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高専に相談しに来たら、なんかすっげーことになってた通行人名前です。
殺気ムンムンで威嚇してるの野薔薇ちゃんと何でもない顔の真希ちゃん。
真希ちゃんに似た女の子に、ゴリラ。
そのゴリラが高田ちゃんの個握を声高々に宣言していた場面を見た私の心境を考えてくれ。
ゴリラと女の子は去っていった。
擦れ違うとき目があったが、頭を下げて通りすぎた。
「………アレなに?」
あんな人高専にいた?
「京都高の奴らだよ」
「へー。あ、もしかして交流戦の事前交流会的な?」
「仲良しな事前交流なら大歓迎だけど、アイツら喧嘩売りに来ただけだ」
真希ちゃんが呆れたように話す。
ちらり、と野薔薇ちゃんを見ればジャージがボロボロになっている。
「………もしかしなくても仲悪い?」
「そーゆーわけだ」
「あのクソ女……次あったら泣かす」
「お顔が大変なことになっておられるよ、野薔薇ちゃん」
君のそーゆーお顔可愛いし決まってるが、田舎ヤンキーだよ。
君、絶対中学でスケバンだったでしょ?
学校は君の支配下だったでしょ?
「悟に用事か?」
「いるの?」
「いるんじゃねーか?」
「そっかー。うーん……うーん……」
「喧嘩でもしたの?煮え切らない返事じゃない」
「喧嘩はしてないけど、ちょっと何も言ってないからさ」
「ハッキリ言え」
イライラの様子の真希ちゃん。
結局真人だかっていう人間の呪いのことは言ってない。
そしてお風呂で気づいたのだが、背中?うなじ?に変な印を見付けておや?と思ってしまった。
複雑な印のような見た目に、あれ?これヤベェ?ヤベェやつ?と思ったが痛くないし……
ひとまず専門家である硝子ちゃんに見てもらおうと来たら、まさかの険悪な雰囲気に来るタイミング間違ったんじゃね……?と腰が引けてきてる。
「悟には言いづらいから硝子ちゃんに相談のってもらおうと思って」
ヤベェのに出会って、もしかしたらマーキングされたか呪われたかもって知ったら悟………絶対キレそう。
「後々悟にも話すけど、まずは硝子ちゃんに見てもらいたくて」
怒られるのはわかってるんだ。
それなら少しでも味方……いや、硝子ちゃん味方なってくれるよね?
いくら私の不注意でなんかされてても、私一般人!!!
「「………は?」」
ポカーン、とした二人。
ん?なした?
「………待って、嘘でしょ」
「野薔薇、早まるな。この馬鹿のことだから大事な部分が抜け落ちてる可能性がある」
「?」
「心当たりあるのよね?」
「心当たりしかないね」
呪霊的な心当たりね。
やっぱ高専関係者になると、マーキングされてたらわかるもんなのかな?
真希ちゃんも野薔薇ちゃんも顔色悪いってゆーか心配してる……え?まじのヤベェやつ?
「吐き気やダルさやその他の症状は?」
「今のところ無いけど……やっぱ出てくるのかな?」
「体質によるんじゃないかしら?」
「だな」
「やっぱ早めにどーにかしなきゃ駄目か…」
「……!?」
「おまっ!!」
「硝子ちゃんに頼んだら早いうちならどうにかならないかなって思ったけど」
「硝子サンに!?」
「忙しいのに悟に知られて悟の負担増やすより、知られていないうちにどーにかしたいんだよね」
そしたら怒られなくて済むかな……とか思ってないよ。
うん、怒られるの怖いとかじゃナイカラ。
「育てる気ないの?」
「ないよ!!」
育つの!?
この印、育つの!!?
進行とかじゃなく育つって表現なの!?
「意外だな。
オマエなら育てると思ってた」
私にそんなおっかねぇもん育てるノリとテンションは無いよ真希ちゃん!!!
いくら私が変わり者でも、自らの身体を蝕むかもしれない得体のしれないものを可愛がって育てねーよ!?
この子らは私がUMAすら可愛がって育てると思ってんのか!?
「私みたいな一般人を大事にしてるだけでも悟は上の方々から圧かけられてて、その他にも好き勝手にやらかしてるので目をつけられてるところに……こんなこと(印騒ぎ)持ち込んだらヤバいっしょ」
「アイツがそんなこと気にする人間か?」
「例え悟が気にしなくても私が気にする」
ただでさえ、上に一泡吹かせようと悠仁くん死んだことにして囲ってんのに……
ヤベェ呪霊に目ぇつけられて、印つけられちゃった☆なーんて………言えねぇ。
「周りのことより自分の心配しなさいよ!!」
「えっと、それにほら!!
私の勘違いって可能性もあるし!!
大事にしたくないなぁ……、と」
「けど身に覚えはあんだろ?
自分の身体の違和感は自分がよくわかんだろ」
「まぁ、そーなんだけど…」
「一人で悩んで手遅れになる前にどうにかしようって……傷付くのは名前さんなのに!!」
あれ?
私そんなヤベェの?
「名前さん!アイツに言う気ないでしょ」
「あるある。ある、けど……」
怒られたくないので、出来たら言いたくないし
私の気のせいってことで終わりたい。
「駄目よ」
「駄目だ」
「………ダヨネ」
「硝子サンのとこ行くわよ」
「だな」
ガッチリと両脇を野薔薇ちゃんと真希ちゃんに固められる。
そのままズルズルと引きずられて硝子ちゃんのとこへ。
「珍しいな」
「硝子サン、コイツ診て」
「いやいや!!まずは野薔薇ちゃんでしょ!?」
「私は後からでもいーのよ。
まずは名前さんが調べてもらうのが先よ」
「名前が大怪我してるようには見えないが?」
「怪我じゃないからまずは野薔薇ちゃんを診てよ」
「じゃあ先に尿検査しなさいよ」
「へ?」
「検査薬とかあんのか?ここ」
「……妊娠したのか?」
硝子ちゃんが驚いてこっちをみてる。
いや、どーしてそーなった?
「してないよ」
「「は?」」
「じゃあ何で来たんだ?」
「あー……先に言っておくけど、悟にはすぐ報告しないでね?」
「妊娠か」
「違う違う違う。これ、みてほしくて」
面倒だし、女子しかいないからと上を脱ぐ。
そのまま背中を向けて、うなじ辺りを見せる。
「……なにした」
「あー……やっぱこれ呪いの類い?」
「は?待って。色々待ちなさいよ」
「おっまえ!!
孕むより厄介なことになってんじゃねーか!!」
「孕むって真希ちゃんや……
私最初っからこの印を硝子ちゃんに診てもらうって言ってたじゃん」
「「言って(ねーよ・ないわよ)馬鹿!!」」
怒られた。
いやいや、どっから妊娠説でたの?
「……これいつ頃付けられた?」
「数日前。心当たりある」
「五条は……仕事か」
「うん。会ってないのさ」
連絡は取り合っていたけどね。
「重症患者デスヨーーー!!!」
「しゃけ!!」
ガラッと開けられた医務室。
そしてじっとこちらを見るパンダと棘くん。
「………スマン」
「おかか」
ピシャリ、と閉められた扉。
うん、こっちこそごめんよ……。
「セクハラで訴えられるかな?」
「心配するとこそこじゃねーだろ」
バシッと、真希ちゃんに叩かれる。
野薔薇ちゃんに服着ろと言われて服を着た。
パンダが背負っていためぐみんは重症でめぐみんと野薔薇ちゃんの治療へ。
「で、何があった?」
「あれ?ここで話す感じ?
この子ら居るとこで話しちゃうの?」
「話せ」
硝子ちゃん……圧が凄いよ。
美女の圧って怖いよ。
「数日前、仕事行く途中にヤベェの見ちゃって着いてきちゃってさ。
見えていることバレて、多分首絞められた時につけられたのかなー、と」
「馬鹿か」
「おっしゃる通りですね」
硝子ちゃんの冷めた目が痛いよ……。
ごめんよ、けど不可抗力だ。
「ちなみに、これ解呪って」
「無理だな」
「まーじーかっ」
「私より五条が見た方が確実だ」
「………詰んだ」
薄々そんな気はしてた!!
けど、出来ればバレたくない気持ちがあったの!!
………だって悟、めちゃくちゃ独占欲がね?
自分のモノ勝手に印付けられたとか……ぶちギレ案件じゃね?って思うわけです。
「なんだ?名前呪われたのか?」
「昆布」
「マーキングだな。
獲物を逃がさないための印だから、多分身体への影響はない」
「そっか……」
今のところ殺す気は無いと言っていたが、呪霊が口約束を守るとは思えない。
たとえアレが普通レベルの呪霊ではなく、もっと上の存在だったとしても、だ。
言葉を流暢に話し、意思の疎通が出来ていたとしても呪いは呪い。
人を殺す事に関して何とも思ってないだろう。
「厄介過ぎる」
今後の事を考えたら頭痛が……。
ちょっと沖縄に逃げようかな。
「軟禁かしら」
「監禁だろ」
「仕事は強制終了だな」
「ツナマヨ」
「待って待って待って!!
みんな悟のことヤンデレにしないで!!」
「……勘違いじゃなくガチで孕ませられますね」
「お疲れ」
「めっっぐみーーーん!!?
硝子ちゃんも見捨てないで!!」
全員で合掌すんのやめて!?
「……確かこのあと出張だった気が…
今ならすこーし距離置いたらどうにかなるんじゃ」
「逃げる気満々じゃない」
「やめとけばーか」
「悟の執念深さ知ってんダロ?」
「おかか」
「今言わなきゃヤンデレ監禁孕ませコースっすね」
「今ならまだマシだと思うぞ」
「何が?」
ぬっ、と現れた悟。
全員がそっと私から視線を外した。
「やほ」
「……アローラ。そしてさよーなら」
「待ちなよ」
ぐっ、と捕まれた肩が痛いよダーリン。
「オマエ誰と会った?」
「……oh」
「ナニと関わった」
声がドンドン低くなってるよーーーー
多分目隠し無かったらハイライトが消え去って完全に病んでるね。
おめでとう!!悟はマジギレ直前だよ!!!
「オマエの目で見た感じどうだ?」
「マーキング。
しかも本人は気付かないけど、付けた奴にはある程度場所把握できるやつ」
「え……じゃあ高専来ない方が良かった?」
「高専にいた方が呪霊襲撃してきたらすぐわかる」
「えーっと……ちなみに悟、解呪は?」
「無理。
付けた奴祓うしかない」
機嫌の悪そうな悟。
コソコソと生徒らが悟と私から距離を取り自主避難している。
待って。私も避難したい。
それがバレたのか、ひょいっと悟に小脇に抱えられた。
「真希、パンダ、棘」
「………なんだよ」
「なんだ」
「しゃけ」
「野薔薇と恵のことよろしく」
そのまま私は医務室から連れ出される。
みんな………合掌しないでよっっ!!!
そのまま近くの適当な部屋?教室に連れ込まれると、壁ドンを受けた。
壁ドンどころか壁ドォォオオオンで、私の真横凹んでる。
まじで泣きそう。
わざわざ目隠し外したあたり、悟の本気度がわかりますか?わかりますね、オワタ。
「で?」
「………こっわ」
「あ"?」
「サーセン」
「ふざけてないでちゃんと言え」
ま、じ、で、こっっっわ!!!!
おまっ、余裕あんじゃーん(笑)って思ってたら間違いだからな!!!
美人が!!!怒ると!!!クッッッソこっわい!!!
「会社行くときに人間みたいな呪霊と会ったけど、無視してても着いてきて
最終的に見えてないフリ続けるなら周りの人間殺すって言われて話したんだよ」
「意思の疎通が出来てたの?」
「うん。初めて見た。
人間に近いけど、中身が悪意しかない化物って」
「ちなみにどんなやつ?」
「見た目人間だけど、身体も顔も継ぎはぎ。
人の恨みや妬みから生まれた呪いだって言ってた」
「………チッ」
「……ごめん。油断してたわけじゃないけど」
「話しただけ?マーキング以外に何かされたりとかは?」
「無いよ」
「そう」
ぽすり、と悟の頭が肩に乗る。
抱き締められる力が強くなる。
「無事で良かった」
「心配かけてごめん」
「そう思うなら心配かけさせないで」
頭を撫でて悟にすり寄る。
「心配はかけるけど、なるべく回避するようには勤めるよ」
「そこは心配かけないって言うでしょ」
「目ぇつけられてるのに無理っしょ」
「オマエは……」
はぁ……と呆れる悟。
腹くくるしかないよね。
「死なない程度に生き残るから」
「ばーか」
背骨折れる勢いで抱き締められる。
苦しくて背中をタップしまくった。
「死ぬなよ」
「死なない」
絡み合う視線。
お互いに目を閉じて唇を重ね合った。
あとがき
久しぶりに悟出した気がするよ。
そして甘さどこかいってるギャグ一直線の通行人シリーズ。
殺気ムンムンで威嚇してるの野薔薇ちゃんと何でもない顔の真希ちゃん。
真希ちゃんに似た女の子に、ゴリラ。
そのゴリラが高田ちゃんの個握を声高々に宣言していた場面を見た私の心境を考えてくれ。
ゴリラと女の子は去っていった。
擦れ違うとき目があったが、頭を下げて通りすぎた。
「………アレなに?」
あんな人高専にいた?
「京都高の奴らだよ」
「へー。あ、もしかして交流戦の事前交流会的な?」
「仲良しな事前交流なら大歓迎だけど、アイツら喧嘩売りに来ただけだ」
真希ちゃんが呆れたように話す。
ちらり、と野薔薇ちゃんを見ればジャージがボロボロになっている。
「………もしかしなくても仲悪い?」
「そーゆーわけだ」
「あのクソ女……次あったら泣かす」
「お顔が大変なことになっておられるよ、野薔薇ちゃん」
君のそーゆーお顔可愛いし決まってるが、田舎ヤンキーだよ。
君、絶対中学でスケバンだったでしょ?
学校は君の支配下だったでしょ?
「悟に用事か?」
「いるの?」
「いるんじゃねーか?」
「そっかー。うーん……うーん……」
「喧嘩でもしたの?煮え切らない返事じゃない」
「喧嘩はしてないけど、ちょっと何も言ってないからさ」
「ハッキリ言え」
イライラの様子の真希ちゃん。
結局真人だかっていう人間の呪いのことは言ってない。
そしてお風呂で気づいたのだが、背中?うなじ?に変な印を見付けておや?と思ってしまった。
複雑な印のような見た目に、あれ?これヤベェ?ヤベェやつ?と思ったが痛くないし……
ひとまず専門家である硝子ちゃんに見てもらおうと来たら、まさかの険悪な雰囲気に来るタイミング間違ったんじゃね……?と腰が引けてきてる。
「悟には言いづらいから硝子ちゃんに相談のってもらおうと思って」
ヤベェのに出会って、もしかしたらマーキングされたか呪われたかもって知ったら悟………絶対キレそう。
「後々悟にも話すけど、まずは硝子ちゃんに見てもらいたくて」
怒られるのはわかってるんだ。
それなら少しでも味方……いや、硝子ちゃん味方なってくれるよね?
いくら私の不注意でなんかされてても、私一般人!!!
「「………は?」」
ポカーン、とした二人。
ん?なした?
「………待って、嘘でしょ」
「野薔薇、早まるな。この馬鹿のことだから大事な部分が抜け落ちてる可能性がある」
「?」
「心当たりあるのよね?」
「心当たりしかないね」
呪霊的な心当たりね。
やっぱ高専関係者になると、マーキングされてたらわかるもんなのかな?
真希ちゃんも野薔薇ちゃんも顔色悪いってゆーか心配してる……え?まじのヤベェやつ?
「吐き気やダルさやその他の症状は?」
「今のところ無いけど……やっぱ出てくるのかな?」
「体質によるんじゃないかしら?」
「だな」
「やっぱ早めにどーにかしなきゃ駄目か…」
「……!?」
「おまっ!!」
「硝子ちゃんに頼んだら早いうちならどうにかならないかなって思ったけど」
「硝子サンに!?」
「忙しいのに悟に知られて悟の負担増やすより、知られていないうちにどーにかしたいんだよね」
そしたら怒られなくて済むかな……とか思ってないよ。
うん、怒られるの怖いとかじゃナイカラ。
「育てる気ないの?」
「ないよ!!」
育つの!?
この印、育つの!!?
進行とかじゃなく育つって表現なの!?
「意外だな。
オマエなら育てると思ってた」
私にそんなおっかねぇもん育てるノリとテンションは無いよ真希ちゃん!!!
いくら私が変わり者でも、自らの身体を蝕むかもしれない得体のしれないものを可愛がって育てねーよ!?
この子らは私がUMAすら可愛がって育てると思ってんのか!?
「私みたいな一般人を大事にしてるだけでも悟は上の方々から圧かけられてて、その他にも好き勝手にやらかしてるので目をつけられてるところに……こんなこと(印騒ぎ)持ち込んだらヤバいっしょ」
「アイツがそんなこと気にする人間か?」
「例え悟が気にしなくても私が気にする」
ただでさえ、上に一泡吹かせようと悠仁くん死んだことにして囲ってんのに……
ヤベェ呪霊に目ぇつけられて、印つけられちゃった☆なーんて………言えねぇ。
「周りのことより自分の心配しなさいよ!!」
「えっと、それにほら!!
私の勘違いって可能性もあるし!!
大事にしたくないなぁ……、と」
「けど身に覚えはあんだろ?
自分の身体の違和感は自分がよくわかんだろ」
「まぁ、そーなんだけど…」
「一人で悩んで手遅れになる前にどうにかしようって……傷付くのは名前さんなのに!!」
あれ?
私そんなヤベェの?
「名前さん!アイツに言う気ないでしょ」
「あるある。ある、けど……」
怒られたくないので、出来たら言いたくないし
私の気のせいってことで終わりたい。
「駄目よ」
「駄目だ」
「………ダヨネ」
「硝子サンのとこ行くわよ」
「だな」
ガッチリと両脇を野薔薇ちゃんと真希ちゃんに固められる。
そのままズルズルと引きずられて硝子ちゃんのとこへ。
「珍しいな」
「硝子サン、コイツ診て」
「いやいや!!まずは野薔薇ちゃんでしょ!?」
「私は後からでもいーのよ。
まずは名前さんが調べてもらうのが先よ」
「名前が大怪我してるようには見えないが?」
「怪我じゃないからまずは野薔薇ちゃんを診てよ」
「じゃあ先に尿検査しなさいよ」
「へ?」
「検査薬とかあんのか?ここ」
「……妊娠したのか?」
硝子ちゃんが驚いてこっちをみてる。
いや、どーしてそーなった?
「してないよ」
「「は?」」
「じゃあ何で来たんだ?」
「あー……先に言っておくけど、悟にはすぐ報告しないでね?」
「妊娠か」
「違う違う違う。これ、みてほしくて」
面倒だし、女子しかいないからと上を脱ぐ。
そのまま背中を向けて、うなじ辺りを見せる。
「……なにした」
「あー……やっぱこれ呪いの類い?」
「は?待って。色々待ちなさいよ」
「おっまえ!!
孕むより厄介なことになってんじゃねーか!!」
「孕むって真希ちゃんや……
私最初っからこの印を硝子ちゃんに診てもらうって言ってたじゃん」
「「言って(ねーよ・ないわよ)馬鹿!!」」
怒られた。
いやいや、どっから妊娠説でたの?
「……これいつ頃付けられた?」
「数日前。心当たりある」
「五条は……仕事か」
「うん。会ってないのさ」
連絡は取り合っていたけどね。
「重症患者デスヨーーー!!!」
「しゃけ!!」
ガラッと開けられた医務室。
そしてじっとこちらを見るパンダと棘くん。
「………スマン」
「おかか」
ピシャリ、と閉められた扉。
うん、こっちこそごめんよ……。
「セクハラで訴えられるかな?」
「心配するとこそこじゃねーだろ」
バシッと、真希ちゃんに叩かれる。
野薔薇ちゃんに服着ろと言われて服を着た。
パンダが背負っていためぐみんは重症でめぐみんと野薔薇ちゃんの治療へ。
「で、何があった?」
「あれ?ここで話す感じ?
この子ら居るとこで話しちゃうの?」
「話せ」
硝子ちゃん……圧が凄いよ。
美女の圧って怖いよ。
「数日前、仕事行く途中にヤベェの見ちゃって着いてきちゃってさ。
見えていることバレて、多分首絞められた時につけられたのかなー、と」
「馬鹿か」
「おっしゃる通りですね」
硝子ちゃんの冷めた目が痛いよ……。
ごめんよ、けど不可抗力だ。
「ちなみに、これ解呪って」
「無理だな」
「まーじーかっ」
「私より五条が見た方が確実だ」
「………詰んだ」
薄々そんな気はしてた!!
けど、出来ればバレたくない気持ちがあったの!!
………だって悟、めちゃくちゃ独占欲がね?
自分のモノ勝手に印付けられたとか……ぶちギレ案件じゃね?って思うわけです。
「なんだ?名前呪われたのか?」
「昆布」
「マーキングだな。
獲物を逃がさないための印だから、多分身体への影響はない」
「そっか……」
今のところ殺す気は無いと言っていたが、呪霊が口約束を守るとは思えない。
たとえアレが普通レベルの呪霊ではなく、もっと上の存在だったとしても、だ。
言葉を流暢に話し、意思の疎通が出来ていたとしても呪いは呪い。
人を殺す事に関して何とも思ってないだろう。
「厄介過ぎる」
今後の事を考えたら頭痛が……。
ちょっと沖縄に逃げようかな。
「軟禁かしら」
「監禁だろ」
「仕事は強制終了だな」
「ツナマヨ」
「待って待って待って!!
みんな悟のことヤンデレにしないで!!」
「……勘違いじゃなくガチで孕ませられますね」
「お疲れ」
「めっっぐみーーーん!!?
硝子ちゃんも見捨てないで!!」
全員で合掌すんのやめて!?
「……確かこのあと出張だった気が…
今ならすこーし距離置いたらどうにかなるんじゃ」
「逃げる気満々じゃない」
「やめとけばーか」
「悟の執念深さ知ってんダロ?」
「おかか」
「今言わなきゃヤンデレ監禁孕ませコースっすね」
「今ならまだマシだと思うぞ」
「何が?」
ぬっ、と現れた悟。
全員がそっと私から視線を外した。
「やほ」
「……アローラ。そしてさよーなら」
「待ちなよ」
ぐっ、と捕まれた肩が痛いよダーリン。
「オマエ誰と会った?」
「……oh」
「ナニと関わった」
声がドンドン低くなってるよーーーー
多分目隠し無かったらハイライトが消え去って完全に病んでるね。
おめでとう!!悟はマジギレ直前だよ!!!
「オマエの目で見た感じどうだ?」
「マーキング。
しかも本人は気付かないけど、付けた奴にはある程度場所把握できるやつ」
「え……じゃあ高専来ない方が良かった?」
「高専にいた方が呪霊襲撃してきたらすぐわかる」
「えーっと……ちなみに悟、解呪は?」
「無理。
付けた奴祓うしかない」
機嫌の悪そうな悟。
コソコソと生徒らが悟と私から距離を取り自主避難している。
待って。私も避難したい。
それがバレたのか、ひょいっと悟に小脇に抱えられた。
「真希、パンダ、棘」
「………なんだよ」
「なんだ」
「しゃけ」
「野薔薇と恵のことよろしく」
そのまま私は医務室から連れ出される。
みんな………合掌しないでよっっ!!!
そのまま近くの適当な部屋?教室に連れ込まれると、壁ドンを受けた。
壁ドンどころか壁ドォォオオオンで、私の真横凹んでる。
まじで泣きそう。
わざわざ目隠し外したあたり、悟の本気度がわかりますか?わかりますね、オワタ。
「で?」
「………こっわ」
「あ"?」
「サーセン」
「ふざけてないでちゃんと言え」
ま、じ、で、こっっっわ!!!!
おまっ、余裕あんじゃーん(笑)って思ってたら間違いだからな!!!
美人が!!!怒ると!!!クッッッソこっわい!!!
「会社行くときに人間みたいな呪霊と会ったけど、無視してても着いてきて
最終的に見えてないフリ続けるなら周りの人間殺すって言われて話したんだよ」
「意思の疎通が出来てたの?」
「うん。初めて見た。
人間に近いけど、中身が悪意しかない化物って」
「ちなみにどんなやつ?」
「見た目人間だけど、身体も顔も継ぎはぎ。
人の恨みや妬みから生まれた呪いだって言ってた」
「………チッ」
「……ごめん。油断してたわけじゃないけど」
「話しただけ?マーキング以外に何かされたりとかは?」
「無いよ」
「そう」
ぽすり、と悟の頭が肩に乗る。
抱き締められる力が強くなる。
「無事で良かった」
「心配かけてごめん」
「そう思うなら心配かけさせないで」
頭を撫でて悟にすり寄る。
「心配はかけるけど、なるべく回避するようには勤めるよ」
「そこは心配かけないって言うでしょ」
「目ぇつけられてるのに無理っしょ」
「オマエは……」
はぁ……と呆れる悟。
腹くくるしかないよね。
「死なない程度に生き残るから」
「ばーか」
背骨折れる勢いで抱き締められる。
苦しくて背中をタップしまくった。
「死ぬなよ」
「死なない」
絡み合う視線。
お互いに目を閉じて唇を重ね合った。
あとがき
久しぶりに悟出した気がするよ。
そして甘さどこかいってるギャグ一直線の通行人シリーズ。