通行人A
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「やっほー!!来ちゃった」
「ハウス」
人間 の 呪いさん が 現れた!!
攻撃
道具
回復
逃走 ←
「は?誰に言ってんの?」
通行人名前 は 逃走 に 失敗した。
〜end〜
って、いやいや。
私終わってないから。
ヤベェのに遭遇した通行人名前です。
「あーそぼっ!!」
「断る」
「芋虫」
「顔がマジなのやめてくんない!?」
「本気だもーん」
子供のように口を尖らせる継ぎはぎ。
ヤメロ。可愛くないからな。
「真人さん、この人は?」
「………」
「俺の友達」
「この人が?真人さんの?」
ジロジロと疑うような眼差しを向ける少年鬼太郎。
見る限り懐いていそうな鬼太郎の肩をガッシリ掴む。
「鬼太郎少年、早まるな。
コイツを信じちゃいけない。
人生の選択肢は沢山枝分かれしているが、この枝は選んじゃいけない。今すぐ枝をへし折ろう」
「………」
「不審者を見る目を向けてもいいけど、コイツと仲良くなっても得はないぞ」
「ちょっと名前やめてよねー。
今順平には色々教えてるんだから」
「絶対ロクなことじゃないだろ」
肩を掴んでいた手を叩き落とされ、嫌悪の表情を向けてくる鬼太郎少年。
「真人さんを悪く言うな」
「言うわ。めちゃくそ性格も悪いし人間じゃないぞコイツ」
「アンタに何がわかる!!」
「知らんわ。けど、コイツに慕わなきゃいけないほど人間憎んでもコイツに着いていくことはオススメしない」
殺気立つ鬼太郎少年。
妖気に反応するならコイツの正体理解してくれ。
「鬼太郎少年」
ジロリ、と睨む少年はめぐみんや野薔薇ちゃんや悠仁くんと同じ年くらいだろうか。
「今が苦しくて、しんどくても
周り全てが敵じゃない」
何があったか、なんてわからない。
家庭の事情。学校の事情。その他の事情。
他人から見たらくだらないと笑ってしまわれることでも、本人にはとても辛いことがある。
全員が全員、笑い飛ばせるような性格じゃないし、笑い飛ばせる人の中にも闇がある。
「必ずあんたを見て向き合ってくれる人はいる」
手を伸ばすのも
手を差し出すのも
どちらも勇気がいること
「だから腐るな」
"今"よりもっと苦しくて辛いことしか無いかもしれない
"今"が一番しんどいかもしれない
"今"をどうにかしたくて手を伸ばした先にいたのが、悪いものだったかもしれない
「名前ってば熱いね」
「うっさいな。お前イタイケな少年を魔の道に引きずるなよ」
「順平が望んだことだよ」
にこり、と笑う継ぎはぎ。
鬼太郎少年を見ても、特に響いてはいないようで想定内だ。
「言葉では何とでも言えるさ」
「行動しろって?」
「出来るならね」
「言ったな?
よーし、鬼太郎少年学校どこ?何年何組?
親は知ってんの?」
「………は?」
「イジメ?あ、もしかして家庭の事情の方?
いいぞいいぞ、どこでもカチコムぞ」
「え……やば、この人」
「あっはっはっ!!」
「なぁに?
今を変えたくて"呪い"を頼ったのに今を生きる"人間"は信用できない?」
戸惑いを見せる鬼太郎少年。
「とりあえず連絡先渡しておく。
君が本当に頼りたい時に連絡して」
殴り書きで書いたメモを握らせる。
「で、あんたは何しに来たの?
鬼太郎少年を引き取らせてくれるなら大喜びで今ならハグするけど?」
「まっさかー」
「チッ」
「力ない人間でそこまで堂々としてんのも凄いよ」
「私から悪ふざけと堂々を取ったらただのマヌケだ」
「ほんっと名前ってキモッ」
ケラケラ笑う呪い。
早く解放してくれないかな?
「で?お前何しに来たの?」
「会いに来ただけだよ」
「ハウス」
「つれないなぁ」
ニヤニヤしながら私の肩に腕を置いて前から抱き込んでくる。
首に回る腕とニヤケ顔の継ぎはぎ。
「だって順平を見せたら名前はほっとけないだろ?」
「………ゲス」
「名前は優しいもんね。
困ってる人をほっとけない。お優しい人間だもん」
「何が言いたいの?」
「べーつーにっ!!
名前は予想外の事するから何か面白いことしてくれるかな?って思ってるだけ」
継ぎはぎの拘束を解くように腕を払う。
「あ、そーだ。
お前私に変な印付けたろ。取れ」
「やーだよ」
「何でもかんでも自分のモノって印つけちゃいけないんだから取れ」
「やーだー。
俺が最初に見付けたんだから俺の獲物だもん」
「お断りします」
「それを断るよ」
「フザケンナ継ぎはぎ」
「あっはっはっはっ!!ばーか」
言って簡単に取ってくれるとは思ってなかったけど、なんか腹立つ。
ポカン、とする鬼太郎少年。
「少年、本当にこいつ性格ねじまがってクソヤロウだから裏切られる前に離れなさい。
じゃないと遊び道具として遊ばれてポイっされるから」
「真人さんはそんな人じゃない」
「いやいや、少年この継ぎはぎの何知ってんの?
子供が無邪気にアリ踏み潰して、蝶々の羽むしるのと同じこと人間に平気でするんだよ?」
「それは無能な奴らを、でしょ?
価値の無い人間なんて虫と同じ運命を辿っても誰も気にしない」
「おまっ、全世界の虫に謝れ。
あいつら有害なのもいるけど、作物育てたり蜂蜜作ったり絹の原料だったり……諸々役立ってんだぞ!!虫から発見して世界の最新技術として役立ってんだから!!」
「ゴ○が世界の何に役立つんだよ」
「………非常食?」
「うっわ、名前虫食うの?ないわーないない。キッッショ!!」
「…………」
「おい!食わないっつの!!!例えだろ!!例え!!!!」
サバイバルで誰かが栄養補給にいいって言ってただけだよ。
私は非常食で虫か餓死かなら違う食料探すっつの!!!
「とにかく!!!
この継ぎはぎは信用するんじゃありません!!」
「あなたよりは信用できるよ」
「じゃあ信用できるようにデートでもするか?喜んでエスコートするし、問題解決のためにカチコムぞ」
「本当にやりそうで気持ち悪い」
「おかしくない?気持ち悪いの使いどころおかしくない?」
「赤の他人の為にそこまでやれるのが気持ち悪いって言ってるんだよ」
「えー?そう?」
「何の得もしないだろ。
それとも偽善活動して自己満足するタイプ?」
「ちょっとこの子どこまでひねくれてんの?
私の周りにはいないひねくれ方なんだけど」
「自己満足の為に僕を利用しないでくれる?
アンタの欲を満たすために使われるなんてごめんだよ」
ピリピリと尖っている鬼太郎少年。
真希ちゃんもひねくれてるがここまでじゃないぞ?
うーん、と悩む。
このタイプはどう手を出しても火に油を注ぐようなものだ。
チラリと継ぎはぎを見ればニコニコと楽しそうに笑っている。
「ぶっちゃけ少年の言葉は間違っていない。
私の自己満足の欲を満たすために手を伸ばすし、お節介するし、口を出すよ」
「それが迷惑で気持ち悪いって言ってるんだよ」
「そんなん言ったら自分を解ってやれるのは自分しかいないんだから自分以外全て赤の他人だし、親でも我が子の全てなんてわかんないよ。親の贔屓目で我が子可愛いで見逃すこともあれば、我が子に興味が無いから見てないこともある。
自分以外は他人だよ」
自分ですら自分をわかってやれない時もある。
「他人から見て気付けない自分を知ることだって出来る。
他人と関わることは悪い事じゃないよ」
「それはアンタの周りが恵まれているから言える言葉だ」
「"誰かの為に"と手を伸ばすのは偽善活動の為だけじゃない。
繋がりを切りたくない欲があるから手を伸ばす」
「結局は自分の為に、だろ」
「そりゃそーさ。
親に対しても、友達に対しても、恋人に対しても望まなきゃ相手だって返してくれない」
「僕はアンタを望んでない」
「一人じゃ生きていけないよ。
私達人間は必ずどこか誰かの助けを借りて生きているんだから。
誰かとの繋がりが出来るから生きている」
「その助けや繋がりをアンタが僕に与えるとでも?
それこそ傲慢な考えだ」
「頑固だねぇ……」
難しい話のようになっているが
私からしたら単純なこと。
「私でよけりゃ力になるぞってだけなのに」
「それがいらぬ世話だと言ってる」
「ガッチガチの頑固さ捨てなよ。
固くなるのは腹筋と一部分だけでいいって友人らが昔言ってた」
「通報するぞ」
目がマジだった。
ここで下ネタは悪手だったか……。
そろそろ頭良さそうな会話に頭痛くなるからさー………え?特に頭良さそうな会話してないって?
「私に歯向かう元気あるならその調子で私と交流していこーよ」
「断る」
「なんでだよ」
「いきなり下ネタぶちこむような下品な痴女と誰が喜んで交流すると?」
「ド正論」
「残念だったね。順平に嫌われちゃった?」
「あ、いたの?空気だったから忘れてたわ」
「ひっど!!」
なかなか頑固な鬼太郎少年に頭を抱える。
むしろ、警戒レベルが上がっているのはなぜだろう?やっぱ下ネタ駄目だった?
「さーて俺もそろそろ行くかな」
「帰れ帰れ。
そして鬼太郎少年は置いてけ」
「僕も行きます」
「いや君は居残り」
「不審者とはいれません」
嫌悪感丸出しでお断りされた。
まぁ、すぐに心を開いてくれるとは思わない。
ので
「連絡待ってる」
「………」
「待ってる!!!」
「必死じゃん」
ケラケラ笑いながら鬼太郎少年を連れていなくなった継ぎはぎ。
「ってことがありましたが何か?」
"開き直んな馬鹿"
悟へ報告すると呆れてため息をつかれた。
"うーん……"
「なに?」
"その子がもしも助けを求めて来たら僕に連絡して"
「わかったよ」
"踏み込むなよ"
「………うん」
悟が心配してくれているのはわかる。
だがいざとなったとき私は……
「できる限りほどほどにするよ」
"守る気ないだろ"
「助けを求められたらほっとけない」
"知ってる"
くすり、と笑う悟。
"万が一の時は僕がどうにかしてあげるから"
「じゃあ悟が帰って来るまでは生き延びなきゃ」
"フラグ建築士か"
「まっさかー」
笑い飛ばしたがなんだかそんな予感がするので、気付かないフリをする。
"名前、交流会終わったらデートしよ"
「それこそフラグじゃない?」
"だってさー僕ら最近全然ラブラブしてない"
「いやいや見えてないとこでそれなりにラブラブだよ」
"読者には伝わらないよ"
「私と悟はラブラブです、以上!!」
"雑"
ーーー約束をしよう。
"海、山、川、遊園地、焚き火、ハロウィン、クリスマス、正月
イベントいっぱいあるんだから"
「はっはっは、それ絶対任務あるじゃん」
"流し素麺しなきゃ"
「ふふっ、本格的なやつする?」
"悠仁や棘はノッてくれるよ"
「あー、好きそう」
"若人に負けないくらい大人が楽しんでも罰は当たらないよ"
「悟は大人としてもーちょい落ち着こう」
"ブーメラン"
二人で笑う。
お土産の話、デートの話、どうでもいい話。
穏やかな時間。
"オマエ帰ったら覚えとけよ"
「わーすれた!!」
"啼かす"
「ぴえん」
"可愛くない"
「そこは可愛いって言いなよ」
"僕のが可愛いから無理"
「クッソ腹立つが間違いない」
"いい子で待ってなよ"
「うん。悟も気をつけて」
"デート、行きたい場所考えといて"
「わかった」
通話の終わった電話。
「………焚き火ってイベントか?」
悟なら高専で燃やして学長に怒られそう、と考えると笑ってしまう。
ーーー約束しよう。
ーーー次の約束を。
あとがき
悟とのラブラブを書いていない第二部。
まともなラブラブないよな……。
おかしい。どちらかといえば生徒とラブラブ……www
「ハウス」
人間 の 呪いさん が 現れた!!
攻撃
道具
回復
逃走 ←
「は?誰に言ってんの?」
通行人名前 は 逃走 に 失敗した。
〜end〜
って、いやいや。
私終わってないから。
ヤベェのに遭遇した通行人名前です。
「あーそぼっ!!」
「断る」
「芋虫」
「顔がマジなのやめてくんない!?」
「本気だもーん」
子供のように口を尖らせる継ぎはぎ。
ヤメロ。可愛くないからな。
「真人さん、この人は?」
「………」
「俺の友達」
「この人が?真人さんの?」
ジロジロと疑うような眼差しを向ける少年鬼太郎。
見る限り懐いていそうな鬼太郎の肩をガッシリ掴む。
「鬼太郎少年、早まるな。
コイツを信じちゃいけない。
人生の選択肢は沢山枝分かれしているが、この枝は選んじゃいけない。今すぐ枝をへし折ろう」
「………」
「不審者を見る目を向けてもいいけど、コイツと仲良くなっても得はないぞ」
「ちょっと名前やめてよねー。
今順平には色々教えてるんだから」
「絶対ロクなことじゃないだろ」
肩を掴んでいた手を叩き落とされ、嫌悪の表情を向けてくる鬼太郎少年。
「真人さんを悪く言うな」
「言うわ。めちゃくそ性格も悪いし人間じゃないぞコイツ」
「アンタに何がわかる!!」
「知らんわ。けど、コイツに慕わなきゃいけないほど人間憎んでもコイツに着いていくことはオススメしない」
殺気立つ鬼太郎少年。
妖気に反応するならコイツの正体理解してくれ。
「鬼太郎少年」
ジロリ、と睨む少年はめぐみんや野薔薇ちゃんや悠仁くんと同じ年くらいだろうか。
「今が苦しくて、しんどくても
周り全てが敵じゃない」
何があったか、なんてわからない。
家庭の事情。学校の事情。その他の事情。
他人から見たらくだらないと笑ってしまわれることでも、本人にはとても辛いことがある。
全員が全員、笑い飛ばせるような性格じゃないし、笑い飛ばせる人の中にも闇がある。
「必ずあんたを見て向き合ってくれる人はいる」
手を伸ばすのも
手を差し出すのも
どちらも勇気がいること
「だから腐るな」
"今"よりもっと苦しくて辛いことしか無いかもしれない
"今"が一番しんどいかもしれない
"今"をどうにかしたくて手を伸ばした先にいたのが、悪いものだったかもしれない
「名前ってば熱いね」
「うっさいな。お前イタイケな少年を魔の道に引きずるなよ」
「順平が望んだことだよ」
にこり、と笑う継ぎはぎ。
鬼太郎少年を見ても、特に響いてはいないようで想定内だ。
「言葉では何とでも言えるさ」
「行動しろって?」
「出来るならね」
「言ったな?
よーし、鬼太郎少年学校どこ?何年何組?
親は知ってんの?」
「………は?」
「イジメ?あ、もしかして家庭の事情の方?
いいぞいいぞ、どこでもカチコムぞ」
「え……やば、この人」
「あっはっはっ!!」
「なぁに?
今を変えたくて"呪い"を頼ったのに今を生きる"人間"は信用できない?」
戸惑いを見せる鬼太郎少年。
「とりあえず連絡先渡しておく。
君が本当に頼りたい時に連絡して」
殴り書きで書いたメモを握らせる。
「で、あんたは何しに来たの?
鬼太郎少年を引き取らせてくれるなら大喜びで今ならハグするけど?」
「まっさかー」
「チッ」
「力ない人間でそこまで堂々としてんのも凄いよ」
「私から悪ふざけと堂々を取ったらただのマヌケだ」
「ほんっと名前ってキモッ」
ケラケラ笑う呪い。
早く解放してくれないかな?
「で?お前何しに来たの?」
「会いに来ただけだよ」
「ハウス」
「つれないなぁ」
ニヤニヤしながら私の肩に腕を置いて前から抱き込んでくる。
首に回る腕とニヤケ顔の継ぎはぎ。
「だって順平を見せたら名前はほっとけないだろ?」
「………ゲス」
「名前は優しいもんね。
困ってる人をほっとけない。お優しい人間だもん」
「何が言いたいの?」
「べーつーにっ!!
名前は予想外の事するから何か面白いことしてくれるかな?って思ってるだけ」
継ぎはぎの拘束を解くように腕を払う。
「あ、そーだ。
お前私に変な印付けたろ。取れ」
「やーだよ」
「何でもかんでも自分のモノって印つけちゃいけないんだから取れ」
「やーだー。
俺が最初に見付けたんだから俺の獲物だもん」
「お断りします」
「それを断るよ」
「フザケンナ継ぎはぎ」
「あっはっはっはっ!!ばーか」
言って簡単に取ってくれるとは思ってなかったけど、なんか腹立つ。
ポカン、とする鬼太郎少年。
「少年、本当にこいつ性格ねじまがってクソヤロウだから裏切られる前に離れなさい。
じゃないと遊び道具として遊ばれてポイっされるから」
「真人さんはそんな人じゃない」
「いやいや、少年この継ぎはぎの何知ってんの?
子供が無邪気にアリ踏み潰して、蝶々の羽むしるのと同じこと人間に平気でするんだよ?」
「それは無能な奴らを、でしょ?
価値の無い人間なんて虫と同じ運命を辿っても誰も気にしない」
「おまっ、全世界の虫に謝れ。
あいつら有害なのもいるけど、作物育てたり蜂蜜作ったり絹の原料だったり……諸々役立ってんだぞ!!虫から発見して世界の最新技術として役立ってんだから!!」
「ゴ○が世界の何に役立つんだよ」
「………非常食?」
「うっわ、名前虫食うの?ないわーないない。キッッショ!!」
「…………」
「おい!食わないっつの!!!例えだろ!!例え!!!!」
サバイバルで誰かが栄養補給にいいって言ってただけだよ。
私は非常食で虫か餓死かなら違う食料探すっつの!!!
「とにかく!!!
この継ぎはぎは信用するんじゃありません!!」
「あなたよりは信用できるよ」
「じゃあ信用できるようにデートでもするか?喜んでエスコートするし、問題解決のためにカチコムぞ」
「本当にやりそうで気持ち悪い」
「おかしくない?気持ち悪いの使いどころおかしくない?」
「赤の他人の為にそこまでやれるのが気持ち悪いって言ってるんだよ」
「えー?そう?」
「何の得もしないだろ。
それとも偽善活動して自己満足するタイプ?」
「ちょっとこの子どこまでひねくれてんの?
私の周りにはいないひねくれ方なんだけど」
「自己満足の為に僕を利用しないでくれる?
アンタの欲を満たすために使われるなんてごめんだよ」
ピリピリと尖っている鬼太郎少年。
真希ちゃんもひねくれてるがここまでじゃないぞ?
うーん、と悩む。
このタイプはどう手を出しても火に油を注ぐようなものだ。
チラリと継ぎはぎを見ればニコニコと楽しそうに笑っている。
「ぶっちゃけ少年の言葉は間違っていない。
私の自己満足の欲を満たすために手を伸ばすし、お節介するし、口を出すよ」
「それが迷惑で気持ち悪いって言ってるんだよ」
「そんなん言ったら自分を解ってやれるのは自分しかいないんだから自分以外全て赤の他人だし、親でも我が子の全てなんてわかんないよ。親の贔屓目で我が子可愛いで見逃すこともあれば、我が子に興味が無いから見てないこともある。
自分以外は他人だよ」
自分ですら自分をわかってやれない時もある。
「他人から見て気付けない自分を知ることだって出来る。
他人と関わることは悪い事じゃないよ」
「それはアンタの周りが恵まれているから言える言葉だ」
「"誰かの為に"と手を伸ばすのは偽善活動の為だけじゃない。
繋がりを切りたくない欲があるから手を伸ばす」
「結局は自分の為に、だろ」
「そりゃそーさ。
親に対しても、友達に対しても、恋人に対しても望まなきゃ相手だって返してくれない」
「僕はアンタを望んでない」
「一人じゃ生きていけないよ。
私達人間は必ずどこか誰かの助けを借りて生きているんだから。
誰かとの繋がりが出来るから生きている」
「その助けや繋がりをアンタが僕に与えるとでも?
それこそ傲慢な考えだ」
「頑固だねぇ……」
難しい話のようになっているが
私からしたら単純なこと。
「私でよけりゃ力になるぞってだけなのに」
「それがいらぬ世話だと言ってる」
「ガッチガチの頑固さ捨てなよ。
固くなるのは腹筋と一部分だけでいいって友人らが昔言ってた」
「通報するぞ」
目がマジだった。
ここで下ネタは悪手だったか……。
そろそろ頭良さそうな会話に頭痛くなるからさー………え?特に頭良さそうな会話してないって?
「私に歯向かう元気あるならその調子で私と交流していこーよ」
「断る」
「なんでだよ」
「いきなり下ネタぶちこむような下品な痴女と誰が喜んで交流すると?」
「ド正論」
「残念だったね。順平に嫌われちゃった?」
「あ、いたの?空気だったから忘れてたわ」
「ひっど!!」
なかなか頑固な鬼太郎少年に頭を抱える。
むしろ、警戒レベルが上がっているのはなぜだろう?やっぱ下ネタ駄目だった?
「さーて俺もそろそろ行くかな」
「帰れ帰れ。
そして鬼太郎少年は置いてけ」
「僕も行きます」
「いや君は居残り」
「不審者とはいれません」
嫌悪感丸出しでお断りされた。
まぁ、すぐに心を開いてくれるとは思わない。
ので
「連絡待ってる」
「………」
「待ってる!!!」
「必死じゃん」
ケラケラ笑いながら鬼太郎少年を連れていなくなった継ぎはぎ。
「ってことがありましたが何か?」
"開き直んな馬鹿"
悟へ報告すると呆れてため息をつかれた。
"うーん……"
「なに?」
"その子がもしも助けを求めて来たら僕に連絡して"
「わかったよ」
"踏み込むなよ"
「………うん」
悟が心配してくれているのはわかる。
だがいざとなったとき私は……
「できる限りほどほどにするよ」
"守る気ないだろ"
「助けを求められたらほっとけない」
"知ってる"
くすり、と笑う悟。
"万が一の時は僕がどうにかしてあげるから"
「じゃあ悟が帰って来るまでは生き延びなきゃ」
"フラグ建築士か"
「まっさかー」
笑い飛ばしたがなんだかそんな予感がするので、気付かないフリをする。
"名前、交流会終わったらデートしよ"
「それこそフラグじゃない?」
"だってさー僕ら最近全然ラブラブしてない"
「いやいや見えてないとこでそれなりにラブラブだよ」
"読者には伝わらないよ"
「私と悟はラブラブです、以上!!」
"雑"
ーーー約束をしよう。
"海、山、川、遊園地、焚き火、ハロウィン、クリスマス、正月
イベントいっぱいあるんだから"
「はっはっは、それ絶対任務あるじゃん」
"流し素麺しなきゃ"
「ふふっ、本格的なやつする?」
"悠仁や棘はノッてくれるよ"
「あー、好きそう」
"若人に負けないくらい大人が楽しんでも罰は当たらないよ"
「悟は大人としてもーちょい落ち着こう」
"ブーメラン"
二人で笑う。
お土産の話、デートの話、どうでもいい話。
穏やかな時間。
"オマエ帰ったら覚えとけよ"
「わーすれた!!」
"啼かす"
「ぴえん」
"可愛くない"
「そこは可愛いって言いなよ」
"僕のが可愛いから無理"
「クッソ腹立つが間違いない」
"いい子で待ってなよ"
「うん。悟も気をつけて」
"デート、行きたい場所考えといて"
「わかった」
通話の終わった電話。
「………焚き火ってイベントか?」
悟なら高専で燃やして学長に怒られそう、と考えると笑ってしまう。
ーーー約束しよう。
ーーー次の約束を。
あとがき
悟とのラブラブを書いていない第二部。
まともなラブラブないよな……。
おかしい。どちらかといえば生徒とラブラブ……www