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「ってことで銀座に行くよー」
「意味がわからない」
仕事終わりに鬼電きてて、通知見たときの私の心境考えて。
そして会社から出た後に目の前に生徒引き連れていたのを見たときの私の心境考えて。
彼氏の顔面に飛び蹴りくらわせたい気分の通行人名前です。
わかってたことだけど、こいつの自由さよ。
あと、何で鬼電した?
「ってことで、一発殴らせろ」
「なんで?」
「鳴り止まない携帯に、同僚から引かれてカウンセリング受ける?と勧められた私の気持ちを考えろ」
「愛しのダーリンからですって言っておきな」
「愛が重いよダーリン」
「受け入れてよハニー」
「街中で辞めてください」
呆れた顔をしながら私達のじゃれあいを止めるめぐみん。
「おや、めぐみん!!先日は災難だったね」
「そーっすね。
お宅の恋人が人が死にかけてるのに観光した後に来たんで驚きました」
「ごめんなさい。
ほら、この子も謝ってているので」
「ごめーん(笑)」
「謝る気全く無いですね」
「僕ちゃんと仕事したし間に合ったじゃん」
「終わりよければ全てよしって感じやめなよ。
悟も大人なんだから」
「大人だから終わりよければ全てよし、なんだよ」
「あんたらがクソなのはよーくわかりました」
めぐみん酷いや。
悟と同じクソ扱いはやめておくれよ。
「おや?」
ふと、こちらを見つめる男女の少年少女。
めぐみんと同じ高専仕様の制服なので、今年の一年生?と悟を見る。
「今年めぐみんと女の子だけじゃなかった?」
「恵が行った任務が特級呪物の回収だったんだけど、それ食べたら器になっちゃって」
「………なるほど。
めぐみん、どーゆーこと?」
「わかったふりしなくていいです。
宿儺の指食ったら受肉しました」
「………は?ん?なに?」
呪われた物食べるってとこから理解出来ないんだけど私間違ってるかな?
「ひとまず一年生が三人になりました」
「OK、わかった」
「「いやいやいや!!!!誰!?」」
「やっと喋った」
「誰!?このお姉さん何!!?」
「突然現れてからのキャラ濃すぎよ!!誰よアンタ!!」
「一般人の通行人です」
「「そんなわけねーだろっ!!!」」
「凄いツッコミ」
お姉さん、その若さについてけない。
良かったね、めぐみん。
きっと君の学生生活は素晴らしいものになるよ。
「悠仁、野薔薇。
これ、僕の彼女兼窓だから。
基本的には一般人」
「例外として、たまーにお休みの時に高専の一般授業担当したり、たまーに体術担当しまーす」
「もはや一般人からかけ離れてますよ名前さん」
「一般人が呪術師と関わることになり、通行するように関わる一般人の話だから。
だから一般人なの」
「メタ発言辞めてください」
メタくてもこのお話は一般人だから。
誰かなんと言おうと一般人だから。
「だって私かめはめ波打てない」
「俺だって無理です」
「めぐみんには玉犬ちゃんいるっしょ」
「かめはめ波と同類にしないでください」
「似たようなもんじゃん」
「お姉さんまじで一般人?」
「ちょっと見えちゃう系の一般人さ」
「キャラ濃すぎよ」
「呪術師のキャラの濃さには負けると思うの」
悟を見なさいよ。
こんなキャラ濃いのが隣にいたら、そりゃ濃くなるわ。
「いや、オマエは元々濃かったよ」
「心外」
「ナンパしてきたり、3年間反省文書いてまで流しそうめんしたり、グリコのおまけしたり、呪術師を闇の組織扱いするのが普通だとは認めない」
それ言われるとキャラ濃いの認めなきゃ駄目じゃん。
キャラ濃いのは自覚してるが。
「お姉さん変な人?」
「失礼ね。ちょっと変わってるだけさ」
「この変なのと付き合ってる時点で変人じゃない。趣味悪いわ」
「わぁ、最近の子って本当尖ってる…」
お姉さんメンタル弱いから泣いちゃうよ?
真希ちゃんとは違うトゲにお姉さん泣いちゃうよ?
初っぱなっからメンタルフルボッコとかやめて?悲しくなるから。
「で?何で銀座?」
「上京組が銀座で寿司食いたいって言うから」
「田舎なの?」
「宮城からお越しのお二人様チョイス」
「宮城って……都会じゃない?」
ちょっと道外れたら畑しかないかもしれんし、道幅狭いけど都会だよ。
なんといってもあの世界の及川サン(笑)が唄うベニーランドがあるんだぞ!!!
中毒性ありすぎて頭から離れなくなるんだぞ!!
「いや、まて……!!
ただの鉄塔を東京タワーと間違える奴もいるから田舎なのか」
「流石に東京タワーと鉄塔は間違えないけど!?」
「宮城あるあるじゃないの?」
「無いわよそんなあるある!!」
そうなの?
鉄塔見て東京タワーって騒いだ過去のある子が今じゃ世界と戦ってるからなぁ。
そんなこんなで、悟の奢りで銀座で寿司。
しかも回らないとこ。
「学生にこんなとこの味覚えさせていいの?」
「食べれたらどこも一緒じゃない?」
「この金持ちめ」
「そんなオマエは味の違いわかんの?」
「さーて、何食べようかなぁ」
味の違い?
すまん、食べれるならどこでもいい派です。
けど、だいたい悟と行くお店は美味しいから期待できる。
「美味しい……」
トロッととろけるようなお魚と、ほどよい甘さと酸味のあるシャリ。
高級なお寿司屋さんだからか、お茶も美味しい。
「名前赤身ばっかじゃん」
「赤身が好きなの」
「恵なんてアワビとか頼んでんのに」
「好きなの食えって言ったじゃないっすか」
「私もアワビ食べたい。悟よろしく」
「はいはい。恵は?」
「鰻」
「で、君らは食べないの?」
「………むしろ何でアンタ達ばかすか頼めるのよ!?」
「たっっか!!ねぇ、俺お金無いけど……」
「奢るって言ってんじゃん」
「………なんか、いざ高級なご飯を目の前にすると嗅ぎ慣れない匂いに警戒する動物みたい」
「っすね」
あれだけ騒いでたのに、いざ店に来たらメニューばっか見てる悠仁くんと野薔薇ちゃん。
「適当に大将のオススメいくつか握って」
「はいよっ」
「はい、赤身あげるから」
「えっ?でも」
「ほら、悠仁くんあーん」
四の五も言わせず口に突っ込む。
お行儀悪い?すまん。
このままじゃこの子ら食べなさそうだから。
モグモグしてる悠仁くん。
そのあと、ぱぁぁあああと、顔が輝いた。
「うっま!!」
「はいはい。野薔薇ちゃんは?
お口に詰め込まれるのと自分で詰め込むのどちらがお好みかしら?」
「自分で食べれるわよ」
丁度大将のオススメ握りも出てきたので渡せば、顔が輝いていた。
「恵にもあんな可愛らしい素直な時期があったのにね」
「うるさいです」
「あら、めぐみんは今も可愛らしいよ?」
「うるさいです」
それぞれが好きなものを頼みだす。
ちなみにテンションの上がった上京組の食欲の凄いことにも驚いた。
「そーいやさ、何で名前さん五条先生と付き合ったの?
幼馴染とか学校が一緒だったとか?」
「違うよ。
さっきも言ったけど名前がナンパしてきた」
「ナンパしたのは別の人に対してであって、悟は後から絡んできた」
「じゃあ五条先生が名前さんに惚れて付き合ったの?」
「まぁ、そんな感じ」
「へー。やっぱ呪術師だと出会いが少ないから一般の人に目がいくの?」
「名前の場合は特殊だと思うな。
こんな面白……素敵な女は後にも先にもいないだろうし」
「今面白いって言おうとしたよね?」
「いひゃい」
よく伸びますこと。
「酷いや。僕傷付いた」
「慰めてさしあげようか?めぐみんが」
「巻き込むのやめてください」
「野郎に慰められるより女の子がいい」
「野薔薇ちゃん、こいつに近寄っちゃ駄目だよ。男は皆狼だから」
「近寄んないわよ、そんな不審者」
「どっちかっつーの釘崎の方がやばかったよな。モデルの勧誘に自ら志願しに行ってたし」
「近寄りたくなかったな」
「私の魅力がわからないなんてだからあんた達は駄目なのよ」
「野薔薇ちゃんの勧誘断るとかそいつ見る目ないわー」
「でしょ?」
「うん。けど、東京は中には変なのいるから自分から声かけに行っちゃ危ないからね。
変なお仕事の方に回されないように」
「そうね。次から気を付けるわ」
「いい子。
悠仁くんもなんか人良さそうだから、変な壺とか買わないようにね」
「俺そこまでお人好しじゃないよ?」
「上京したテンションで意味わからないグッズ買ったり、美味しいもの食べたりと無駄遣いした結果金欠となって困るの君達なんだからね?」
「「「………」」」
おや?すでに何か無駄遣いしたな。
特に悠仁くん。
「まぁ、困った時はお金の事だろうと、勉強の事だろうと、生活の事だろうと大人を頼りなさい。
君達は寮生活で親元も離れているんだから」
「しっかりした大人だ……!!」
「悟、あんた悠仁くんに何かしたの?」
「してないよ」
普通の事言ったはずなのに、驚かれるってどういうこと?
「あんまり僕の生徒タラさないでよ」
「タラして無いわよ」
「僕嫉妬しちゃう」
「はいはい。悟が一番だから妬かない妬かない」
「「………」」
「突然のイチャつき」
「ちょくちょくぶっこんでくるわよね。
リア充の余裕かしら?呪うわよ」
「お前ら慣れとけ。これ常時だから」
一瞬殺気感じたけど気のせいかな?
お腹も満たされたということで、お店を出る。
「悟は子供ら送るでしょ?私先に帰るよ」
「タクシー呼んどいた」
「ありがと。
それより子供達をしっかり送りなよ」
「着いたら連絡」
「わかったよ」
いつの間に呼んでたのかわからないが、こーゆー時さらっと支払いまで終わらせているのが悟だ。
やれば出来る男。しかし、やらないこともあり。
子供達と悟に見送られる。
「またね、みんな」
バイバーイと手を振ってくれる悠仁くん。
そして頭を下げる恵と、片手を上げるだけの野薔薇ちゃん。
うん、今年の一年生もいい子ばかりだな……と思いながらさーて、帰ってゆっくりお風呂入ろう、と頭の中で帰ってからの予定を立てる。
「先生の彼女さんって話しやすくて面白いね」
「うん。そーでしょ」
「東京の人ってもっと冷たいかと思ってた」
「どんな偏見よそれ」
「名前さんは特殊だろ」
「アレは特殊だね」
ケラケラと笑う五条。
「今じゃ大人ぶってるけど、君らくらいの時は本当ぶっ飛んでてヤバかったよ」
「時々ぶっ飛んでますよ、今も」
「アイツいきなり酢昆布とか駄菓子とか勧めてくるから」
「は?チョイスおかしくない?」
「だから面白いっしょ」
楽しそうに名前のことを話す五条。
それだけで二人が想い合ってることが伝わってくる。
「懐くのはいいけど、好きになっちゃ駄目だよ」
「………あれ?俺ら牽制されてる?」
「うん。してる」
「大人気無いですよ」
「余裕無いわね」
「天然人タラシだし、好意に鈍感だし、寄ってくるのが多いからね」
はぁ、と溜め息をつく五条。
困ったものだよ、と呆れている。
「名前さんは五条さんしか見てないから問題無いと思いますよ」
「アイツは内側に入れた奴との距離感おかしいから」
「先生でも嫉妬すんだね」
「するする」
「ふーん。そんなにいい女なのかしら?」
いまいちピンとこない釘崎。
虎杖もまともそうなお姉さんあたりにしか思っていない。
「野薔薇もきっと好きになるよ。
僕が惚れた女だからね」
闇で生きる僕らと違い
一般の世界で輝き続ける彼女。
ふとしたときの安心を
ふとしたときの日常を
ふとしたときの暖かさを
ふとしたときの馬鹿らしさを
非日常が日常となっているから
突然嵐のように日常を押し付けて
非日常をぶち壊していく彼女だからこそ
僕らは彼女と関わることで
普通の人間でいられる。
「まじで馬鹿な事しかしないけど」
「例えば?」
「………こないだは先輩ら巻き込んでベイブレードしてました」
「「は?」」
「なにしてんのアイツ」
「その前は缶けりしようぜ!!って言い出して先輩らにフルボッコにされて泣いてました」
「馬鹿じゃない」
「馬鹿っぽい」
「馬鹿なんだよ」
「あと、ツイスターゲームして先輩に羽交い締めされてた」
「………クックックッ。まじ馬鹿っ」
ケラケラ笑う五条。
伏黒がなぜ、真顔であー、あと……と続けるのかが意味わからない。
そして先ほどの大人なお姉さん像が木っ端微塵になるほど、頭おかしい大人?いや小学生レベルの変人なんじゃ……と虎杖と釘崎は思う。
あとがき
やっっっと原作入り!!
と、言っても通行人は原作と関わらないオリジナルストーリーでいくと思われる。
ゆっくりですが、これからもよろしくお願いします。
「意味がわからない」
仕事終わりに鬼電きてて、通知見たときの私の心境考えて。
そして会社から出た後に目の前に生徒引き連れていたのを見たときの私の心境考えて。
彼氏の顔面に飛び蹴りくらわせたい気分の通行人名前です。
わかってたことだけど、こいつの自由さよ。
あと、何で鬼電した?
「ってことで、一発殴らせろ」
「なんで?」
「鳴り止まない携帯に、同僚から引かれてカウンセリング受ける?と勧められた私の気持ちを考えろ」
「愛しのダーリンからですって言っておきな」
「愛が重いよダーリン」
「受け入れてよハニー」
「街中で辞めてください」
呆れた顔をしながら私達のじゃれあいを止めるめぐみん。
「おや、めぐみん!!先日は災難だったね」
「そーっすね。
お宅の恋人が人が死にかけてるのに観光した後に来たんで驚きました」
「ごめんなさい。
ほら、この子も謝ってているので」
「ごめーん(笑)」
「謝る気全く無いですね」
「僕ちゃんと仕事したし間に合ったじゃん」
「終わりよければ全てよしって感じやめなよ。
悟も大人なんだから」
「大人だから終わりよければ全てよし、なんだよ」
「あんたらがクソなのはよーくわかりました」
めぐみん酷いや。
悟と同じクソ扱いはやめておくれよ。
「おや?」
ふと、こちらを見つめる男女の少年少女。
めぐみんと同じ高専仕様の制服なので、今年の一年生?と悟を見る。
「今年めぐみんと女の子だけじゃなかった?」
「恵が行った任務が特級呪物の回収だったんだけど、それ食べたら器になっちゃって」
「………なるほど。
めぐみん、どーゆーこと?」
「わかったふりしなくていいです。
宿儺の指食ったら受肉しました」
「………は?ん?なに?」
呪われた物食べるってとこから理解出来ないんだけど私間違ってるかな?
「ひとまず一年生が三人になりました」
「OK、わかった」
「「いやいやいや!!!!誰!?」」
「やっと喋った」
「誰!?このお姉さん何!!?」
「突然現れてからのキャラ濃すぎよ!!誰よアンタ!!」
「一般人の通行人です」
「「そんなわけねーだろっ!!!」」
「凄いツッコミ」
お姉さん、その若さについてけない。
良かったね、めぐみん。
きっと君の学生生活は素晴らしいものになるよ。
「悠仁、野薔薇。
これ、僕の彼女兼窓だから。
基本的には一般人」
「例外として、たまーにお休みの時に高専の一般授業担当したり、たまーに体術担当しまーす」
「もはや一般人からかけ離れてますよ名前さん」
「一般人が呪術師と関わることになり、通行するように関わる一般人の話だから。
だから一般人なの」
「メタ発言辞めてください」
メタくてもこのお話は一般人だから。
誰かなんと言おうと一般人だから。
「だって私かめはめ波打てない」
「俺だって無理です」
「めぐみんには玉犬ちゃんいるっしょ」
「かめはめ波と同類にしないでください」
「似たようなもんじゃん」
「お姉さんまじで一般人?」
「ちょっと見えちゃう系の一般人さ」
「キャラ濃すぎよ」
「呪術師のキャラの濃さには負けると思うの」
悟を見なさいよ。
こんなキャラ濃いのが隣にいたら、そりゃ濃くなるわ。
「いや、オマエは元々濃かったよ」
「心外」
「ナンパしてきたり、3年間反省文書いてまで流しそうめんしたり、グリコのおまけしたり、呪術師を闇の組織扱いするのが普通だとは認めない」
それ言われるとキャラ濃いの認めなきゃ駄目じゃん。
キャラ濃いのは自覚してるが。
「お姉さん変な人?」
「失礼ね。ちょっと変わってるだけさ」
「この変なのと付き合ってる時点で変人じゃない。趣味悪いわ」
「わぁ、最近の子って本当尖ってる…」
お姉さんメンタル弱いから泣いちゃうよ?
真希ちゃんとは違うトゲにお姉さん泣いちゃうよ?
初っぱなっからメンタルフルボッコとかやめて?悲しくなるから。
「で?何で銀座?」
「上京組が銀座で寿司食いたいって言うから」
「田舎なの?」
「宮城からお越しのお二人様チョイス」
「宮城って……都会じゃない?」
ちょっと道外れたら畑しかないかもしれんし、道幅狭いけど都会だよ。
なんといってもあの世界の及川サン(笑)が唄うベニーランドがあるんだぞ!!!
中毒性ありすぎて頭から離れなくなるんだぞ!!
「いや、まて……!!
ただの鉄塔を東京タワーと間違える奴もいるから田舎なのか」
「流石に東京タワーと鉄塔は間違えないけど!?」
「宮城あるあるじゃないの?」
「無いわよそんなあるある!!」
そうなの?
鉄塔見て東京タワーって騒いだ過去のある子が今じゃ世界と戦ってるからなぁ。
そんなこんなで、悟の奢りで銀座で寿司。
しかも回らないとこ。
「学生にこんなとこの味覚えさせていいの?」
「食べれたらどこも一緒じゃない?」
「この金持ちめ」
「そんなオマエは味の違いわかんの?」
「さーて、何食べようかなぁ」
味の違い?
すまん、食べれるならどこでもいい派です。
けど、だいたい悟と行くお店は美味しいから期待できる。
「美味しい……」
トロッととろけるようなお魚と、ほどよい甘さと酸味のあるシャリ。
高級なお寿司屋さんだからか、お茶も美味しい。
「名前赤身ばっかじゃん」
「赤身が好きなの」
「恵なんてアワビとか頼んでんのに」
「好きなの食えって言ったじゃないっすか」
「私もアワビ食べたい。悟よろしく」
「はいはい。恵は?」
「鰻」
「で、君らは食べないの?」
「………むしろ何でアンタ達ばかすか頼めるのよ!?」
「たっっか!!ねぇ、俺お金無いけど……」
「奢るって言ってんじゃん」
「………なんか、いざ高級なご飯を目の前にすると嗅ぎ慣れない匂いに警戒する動物みたい」
「っすね」
あれだけ騒いでたのに、いざ店に来たらメニューばっか見てる悠仁くんと野薔薇ちゃん。
「適当に大将のオススメいくつか握って」
「はいよっ」
「はい、赤身あげるから」
「えっ?でも」
「ほら、悠仁くんあーん」
四の五も言わせず口に突っ込む。
お行儀悪い?すまん。
このままじゃこの子ら食べなさそうだから。
モグモグしてる悠仁くん。
そのあと、ぱぁぁあああと、顔が輝いた。
「うっま!!」
「はいはい。野薔薇ちゃんは?
お口に詰め込まれるのと自分で詰め込むのどちらがお好みかしら?」
「自分で食べれるわよ」
丁度大将のオススメ握りも出てきたので渡せば、顔が輝いていた。
「恵にもあんな可愛らしい素直な時期があったのにね」
「うるさいです」
「あら、めぐみんは今も可愛らしいよ?」
「うるさいです」
それぞれが好きなものを頼みだす。
ちなみにテンションの上がった上京組の食欲の凄いことにも驚いた。
「そーいやさ、何で名前さん五条先生と付き合ったの?
幼馴染とか学校が一緒だったとか?」
「違うよ。
さっきも言ったけど名前がナンパしてきた」
「ナンパしたのは別の人に対してであって、悟は後から絡んできた」
「じゃあ五条先生が名前さんに惚れて付き合ったの?」
「まぁ、そんな感じ」
「へー。やっぱ呪術師だと出会いが少ないから一般の人に目がいくの?」
「名前の場合は特殊だと思うな。
こんな面白……素敵な女は後にも先にもいないだろうし」
「今面白いって言おうとしたよね?」
「いひゃい」
よく伸びますこと。
「酷いや。僕傷付いた」
「慰めてさしあげようか?めぐみんが」
「巻き込むのやめてください」
「野郎に慰められるより女の子がいい」
「野薔薇ちゃん、こいつに近寄っちゃ駄目だよ。男は皆狼だから」
「近寄んないわよ、そんな不審者」
「どっちかっつーの釘崎の方がやばかったよな。モデルの勧誘に自ら志願しに行ってたし」
「近寄りたくなかったな」
「私の魅力がわからないなんてだからあんた達は駄目なのよ」
「野薔薇ちゃんの勧誘断るとかそいつ見る目ないわー」
「でしょ?」
「うん。けど、東京は中には変なのいるから自分から声かけに行っちゃ危ないからね。
変なお仕事の方に回されないように」
「そうね。次から気を付けるわ」
「いい子。
悠仁くんもなんか人良さそうだから、変な壺とか買わないようにね」
「俺そこまでお人好しじゃないよ?」
「上京したテンションで意味わからないグッズ買ったり、美味しいもの食べたりと無駄遣いした結果金欠となって困るの君達なんだからね?」
「「「………」」」
おや?すでに何か無駄遣いしたな。
特に悠仁くん。
「まぁ、困った時はお金の事だろうと、勉強の事だろうと、生活の事だろうと大人を頼りなさい。
君達は寮生活で親元も離れているんだから」
「しっかりした大人だ……!!」
「悟、あんた悠仁くんに何かしたの?」
「してないよ」
普通の事言ったはずなのに、驚かれるってどういうこと?
「あんまり僕の生徒タラさないでよ」
「タラして無いわよ」
「僕嫉妬しちゃう」
「はいはい。悟が一番だから妬かない妬かない」
「「………」」
「突然のイチャつき」
「ちょくちょくぶっこんでくるわよね。
リア充の余裕かしら?呪うわよ」
「お前ら慣れとけ。これ常時だから」
一瞬殺気感じたけど気のせいかな?
お腹も満たされたということで、お店を出る。
「悟は子供ら送るでしょ?私先に帰るよ」
「タクシー呼んどいた」
「ありがと。
それより子供達をしっかり送りなよ」
「着いたら連絡」
「わかったよ」
いつの間に呼んでたのかわからないが、こーゆー時さらっと支払いまで終わらせているのが悟だ。
やれば出来る男。しかし、やらないこともあり。
子供達と悟に見送られる。
「またね、みんな」
バイバーイと手を振ってくれる悠仁くん。
そして頭を下げる恵と、片手を上げるだけの野薔薇ちゃん。
うん、今年の一年生もいい子ばかりだな……と思いながらさーて、帰ってゆっくりお風呂入ろう、と頭の中で帰ってからの予定を立てる。
「先生の彼女さんって話しやすくて面白いね」
「うん。そーでしょ」
「東京の人ってもっと冷たいかと思ってた」
「どんな偏見よそれ」
「名前さんは特殊だろ」
「アレは特殊だね」
ケラケラと笑う五条。
「今じゃ大人ぶってるけど、君らくらいの時は本当ぶっ飛んでてヤバかったよ」
「時々ぶっ飛んでますよ、今も」
「アイツいきなり酢昆布とか駄菓子とか勧めてくるから」
「は?チョイスおかしくない?」
「だから面白いっしょ」
楽しそうに名前のことを話す五条。
それだけで二人が想い合ってることが伝わってくる。
「懐くのはいいけど、好きになっちゃ駄目だよ」
「………あれ?俺ら牽制されてる?」
「うん。してる」
「大人気無いですよ」
「余裕無いわね」
「天然人タラシだし、好意に鈍感だし、寄ってくるのが多いからね」
はぁ、と溜め息をつく五条。
困ったものだよ、と呆れている。
「名前さんは五条さんしか見てないから問題無いと思いますよ」
「アイツは内側に入れた奴との距離感おかしいから」
「先生でも嫉妬すんだね」
「するする」
「ふーん。そんなにいい女なのかしら?」
いまいちピンとこない釘崎。
虎杖もまともそうなお姉さんあたりにしか思っていない。
「野薔薇もきっと好きになるよ。
僕が惚れた女だからね」
闇で生きる僕らと違い
一般の世界で輝き続ける彼女。
ふとしたときの安心を
ふとしたときの日常を
ふとしたときの暖かさを
ふとしたときの馬鹿らしさを
非日常が日常となっているから
突然嵐のように日常を押し付けて
非日常をぶち壊していく彼女だからこそ
僕らは彼女と関わることで
普通の人間でいられる。
「まじで馬鹿な事しかしないけど」
「例えば?」
「………こないだは先輩ら巻き込んでベイブレードしてました」
「「は?」」
「なにしてんのアイツ」
「その前は缶けりしようぜ!!って言い出して先輩らにフルボッコにされて泣いてました」
「馬鹿じゃない」
「馬鹿っぽい」
「馬鹿なんだよ」
「あと、ツイスターゲームして先輩に羽交い締めされてた」
「………クックックッ。まじ馬鹿っ」
ケラケラ笑う五条。
伏黒がなぜ、真顔であー、あと……と続けるのかが意味わからない。
そして先ほどの大人なお姉さん像が木っ端微塵になるほど、頭おかしい大人?いや小学生レベルの変人なんじゃ……と虎杖と釘崎は思う。
あとがき
やっっっと原作入り!!
と、言っても通行人は原作と関わらないオリジナルストーリーでいくと思われる。
ゆっくりですが、これからもよろしくお願いします。