみたいな奴だから」
その優しさで救われた人がいる。
悟とは違った形で手を伸ばせる優しい人。
「友人だからこそ、お別れして……
ちゃんと寝かせてやらなきゃいけない」
「キミに何が出来るんだい?」
「さあ?私単体だと雑魚だからなぁ」
「雑魚が私をどうにか出来そうかい?」
「雑魚は雑魚らしく引っ掻き回すさ」
お前達の思い通りになんてさせない。
「あんたの思い通りに動くなんてごめんだね」
「くっくっくっ。
楽しみにしておくよ」
さあ、ゲームを始めよう。
私とお前達と
生と死を掛けたゲームを。
あとがき
途中からなに言いたいかわからなくなってきたが……通行人は今日もシリアスとシリアルの間で楽しく生きたいらしい。
ギャグとシリアスの交互で風邪引きそうだぜ!!
ちなみに本誌見てたら、通行人さんもbad endしか見当たらないんだけど……。
さぁーて、どうしたもんだ?
どうしよう、あそれ、どーしよう!
次回「魔法が無くなったらなんの取り柄もなくなっちゃう」
八方塞がりの通行人。
作者も八方塞がりだよ……。
拉致監禁されてなんやかんや穏やかに過ごしている通行人名前だ。
この度はmission:Aを遂行する。
今私がいるのは元ヤクザの事務所。
そして目の前には脹相くんが本を見ていて、その後ろにはドア。
OK、みんな理解出来たな?
そう、これはmission〜通行人が通行してお外に出よう〜のAプランだ。
なぜ私がこんなことを考えているのか?
もっと早くに逃げ出せよって?
それは遡ること数日前………。
まず仲良くなったのは陀艮ちゃん。
モンスターボールが無いため捕まえられず野生のままだが私の椅子になってくれたり(一方的に乗る)
なみのりができる(勝手に乗る)。
この数日で何があったって?
一方的に絡み、そして勝ち得た勝利。
(またの名をウザ絡みからの勘違い)
野生のポケモンも気持ちが通じあえば大丈夫って永遠の10歳のサトシが言ってた。
あれ?サトシは10歳だっけ?30……やめておこう。
その結果、このまま海渡れば逃げられるんじゃ?とサーファー気取りで逃げ出そうと思ってた事もありました。
「ひゃっふぅぅううううっ!!!
いい波きてるぜ!!」
「小娘ェェェエエッ!!!!陀艮で遊ぶなうつけもの!!」
想像以上に楽しくて漏瑚さんに怒られた。
そして私は忘れていた。領域って逃げ場ねーじゃん、と。ちなみに陀艮ちゃんの領域の出入りは一人では禁止された。解せぬ。
そして花御さん。
こちらも(一方的に)仲良くなった(つもりな)ので、森に安らぎにいかが?と誘われ(多分言葉のまま。深い意味はない……よね?精神的な安らぎだよね?)拉致られたので……
深い森の中、綺麗な湖……これは……やれ、と読者が期待している!!!と思って
そのまま全力のもののけ姫ごっこしながら逃げ出そうとした。
「はーりーつーめたーゆみのー」
「歌うな」
「カタカタカタカタカタカタ」
「奇妙な動き止めろ」
「シシガミ様ぁー!!首をお返しする!!」
「どっから拾ってきた!その動物の骨捨てろ!!」
漏瑚さんに怒られた。
ちょっと久々の領域じゃないお外の空気にテンションぶち上がった。
森で騒ぐなと行くこと禁止された。解せぬ。
陀艮ちゃんと花御さんはしょんぼり(真顔)して今後、私を甘やかすなと漏瑚さんに叱られていた。
そして強敵、オカンこと漏瑚さん。
どうやらトレーナーレベルが足りなさ過ぎて、隙がないからボールすら投げられない。
気持ちでぶつかってもポッポーされるし、森の民になっても、風の民になってもポッポーされる。なんてこった……じゃあ何の民なら許されるの?
そんな彼はいつもいつも文句を言いながら私を見張って叱っている。
「おかーさーん」
「誰が母だ」
「オイルが私を厭らしい目でヌルヌル見てくるよー」
「知らん」
「おじーたーん」
「誰がおじたんだ」
「ブフッ!!おじたんって言ったの可愛いね」
「燃やすぞ小娘がっっ!!!」
ポッポーって怒られるのがほとんど。
なんやかんや殺されずに仲良くやっている。
その代わり(主に)私の失敗により、逃げ出すタイミングを逃している。
……オイそこ。
遊ぶな!ふざけんな!と思ったろ?
じゃあ逆に聞きますけどォォォオオオ!!
ガチ戦闘モードの吉田沙○里×10体に囲まれ逃げきれる自信ありますかぁ?
目から光線出るかもしれないのに、殺気こそないけど隙のない、乙女モードじゃなく肉狩る猛獣モードのSECOM相手に逃げきれる自信があると言うなら名乗り出てくれよ!!!あぁん?
ツギハギ?いやいや、あなた方よく考えなさいよぉ!!好きな人を物理的に変形させて人形遊びするような男子と仲良くなりたいと思いますかーーーー!?
ならねーーーっよ!!!
隙あれば弄っていい?ハァハァってやるような変態とは仲良くなれない。
つまり!!!
オイル(変態)とも仲良くなれない。
おわかりだね?皆さん。
「べ様の氷の世界を習得すべきか」
「さっきからブツブツうるさいぞ。
あと逃がす気はない」
「脹相くんまで私の行動の制限する気か」
「人質のくせに態度がデカイ」
「黙ってろってか。無理」
殺されないからこそ、私の全力を発揮する!!
いでよ!!コミュニケーションから産まれ、コミュニケーションで生きてきた我が人生を!!
「脹相くん、本日はどのような髪型になさいましょう?」
「好きにしろ」
「OK。サイドテール?」
「名前出てすぐに切り刻まれそうな髪型は断る」
「じゃあセーラームーン?」
「普通にやれ」
いつものツインテールか……
仕方ない、と髪を弄る。
「オマエはなぜ普通に居られる」
「何が?」
「命を狙われないとは言え俺らと関わって何の得がある」
「んー……普通に今も攻撃されたら死ぬし、怖いとは思うけど
せっかく言葉を交わせるなら話してみたいと思ったんだよ」
彼らは呪い。
無差別に理由なく、何の感情もなく人を襲う。
そんな彼らに道徳心など説いて解決するならいくらでもやってやるが、彼らは理解もしなけりゃする気もない。
「損得なんて関係なく、黙ってガタガタ震えてても疲れるだけだからお話しよーよーってノリ」
「理解できんし、そのノリに付き合わされる此方が疲れるから黙ってろ」
「黙らん。
ここでコミュニケーション能力を発揮せず、どこで発揮しろと?」
脹相くんわりと寡黙な方だけどめちゃくそ話すよね。
あと、ノリ良い気がする。
「喧しい」
「褒め言葉として受け取っとくよ。
私は精一杯生きる事を目標にしているからさ……短い人生、笑って生きるための努力は惜しまないよ」
「くだらん」
この関わりは私なりの悪あがきだ。
損得ではなく、私が生き残るために必要なことだと思っている。
「ところでオマエ………何やっている」
「ん?」
片側だけ完成されたコーンロウもどき。
「脹相くん」
「何だ」
「めちゃくそイケメン」
「戻せ」
お気に召さなかったらしい……。
折角上手に編み込めたのに……ぐすん。
「俺で遊ぶな」
「だってさー」
携帯もねぇ!娯楽もねぇ!ついでにまともな人もいねぇ!
「あぁ、こんな場所いやだー。こんな場所いやだー。
東京へ出るだ。東京へ出だら銭コァ貯めで東京で飯食うだー」
「飯は東京のだ」
「美味しいもの食わせろ」
脹相くんに凄い嫌な顔された。
コイツ面倒臭いって顔。
「テレビもぬぇ、ラジオもぬぇ。ついでにまともな人もいぬぇ!」
よし、このままウザ絡みで歌って踊ってお外へ!!
「キミのことかい?」
「フザケンナ、サマーオイル」
「ありがとう、脹相」
mission:クリア出来ず。
このサマーオイル。自分がいない時はこうして誰かを置いていく。私としてはツギハギと二人きりよりは陀艮ちゃんや花御さんや脹相くんと居れば少し安全っぽく感じるのでいいのだが。ツギハギ?論外。
アイツ隙あれば遊ぼうとヤベェことしてくるから。
漏瑚さん?あの人勝手についてくるから。
保護者だよ。主に私が変なことしないように見張る。
今はいないけど。
「すっかり皆と仲良くなったね」
「まさか。それ本当にそう思って言ってる?」
にこにこと笑いながら隣に座ってくるオイル。
missionもコイツのせいで失敗したし、サマーオイルって長いからもうオイルでいい?
「殺されない程度に仲良くしてくれているなら良かったよ」
「うっかり殺られそうだけど」
「漏瑚と仲良くね」
「……仲良く、していいんだ?」
「どうかしたかい?」
「べっつにー?
あんたにとったら私は時間稼ぎの道具だもん。
殺された所で悟に隙出来るか、とか考えてるくらいでしょ」
「友人をそんな扱いするわけないだろ」
「友人?」
ハッ、と鼻で笑ってしまう。
「お前は私の友人ではないよ」
「寂しいこと言うなよ」
「私はね、誰かを嫌悪するなんてほとんど無いよ」
嫌いだと、イヤだと思うことはあっても
腸が煮えくり返るほど誰かを呪ったことはない。
「私の友人は前髪……夏油傑だ。
彼本人の体をお前が使っているだけでも彼を侮辱して、彼と関わりのあった人達すらも侮辱しているお前と友人?絶対にお断りだね」
「キミにとってはただの学生時代の顔見知り程度だろ?
彼と深い仲であったわけでもないし、キミは彼からすれば駆逐すべき人種だ」
にやり、と笑う姿を見るたび手が出そうになる。
こいつが話すたび、動くたび、抑えきれない悔しさが込み上げる。
「私を恨むならお門違いだよ。
この体の死体処理をきちんとしなかったのは五条悟だ」
「っ!!」
「くだらない正義を振り上げ、友人の手で始末された。そしてきちんと処理をしなかった結果だよ。私としてはありがたかったけどね」
「お前がっ!!お前がアイツらの関係を知った気で話すな!!」
私ですら入り込めない絆があった。
この二人はお互いに選んだんだ。
「夏油傑も五条悟もどちらも大馬鹿さ。
頭いいくせにお互いわかりあった気でいて、肝心なとこ話さず食い違って!!
けど…っ!!そんなの他人に言われなくても、本人達が一番よくわかってんだよ!!」
どこで食い違った?
どこなら引き返せた?
どこが間違っていた?
何度も何度も自分を責めたはずだ。
何度も何度も自分を引き返そうとしたはずだ。
けど
誰か、がやらなきゃいけないことを
彼らはお互いにするため突き進んだ。
「あいつらは間違っていても進むしかなかった。
後悔してる暇もなく」
他人が口を挟んだり、慰めの言葉を投げ掛ける隙間などない。
「まっすぐ生きた夏油傑をぶん殴って怒っていいのは悟だけなんだよ。
お前が余計な事すんな!」
「綺麗事だね」
私は知らない。
彼らがどうやって出会い、仲良くなったのか。
喧嘩多くて仲悪い時もあるのに、お互いを認めあってる。
笑いあって背中を預けられる。
敵になっても消えることの無い唯一の親友の地位。
「私は夏油傑をよく知らない」
呪術界で悪名高く、最悪の呪詛師と呼ばれようと
人としてやってはいけないことをしようと
「だけど、私は夏油傑の友人だ」
馬鹿なことを話して笑い合ったのも
チョコミント食べたのも
語り合ったのも
お前じゃない。
お前は、彼じゃない。
だからこそ、お前を友と認めない。
「だから私はあんたとは友達にならない」
「ふふ……夏油傑という人間は色んな形で大切にされていたんだね。妬けるな」
「優しい人だからね。
自分のこと後回しにして面倒見るお兄さんみたいな奴だから」
その優しさで救われた人がいる。
悟とは違った形で手を伸ばせる優しい人。
「友人だからこそ、お別れして……
ちゃんと寝かせてやらなきゃいけない」
「キミに何が出来るんだい?」
「さあ?私単体だと雑魚だからなぁ」
「雑魚が私をどうにか出来そうかい?」
「雑魚は雑魚らしく引っ掻き回すさ」
お前達の思い通りになんてさせない。
「あんたの思い通りに動くなんてごめんだね」
「くっくっくっ。
楽しみにしておくよ」
さあ、ゲームを始めよう。
私とお前達と
生と死を掛けたゲームを。
あとがき
途中からなに言いたいかわからなくなってきたが……通行人は今日もシリアスとシリアルの間で楽しく生きたいらしい。
ギャグとシリアスの交互で風邪引きそうだぜ!!
ちなみに本誌見てたら、通行人さんもbad endしか見当たらないんだけど……。
さぁーて、どうしたもんだ?
どうしよう、あそれ、どーしよう!
次回「魔法が無くなったらなんの取り柄もなくなっちゃう」
八方塞がりの通行人。
作者も八方塞がりだよ……。