先輩シリーズ (五条)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その連絡が来たとき
私は海外にいた。
「………え?」
先生から告げられた言葉が
頭に入って来なくて
携帯を落としそうになった。
夏油 傑が、呪詛師に堕ちた。
村人約100名を呪霊を使って殺害し、逃走。
呪術規定9条に基づき
呪詛師として処刑対象となる。
夜蛾先生から告げられた言葉に
携帯を強く握りしめた。
私が日本に帰ってきたのは
それから幾日も経っていなかった。
「先輩」
「………傑」
「おかえりなさい、先輩」
にっこりと笑いながら
出口で手を振っている傑。
ゆったりとした全身黒い服。
そこに、高専のボタンはない
私服姿だった。
最後に見た時よりもイキイキとしていて
健康的に見える。
そして、彼の後ろには
可愛らしい2人の女の子。
「……よく、帰ってくる日が
今日のこの時間だとわかったね」
「搭乗データをちょっと見せてもらっていましたから」
「犯罪者じゃん」
「犯罪者ですよ」
くすり、と笑う傑。
「聞いたよ、先生から。冤罪?」
「いえ
自分で選びました」
「………その子達?」
「この子達はきっかけに過ぎませんよ
元々、私の中で非術師の価値が揺らいでいた」
「これからどうするの?」
「術師だけの世界を作ります」
「非術師を皆殺しにして?」
「邪魔するなら、術師も殺しますよ」
冷たく笑う傑。
何を言ったところで
傑は傑の道を選んだらしい。
「てってれー!傑君、こちらは何でしょう」
「……先輩、いきなり何ですか」
「正解はお菓子!!」
スタスタと歩き、傑に近寄る。
そして、取り出したお菓子を傑に突き付ける。
「ちゃんと人数分買ってるんだから
餞別にもって行きな」
「……餞別って」
「悟の分も、硝子の分も、大和の分も
七海君や灰原君のもあるのに
傑のだけ残るなら今渡す」
「………先輩、灰原のこと聞いてないんですか?」
「ん?なに、灰原も呪詛師になったの?」
「いえ……亡くなりましたよ。任務で」
「…………そっか」
なら、と灰原の分も傑へ渡す。
苦笑しながら受け取った傑。
私のいない間に
随分と色々なことがあったらしい。
「先輩は、私を非難しないんですか」
「しない。
けど、傑のやっていることの
正当化もしない」
「一応聞きますが、こちら側に来ませんか?」
「いかないよ
悟が泣いちゃうからね」
「………悟を選ぶんですか?」
「うん
家も、気になってる子も、親も
全て捨てて、悟を選ぶよ」
「残念」
迷っているなら、狙えたのに…と
気楽に言うものだから
笑ってしまう。
「傑って、本当私のこと好きだったんだね」
「好きでしたよ」
「分かりにくい」
「悟が真っ直ぐだったんで」
「傑」
「何ですか」
「さようなら」
「……さよなら、先輩」
傑の横を抜けて、子供へと視線を落とす。
少し怯えた様子に
出来るだけ優しく笑いながら
2人の頭を撫でた。
「次会うときは、敵同士だね」
「その時はよろしくお願いします」
「やだよ
傑のが強いんだから、逃げる」
「なら、捕まえて監禁ですね」
「………犯罪者」
「犯罪者ですって」
くすり、と笑っている傑。
その笑顔を最後に
私は傑に背を向けて歩いた。
高専に戻れば
灰原が失くなったことが伝えられた。
談話室を通れば
珍しく大和、硝子、悟がいた。
「やっほ」
「……名前か、お疲れ」
「名前先輩おかえりなさい」
「………名前」
硝子はいつも通りだったが
大和と悟は少し暗い。
キャリーケースを入り口に置き
お土産をテーブルに置く。
「硝子、お土産」
「いつもありがとうございます」
「ほら、大和と悟のも」
「どーも」
「………ん」
「帰りの空港に、傑いたよ」
ソファーに座りながら言えば
三人揃ってこちらを見てくる。
多めに買ったお土産の中の一つを開けて
チョコレートを口に放り込む。
「イキイキしてたわ」
「……名前、夏油は」
「知ってる。任務中に先生から連絡あった」
「夏油、よく名前先輩が
帰ってくる飛行機わかりましたね」
「ハッキングで調べたらしいよ」
「…何もされてねーの?」
「お土産渡して話したくらいだよ」
名前の言葉に
大和と悟が呆れた顔をする。
硝子は噴き出していた。
「ショックは受けたけど
あんなイキイキとした顔されたら
戻って来いと言えないわ」
「だけど!!」
「傑はその他大勢の非術師より
呪術師だけを選ぶことを決めた
自分で在り方を決めたなら
他が何を言おうと、揺るがないよ」
「名前、お前…っ」
「大和。私は善人じゃない。
傑の考え方に納得はしたけど
賛成はしてないよ」
傑は生きやすい道を選んだ。
その先が人として、間違っていても。
「私に出来るのは
後輩とお別れするくらいだ」
「……傑、何か言ってた?」
「今度会ったら監禁されるらしい」
「待て、どーしてそーなった」
「だから、私は傑に遭わないように
気を付けなきゃいけないね」
「名前先輩モテモテですね」
「問題児ばかりからね」
お土産も渡したし、と立ち上がり
部屋に戻ると言えば
硝子がゆっくり休んでくださいと手を振ってくれた。
悟も一緒に立ち上がったと思えば
キャリーケースを持ってくれる。
どうやら、部屋まで持って行ってくれるみたいだ。
部屋に着けば
悟も当たり前のように入ってきて
キャリーケースを部屋の角に置くと
抱き付いてきた。
「……悟は傑と会った?」
「会った」
「そっか」
強く抱き締めてくる悟。
その頭を撫でる。
「傑に告られた?」
「……告られたうちに入るのかな?」
「よく帰って来れたね」
「迷っているなら連れて行ったと言われたよ」
「あいつ…」
「傑は、不器用だね」
真面目で、不器用な生き方。
呪術師をやっているよりも
呪詛師をやっている方が
楽に生きれるなんて。
「………馬鹿だね、傑は」
「馬鹿なんだよ」
泣きそうな、拗ねたような
苦虫を噛み潰したような悟の顔。
頭を抱えるように抱き締めれば
ぐりぐりと頭を擦り付けてくる。
「……名前」
「なんだい?悟」
「俺だけ強くなっても、駄目らしいよ」
「そうだね…
悟だけが強かったら、周りは置いてけぼりだ」
「………」
「悟を守れる人もいない
隣で戦ってくれる人もいないのは寂しいよ」
一人は寂しい。
どんなに強くても
一人の負担が大きければ
終わってしまう。
「名前は、絶対いなくなるなよ」
俺の側から
俺の元から
「いなくならないよ」
二人で"最強"だった。
けど
どこでズレたのか
どこで欠けたのか
一人で"最強"になった。
「悟も仲間を探さないとね」
「仲間……?」
「悟みたいに
誰にも負けないくらい
強くなってくれる仲間」
今は悟だけでも
これから育つ子供達がいる。
「私も強くなるから」
置いていかれないように
肩を並べられるように
もぞもぞと腕のなかで悟が動き
離してやると
顔を上げた悟が
こつん、と額を合わせてくる。
「傑に会ったら逃げろよ」
「拉致、監禁コースだもんなぁ」
「あいつ、そういうAV好きだったからな」
「そんな性癖バラすなよ」
「女優も名前に似てたし」
「ほんと、止めたげて」
「むっつりだし、変な前髪だし」
「こらこら」
「………っざけんなよ」
泣き出しそうな悟の首に腕を回し
力一杯抱き締めた。
それから数日後
悟がおにーさんの息子に会いに行ってきたと
事後報告があった。
「何で一人で行ったのさ」
「名前は駄目。絶対だめ」
「なんで」
「めっっっちゃくちゃクリソツだった」
「おにーさんに?」
嫌そうな顔をして
引っ付いてくる悟。
おにーさんの息子を
禪院に売らないために
先に手回ししてきたらしい。
しかし、会いに行ったら
嫌な顔をするレベルで似ていたと。
「………会いに行ってみようかな」
「だめ」
「だから、何でさ」
「名前の可愛がりスイッチが入るから」
「…………」
「こっそり見に行くのも駄目だからな」
釘を刺されてしまったので
これはしばらく会いに行けないな…と思う。
「父親のこと話そうとしたら
母親と蒸発したんだと思ってる」
「………悟、自分が殺りましたって
子供相手に言おうとしたの?」
「その前に、勝手に悟ってた」
「母親もいないの?」
「少し前から帰って無いんだと」
それ、本当に大丈夫か?と
思ってしまう。
義理の姉もいるらしく
子供二人で暮らしていると。
「会いに行っちゃだめ?」
「駄目。
名前の構いたがりが発動するから」
「子供二人だけなんでしょ?」
「せめて、入籍してからにしてよ。
構いたがりの名前がほっとけない病
発動するのわかって言ってるんだから」
「つまり、悟君と入籍するまでは
会いに行くのも
構うのも駄目だと?」
「駄目。僕のこと構って」
悟の一人称に、キョトンとする。
今までは俺、だったのに。
「…………悟」
「何」
「いや、うん……いいと思うヨ?」
「僕じゃおかしい?」
「私よりは合ってるけど……うん、怖い」
「なにが」
「胡散臭さが…」
「胡散臭いって酷くない?
可愛い可愛い悟君のことを」
「うざい……」
「うざくない。構って」
ぐりぐりと
頭を押し付けてくる190センチオーバーに
ぽふぽふと頭を撫でた。
あとがき
力尽きてきています。
次でラストです。
悟は先輩にだけは
ベッタベタに甘えられれば
いつでも最強でいられると思います。
しかし、この後数年
おにーさん似の恵が可愛くて可愛くて
仕方のない名前さんが
恵を構い倒す。
グレ恵さえも可愛いと
撫でくりまわし
悟が嫉妬!!となれば面白いなぁ(笑)
津美紀と名前さんで
恵可愛いと愛でればいい。
私は海外にいた。
「………え?」
先生から告げられた言葉が
頭に入って来なくて
携帯を落としそうになった。
夏油 傑が、呪詛師に堕ちた。
村人約100名を呪霊を使って殺害し、逃走。
呪術規定9条に基づき
呪詛師として処刑対象となる。
夜蛾先生から告げられた言葉に
携帯を強く握りしめた。
私が日本に帰ってきたのは
それから幾日も経っていなかった。
「先輩」
「………傑」
「おかえりなさい、先輩」
にっこりと笑いながら
出口で手を振っている傑。
ゆったりとした全身黒い服。
そこに、高専のボタンはない
私服姿だった。
最後に見た時よりもイキイキとしていて
健康的に見える。
そして、彼の後ろには
可愛らしい2人の女の子。
「……よく、帰ってくる日が
今日のこの時間だとわかったね」
「搭乗データをちょっと見せてもらっていましたから」
「犯罪者じゃん」
「犯罪者ですよ」
くすり、と笑う傑。
「聞いたよ、先生から。冤罪?」
「いえ
自分で選びました」
「………その子達?」
「この子達はきっかけに過ぎませんよ
元々、私の中で非術師の価値が揺らいでいた」
「これからどうするの?」
「術師だけの世界を作ります」
「非術師を皆殺しにして?」
「邪魔するなら、術師も殺しますよ」
冷たく笑う傑。
何を言ったところで
傑は傑の道を選んだらしい。
「てってれー!傑君、こちらは何でしょう」
「……先輩、いきなり何ですか」
「正解はお菓子!!」
スタスタと歩き、傑に近寄る。
そして、取り出したお菓子を傑に突き付ける。
「ちゃんと人数分買ってるんだから
餞別にもって行きな」
「……餞別って」
「悟の分も、硝子の分も、大和の分も
七海君や灰原君のもあるのに
傑のだけ残るなら今渡す」
「………先輩、灰原のこと聞いてないんですか?」
「ん?なに、灰原も呪詛師になったの?」
「いえ……亡くなりましたよ。任務で」
「…………そっか」
なら、と灰原の分も傑へ渡す。
苦笑しながら受け取った傑。
私のいない間に
随分と色々なことがあったらしい。
「先輩は、私を非難しないんですか」
「しない。
けど、傑のやっていることの
正当化もしない」
「一応聞きますが、こちら側に来ませんか?」
「いかないよ
悟が泣いちゃうからね」
「………悟を選ぶんですか?」
「うん
家も、気になってる子も、親も
全て捨てて、悟を選ぶよ」
「残念」
迷っているなら、狙えたのに…と
気楽に言うものだから
笑ってしまう。
「傑って、本当私のこと好きだったんだね」
「好きでしたよ」
「分かりにくい」
「悟が真っ直ぐだったんで」
「傑」
「何ですか」
「さようなら」
「……さよなら、先輩」
傑の横を抜けて、子供へと視線を落とす。
少し怯えた様子に
出来るだけ優しく笑いながら
2人の頭を撫でた。
「次会うときは、敵同士だね」
「その時はよろしくお願いします」
「やだよ
傑のが強いんだから、逃げる」
「なら、捕まえて監禁ですね」
「………犯罪者」
「犯罪者ですって」
くすり、と笑っている傑。
その笑顔を最後に
私は傑に背を向けて歩いた。
高専に戻れば
灰原が失くなったことが伝えられた。
談話室を通れば
珍しく大和、硝子、悟がいた。
「やっほ」
「……名前か、お疲れ」
「名前先輩おかえりなさい」
「………名前」
硝子はいつも通りだったが
大和と悟は少し暗い。
キャリーケースを入り口に置き
お土産をテーブルに置く。
「硝子、お土産」
「いつもありがとうございます」
「ほら、大和と悟のも」
「どーも」
「………ん」
「帰りの空港に、傑いたよ」
ソファーに座りながら言えば
三人揃ってこちらを見てくる。
多めに買ったお土産の中の一つを開けて
チョコレートを口に放り込む。
「イキイキしてたわ」
「……名前、夏油は」
「知ってる。任務中に先生から連絡あった」
「夏油、よく名前先輩が
帰ってくる飛行機わかりましたね」
「ハッキングで調べたらしいよ」
「…何もされてねーの?」
「お土産渡して話したくらいだよ」
名前の言葉に
大和と悟が呆れた顔をする。
硝子は噴き出していた。
「ショックは受けたけど
あんなイキイキとした顔されたら
戻って来いと言えないわ」
「だけど!!」
「傑はその他大勢の非術師より
呪術師だけを選ぶことを決めた
自分で在り方を決めたなら
他が何を言おうと、揺るがないよ」
「名前、お前…っ」
「大和。私は善人じゃない。
傑の考え方に納得はしたけど
賛成はしてないよ」
傑は生きやすい道を選んだ。
その先が人として、間違っていても。
「私に出来るのは
後輩とお別れするくらいだ」
「……傑、何か言ってた?」
「今度会ったら監禁されるらしい」
「待て、どーしてそーなった」
「だから、私は傑に遭わないように
気を付けなきゃいけないね」
「名前先輩モテモテですね」
「問題児ばかりからね」
お土産も渡したし、と立ち上がり
部屋に戻ると言えば
硝子がゆっくり休んでくださいと手を振ってくれた。
悟も一緒に立ち上がったと思えば
キャリーケースを持ってくれる。
どうやら、部屋まで持って行ってくれるみたいだ。
部屋に着けば
悟も当たり前のように入ってきて
キャリーケースを部屋の角に置くと
抱き付いてきた。
「……悟は傑と会った?」
「会った」
「そっか」
強く抱き締めてくる悟。
その頭を撫でる。
「傑に告られた?」
「……告られたうちに入るのかな?」
「よく帰って来れたね」
「迷っているなら連れて行ったと言われたよ」
「あいつ…」
「傑は、不器用だね」
真面目で、不器用な生き方。
呪術師をやっているよりも
呪詛師をやっている方が
楽に生きれるなんて。
「………馬鹿だね、傑は」
「馬鹿なんだよ」
泣きそうな、拗ねたような
苦虫を噛み潰したような悟の顔。
頭を抱えるように抱き締めれば
ぐりぐりと頭を擦り付けてくる。
「……名前」
「なんだい?悟」
「俺だけ強くなっても、駄目らしいよ」
「そうだね…
悟だけが強かったら、周りは置いてけぼりだ」
「………」
「悟を守れる人もいない
隣で戦ってくれる人もいないのは寂しいよ」
一人は寂しい。
どんなに強くても
一人の負担が大きければ
終わってしまう。
「名前は、絶対いなくなるなよ」
俺の側から
俺の元から
「いなくならないよ」
二人で"最強"だった。
けど
どこでズレたのか
どこで欠けたのか
一人で"最強"になった。
「悟も仲間を探さないとね」
「仲間……?」
「悟みたいに
誰にも負けないくらい
強くなってくれる仲間」
今は悟だけでも
これから育つ子供達がいる。
「私も強くなるから」
置いていかれないように
肩を並べられるように
もぞもぞと腕のなかで悟が動き
離してやると
顔を上げた悟が
こつん、と額を合わせてくる。
「傑に会ったら逃げろよ」
「拉致、監禁コースだもんなぁ」
「あいつ、そういうAV好きだったからな」
「そんな性癖バラすなよ」
「女優も名前に似てたし」
「ほんと、止めたげて」
「むっつりだし、変な前髪だし」
「こらこら」
「………っざけんなよ」
泣き出しそうな悟の首に腕を回し
力一杯抱き締めた。
それから数日後
悟がおにーさんの息子に会いに行ってきたと
事後報告があった。
「何で一人で行ったのさ」
「名前は駄目。絶対だめ」
「なんで」
「めっっっちゃくちゃクリソツだった」
「おにーさんに?」
嫌そうな顔をして
引っ付いてくる悟。
おにーさんの息子を
禪院に売らないために
先に手回ししてきたらしい。
しかし、会いに行ったら
嫌な顔をするレベルで似ていたと。
「………会いに行ってみようかな」
「だめ」
「だから、何でさ」
「名前の可愛がりスイッチが入るから」
「…………」
「こっそり見に行くのも駄目だからな」
釘を刺されてしまったので
これはしばらく会いに行けないな…と思う。
「父親のこと話そうとしたら
母親と蒸発したんだと思ってる」
「………悟、自分が殺りましたって
子供相手に言おうとしたの?」
「その前に、勝手に悟ってた」
「母親もいないの?」
「少し前から帰って無いんだと」
それ、本当に大丈夫か?と
思ってしまう。
義理の姉もいるらしく
子供二人で暮らしていると。
「会いに行っちゃだめ?」
「駄目。
名前の構いたがりが発動するから」
「子供二人だけなんでしょ?」
「せめて、入籍してからにしてよ。
構いたがりの名前がほっとけない病
発動するのわかって言ってるんだから」
「つまり、悟君と入籍するまでは
会いに行くのも
構うのも駄目だと?」
「駄目。僕のこと構って」
悟の一人称に、キョトンとする。
今までは俺、だったのに。
「…………悟」
「何」
「いや、うん……いいと思うヨ?」
「僕じゃおかしい?」
「私よりは合ってるけど……うん、怖い」
「なにが」
「胡散臭さが…」
「胡散臭いって酷くない?
可愛い可愛い悟君のことを」
「うざい……」
「うざくない。構って」
ぐりぐりと
頭を押し付けてくる190センチオーバーに
ぽふぽふと頭を撫でた。
あとがき
力尽きてきています。
次でラストです。
悟は先輩にだけは
ベッタベタに甘えられれば
いつでも最強でいられると思います。
しかし、この後数年
おにーさん似の恵が可愛くて可愛くて
仕方のない名前さんが
恵を構い倒す。
グレ恵さえも可愛いと
撫でくりまわし
悟が嫉妬!!となれば面白いなぁ(笑)
津美紀と名前さんで
恵可愛いと愛でればいい。