先輩シリーズ (五条)
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「なー、伏黒」
「なんだ」
「五条先生と名前さんってすっごい仲良いけど、喧嘩したり名前さんが怒ることってあんの?」
それは虎杖の細やかな疑問だった。
「………ある」
「えっ、まじ?」
「けど、名前さんが怒るってめったにねぇからな。
基本的には五条先生に甘いし」
「だよね」
名前さんは甘い。
とにかく五条先生の我が儘という我が儘を仕方ないなぁ、で済ましてしまうので五条先生も甘えている所がある。
疲れたから抱っこして
頑張ったから甘やかして
だるいから膝枕して
任務行くからちゅー
こちらが目を逸らしてしまうくらい自重しない先生に名前さんは生徒の目の前だよ、と言いながらも好き勝手する五条先生に怒ることはない。
そうなってくると、怒る姿を見たくなってしまう。
「やめとけ」
「えっ?」
「………本当、やめとけ」
真顔で首を横に振る伏黒。
「絶対に名前さん怒らせるな」
その時の伏黒の表情はどこか遠くを見つめていた……と、虎杖は語った。
そんな話をしたのが、生前。
言葉がおかしいが、一度死に生き返り高専の地下に五条先生によって匿われていた時の事。
面倒見る人がいないから、と地下じゃなく五条先生の家で預かる……となった時。
「あれ?先生の家ってことは名前さんも居るよね?」
「うん。僕も伊地知もこれから仕事でいないから名前に面倒見てもらって」
「すいません、虎杖くん」
「そっか。名前さんも知ってんだ」
「いや、知らないよ」
「「えっ」」
伊地知さんも驚いて五条先生を見る。
いや、待って?
それは良くないのでは……?と、五条先生を見る。
「なんとかなるよ。
大丈夫……うん、大丈夫」
自分に言い聞かせるように、確認するかのように呟く五条先生。
まぁ、五条先生に甘いしなんとか……なるのか?と思いながらその時は軽く考えてました。
荷物と呪骸を手に五条先生の家に行く。
「ただいまー」
「おかえり、悟」
「名前、僕これから2日くらい任務だからちょっと悠仁のこと頼むね」
「悠仁?」
「あの……よろしくお願いします」
五条先生の後ろから顔を出し、頭を下げる。
きょとん、と目を丸くして俺を見ながら固まる名前さんに、本当に五条先生奥さんの名前さんにすら言って無かったのか……と思ってしまう。
まぁ、生き返ってまだ数日目なんだけど。
「伊地知くん」
「は、はいっ」
「これから任務だけど、どのくらい余裕ある?」
「明日の朝イチで大丈夫です」
「おいこら伊地知」
「………そう」
スッ、とその場の空気が下がった気がした。
にこり、と笑っているはずの名前さんが恐ろしく見えるのはなぜだろう……。
「まずは全員、お家に入りましょうか」
「名前、僕任務」
「入りましょうか」
「名前」
「五条くん、入れって言ってるよね?」
「ハイ」
あの五条先生がシャキッとした。
そして冷や汗をかいている。
リビングに通されたが、なぜだか自主的に五条先生、伊地知さん、俺は正座している。
広いリビングに男三人が正座。
その間、名前さんは飲み物を用意している。
沈黙が痛いし、怖い。
「それで?」
「ん?」
「五条くん、虎杖くんがどうしてここに居るのかな?
私の間違いじゃなければ虎杖くんは先日死亡確認されたと報告を受けていますが?」
「生きてました」
「説明を省くな」
「ゴメンナサイ。
死んでいたのは事実だけど、宿儺が悠仁を生き返らせました」
「いつ?」
「死亡確認したその日」
「あれから数日経ってるけど」
「地下で悠仁を鍛えながら修行させてました」
五条先生の目の前に仁王立ちし、絶対零度の瞳を向ける名前さん。
これは……怒っていらっしゃる。
なぜか俺と伊地知さんも身を縮めてしまう。
「伊地知くんも……硝子も、知っているってことね」
「うん」
「今私にバラした理由は?」
「悠仁の面倒見てくれる人が名前しかいないから」
「任務前に置いて行けば怒られずに済んで、私が虎杖くんの面倒見ると思って甘えたの?」
「名前は絶対断らないし、漏らさないだろ」
「絶対に断らないし、漏らさないけど
事前に報告も相談も無く許されると思わないで」
ビシッ、と五条先生の額にチョップが決まる。
痛い……と洩らしながら目の前の名前さんを抱き締める五条先生。
あ、これ甘えて許してもらおうとしてる……と伊地知さんと横目で見る。
「ごめんね?
隠していたわけじゃないけど、事後報告になった」
「……何考えてるのか後から聞くけど、虎杖くんには今何をすればいいの?」
「ご飯の管理と呪力の安定。あと、体術」
「体術はこの部屋じゃ無理だから……DVD見せてご飯かな。
外出は控えた方がいいのね?」
「うん」
「わかった」
ぽんぽん、と抱き着く五条先生の頭を撫でる。
甘えるようにすり寄る五条先生が明らかに嬉しそうにしているのが雰囲気でわかる。
ほっと、伊地知さんと息を吐いたのもつかの間。
ガッ、と五条先生の両頬を両手で挟む名前さん。
五条先生の顔面が面白いことになっているが、それどころではない。
にこり、と微笑んでいるのに
目が笑っていない名前さんがいた。
「五条くん、私許すとは言ってないよ」
「………ひゅみまへん」
「伊地知くんも巻き込まれたとはいえ、聞いてないよ」
「スイマセンデシタッ!!!」
「虎杖くん、お風呂まだだよね?」
「う、うん……いや、はい」
「お風呂沸いてるから入っておいで。
洗濯物は洗濯機に入れて、タオルは脱衣場の棚にあるやつ好きなの使っていいから」
「はい……行ってキマス」
「ごゆっくり」
にこにこ笑いながら話す名前さんは、いつもと変わらない。
変わらないが、両手で五条先生の頬を挟んだり伸ばしたりしている。
そそくさと立ち上がりお風呂場がわからなくてもその場から離れたら、ゴッと鈍い音がした。
聞いてない……。
俺は何も聞こえていない。
"説明"
扉越しに聞こえた声が、めちゃくちゃ低くて怖かったなんて俺は聞こえていない。
お風呂から上がると、ソファーに座る名前さんがにこやかに笑っていた。
そして、ソファーに横になりながらぎゅーーっと効果音がしそうなほど、お腹にへばりついている五条先生も。
「お風呂ありがとうございました」
「お腹は?」
「ペコペコです」
「うん、今用意するね」
いつもの学校での穏やかな名前さんに、先ほどの低くて怖い声は嘘だったんだ。きっと空耳だ……と自分に言い聞かせる。
伊地知さんが座るテーブルの方に座れば、ベチリッと聞こえる。
「悟、邪魔」
「酷い……。僕より悠仁を優先するなんて」
「悟。もう一度言うよ。邪魔」
「いたっ」
普段は見られないくらい雑に扱われ、顔をベチベチ叩かれている。
終いには抱きついていたのを避けられ、ソファーに頭を落とされていた。
「ごめんね、変なところ見せて」
「俺も急にすいませんでした…」
「君が気にする事じゃないでしょ。
大人の都合に振り回されてるんだから」
こっちこそごめんね、と申し訳なさそうにする名前さん。
パパパッと出てきた料理は美味しくてご飯がよくすすむ。
「五条さん、そろそろ」
「えー。明日の朝イチでも間に合うんだろ」
「間に合いますが、その後の予定が大変なことになります」
「簡潔に言えば?」
「2日後帰宅しないで海外コースです」
「ふざけんな」
僕と名前の時間無いじゃん!!と騒ぎだす五条先生。
やっぱり特級という立場だと忙しく、色々な所に行かされるんだな……と思う。
「悟」
「………なに」
「一緒に居たいからすぐ終わらせて無事に帰っておいでよ」
「………抱っこしてちゅーして」
「虎杖くんいるよ」
「してくれないなら行かない」
「じゃあ、暫く会えないね」
不機嫌です、と目隠しをしたままだがわかる。
拗ねるようにジトッとソファーに転がりながらこちらを見ている五条先生。
「寂しいなぁ」
「………」
「虎杖くんいるからいっか」
「名前」
「悟が早く帰って来てくれるなら、寂しくないんだけどなぁ」
「はぁ……伊地知、行くよ」
しぶしぶ起き上がる五条先生。
名前さんはくすくす笑いながら五条先生の所に行って、ソファーに座った五条先生を撫でる。
「気をつけて、帰って来てね」
「充電しないと無理」
「仕方ないなぁ」
くすくす笑いながら五条先生を抱き締めて、頬に唇を寄せる名前さん。
伊地知さんを見れば、どこか遠くを見ている。いつものイチャつきぶりに、俺もそっと視線を外した。
普段穏やかな人ほど、怒ると怖い。
そう思った。
あとがき
久しぶりの先輩。
怒ったところ……と思って書いたが、ガチギレするようなこと無いよな……と思って。
先輩がガチギレするのは五条さん封印した夏油(偽)に対してなので。
基本的には甘やかしちゃうので、おこくらいのレベル。
「なんだ」
「五条先生と名前さんってすっごい仲良いけど、喧嘩したり名前さんが怒ることってあんの?」
それは虎杖の細やかな疑問だった。
「………ある」
「えっ、まじ?」
「けど、名前さんが怒るってめったにねぇからな。
基本的には五条先生に甘いし」
「だよね」
名前さんは甘い。
とにかく五条先生の我が儘という我が儘を仕方ないなぁ、で済ましてしまうので五条先生も甘えている所がある。
疲れたから抱っこして
頑張ったから甘やかして
だるいから膝枕して
任務行くからちゅー
こちらが目を逸らしてしまうくらい自重しない先生に名前さんは生徒の目の前だよ、と言いながらも好き勝手する五条先生に怒ることはない。
そうなってくると、怒る姿を見たくなってしまう。
「やめとけ」
「えっ?」
「………本当、やめとけ」
真顔で首を横に振る伏黒。
「絶対に名前さん怒らせるな」
その時の伏黒の表情はどこか遠くを見つめていた……と、虎杖は語った。
そんな話をしたのが、生前。
言葉がおかしいが、一度死に生き返り高専の地下に五条先生によって匿われていた時の事。
面倒見る人がいないから、と地下じゃなく五条先生の家で預かる……となった時。
「あれ?先生の家ってことは名前さんも居るよね?」
「うん。僕も伊地知もこれから仕事でいないから名前に面倒見てもらって」
「すいません、虎杖くん」
「そっか。名前さんも知ってんだ」
「いや、知らないよ」
「「えっ」」
伊地知さんも驚いて五条先生を見る。
いや、待って?
それは良くないのでは……?と、五条先生を見る。
「なんとかなるよ。
大丈夫……うん、大丈夫」
自分に言い聞かせるように、確認するかのように呟く五条先生。
まぁ、五条先生に甘いしなんとか……なるのか?と思いながらその時は軽く考えてました。
荷物と呪骸を手に五条先生の家に行く。
「ただいまー」
「おかえり、悟」
「名前、僕これから2日くらい任務だからちょっと悠仁のこと頼むね」
「悠仁?」
「あの……よろしくお願いします」
五条先生の後ろから顔を出し、頭を下げる。
きょとん、と目を丸くして俺を見ながら固まる名前さんに、本当に五条先生奥さんの名前さんにすら言って無かったのか……と思ってしまう。
まぁ、生き返ってまだ数日目なんだけど。
「伊地知くん」
「は、はいっ」
「これから任務だけど、どのくらい余裕ある?」
「明日の朝イチで大丈夫です」
「おいこら伊地知」
「………そう」
スッ、とその場の空気が下がった気がした。
にこり、と笑っているはずの名前さんが恐ろしく見えるのはなぜだろう……。
「まずは全員、お家に入りましょうか」
「名前、僕任務」
「入りましょうか」
「名前」
「五条くん、入れって言ってるよね?」
「ハイ」
あの五条先生がシャキッとした。
そして冷や汗をかいている。
リビングに通されたが、なぜだか自主的に五条先生、伊地知さん、俺は正座している。
広いリビングに男三人が正座。
その間、名前さんは飲み物を用意している。
沈黙が痛いし、怖い。
「それで?」
「ん?」
「五条くん、虎杖くんがどうしてここに居るのかな?
私の間違いじゃなければ虎杖くんは先日死亡確認されたと報告を受けていますが?」
「生きてました」
「説明を省くな」
「ゴメンナサイ。
死んでいたのは事実だけど、宿儺が悠仁を生き返らせました」
「いつ?」
「死亡確認したその日」
「あれから数日経ってるけど」
「地下で悠仁を鍛えながら修行させてました」
五条先生の目の前に仁王立ちし、絶対零度の瞳を向ける名前さん。
これは……怒っていらっしゃる。
なぜか俺と伊地知さんも身を縮めてしまう。
「伊地知くんも……硝子も、知っているってことね」
「うん」
「今私にバラした理由は?」
「悠仁の面倒見てくれる人が名前しかいないから」
「任務前に置いて行けば怒られずに済んで、私が虎杖くんの面倒見ると思って甘えたの?」
「名前は絶対断らないし、漏らさないだろ」
「絶対に断らないし、漏らさないけど
事前に報告も相談も無く許されると思わないで」
ビシッ、と五条先生の額にチョップが決まる。
痛い……と洩らしながら目の前の名前さんを抱き締める五条先生。
あ、これ甘えて許してもらおうとしてる……と伊地知さんと横目で見る。
「ごめんね?
隠していたわけじゃないけど、事後報告になった」
「……何考えてるのか後から聞くけど、虎杖くんには今何をすればいいの?」
「ご飯の管理と呪力の安定。あと、体術」
「体術はこの部屋じゃ無理だから……DVD見せてご飯かな。
外出は控えた方がいいのね?」
「うん」
「わかった」
ぽんぽん、と抱き着く五条先生の頭を撫でる。
甘えるようにすり寄る五条先生が明らかに嬉しそうにしているのが雰囲気でわかる。
ほっと、伊地知さんと息を吐いたのもつかの間。
ガッ、と五条先生の両頬を両手で挟む名前さん。
五条先生の顔面が面白いことになっているが、それどころではない。
にこり、と微笑んでいるのに
目が笑っていない名前さんがいた。
「五条くん、私許すとは言ってないよ」
「………ひゅみまへん」
「伊地知くんも巻き込まれたとはいえ、聞いてないよ」
「スイマセンデシタッ!!!」
「虎杖くん、お風呂まだだよね?」
「う、うん……いや、はい」
「お風呂沸いてるから入っておいで。
洗濯物は洗濯機に入れて、タオルは脱衣場の棚にあるやつ好きなの使っていいから」
「はい……行ってキマス」
「ごゆっくり」
にこにこ笑いながら話す名前さんは、いつもと変わらない。
変わらないが、両手で五条先生の頬を挟んだり伸ばしたりしている。
そそくさと立ち上がりお風呂場がわからなくてもその場から離れたら、ゴッと鈍い音がした。
聞いてない……。
俺は何も聞こえていない。
"説明"
扉越しに聞こえた声が、めちゃくちゃ低くて怖かったなんて俺は聞こえていない。
お風呂から上がると、ソファーに座る名前さんがにこやかに笑っていた。
そして、ソファーに横になりながらぎゅーーっと効果音がしそうなほど、お腹にへばりついている五条先生も。
「お風呂ありがとうございました」
「お腹は?」
「ペコペコです」
「うん、今用意するね」
いつもの学校での穏やかな名前さんに、先ほどの低くて怖い声は嘘だったんだ。きっと空耳だ……と自分に言い聞かせる。
伊地知さんが座るテーブルの方に座れば、ベチリッと聞こえる。
「悟、邪魔」
「酷い……。僕より悠仁を優先するなんて」
「悟。もう一度言うよ。邪魔」
「いたっ」
普段は見られないくらい雑に扱われ、顔をベチベチ叩かれている。
終いには抱きついていたのを避けられ、ソファーに頭を落とされていた。
「ごめんね、変なところ見せて」
「俺も急にすいませんでした…」
「君が気にする事じゃないでしょ。
大人の都合に振り回されてるんだから」
こっちこそごめんね、と申し訳なさそうにする名前さん。
パパパッと出てきた料理は美味しくてご飯がよくすすむ。
「五条さん、そろそろ」
「えー。明日の朝イチでも間に合うんだろ」
「間に合いますが、その後の予定が大変なことになります」
「簡潔に言えば?」
「2日後帰宅しないで海外コースです」
「ふざけんな」
僕と名前の時間無いじゃん!!と騒ぎだす五条先生。
やっぱり特級という立場だと忙しく、色々な所に行かされるんだな……と思う。
「悟」
「………なに」
「一緒に居たいからすぐ終わらせて無事に帰っておいでよ」
「………抱っこしてちゅーして」
「虎杖くんいるよ」
「してくれないなら行かない」
「じゃあ、暫く会えないね」
不機嫌です、と目隠しをしたままだがわかる。
拗ねるようにジトッとソファーに転がりながらこちらを見ている五条先生。
「寂しいなぁ」
「………」
「虎杖くんいるからいっか」
「名前」
「悟が早く帰って来てくれるなら、寂しくないんだけどなぁ」
「はぁ……伊地知、行くよ」
しぶしぶ起き上がる五条先生。
名前さんはくすくす笑いながら五条先生の所に行って、ソファーに座った五条先生を撫でる。
「気をつけて、帰って来てね」
「充電しないと無理」
「仕方ないなぁ」
くすくす笑いながら五条先生を抱き締めて、頬に唇を寄せる名前さん。
伊地知さんを見れば、どこか遠くを見ている。いつものイチャつきぶりに、俺もそっと視線を外した。
普段穏やかな人ほど、怒ると怖い。
そう思った。
あとがき
久しぶりの先輩。
怒ったところ……と思って書いたが、ガチギレするようなこと無いよな……と思って。
先輩がガチギレするのは五条さん封印した夏油(偽)に対してなので。
基本的には甘やかしちゃうので、おこくらいのレベル。