先輩シリーズ (五条)
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「名前」
悟の手が好きだ。
大きいのに、細い指。
なのにしっかりとした男の手。
悟の腕の中が好きだ。
大きな悟にすっぽりと納まる私は
この腕の中では世界一、幸せだと思えるから。
悟の匂いが好きだ。
ほのかに香る香水の匂いと
悟の匂いに安心する。
悟の髪が好きだ。
フワフワで柔らかな髪を
撫でるのが気持ちいい。
悟の目が好きだ。
空色の瞳は、きらきらとしていて
自由な悟によく似合っていた。
好き、が増えていくたび
私は悟を傷付ける。
"面倒臭ぇから、置いていく"
そう言っていなくなったあの人は
あれから私に顔も見せず
今もどこかで
当たらないギャンブルをしてるのだろうか…
「名前」
私の部屋だが
目を覚ませば悟が目の前にいた。
討伐任務から帰って来て
そのままベッドに倒れこんだらしい。
「ん……寝てた」
「疲れてる?」
「悟、きて」
ん、と頭を差し出してきた悟の頭に手を伸ばし、さらさらと頭を撫でる。
懐かしい人の夢を見てた。
少しづつ頭と身体が起きてきて
ゆっくりと身体を起こせば
悟が手を伸ばしてくる。
「ん」
「なぁに?」
「きてよ」
「重いよ?」
「名前は軽すぎる」
「重いって言ってたら、殴ってた」
くすくす笑いながら
悟の腕の中にいくと
悟は嬉しそうに笑って抱き締めてくれる。
くるり、と身体の向きを変え
ベッドを背凭れにし
腕の中にいた私の向きも変えられ
悟の胸にもたれ掛かるような形に。
今度は悟が、私の頭を撫でる。
悟の大きな手から伝わる温度が気持ちよくて
また眠気に襲われる。
「悟、寝ちゃう」
「寝ないで」
「じゃあ、撫でないで」
くすり、と笑う悟に
本当に年下とは思えない
色気を感じてしまう。
「最近よく出てるね」
「ね……
期待されてるのか、虐められてんのか」
「怪我は?」
「平気」
「ならいーや」
「傑とは最近喧嘩しないでやってるかい?」
「親友ダカラネ」
「………喧嘩したのか」
ほどほどにね、と言えば
そっぽ向く悟に笑ってしまう。
笑っていると、こちらをじっと見てくるので
なぁに?と聞けば
「………名前、結婚して」
「どんなタイミングさ」
「うんって言ってよ」
「やだよ」
「俺のこと好きなクセに」
「それとこれとは別」
ムスッとする悟。
そんな顔も絵になるのは
フィルターがかかっているからか
それとも元がいいからか……
「名前」
「ん?」
「俺のになって」
「いやだ」
「そしたら、名前が困ってること
全て解決するじゃん」
「やだよ」
「俺、養子も引き受けるよ」
「そういう問題じゃないんだよ」
「じゃあ、どういう問題だよ」
少しイラついたような声。
けど、これは譲らない。
「悟」
「なんだよ」
「私はね、
私の全てを悟に押し付けたくないんだ」
血筋のことも
双子のことも
許嫁のことも
この先のことも
「悟が大事だから
悟に背負わせたくない」
「俺がいいって言ってんのに?」
「若気の至りで決めていいもんじゃない」
「わけわかんねー男のものになんのを
指くわえて見守ってろって?嫌だね」
「悟は五条家の坊っちゃんだし
無下限の使い手で、六眼持ち
私とは釣り合わない存在だよ」
「名前」
「金蹴りするような女が珍しかっただけ」
「名前、怒るぞ」
「私は悟と付き合う気もないし
結婚なんてする気もない
君のそれは
一時的な興味からくるものだ」
「名前さ、それわざと?
俺怒らせて、嫌われようとしてる?」
「……だったら、キミは
私を嫌ってくれるかい?」
悟の嫌がる言い方をする。
舌打ちが聞こえ
こつん、と頭に軽い衝撃と
額にふわり、と白い髪が落ちてきた。
悟の頭が私の頭に当たっているらしい。
「ずりぃ」
「悟……ごめん」
「謝んな」
「全てを棄てられず
あの家に捕らわれているのは
私の悪いとこだ」
「……棄てちまえよ」
「そうしたら、楽なのにね」
子供の頃から
いやだ、と
嫌いだ、と
叫ぶことは一人前で
実際に棄てようとしても
棄てきれない。
「悟、私ね」
「なに?」
「子供の頃
すんごく好きだった人がいたんだ」
「今、その話する?」
「まぁ、聞いて」
嫌そうな声で呟いた悟に
さっき見た夢を思い出す。
「待ってれば
帰って来てくれるんじゃないかと
思っているんだ」
あの日
立ち去ったあの人。
さよなら、をしたはずなのに
未練がましく待ち続けている。
「もう二度と、帰ってくるはずないのに」
戻ってくるような人じゃないのに。
戦い方を教えてくれた
傍に居たかった
一緒に行きたかった
「けど、置いていかれちゃった」
ずっとずっと
心に穴が開いていて
埋まらない
「俺と会う前に探しに行けば良かっただろ」
「結婚してるんだよ」
「………は?」
「家が嫌で、子供作って出ていった人だから」
「うわぁ……」
「ギャンブル好きで、金使い悪いし
基本的クズの塊だし
やる気ないし
だらしないし
多分、子供や家族放って
出歩いて帰ってないんじゃないかな?」
「最低のクズ野郎じゃん」
「そうなの」
今考えても、何で好きになったのか
わからない。
わからないけど……
「好きだったんだ」
「……妬けるね」
「私はクズの呪いにより
あの家から出られないのかもね」
ふざけた感じで言えば
頭に乗っていた悟の頭が離れた。
ちらり、と振り返って見れば
そのまま悟に口付けられる。
欲の孕んだ瞳に
ドキリとする。
「本当、名前って俺煽る天才?」
「そんなつもりないけど」
「すんげぇ腹立つし
胸糞悪いし
さっさと俺のものになればいいのに」
「ごめ…」
「謝んなつってんだろ」
乱暴に口付けられ
口の中を好き勝手に暴れる悟の舌に
押し返そうとしても
生き物のように絡まれる。
悟にしがみつき、呼吸をしようとするが
上手く息が出来ず
うっすら涙が溜まっていく。
やっと唇が離れたとき
ポロリ、と涙が溢れた。
「今泣くのはずるいだろ」
悟がくしゃりと表情を歪ませながら笑う。
「俺はお前が全て棄ててくれんなら
俺の全てをお前に渡すのに」
腕の中にいるのに
キミはするりと抜けていく。
「俺、気が長い方じゃないんだよね」
悟は立ち上がり
ドアの方へ歩いていく。
「卒業まで時間が与えられても
お前がもう決めてるなら
どれだけ俺が頑張っても
手に入らないんだろ」
「悟……」
「流石に腹立つ」
こちらを見ず
部屋から出ていった悟。
これでいい。
これでいいはずなのに
瞳から溢れ出る涙が
止まってくれない……。
好きなのに
好きでいたいのに
私は、愛した人を傷付ける。
あとがき
こんな女、私も願い下げだ(笑)
はーやく、悟とくっつけたい。
そして、ちらほら番外編で
現在の話を書きたい(笑)
妄想ばかりが先走る……。
悟の手が好きだ。
大きいのに、細い指。
なのにしっかりとした男の手。
悟の腕の中が好きだ。
大きな悟にすっぽりと納まる私は
この腕の中では世界一、幸せだと思えるから。
悟の匂いが好きだ。
ほのかに香る香水の匂いと
悟の匂いに安心する。
悟の髪が好きだ。
フワフワで柔らかな髪を
撫でるのが気持ちいい。
悟の目が好きだ。
空色の瞳は、きらきらとしていて
自由な悟によく似合っていた。
好き、が増えていくたび
私は悟を傷付ける。
"面倒臭ぇから、置いていく"
そう言っていなくなったあの人は
あれから私に顔も見せず
今もどこかで
当たらないギャンブルをしてるのだろうか…
「名前」
私の部屋だが
目を覚ませば悟が目の前にいた。
討伐任務から帰って来て
そのままベッドに倒れこんだらしい。
「ん……寝てた」
「疲れてる?」
「悟、きて」
ん、と頭を差し出してきた悟の頭に手を伸ばし、さらさらと頭を撫でる。
懐かしい人の夢を見てた。
少しづつ頭と身体が起きてきて
ゆっくりと身体を起こせば
悟が手を伸ばしてくる。
「ん」
「なぁに?」
「きてよ」
「重いよ?」
「名前は軽すぎる」
「重いって言ってたら、殴ってた」
くすくす笑いながら
悟の腕の中にいくと
悟は嬉しそうに笑って抱き締めてくれる。
くるり、と身体の向きを変え
ベッドを背凭れにし
腕の中にいた私の向きも変えられ
悟の胸にもたれ掛かるような形に。
今度は悟が、私の頭を撫でる。
悟の大きな手から伝わる温度が気持ちよくて
また眠気に襲われる。
「悟、寝ちゃう」
「寝ないで」
「じゃあ、撫でないで」
くすり、と笑う悟に
本当に年下とは思えない
色気を感じてしまう。
「最近よく出てるね」
「ね……
期待されてるのか、虐められてんのか」
「怪我は?」
「平気」
「ならいーや」
「傑とは最近喧嘩しないでやってるかい?」
「親友ダカラネ」
「………喧嘩したのか」
ほどほどにね、と言えば
そっぽ向く悟に笑ってしまう。
笑っていると、こちらをじっと見てくるので
なぁに?と聞けば
「………名前、結婚して」
「どんなタイミングさ」
「うんって言ってよ」
「やだよ」
「俺のこと好きなクセに」
「それとこれとは別」
ムスッとする悟。
そんな顔も絵になるのは
フィルターがかかっているからか
それとも元がいいからか……
「名前」
「ん?」
「俺のになって」
「いやだ」
「そしたら、名前が困ってること
全て解決するじゃん」
「やだよ」
「俺、養子も引き受けるよ」
「そういう問題じゃないんだよ」
「じゃあ、どういう問題だよ」
少しイラついたような声。
けど、これは譲らない。
「悟」
「なんだよ」
「私はね、
私の全てを悟に押し付けたくないんだ」
血筋のことも
双子のことも
許嫁のことも
この先のことも
「悟が大事だから
悟に背負わせたくない」
「俺がいいって言ってんのに?」
「若気の至りで決めていいもんじゃない」
「わけわかんねー男のものになんのを
指くわえて見守ってろって?嫌だね」
「悟は五条家の坊っちゃんだし
無下限の使い手で、六眼持ち
私とは釣り合わない存在だよ」
「名前」
「金蹴りするような女が珍しかっただけ」
「名前、怒るぞ」
「私は悟と付き合う気もないし
結婚なんてする気もない
君のそれは
一時的な興味からくるものだ」
「名前さ、それわざと?
俺怒らせて、嫌われようとしてる?」
「……だったら、キミは
私を嫌ってくれるかい?」
悟の嫌がる言い方をする。
舌打ちが聞こえ
こつん、と頭に軽い衝撃と
額にふわり、と白い髪が落ちてきた。
悟の頭が私の頭に当たっているらしい。
「ずりぃ」
「悟……ごめん」
「謝んな」
「全てを棄てられず
あの家に捕らわれているのは
私の悪いとこだ」
「……棄てちまえよ」
「そうしたら、楽なのにね」
子供の頃から
いやだ、と
嫌いだ、と
叫ぶことは一人前で
実際に棄てようとしても
棄てきれない。
「悟、私ね」
「なに?」
「子供の頃
すんごく好きだった人がいたんだ」
「今、その話する?」
「まぁ、聞いて」
嫌そうな声で呟いた悟に
さっき見た夢を思い出す。
「待ってれば
帰って来てくれるんじゃないかと
思っているんだ」
あの日
立ち去ったあの人。
さよなら、をしたはずなのに
未練がましく待ち続けている。
「もう二度と、帰ってくるはずないのに」
戻ってくるような人じゃないのに。
戦い方を教えてくれた
傍に居たかった
一緒に行きたかった
「けど、置いていかれちゃった」
ずっとずっと
心に穴が開いていて
埋まらない
「俺と会う前に探しに行けば良かっただろ」
「結婚してるんだよ」
「………は?」
「家が嫌で、子供作って出ていった人だから」
「うわぁ……」
「ギャンブル好きで、金使い悪いし
基本的クズの塊だし
やる気ないし
だらしないし
多分、子供や家族放って
出歩いて帰ってないんじゃないかな?」
「最低のクズ野郎じゃん」
「そうなの」
今考えても、何で好きになったのか
わからない。
わからないけど……
「好きだったんだ」
「……妬けるね」
「私はクズの呪いにより
あの家から出られないのかもね」
ふざけた感じで言えば
頭に乗っていた悟の頭が離れた。
ちらり、と振り返って見れば
そのまま悟に口付けられる。
欲の孕んだ瞳に
ドキリとする。
「本当、名前って俺煽る天才?」
「そんなつもりないけど」
「すんげぇ腹立つし
胸糞悪いし
さっさと俺のものになればいいのに」
「ごめ…」
「謝んなつってんだろ」
乱暴に口付けられ
口の中を好き勝手に暴れる悟の舌に
押し返そうとしても
生き物のように絡まれる。
悟にしがみつき、呼吸をしようとするが
上手く息が出来ず
うっすら涙が溜まっていく。
やっと唇が離れたとき
ポロリ、と涙が溢れた。
「今泣くのはずるいだろ」
悟がくしゃりと表情を歪ませながら笑う。
「俺はお前が全て棄ててくれんなら
俺の全てをお前に渡すのに」
腕の中にいるのに
キミはするりと抜けていく。
「俺、気が長い方じゃないんだよね」
悟は立ち上がり
ドアの方へ歩いていく。
「卒業まで時間が与えられても
お前がもう決めてるなら
どれだけ俺が頑張っても
手に入らないんだろ」
「悟……」
「流石に腹立つ」
こちらを見ず
部屋から出ていった悟。
これでいい。
これでいいはずなのに
瞳から溢れ出る涙が
止まってくれない……。
好きなのに
好きでいたいのに
私は、愛した人を傷付ける。
あとがき
こんな女、私も願い下げだ(笑)
はーやく、悟とくっつけたい。
そして、ちらほら番外編で
現在の話を書きたい(笑)
妄想ばかりが先走る……。