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「俺の手を取れ」
呪いの王は私に手を伸ばす。
けれど、私はその手を取る事はない。
「ごめんなさい。
殿方の手を取る時はウェディングの時って決めてるの」
「うぇ……?」
「結納だ、結納」
え、宿儺さんウェディング知らんの?
まぁ昔の人だもんな。
「なるほど。じゃあ俺の嫁にでもしてやろうか?」
「なぜそうなった」
「その呪いを解けば呪術師共の敵となるんだ。
人間の世界で生き抜けるとでも?」
「生き抜くさ」
「ほぉ」
「ぶっちゃけ悠仁くんの顔で求婚されてもドキッとするけど……未成年の壁がね?」
「何言ってる」
だって貴方、悠仁くんまんまじゃん。
悠仁くんの双子のお兄さんって言われたら納得すっから。
精神年齢は年上だろうけど、見た目教え子に雰囲気もなく求婚されてもね……?
「そもそも宿儺さんや」
「なんだ」
「あんた私のこと嫁にしてどーすんの?
我が儘プーの自己中な旦那なんてやだよ」
「五条悟も変わらんだろ」
「………!!!!」
そーでした。
悟も変わらんわ。
「俺はオマエを気に入っている。
その呪いが解けて呪術師共に殺されるくらいなら俺が貰ってもいいだろう」
「良くない良くない。
むしろ人生狙われモードで人間界にいられない」
「呪いが解けても変わらんだろ」
「ド正論」
やだ、この宿儺さんめっちゃグイグイくるんだけどー。
三章始まってグイグイくるんですけどー。
「私って罪な女ね」
「………」
「突然冷めるの止めてよお客様」
「調子に乗るな」
「えー、嫁にするとか言ったくせにこっち見る目ゴミを見るようじゃん。
やだー、ひどーい」
「バラすぞ」
「さーせん」
突然の気分スイッチ止めてよ。
あ、どーもどーも。
お久しぶりでーっす!!!
皆、覚えているかなぁ………私、通行人名前たんだぉ☆
三章始まってさぁ、準備体操はバッチリだぜ!!!
今回もかっ飛ばしていくぜ!!皆、ついてこーい!!!!と思っていたんだけどね………
なぜだろう
領域招かれ
なぜだろう (通行人、心の俳句字余り)
まっっったく宿儺さんとコンタクトした記憶無いんだけどね!!!!
現実の私どーなってんの?
高専来た辺りから記憶無いんだけど!!!
「考え事か」
「うぉっ!?」
ぬっ、と覗き込むの禁止!!
悠仁くんお顔整ってて雄みが強いんだから!!
可愛い時もあるけれど、宿儺さんバージョンだと雄が強いんだから!!
「俺を目の前に考え事とは余裕だな」
「宿儺さんのこと考えてたんだよ」
「ほぉ?言ってみろ」
「なんで私呼んだの?」
そしてなんで貴方私のこと抱っこしてんの?
さっきまでゴミ見るように見てたよね?
突然の構ってちゃんかよ。
「その呪いは日々すり減っている」
トンッ、と私の胸を指差す宿儺さん。
「どこで授けられたのかは知らんが随分と変なモノに好かれたな」
「えっ、嘘でしょ。
そんなヤバいやつなの?守護とかじゃないの?」
「オマエを呪ったヤツは相当オマエを気に入っていたんだろうな。
普通に過ごしていれば一生もつはずだったほど強い加護だったのに」
「まじかよ」
ん?一生守って貰えるはずだった?
まて、すり減ってるって言ってたよな?
え?嘘でしょ?まじ?
「オマエが此方に踏み入れたから呪霊共は気付き始めている。
なぜだかわかるか?」
「………」
「五条悟と居るからだ。
強ければ強い呪ほど、オマエの存在は呪共にとって手を伸ばしたくなる」
甘えて
誉められたくて
声が聞きたくて
触れたくて
従えて欲しくて
「五条悟が呪術師最強ならば
オマエは俺と共に呪の頂点に立てる存在だ。
その意味がわかるか?」
「………悟を殺せるのが私だとでも?」
「皮肉だな。
好いた相手がオマエにとっての天敵だなんて」
ケヒケヒと笑いながら私の頬を撫でる。
「五条悟と出会った事で呪共がオマエに気付いた。
五条悟と一緒に居ることでオマエは加護をすり減らしている。
五条悟と共に歩む?
ケヒケヒケヒッ!!
アイツの存在がオマエを殺そうとしているのに?」
「宿儺さんノリッノリだね」
「もう少し付き合え」
それ言っちゃあかんだろ宿儺さん。
「五条悟と共に居れば居る程オマエの加護は消え、オマエは呪に囲われるぞ」
「私の加護は呪だから悟に自動的に祓われてるってこと?」
「強すぎる力に過剰に反応した結果だ」
「困ったねぇ」
「緩いな」
「いや、真面目に困ってるよ。
人間辞めて呪とお友達なんて真っ平ごめんだし」
よっこいせ、と宿儺さんのお膝元から降りる。
それにしても趣味悪い骨まみれの世界は気が滅入る。
「私は悟が好きだよ。
悟を選んだことに後悔なんてない」
一歩、一歩歩いていく。
大きな骨の足場は不安定だ。
「例え加護が消えても私は最善の方法を考えるよ」
その方法で私の未来や自由が無くなっても
「生きることを諦めないし
私は人間として幸せに生きたい」
「ほぉ……」
「おばーちゃんになって孫の顔見ながら
笑って死ぬんだ。
その為なら悪あがき上等!!
最強の男がダーリンなんだもの、どーにかこーにか抜け道見付かるよ」
「やはり面白い」
ニヤリ、と笑う宿儺さん。
「オマエが絶望に泣く姿を楽しみにしてる」
「うわっ、趣味悪ッ」
骨の一番先端。
意地悪く笑う宿儺さんを見て手を振る。
「バイバイ」
「またな」
視界が真っ暗になった。
「はっ!!」
「うわっ!?起きた!!」
「大丈夫か」
「……美人がいる。ここが天国か」
「駄目だな、今すぐ頭開いて脳弄るか」
「ストップ!!ストップ!!」
「止めるな虎杖」
硝子ちゃんを止める悠仁くん。
うん、どういう状況?
「覚えてる?
俺と会った途端フラついて校舎の柱に頭思いっきりぶったこと」
「なるほど、どうりで頭ズキズキするわけだ」
「頭が可笑しいのは元からだが、こぶはそのうち引っ込むだろ」
「硝子ちゃん、一言多いなぁ」
「名前姉寝不足だった?体調悪かった?
無理したら駄目だよ」
「ごめーん、心配かけたね」
わしゃしゃしゃ、と悠仁くんの頭を撫でる。
くすぐったそうに笑う悠仁くん。
「起きた事先生に言ってくる!!」
「ゆっくり廊下は走らずねー」
「はーい!!」
バタバタと小走りでいなくなった悠仁くん。
ズキズキ痛む頭には本当にこぶがあった。
そら痛むわ。
「で、何があった」
「わお、硝子ちゃんサイコパス?」
「寝不足じゃないんだろ」
「記憶が定かじゃないけど呼ばれたらしい」
「宿儺か」
高専に来たところまでは覚えている。
しかし、悠仁くんと会った記憶は曖昧だし、気付いた時には領域内だった。
「硝子ちゃん、私思っていたよりヤベェ存在だった」
「元々ヤベェ存在だろ」
「そーだけどそーじゃない」
「黒歴史よりヤバイ事か」
「……どっこいどっこいかな?」
「ヤバいな、それは」
冗談を混ぜながら気楽に聞いてくれる硝子ちゃんが好きだ。
「加護、悟と居れば居る程無くなるってさ」
「そうか」
「悟を殺せるくらいの能力があるらしいよ、私」
「そうか」
「悟の存在が私を殺そうとしてるんだって」「そうか」
強がっていたものの、流石にくるものがある。
「悟になら殺されてもいいって言ったら
怒るよねぇ」
「怒るぞ、私も」
「ベットの中では殺されてんだけどさ」
「オマエらの床事情とかいらん」
「ふふっ」
「悟に話すのか」
「誤魔化されてくれないでしょ」
「オマエへの執着心は呪いレベルだからな」
「やだー、特級レベルの執着心とかこわっ!!」
「誰のことが怖いって?」
君のことですよ、君の!!
音もなく背後にいるとか、目の前にいるとか慣れたわ。
だって悟だもん。
「頭ぶつけたんだって?」
「うむ。ちょっと宿儺さんに招待されて頭ぶつけたらしい」
「は?」
「あらやだ、お顔が怖いわダーリン」
「詳しく、ふざけないで話せ」
「痛い痛い痛い!!そここぶ!!ぶつけた場所!!」
「硝子、コイツの体に異変は?」
「無い。あえて言うならオマエが今押してるこぶくらいだな」
優しくなったと思ったが、やばり意地悪!!!
悟って好きな子泣かして苛めぬいて喜ぶサイコパスだよね!!!!知ってた!!
「宿儺さんに求婚されただけだよ」
「は?それこそ意味わかんないんだけど」
「私人類最強と呪い最強からアピールされるってモテ期?やだー、心が死ぬわー」
「ふざけんなって」
「三章の始まりからどえらいことになっていつもの悪ふざけにキレが出ない私ですが?何か?」
「そんな裏事情知らないよ」
「いっそのこと宿儺さんと社交ダンスすりゃ良かった?」
「硝子、コイツ頭の打ち所悪かったの?」
「ソイツの頭の悪さは今に始まったことじゃないだろ」
「それもそうか」
「はい!!君たち私に謝って!!!!」
年々ひどくなっていってねーか!?
「悟さ」
「何」
「悟が原因で私が死ぬかもって言われたらどーする?」
「宿儺が言ったの?」
「うわっ、顔こわっ!!」
「生徒には見せられない顔だな」
「二人とも真面目に話して」
いつも悪ふざけしてる悟に真面目に話してって言われちまったよ。
シリアス?いいえ、そんなフラグは叩き折って踏み潰しますよ。
「万が一僕が原因で名前が死ぬかもしれないならそうだなぁ……
僕の為に死んでくれる?」
にっこり笑いながら小首を傾げる悟。
硝子ちゃんと共に表情を歪める。
「うわっ!!
そこは"僕が死んでも守るよ"じゃないの?」
「無いな」
「僕死なないし。
そもそも名前を死なすつもりもないし」
「うん、悟らしい」
「自意識過剰だな」
「で?何言われた」
逃がす気はないと詰め寄る悟。
「私の加護は悟と居れば居る程削られ
私は悟を殺せる呪い使いになれて
人間界から排除されるなら嫁に来いとさ」
「無いわー」
「ね。ないない」
「仮に本当の話だったとしても僕が対策何も考えていないとでも思ってんのかね」
「おっ!!さっすが悟!!よっ、最強!!
何か考えがおありなのかな?」
「何もないけど」
「期待させて落とす」
「色々考えているけど実際起こってみないとあれこれ考えても空回るだけだから。
オマエは気にせず僕の隣に居ろ」
ぽふぽふ悟に頭を撫でられて安心する。
ぐりぐりと悟に頭を押し付け、すり寄ればハグしてくれた。
「変なこと考えんなよ」
「うん」
「オマエは僕の隣で馬鹿面しながら笑ってな」
「一言余計」
「イチャつくなら他所でやれ」
硝子ちゃんに追い出された。
「悠仁くん気にしてない?」
「寝不足だと思ってるみたいだから大丈夫そう」
「なら良かった」
「近付くな……って言ったら怒る?」
「悠仁くんに?」
「宿儺が興味を持って引き込むほどの繋がりを作って来てる。
悠仁のような器なら繋がりが出来ても不思議じゃないがオマエは違う」
「私の特殊体質が影響してんのかね…」
「かもね」
上に目を付けられないよう、悟が守ってくれているが……いつ、どこからバレてしまうかわからない。
バレた時、悟に迷惑を掛けることになってしまう。
「悟」
「やだ」
「………まだ何も言ってませんが?」
「どうせバレた時、不利になるなら見捨てろって事だろ」
「おしい!!
不利になるくらいなら悟は丸め込むでしょ?
もしも悠仁くんに濡れ衣被せようとする輩がいるなら容赦なく私を切り捨てろって言おうと思いました」
「だからやだって」
「思っただけでーす。
考えたら悟の我が儘貫いて、悟の保護下に入れられるだけだな、と思って」
「当たり前じゃん。
生徒も彼女も僕が守るに決まってる」
「かーっこいー!」
あれこれ考えても始まらない。
ならば、私は今後悔しないために今を楽しんでいく。
「普通のヒロインなら泣いて凹んで抱え込むのかな?」
「名前には無理だね」
ハッキリ言われてイラっときたぞ。
私だって可愛いヒロインになれるはずだ!!
「………この身が悪だと言うのなら…
私は生徒を、恋人を守るために死を選ぶわ」
「僕の気持ちは無視?」
「自分勝手だと言われても、私は貴方に生きて欲しいの」
するり、と悟の頬を撫でる。
「貴方は誰よりも強いわ。
一人で解決出来てしまう。
周りが貴方の足を引っ張ってしまう……
その足を引っ張ってしまう私のせいで、貴方に何かある方が私は嫌なのよ」
「僕が信じられない?」
「信じているわ。だからこそ、私が手離すの」
「………勝手だね」
「私を忘れないで。ずっと」
「罪な女だね、オマエは」
悟の首に腕を回す。
悟も私の腰に腕を回している。
「愛しているわ、悟」
「僕もだよ、名前」
「何やってんすかアンタら」
「イチャつくなら他所でやれ」
「名前姉元気そう!!」
廊下から来た一年トリオに凄い顔された。
うん、私ら何してんだ本当に?
「悟、私やっぱりヒロイン向いてないわ」
「知ってた。悪役令嬢だろ」
「おかしいな……可愛いヒロインはこんなときどう反応するのか…」
「何の話?」
「さあ?いつもの馬鹿話じゃないかしら?」
難しいな、プリンセス。
あとがき
三章はっじまっるよーーーーん!!!!
はじめっから飛ばしたな。
いきなりwww
三章といいつつ、どこから手をつけていいのかわからなーーーいっ!!
どことどう絡ませるべきなのか……
え?どうすりゃいーの?(笑)(笑)
通行人の終着駅どこっすかーーー!!?
次回「はなてーーー!!」
巨神兵を引き連れ通行人は滅びの呪文を唱える。
呪いの王は私に手を伸ばす。
けれど、私はその手を取る事はない。
「ごめんなさい。
殿方の手を取る時はウェディングの時って決めてるの」
「うぇ……?」
「結納だ、結納」
え、宿儺さんウェディング知らんの?
まぁ昔の人だもんな。
「なるほど。じゃあ俺の嫁にでもしてやろうか?」
「なぜそうなった」
「その呪いを解けば呪術師共の敵となるんだ。
人間の世界で生き抜けるとでも?」
「生き抜くさ」
「ほぉ」
「ぶっちゃけ悠仁くんの顔で求婚されてもドキッとするけど……未成年の壁がね?」
「何言ってる」
だって貴方、悠仁くんまんまじゃん。
悠仁くんの双子のお兄さんって言われたら納得すっから。
精神年齢は年上だろうけど、見た目教え子に雰囲気もなく求婚されてもね……?
「そもそも宿儺さんや」
「なんだ」
「あんた私のこと嫁にしてどーすんの?
我が儘プーの自己中な旦那なんてやだよ」
「五条悟も変わらんだろ」
「………!!!!」
そーでした。
悟も変わらんわ。
「俺はオマエを気に入っている。
その呪いが解けて呪術師共に殺されるくらいなら俺が貰ってもいいだろう」
「良くない良くない。
むしろ人生狙われモードで人間界にいられない」
「呪いが解けても変わらんだろ」
「ド正論」
やだ、この宿儺さんめっちゃグイグイくるんだけどー。
三章始まってグイグイくるんですけどー。
「私って罪な女ね」
「………」
「突然冷めるの止めてよお客様」
「調子に乗るな」
「えー、嫁にするとか言ったくせにこっち見る目ゴミを見るようじゃん。
やだー、ひどーい」
「バラすぞ」
「さーせん」
突然の気分スイッチ止めてよ。
あ、どーもどーも。
お久しぶりでーっす!!!
皆、覚えているかなぁ………私、通行人名前たんだぉ☆
三章始まってさぁ、準備体操はバッチリだぜ!!!
今回もかっ飛ばしていくぜ!!皆、ついてこーい!!!!と思っていたんだけどね………
なぜだろう
領域招かれ
なぜだろう (通行人、心の俳句字余り)
まっっったく宿儺さんとコンタクトした記憶無いんだけどね!!!!
現実の私どーなってんの?
高専来た辺りから記憶無いんだけど!!!
「考え事か」
「うぉっ!?」
ぬっ、と覗き込むの禁止!!
悠仁くんお顔整ってて雄みが強いんだから!!
可愛い時もあるけれど、宿儺さんバージョンだと雄が強いんだから!!
「俺を目の前に考え事とは余裕だな」
「宿儺さんのこと考えてたんだよ」
「ほぉ?言ってみろ」
「なんで私呼んだの?」
そしてなんで貴方私のこと抱っこしてんの?
さっきまでゴミ見るように見てたよね?
突然の構ってちゃんかよ。
「その呪いは日々すり減っている」
トンッ、と私の胸を指差す宿儺さん。
「どこで授けられたのかは知らんが随分と変なモノに好かれたな」
「えっ、嘘でしょ。
そんなヤバいやつなの?守護とかじゃないの?」
「オマエを呪ったヤツは相当オマエを気に入っていたんだろうな。
普通に過ごしていれば一生もつはずだったほど強い加護だったのに」
「まじかよ」
ん?一生守って貰えるはずだった?
まて、すり減ってるって言ってたよな?
え?嘘でしょ?まじ?
「オマエが此方に踏み入れたから呪霊共は気付き始めている。
なぜだかわかるか?」
「………」
「五条悟と居るからだ。
強ければ強い呪ほど、オマエの存在は呪共にとって手を伸ばしたくなる」
甘えて
誉められたくて
声が聞きたくて
触れたくて
従えて欲しくて
「五条悟が呪術師最強ならば
オマエは俺と共に呪の頂点に立てる存在だ。
その意味がわかるか?」
「………悟を殺せるのが私だとでも?」
「皮肉だな。
好いた相手がオマエにとっての天敵だなんて」
ケヒケヒと笑いながら私の頬を撫でる。
「五条悟と出会った事で呪共がオマエに気付いた。
五条悟と一緒に居ることでオマエは加護をすり減らしている。
五条悟と共に歩む?
ケヒケヒケヒッ!!
アイツの存在がオマエを殺そうとしているのに?」
「宿儺さんノリッノリだね」
「もう少し付き合え」
それ言っちゃあかんだろ宿儺さん。
「五条悟と共に居れば居る程オマエの加護は消え、オマエは呪に囲われるぞ」
「私の加護は呪だから悟に自動的に祓われてるってこと?」
「強すぎる力に過剰に反応した結果だ」
「困ったねぇ」
「緩いな」
「いや、真面目に困ってるよ。
人間辞めて呪とお友達なんて真っ平ごめんだし」
よっこいせ、と宿儺さんのお膝元から降りる。
それにしても趣味悪い骨まみれの世界は気が滅入る。
「私は悟が好きだよ。
悟を選んだことに後悔なんてない」
一歩、一歩歩いていく。
大きな骨の足場は不安定だ。
「例え加護が消えても私は最善の方法を考えるよ」
その方法で私の未来や自由が無くなっても
「生きることを諦めないし
私は人間として幸せに生きたい」
「ほぉ……」
「おばーちゃんになって孫の顔見ながら
笑って死ぬんだ。
その為なら悪あがき上等!!
最強の男がダーリンなんだもの、どーにかこーにか抜け道見付かるよ」
「やはり面白い」
ニヤリ、と笑う宿儺さん。
「オマエが絶望に泣く姿を楽しみにしてる」
「うわっ、趣味悪ッ」
骨の一番先端。
意地悪く笑う宿儺さんを見て手を振る。
「バイバイ」
「またな」
視界が真っ暗になった。
「はっ!!」
「うわっ!?起きた!!」
「大丈夫か」
「……美人がいる。ここが天国か」
「駄目だな、今すぐ頭開いて脳弄るか」
「ストップ!!ストップ!!」
「止めるな虎杖」
硝子ちゃんを止める悠仁くん。
うん、どういう状況?
「覚えてる?
俺と会った途端フラついて校舎の柱に頭思いっきりぶったこと」
「なるほど、どうりで頭ズキズキするわけだ」
「頭が可笑しいのは元からだが、こぶはそのうち引っ込むだろ」
「硝子ちゃん、一言多いなぁ」
「名前姉寝不足だった?体調悪かった?
無理したら駄目だよ」
「ごめーん、心配かけたね」
わしゃしゃしゃ、と悠仁くんの頭を撫でる。
くすぐったそうに笑う悠仁くん。
「起きた事先生に言ってくる!!」
「ゆっくり廊下は走らずねー」
「はーい!!」
バタバタと小走りでいなくなった悠仁くん。
ズキズキ痛む頭には本当にこぶがあった。
そら痛むわ。
「で、何があった」
「わお、硝子ちゃんサイコパス?」
「寝不足じゃないんだろ」
「記憶が定かじゃないけど呼ばれたらしい」
「宿儺か」
高専に来たところまでは覚えている。
しかし、悠仁くんと会った記憶は曖昧だし、気付いた時には領域内だった。
「硝子ちゃん、私思っていたよりヤベェ存在だった」
「元々ヤベェ存在だろ」
「そーだけどそーじゃない」
「黒歴史よりヤバイ事か」
「……どっこいどっこいかな?」
「ヤバいな、それは」
冗談を混ぜながら気楽に聞いてくれる硝子ちゃんが好きだ。
「加護、悟と居れば居る程無くなるってさ」
「そうか」
「悟を殺せるくらいの能力があるらしいよ、私」
「そうか」
「悟の存在が私を殺そうとしてるんだって」「そうか」
強がっていたものの、流石にくるものがある。
「悟になら殺されてもいいって言ったら
怒るよねぇ」
「怒るぞ、私も」
「ベットの中では殺されてんだけどさ」
「オマエらの床事情とかいらん」
「ふふっ」
「悟に話すのか」
「誤魔化されてくれないでしょ」
「オマエへの執着心は呪いレベルだからな」
「やだー、特級レベルの執着心とかこわっ!!」
「誰のことが怖いって?」
君のことですよ、君の!!
音もなく背後にいるとか、目の前にいるとか慣れたわ。
だって悟だもん。
「頭ぶつけたんだって?」
「うむ。ちょっと宿儺さんに招待されて頭ぶつけたらしい」
「は?」
「あらやだ、お顔が怖いわダーリン」
「詳しく、ふざけないで話せ」
「痛い痛い痛い!!そここぶ!!ぶつけた場所!!」
「硝子、コイツの体に異変は?」
「無い。あえて言うならオマエが今押してるこぶくらいだな」
優しくなったと思ったが、やばり意地悪!!!
悟って好きな子泣かして苛めぬいて喜ぶサイコパスだよね!!!!知ってた!!
「宿儺さんに求婚されただけだよ」
「は?それこそ意味わかんないんだけど」
「私人類最強と呪い最強からアピールされるってモテ期?やだー、心が死ぬわー」
「ふざけんなって」
「三章の始まりからどえらいことになっていつもの悪ふざけにキレが出ない私ですが?何か?」
「そんな裏事情知らないよ」
「いっそのこと宿儺さんと社交ダンスすりゃ良かった?」
「硝子、コイツ頭の打ち所悪かったの?」
「ソイツの頭の悪さは今に始まったことじゃないだろ」
「それもそうか」
「はい!!君たち私に謝って!!!!」
年々ひどくなっていってねーか!?
「悟さ」
「何」
「悟が原因で私が死ぬかもって言われたらどーする?」
「宿儺が言ったの?」
「うわっ、顔こわっ!!」
「生徒には見せられない顔だな」
「二人とも真面目に話して」
いつも悪ふざけしてる悟に真面目に話してって言われちまったよ。
シリアス?いいえ、そんなフラグは叩き折って踏み潰しますよ。
「万が一僕が原因で名前が死ぬかもしれないならそうだなぁ……
僕の為に死んでくれる?」
にっこり笑いながら小首を傾げる悟。
硝子ちゃんと共に表情を歪める。
「うわっ!!
そこは"僕が死んでも守るよ"じゃないの?」
「無いな」
「僕死なないし。
そもそも名前を死なすつもりもないし」
「うん、悟らしい」
「自意識過剰だな」
「で?何言われた」
逃がす気はないと詰め寄る悟。
「私の加護は悟と居れば居る程削られ
私は悟を殺せる呪い使いになれて
人間界から排除されるなら嫁に来いとさ」
「無いわー」
「ね。ないない」
「仮に本当の話だったとしても僕が対策何も考えていないとでも思ってんのかね」
「おっ!!さっすが悟!!よっ、最強!!
何か考えがおありなのかな?」
「何もないけど」
「期待させて落とす」
「色々考えているけど実際起こってみないとあれこれ考えても空回るだけだから。
オマエは気にせず僕の隣に居ろ」
ぽふぽふ悟に頭を撫でられて安心する。
ぐりぐりと悟に頭を押し付け、すり寄ればハグしてくれた。
「変なこと考えんなよ」
「うん」
「オマエは僕の隣で馬鹿面しながら笑ってな」
「一言余計」
「イチャつくなら他所でやれ」
硝子ちゃんに追い出された。
「悠仁くん気にしてない?」
「寝不足だと思ってるみたいだから大丈夫そう」
「なら良かった」
「近付くな……って言ったら怒る?」
「悠仁くんに?」
「宿儺が興味を持って引き込むほどの繋がりを作って来てる。
悠仁のような器なら繋がりが出来ても不思議じゃないがオマエは違う」
「私の特殊体質が影響してんのかね…」
「かもね」
上に目を付けられないよう、悟が守ってくれているが……いつ、どこからバレてしまうかわからない。
バレた時、悟に迷惑を掛けることになってしまう。
「悟」
「やだ」
「………まだ何も言ってませんが?」
「どうせバレた時、不利になるなら見捨てろって事だろ」
「おしい!!
不利になるくらいなら悟は丸め込むでしょ?
もしも悠仁くんに濡れ衣被せようとする輩がいるなら容赦なく私を切り捨てろって言おうと思いました」
「だからやだって」
「思っただけでーす。
考えたら悟の我が儘貫いて、悟の保護下に入れられるだけだな、と思って」
「当たり前じゃん。
生徒も彼女も僕が守るに決まってる」
「かーっこいー!」
あれこれ考えても始まらない。
ならば、私は今後悔しないために今を楽しんでいく。
「普通のヒロインなら泣いて凹んで抱え込むのかな?」
「名前には無理だね」
ハッキリ言われてイラっときたぞ。
私だって可愛いヒロインになれるはずだ!!
「………この身が悪だと言うのなら…
私は生徒を、恋人を守るために死を選ぶわ」
「僕の気持ちは無視?」
「自分勝手だと言われても、私は貴方に生きて欲しいの」
するり、と悟の頬を撫でる。
「貴方は誰よりも強いわ。
一人で解決出来てしまう。
周りが貴方の足を引っ張ってしまう……
その足を引っ張ってしまう私のせいで、貴方に何かある方が私は嫌なのよ」
「僕が信じられない?」
「信じているわ。だからこそ、私が手離すの」
「………勝手だね」
「私を忘れないで。ずっと」
「罪な女だね、オマエは」
悟の首に腕を回す。
悟も私の腰に腕を回している。
「愛しているわ、悟」
「僕もだよ、名前」
「何やってんすかアンタら」
「イチャつくなら他所でやれ」
「名前姉元気そう!!」
廊下から来た一年トリオに凄い顔された。
うん、私ら何してんだ本当に?
「悟、私やっぱりヒロイン向いてないわ」
「知ってた。悪役令嬢だろ」
「おかしいな……可愛いヒロインはこんなときどう反応するのか…」
「何の話?」
「さあ?いつもの馬鹿話じゃないかしら?」
難しいな、プリンセス。
あとがき
三章はっじまっるよーーーーん!!!!
はじめっから飛ばしたな。
いきなりwww
三章といいつつ、どこから手をつけていいのかわからなーーーいっ!!
どことどう絡ませるべきなのか……
え?どうすりゃいーの?(笑)(笑)
通行人の終着駅どこっすかーーー!!?
次回「はなてーーー!!」
巨神兵を引き連れ通行人は滅びの呪文を唱える。