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「貴方に捧げる私の気持ちを受け取ってください」
「あら、いいお酒じゃない!!」
「姉さんなんですぐ帰っちゃうの?」
「色々忙しいのよ」
「時間出来たら連絡くださいね。硝子ちゃん誘って呑みましょ」
「絶対あの馬鹿連れてくるんじゃないわよ」
「どこのカップルの会話かな?アレ」
「知らないわよ」
姉さんにお酒を貢いだ通行人名前です。
カップルみたいだって?
ありがとよ……
「姉さんは私が幸せにするよ」
「アンタ何言ってんのよ」
「私が男だったら姉さんか硝子ちゃんを嫁に欲しい」
「だから何言ってんのよ」
「姉さん好きっ!!」
「あーはいはい」
雑な対応も好きだよ!!
「アンタが頭おかしいのは今に始まった事じゃないわよね」
「あっはっはっは
泣くよ?ねぇ泣くよ姉さん」
ここまでが私と姉さんのルーティーンです。
そんなこんなで姉さんとの久々の逢瀬を楽し……んではいないのが私、通行人名前です。
「私のターンっ!!ドロー!!
真希ちゃんのデレ写真〜微笑みの女神〜!!
この写真は野薔薇ちゃんが上手く回避できたところをヨシヨシしながら褒めている場面である!!
ちなみに写真撮った後、殴られました!!」
「はっ!!それがなによ。
こっちには真希〜閉じ込められて説教後の半べそ写真〜よ!!
庭掃除サボってたところを説教されても反省の態度が見られなかったから納屋に閉じ込められて出された後の写真ね」
「禪院鬼畜かよぉぉおおおお!!!
けど可愛い!!流石私の真希ちゃん可愛い!!
クッソ生意気なところが可愛い!!」
「真希なんか可愛いくないわよ」
「嘘つけ!!姉ちゃん大好きだろ?
姉ちゃんが離れたからぴえんでおこで八つ当たりだろ?知ってる知ってる」
「違うわよ!!!」
「真希ちゃんはそんなことで怒らないから、ほら……ここ一年間くらいの真希ちゃんの写真集だよ。そっと持ち帰って見るんだよ?」
「いらないわよ」
「禪院には内緒だよ?」
「私も真希も禪院なんだけど」
「真希ちゃんはうちの子です」
「ふざけんじゃないわよ」
ジャコン、と拳銃構える真衣ちゃん。
こちら、真希ちゃんの双子の妹です。
真希ちゃんが素直じゃない妹がいると楽しそうに話してたので、遊んでみた。
「真衣ちゃん……すっかりあっちのペースだよ」
「真衣お姉さんが大好きだったんですね」
「撃つわよ霞。気持ち悪いふざけたこと言わないで」
「ちっちゃい頃の写真持っている時点で言い訳無理だって。真希ちゃんファンクラブ入りなよ」
「入らないし好きじゃないしアイツなんて嫌いよ!!!」
「最近の子は素直じゃないなぁ」
「撃つ」
構えだした真衣ちゃん。
そっと霞ちゃんの横へ。
「霞退かないと撃つわよ」
「え?……え?」
「撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだ!!」
「かっこよく言ってるけど霞ちゃん巻き込んでる時点でカッコ悪いよね」
「桃ちゃんもくる?」
「遠慮しまーす」
「ウチの生徒で遊ぶのやめなさいよ」
「反応が可愛くて」
姉さんに止められたからやめよう。
「アンタ達一応紹介しておくわ。
苗字 名前
窓の仕事をしているけどほぼ一般人よ」
「どーも!!
お近づきの印に質問どーぞ」
「ノリとテンションで生きてる子だから」
「姉さんも悟いるとテンション上がるじゃん」
「嫌がってんのよ!!!!」
普段は大人し目になのに悟絡むと姉さんキレ散らかす。
まじで昔何したの?悟は
「五条悟とはどのように知り合いどのような経緯で付き合ったのですか?」
「君その質問するよりもまず病院行って寝てなよ」
包帯グルグルの状態で聞きたい?
そんな気になることか?
私は君の怪我の状態のが気になるわ。
「はいはーい!!私も興味ある!!」
「あの……実は私も…」
「どーでもいいわよ」
桃ちゃんと霞ちゃんまで手を上げる。
「語ってやれ」
「お前は何でそんな保護者顔なんだよ」
このゴリラ、うんうんと頷いてるが私の理解者でもなんでもないからね?
「そういえばアンタ達どうやってくっついたのよ」
「あれ?姉さんに………
言おうとするたび五条の話なんか聞きたくないって拒否られてたな」
「そうね。アンタがアイツとくっついているなんて今も信じたくない事だわ」
ワクワクした顔で見られても……
そんな大恋愛!!ってほど大恋愛じゃないんだけどなぁ。
「漫画みたいな恋でもドラマみたいな恋でもないよ?」
「あの五条さんを落としたんですから!!」
「そもそも出会いは私硝子ちゃんをナンパしたからだし」
「「「「は?」」」」
「硝子ちゃんと仲良くなりたかったけど
悟のことまったく興味なくて
むしろ不良並みに絡んできたの悟だわ」
校門で待ち伏せされたり
おでん盗まれたり
行く先々に姿現してついて来たり
「うざかったけど途中から一緒に居るのが楽しくなって」
落ち込むことがあった時
側で笑っていたのは悟だった
「あー……好きなのかな?って自分の気持ちに気付いて向き合おうと思ったら音信不通になってねぇ」
友達から一歩踏み込むのが怖くて
悟も友達だから一緒に笑っていてくれるんじゃないかと考えたり
今の楽しい時間を壊せずに気持ちに気付かないフリをした。
その結果
消えてしまった後で何度も後悔した。
「何度も伝えていれば良かったと思ったし
何度も好きだと気付かなければ良かったと思った」
あの楽しかった時間を思い出すたび
やっぱり好きだと思い直すのだろう。
「泣いて、責めて、荒れて、泣いて
馬鹿な私を慰めてくれて
その度に友達にも幼馴染にも迷惑と心配されて
馬鹿だと捨てることも出来たのに
私はとても良い友達と幼馴染に囲まれて守られたよ」
黙って聞いていてくれた
見てられないと手を伸ばしてくれた
一緒に泣いてくれた
気の済むまで付き合ってくれた
「忘れることは出来なかったけど
周りのおかげで立ち直ることは出来た」
そんな私でもいいと
周りは呆れながらも背中を押してくれた
「悟と最後にした口約束だけど
未練がましく沖縄に居座ってたら
会いに来てくれた」
何年でも待とうと思っていた。
此処なら、いつか悟がふとそんな約束したな…と思った時に会いに来てくれるかもしれないと下心を持って。
何年も経てばそんな恋をしたな、と笑えるくらい次へ進めるかもと思って。
「私はラッキーだっただけさ」
「………なにそれ
めっっちゃくちゃドラマみたーい!!」
「わかります!!漫画やドラマの世界みたいなやつじゃないですか!!!」
キャーーー!!と騒ぎ出す桃ちゃんと霞ちゃん。
え?そんな要素あった?
「未練タラタラの地雷臭女じゃない」
「直球で抉るのやめよ」
「五条がクソなのはわかったわ」
「悟にも理由があったらしいよ?」
「………今の話のどこに五条家の人間を落とす魅力が……?
私には周りの人間に迷惑かけてる自覚あるのに、駄々をこねて呆れられながら好きにしろと放置された結果、五条悟に拾われたとしか思えないのだが?」
「ねぇ、このミイラ真顔で傷口広げてくるんだけど?」
「そもそも貴女は周りに甘え過ぎでは?」
「ド正論ヤメテ?」
コイツ大人なのに馬鹿なの?って見てくるのやめて?
「加茂くん!!わかってないなぁ!!」
「五条さんは一般人の彼女を危険に晒したくなくてあえて連絡を断ち!!距離を置いたんですよ!!」
「そう!!
そして離れた時間がお互いの想いを強く燃え上がらせるの!!!」
「そうですそうです!!」
「そして思い出される約束の場所ーー」
「二人は困難を乗り越えて今!!やっと想いが通じ合う……」
「「キャーーー!!!」」
「姉さん、あの二人ラブロマンス好きなの?」
「さあ?」
「すごい妄想ね」
「だよね」
言えねぇ………
約束なんか忘れててニュース見なかったら私の居場所見つけられなかったとか
混沌と遊び歩いてたとか
「恋愛は良くも悪くも人を変える。
オマエにとって五条悟が必要だったように
五条悟にとってもオマエが必要だったからパズルのピースのように上手くハマり
今共に生きて同じ道を歩んでいるのだろう」
突然話に入ってきたゴリラ。
いや、お前なんなの?何歳なの?
恋愛の哲学者かなんか?
「しかし五条悟の隣に立つということは容易なことではない。
御三家の一つとして子孫や術式を遺すにはただの一般人には荷が重い」
「家柄問題ね!!」
「泥沼きちゃいますかね!?」
「正直貴女では役不足かと」
ミイラにド正論叩き付けられてますが相手は学生だ。
大人の対応をするんだ名前!!
「加茂よ
誰かを好きになることに家柄は関係あるか」
「東堂……
御三家の一つに生まれた人間には役割がある。
五条悟のような両方を持つものは無理でも可能性を上げるためより強い力を持つもの同士と考えるのは普通のことだろう?」
「五条悟がそれに納得しているのなら好き勝手して問題児扱いにはならない」
「それもそうだが」
「人を好きになることに理由などない。
目と目が合った瞬間
手と手が触れあった瞬間
すれ違った瞬間
人は前触れもなく恋に落ちその気持ちを自覚する……
そうだろ?友よ」
ふっ、と笑いながらこちらを見るゴリラ。
隣を見るが姉さんも桃ちゃんも霞ちゃんも真衣ちゃんも私を見てる。
……が、私ゴリラと友になった記憶ないよ?
「恋とは理屈じゃない。
気持ちで突き進むものだ」
そうだろ?って同意求めないで。
「………東堂
気持ち悪いぞ」
「語らないでほしい」
「東堂先輩……」
「キモいわ」
「アンタ本当は何歳よ」
ゴリラ嫌われてんの?
どこか遠くを見てるけど大丈夫?泣いてない?
「あー……東堂くんありがと…?」
「俺は身分の差があっても応援するぞ。
俺もいつか高田ちゃんに振り向いてもらうべく個握に通い続ける」
「うん…頑張ってくれ」
どうしよう。
このゴリラが言うとまったく心に響かない。
「あ!!
ちょっとアンタ達!!少し急ぐわよ!!
帰りの電車逃しちゃう!!」
「えー!!観光は!?」
「美味しいもの…」
「そんな暇ないわよ!!」
「自分はちゃっかりお土産もらってんのにズルーい!!」
「うっさいわね!!」
わたわたと動き出した姉さん。
「姉さん、これ生徒達と食べてね」
「何よこれ」
「何がいいかわからなかったから
適当に東京っぽいお菓子の詰め合わせ」
「ありがとーー!!次会う時まで元気にしてるのよ!!」
「姉さんも元気でね」
ぎゅーっとハグして皆に手をふる。
「歌姫と話せた?」
「ゴリラに全て持っていかれた感が強い」
真後ろからのし掛かってきた悟。
いつからいたのか、なーんて聞かない。
だって神出鬼没だからな。
「家のこと気になった?」
「んーまぁ、少しは」
「気にしなくていーよ」
「側室いるのはやだなぁって思った」
「いらないよ」
「私以外の女を触った悟に触られるとか無理」
「………潔癖だったっけ?」
「子孫やら術式やらを遺すために悟が他の女に触れるなんて考えるだけで嫌だな……って思ったの。
あんまり考えてなかったけど悟って坊っちゃんなんだよねぇ……」
「坊っちゃん言うな」
ぐりぐりとつむじを押される。
地味に痛いからやめてほしい。
「悟がどーしてもお家事情で私と離れなきゃいけなくなったら立ち直れないかも」
「なにさ?
そんな骨抜きになるくらい僕のこと好きなの?」
「うん。
悟がいない人生が考えられないくらいには大好きなんだなって思った」
「………」
黙ってしまった悟。
どうした?と振り向くとふにっと唇に柔らかな感触。
悟の顔が近くて驚いた。
「可愛いこと言わないでよ」
「ビックリした」
「僕から手離すことはもうないし
お家事情は気にしなくていいから
オマエはずっと僕だけ見てろよ」
「それ聞いて安心した」
腰を折って屈んでいる悟。
悟と向き合うように身体の向きを変える。
いつもより顔の位置が近くてその頬を両手で包む。
「好きだよ」
「知ってる」
「言ってくれないの?」
唇を尖らせ子供みたいな悟に笑ってしまう。
尖った唇に軽く自分の唇を押し付けると待ってましたといわんばかりに頭を固定されて舌を入れられる。
「こら」
「欲情しちゃう?」
「しません」
「僕はした」
「鎮火しろ」
「えー」
「悟」
「なーに?」
少しだけ背伸びして
私の気持ちを込めて
悟の耳元で囁く
"愛してる"
きょとん、としたあと
悟は笑っていて私の真似をするように耳元で囁く
"僕の方が 愛してる"
二人で見つめあうと吹き出して笑った。
あとがき
あと次かその次くらいで
ひとまず第二部終了したいと思っています!!
まだまだ宿儺さんとの絡みや
加護のことやら
出来れば脳ミソと絡ませたい……!!
なので三部は必ず連載します!!
が、ひとまず区切り良さそうな交流会で終了予定です。
加茂さんのキャラつかめない…
「あら、いいお酒じゃない!!」
「姉さんなんですぐ帰っちゃうの?」
「色々忙しいのよ」
「時間出来たら連絡くださいね。硝子ちゃん誘って呑みましょ」
「絶対あの馬鹿連れてくるんじゃないわよ」
「どこのカップルの会話かな?アレ」
「知らないわよ」
姉さんにお酒を貢いだ通行人名前です。
カップルみたいだって?
ありがとよ……
「姉さんは私が幸せにするよ」
「アンタ何言ってんのよ」
「私が男だったら姉さんか硝子ちゃんを嫁に欲しい」
「だから何言ってんのよ」
「姉さん好きっ!!」
「あーはいはい」
雑な対応も好きだよ!!
「アンタが頭おかしいのは今に始まった事じゃないわよね」
「あっはっはっは
泣くよ?ねぇ泣くよ姉さん」
ここまでが私と姉さんのルーティーンです。
そんなこんなで姉さんとの久々の逢瀬を楽し……んではいないのが私、通行人名前です。
「私のターンっ!!ドロー!!
真希ちゃんのデレ写真〜微笑みの女神〜!!
この写真は野薔薇ちゃんが上手く回避できたところをヨシヨシしながら褒めている場面である!!
ちなみに写真撮った後、殴られました!!」
「はっ!!それがなによ。
こっちには真希〜閉じ込められて説教後の半べそ写真〜よ!!
庭掃除サボってたところを説教されても反省の態度が見られなかったから納屋に閉じ込められて出された後の写真ね」
「禪院鬼畜かよぉぉおおおお!!!
けど可愛い!!流石私の真希ちゃん可愛い!!
クッソ生意気なところが可愛い!!」
「真希なんか可愛いくないわよ」
「嘘つけ!!姉ちゃん大好きだろ?
姉ちゃんが離れたからぴえんでおこで八つ当たりだろ?知ってる知ってる」
「違うわよ!!!」
「真希ちゃんはそんなことで怒らないから、ほら……ここ一年間くらいの真希ちゃんの写真集だよ。そっと持ち帰って見るんだよ?」
「いらないわよ」
「禪院には内緒だよ?」
「私も真希も禪院なんだけど」
「真希ちゃんはうちの子です」
「ふざけんじゃないわよ」
ジャコン、と拳銃構える真衣ちゃん。
こちら、真希ちゃんの双子の妹です。
真希ちゃんが素直じゃない妹がいると楽しそうに話してたので、遊んでみた。
「真衣ちゃん……すっかりあっちのペースだよ」
「真衣お姉さんが大好きだったんですね」
「撃つわよ霞。気持ち悪いふざけたこと言わないで」
「ちっちゃい頃の写真持っている時点で言い訳無理だって。真希ちゃんファンクラブ入りなよ」
「入らないし好きじゃないしアイツなんて嫌いよ!!!」
「最近の子は素直じゃないなぁ」
「撃つ」
構えだした真衣ちゃん。
そっと霞ちゃんの横へ。
「霞退かないと撃つわよ」
「え?……え?」
「撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだ!!」
「かっこよく言ってるけど霞ちゃん巻き込んでる時点でカッコ悪いよね」
「桃ちゃんもくる?」
「遠慮しまーす」
「ウチの生徒で遊ぶのやめなさいよ」
「反応が可愛くて」
姉さんに止められたからやめよう。
「アンタ達一応紹介しておくわ。
苗字 名前
窓の仕事をしているけどほぼ一般人よ」
「どーも!!
お近づきの印に質問どーぞ」
「ノリとテンションで生きてる子だから」
「姉さんも悟いるとテンション上がるじゃん」
「嫌がってんのよ!!!!」
普段は大人し目になのに悟絡むと姉さんキレ散らかす。
まじで昔何したの?悟は
「五条悟とはどのように知り合いどのような経緯で付き合ったのですか?」
「君その質問するよりもまず病院行って寝てなよ」
包帯グルグルの状態で聞きたい?
そんな気になることか?
私は君の怪我の状態のが気になるわ。
「はいはーい!!私も興味ある!!」
「あの……実は私も…」
「どーでもいいわよ」
桃ちゃんと霞ちゃんまで手を上げる。
「語ってやれ」
「お前は何でそんな保護者顔なんだよ」
このゴリラ、うんうんと頷いてるが私の理解者でもなんでもないからね?
「そういえばアンタ達どうやってくっついたのよ」
「あれ?姉さんに………
言おうとするたび五条の話なんか聞きたくないって拒否られてたな」
「そうね。アンタがアイツとくっついているなんて今も信じたくない事だわ」
ワクワクした顔で見られても……
そんな大恋愛!!ってほど大恋愛じゃないんだけどなぁ。
「漫画みたいな恋でもドラマみたいな恋でもないよ?」
「あの五条さんを落としたんですから!!」
「そもそも出会いは私硝子ちゃんをナンパしたからだし」
「「「「は?」」」」
「硝子ちゃんと仲良くなりたかったけど
悟のことまったく興味なくて
むしろ不良並みに絡んできたの悟だわ」
校門で待ち伏せされたり
おでん盗まれたり
行く先々に姿現してついて来たり
「うざかったけど途中から一緒に居るのが楽しくなって」
落ち込むことがあった時
側で笑っていたのは悟だった
「あー……好きなのかな?って自分の気持ちに気付いて向き合おうと思ったら音信不通になってねぇ」
友達から一歩踏み込むのが怖くて
悟も友達だから一緒に笑っていてくれるんじゃないかと考えたり
今の楽しい時間を壊せずに気持ちに気付かないフリをした。
その結果
消えてしまった後で何度も後悔した。
「何度も伝えていれば良かったと思ったし
何度も好きだと気付かなければ良かったと思った」
あの楽しかった時間を思い出すたび
やっぱり好きだと思い直すのだろう。
「泣いて、責めて、荒れて、泣いて
馬鹿な私を慰めてくれて
その度に友達にも幼馴染にも迷惑と心配されて
馬鹿だと捨てることも出来たのに
私はとても良い友達と幼馴染に囲まれて守られたよ」
黙って聞いていてくれた
見てられないと手を伸ばしてくれた
一緒に泣いてくれた
気の済むまで付き合ってくれた
「忘れることは出来なかったけど
周りのおかげで立ち直ることは出来た」
そんな私でもいいと
周りは呆れながらも背中を押してくれた
「悟と最後にした口約束だけど
未練がましく沖縄に居座ってたら
会いに来てくれた」
何年でも待とうと思っていた。
此処なら、いつか悟がふとそんな約束したな…と思った時に会いに来てくれるかもしれないと下心を持って。
何年も経てばそんな恋をしたな、と笑えるくらい次へ進めるかもと思って。
「私はラッキーだっただけさ」
「………なにそれ
めっっちゃくちゃドラマみたーい!!」
「わかります!!漫画やドラマの世界みたいなやつじゃないですか!!!」
キャーーー!!と騒ぎ出す桃ちゃんと霞ちゃん。
え?そんな要素あった?
「未練タラタラの地雷臭女じゃない」
「直球で抉るのやめよ」
「五条がクソなのはわかったわ」
「悟にも理由があったらしいよ?」
「………今の話のどこに五条家の人間を落とす魅力が……?
私には周りの人間に迷惑かけてる自覚あるのに、駄々をこねて呆れられながら好きにしろと放置された結果、五条悟に拾われたとしか思えないのだが?」
「ねぇ、このミイラ真顔で傷口広げてくるんだけど?」
「そもそも貴女は周りに甘え過ぎでは?」
「ド正論ヤメテ?」
コイツ大人なのに馬鹿なの?って見てくるのやめて?
「加茂くん!!わかってないなぁ!!」
「五条さんは一般人の彼女を危険に晒したくなくてあえて連絡を断ち!!距離を置いたんですよ!!」
「そう!!
そして離れた時間がお互いの想いを強く燃え上がらせるの!!!」
「そうですそうです!!」
「そして思い出される約束の場所ーー」
「二人は困難を乗り越えて今!!やっと想いが通じ合う……」
「「キャーーー!!!」」
「姉さん、あの二人ラブロマンス好きなの?」
「さあ?」
「すごい妄想ね」
「だよね」
言えねぇ………
約束なんか忘れててニュース見なかったら私の居場所見つけられなかったとか
混沌と遊び歩いてたとか
「恋愛は良くも悪くも人を変える。
オマエにとって五条悟が必要だったように
五条悟にとってもオマエが必要だったからパズルのピースのように上手くハマり
今共に生きて同じ道を歩んでいるのだろう」
突然話に入ってきたゴリラ。
いや、お前なんなの?何歳なの?
恋愛の哲学者かなんか?
「しかし五条悟の隣に立つということは容易なことではない。
御三家の一つとして子孫や術式を遺すにはただの一般人には荷が重い」
「家柄問題ね!!」
「泥沼きちゃいますかね!?」
「正直貴女では役不足かと」
ミイラにド正論叩き付けられてますが相手は学生だ。
大人の対応をするんだ名前!!
「加茂よ
誰かを好きになることに家柄は関係あるか」
「東堂……
御三家の一つに生まれた人間には役割がある。
五条悟のような両方を持つものは無理でも可能性を上げるためより強い力を持つもの同士と考えるのは普通のことだろう?」
「五条悟がそれに納得しているのなら好き勝手して問題児扱いにはならない」
「それもそうだが」
「人を好きになることに理由などない。
目と目が合った瞬間
手と手が触れあった瞬間
すれ違った瞬間
人は前触れもなく恋に落ちその気持ちを自覚する……
そうだろ?友よ」
ふっ、と笑いながらこちらを見るゴリラ。
隣を見るが姉さんも桃ちゃんも霞ちゃんも真衣ちゃんも私を見てる。
……が、私ゴリラと友になった記憶ないよ?
「恋とは理屈じゃない。
気持ちで突き進むものだ」
そうだろ?って同意求めないで。
「………東堂
気持ち悪いぞ」
「語らないでほしい」
「東堂先輩……」
「キモいわ」
「アンタ本当は何歳よ」
ゴリラ嫌われてんの?
どこか遠くを見てるけど大丈夫?泣いてない?
「あー……東堂くんありがと…?」
「俺は身分の差があっても応援するぞ。
俺もいつか高田ちゃんに振り向いてもらうべく個握に通い続ける」
「うん…頑張ってくれ」
どうしよう。
このゴリラが言うとまったく心に響かない。
「あ!!
ちょっとアンタ達!!少し急ぐわよ!!
帰りの電車逃しちゃう!!」
「えー!!観光は!?」
「美味しいもの…」
「そんな暇ないわよ!!」
「自分はちゃっかりお土産もらってんのにズルーい!!」
「うっさいわね!!」
わたわたと動き出した姉さん。
「姉さん、これ生徒達と食べてね」
「何よこれ」
「何がいいかわからなかったから
適当に東京っぽいお菓子の詰め合わせ」
「ありがとーー!!次会う時まで元気にしてるのよ!!」
「姉さんも元気でね」
ぎゅーっとハグして皆に手をふる。
「歌姫と話せた?」
「ゴリラに全て持っていかれた感が強い」
真後ろからのし掛かってきた悟。
いつからいたのか、なーんて聞かない。
だって神出鬼没だからな。
「家のこと気になった?」
「んーまぁ、少しは」
「気にしなくていーよ」
「側室いるのはやだなぁって思った」
「いらないよ」
「私以外の女を触った悟に触られるとか無理」
「………潔癖だったっけ?」
「子孫やら術式やらを遺すために悟が他の女に触れるなんて考えるだけで嫌だな……って思ったの。
あんまり考えてなかったけど悟って坊っちゃんなんだよねぇ……」
「坊っちゃん言うな」
ぐりぐりとつむじを押される。
地味に痛いからやめてほしい。
「悟がどーしてもお家事情で私と離れなきゃいけなくなったら立ち直れないかも」
「なにさ?
そんな骨抜きになるくらい僕のこと好きなの?」
「うん。
悟がいない人生が考えられないくらいには大好きなんだなって思った」
「………」
黙ってしまった悟。
どうした?と振り向くとふにっと唇に柔らかな感触。
悟の顔が近くて驚いた。
「可愛いこと言わないでよ」
「ビックリした」
「僕から手離すことはもうないし
お家事情は気にしなくていいから
オマエはずっと僕だけ見てろよ」
「それ聞いて安心した」
腰を折って屈んでいる悟。
悟と向き合うように身体の向きを変える。
いつもより顔の位置が近くてその頬を両手で包む。
「好きだよ」
「知ってる」
「言ってくれないの?」
唇を尖らせ子供みたいな悟に笑ってしまう。
尖った唇に軽く自分の唇を押し付けると待ってましたといわんばかりに頭を固定されて舌を入れられる。
「こら」
「欲情しちゃう?」
「しません」
「僕はした」
「鎮火しろ」
「えー」
「悟」
「なーに?」
少しだけ背伸びして
私の気持ちを込めて
悟の耳元で囁く
"愛してる"
きょとん、としたあと
悟は笑っていて私の真似をするように耳元で囁く
"僕の方が 愛してる"
二人で見つめあうと吹き出して笑った。
あとがき
あと次かその次くらいで
ひとまず第二部終了したいと思っています!!
まだまだ宿儺さんとの絡みや
加護のことやら
出来れば脳ミソと絡ませたい……!!
なので三部は必ず連載します!!
が、ひとまず区切り良さそうな交流会で終了予定です。
加茂さんのキャラつかめない…