通行人 番外編
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「………」
もう、駄目だ。
ちょっと無理。
いや、ちょっとどころかかなり無理。
やつがいない今がチャンスなんだ……!!!
頑張ってくれ、私の身体!!
そっと書き置きを残して痛む身体を引きずってどうにか飛び出した。
"実家に帰らせていただきます"
ヘローヘロー
みんなのアイドル、通行人名前ちゃんだよ!!
今どこにいるかって?
実家だよ。
「嘘言わないで」
「実家と変わらないじゃん」
「俺の家」
「26で一軒家持ち羨ましい……」
「はいはい」
研磨のおうちですが、研磨居るところは私の実家です。
誰がなんと言おうと実家です。
ゴロゴロと転がりながらゲームしている研磨の膝に頭を乗せて見上げる。
「なに」
「髪の色だいぶ抜けたね」
「そうだね」
「また染めないの?」
「目立つ」
「似合ってて可愛いのに」
「26で可愛いとか無理」
ゴロゴロして、研磨のゲーム見て、ご飯作って、ゴロゴロしていたらなぜかクロが来た。
「ただいま……って、オマエらの距離感」
「おかえり」
「おかえり。で、なに?」
「名前来てるっていうから顔見せに」
ご飯なに?って普通にご飯食べ出すクロ。
「ウマイけど煮付けじゃなくサンマの塩焼きが良かったデス」
「なら食うな。
私は研磨のために作って研磨のために出したんだから」
「ボクに厳しくないデスカ?」
「いきなり来て文句言う奴は知らん」
来るとわかっていたからご飯は多めに作ったが、あとは保存できるようになんやかんや作りおきしておく。
ひょっこりと片付けがてらキッチンを覗くクロは驚いた顔をしている。
「名前、なんだよそれ」
「研磨の保存食」
「は?」
「作りおきしておけばすぐ食べれるでしょ?」
「おま……!!そーゆーことが研磨!!!
お前が自炊能力無いとは思ってたけど……
来たらいつもウマイ飯食ってると思ったら!!」
「名前が来てしてくれる時はね。
普段はストック無くなったら適当に食べてるよ
」
「羨ましいからボクの分もお願いします!!」
「彼女に刺されるだろ」
誰が彼女と同棲の家行くかバーカ。
「………なぁ、昔っから疑問だったけど
なんで君ら結婚しないの?
研磨の面倒見れるの名前しかいないだろうし、研磨だって名前なら気楽じゃん」
「えー、だってねぇ?」
「お互い恋人いるのにするわけないじゃん」
「は?」
「私は実家に帰って来てるだけだし」
「兄妹で結婚とかあり得ない」
「ねー」
「うん」
ガシッ、とクロに肩を捕まれた。
「ボク、聞いてませんが?」
「「言ってないから」」
「そーゆーとこ!!
君たちボクを蔑ろにするの良くない!!」
研磨、彼女いるんだよ。
私?彼女と面識あるよ。
だって引き合わせたの私だし。
ゲーム好きでYouTuberしててたまたま大学一緒だったのをきっかけに、彼女が研磨の事べた褒めするから、引き合わせたら発狂された。
そして土下座しながら研磨に告白したのはもう……研磨とドン引いた。
私もなかなかヤバイと言われたが、この彼女もなかなかぶっ飛んでた。
はい、いわゆる同族ですがなにか?
だからか、研磨も流すとこ流すし、可愛がるとこ可愛がってたら……まぁ、いい感じにおさまったのである。
普段は大人しくてゆるかわなんだ……けど、ゲーム実況とかするとキャラ変わる。
関東の水族館に働いているから帰って来たら遊ぶし、研磨の家いたら来るし。
まぁ、なんだ?
私研磨の女神(ドヤァ)
「うん。研磨の事情はわかった。
名前は?沖縄の人か?」
「クロも会ったことあるよ」
「は?俺?」
電話が鳴って、見れば私だった。
おや、珍しいこともあるもんだ。
ひとまず作りおき中断して電話にでる。
「もっしもーし」
『やっほー!!名前ちゃん元気!?
今東京帰って来てるってマッキーから聞いたから一緒にどう?』
「は?その声……及川!?」
『えっ!?だれ?及川さんの事知ってるの?
いやぁー人気者は困っちゃうね!!
けど、今聞こえたの男の声?名前ちゃんの彼氏?今お邪魔だった?』
「師匠テンション高くないですか?
今は幼馴染会の最中でーす」
『幼馴染会かー。
なら、暇してたら連絡ちょーだい!!
名前ちゃんと恋ばなしたいし』
「ははっ!!
師匠いつ結婚するんですか?」
『ヤメテ!!俺は今、バレーが恋人なの!!』
「こないだの人と駄目だったんですねー。
駄目になるたび呼び出すのやめてくださーい」
『世界の及川さんだよ!!』
「あと、私彼氏出来たんで」
『えっ!?』
「じゃあ」
『ちょっ、まっ!!!』
切ればぽかんとしたクロ。
え、なに?
再開再開。
「お前……及川と知り合いとかどーなってんの?」
「学生の頃知り合ってから、ちょくちょく恋ばなしてたらお互い失恋するたび泣きながら慰めあった自称恋愛の師匠です」
「及川は、まぁ……え、まって。
慰めあったって及川と……」
「変な想像やめて。
ハナちゃんとかまっつんさんや岩ちゃんもいたから」
「あぁ、そっか…女子もか」
「全員男だけどね」
「研磨、シッ」
「………名前チャン?」
なぜかクロに説教くらった。
おかしい。友達と失恋話に盛り上がっただけじゃん。
私以外男だけど。
「はぁ……。
で?俺の知ってる奴だっけ?」
「まぁ、顔見知りではあるかな」
「赤葦?」
「付き合っていたこともあるけど」
「あんのかよ!!!!」
「大学の時だよね」
「うん。やっぱ友達のがいいね、って清く別れたけど」
「嘘だろ!?何で俺知らないの!!」
このままだと私の恋人話赤裸々に話されそう。
研磨にはよく愚痴って泣いてたから全て知ってるけど。
クロはその場にいなかったからなぁ。
「学生時代に遊んでた白い人だよ」
「白い……あの背のデカイ?グラサンの?」
「うん」
「は?どーゆー事?」
連絡つかないって言ってたじゃん、と溢すクロ。
「俺のとこ来て名前探してるって」
「悟、研磨のとこにも行ったんだ」
「名前が住所そのままだったからじゃん」
「なるほど。そーいやそのままだったな」
「は?なんで?」
「一時期、研磨のとこで二人暮らしだったからね」
「………まじか。なんで俺知らないの!?」
「彼女と同棲してたからじゃない?」
言ってなかったっけ?と思って二人で頭を傾げる。
レポート地獄真っ最中で、研磨とのあはんな日々を想像するならまったく違うから。
泣いて泣いて研磨を困らせてた毎日です。
「そーいえばなんかの番組で名前テレビ出てたよ」
「嘘でしょ」
「お酒の席で学生の頃の約束引きずって沖縄にいるって」
「オーマイッガ!!!!」
そーいやなんかインタビューされたわ。
水族館でも面白いおねーさん☆としてインタビューされてたが、その他にもたまたま来た人になんやかんや溢した気がする。
その結果、男に酷い目にあって身一つで逃げてきたと噂なった。
「そのあとかな?
名前から付き合ったって連絡きたの」
「後輩使って探したって言ってたけどあの人」
「あー、やりそう」
「………ボク、ついていけないのですが」
「まぁ、そんなわけで私悟と付き合ってる。
今も悟のとこに泊まってる」
「ア、ソウ…」
クロが拗ねだした。
いや、クロに隠し事してたわけじゃないもん。
ちゃんと報告したもん(今)
「そういえば今日帰らないの?」
「………帰らない」
「なになに?喧嘩でもしたのか?」
「クロ、そのニヤけた顔今すぐ引っ込めないとまじビンタね」
「辛辣!!」
ちゃんと書き置きしてきたから大丈夫。
ちょっと身体を休みたいので、本当ごめんなさい。
「クロってさ、現役で選手だよね」
「まぁな」
「性欲ってどーなの?」
「ぶっ!!」
「研磨はほら、ごらんのとーりだけど」
「俺は普通だよ」
「クロ、朝までデキたりする?」
これ、わりとまじな話ね。
私ちょっと普通が混乱してんの、今。
「明日帰る身としては、今夜くらいゆっくり休みたい」
「今日来たときゾンビかと思った」
「必死に歩いてきた私をゾンビ扱いヤメテ」
「顔もなかなかゾンビだった」
「酷すぎる」
えーいっ、と研磨の口に今作った金平をつめる。
ウマイ、いただきましたー!!
「悟も私もお互い拗らせていた自覚はあるから触れ合うのは苦じゃないんだけど……
普通ってなんだっけ?ってレベルなんだよね。
体力の差かなって思ってるんだけどどう思う?」
「えーっと……」
「足腰立たないって普通なの?
朝まで体力持つの?」
「………ヤメテクダサイ」
「照れんな27歳」
クロって若干乙女だよね。
下ネタを言うことはないし、参加もしないけど研磨ならスルーだぞ。
だから、自分から興味深く聞いてたくせに、照れんな。
「………」
「………」
「………」
「ちなみに、どんなプレイ?」
「クロ、そーゆーとこだよ」
「だから言わないんだよ」
「ゴメンナサイ」
どっちにしろ休みで帰って来るときは、研磨のお世話しに帰ってくる気でいた。
彼女?
あの子に料理させんな……!!!!!
あの子、自作の料理YouTubeで食べてて炎上したからね。
絶対研磨に食べさせないで。
「冗談はさておき、うまくやってんのか?」
「まぁ、それなりに」
「泣かされたら言えよ」
「啼かされるのは?」
「下ネタしつこいよ」
「すまーん」
おかずの作りおきも終わったので、クロの背中に突撃すれば、変な声出された。
「ボク、現役選手!!」
「はいはい」
「っとに、お前は……」
「構ってあげなきゃ拗ねるくせに」
「だからって加減しろよ」
三人でゴロゴロしつつ、懐かしい話に花を咲かせる。
研磨がYouTube生配信するっていなくなったから、クロと突撃した。
画面が酷いことになった。
やっていたのがホラー実況だった。
クロが叫んで抱き着いてきたので黙らせた。
画面にwwwと大草原の嵐だった。
「名前、手伝って」
「えっ、いいの?」
「うん」
真顔で研磨とゾンビ倒していく私。
後ろでクロがめちゃくちゃ叫んでいた。
画面大草原だった。
研磨の生配信が終わったしさぁ、寝ようとしたらチャイムが鳴った。
こんな遅くに誰だ?と出れば悟がいた。
逃げようとしたが捕獲された。
「なんで逃げんの」
「身の危険を感じた」
「誰だったー?って………あ」
「こんばんは。回収しにきたの?」
「こんばんは。
書き置きに"実家に帰らせていただきます"ってあったから、こっちだと思って」
「悟、わざわざなんできたの」
「スマホに掛けても繋がらないからだよ、ばか」
「すまーん。ゲーム実況してた」
悟の腕のなかに捕獲されているから動けない。
さーて、どうしようかとクロと研磨を見ても助ける気はないらしい。
「名前、バイバイ」
「ちぇっ。研磨もクロも元気に身体大事にしてね」
「うちの子、あんまり虐めないであげて」
「努力はするよ」
荷物取りに行って、玄関で研磨とクロをハグする。
また連休できたら来るよ、と言って手を振った。
「仲いいね」
「実家って言ってよく研磨のとこだとわかったね」
「名前が幼馴染大好きなのは昔っからよーく知ってるから」
「そーかな?」
「そーだよ。
ちなみに僕迎えに行かなかったら泊まってたの?」
「もちろん」
「………辞めろとは言わないけど、できるなら僕の家にいてよ」
「じゃあ抱き潰すのやめて」
次の日辛いんだからな、と睨めばきょとんとされた。
「運動不足じゃない?」
「現役選手に聞いたら驚かれたよ」
「やったね」
指を絡めて並んで歩く。
学生の頃のようで、あの頃とは違う関係。
「悟」
「なに」
「もう少しだけ、自由にさせてね」
「?」
「悟が許してくれるなら、悟の家に帰るから」
「………もう、本当さぁ」
「駄目?」
「駄目なわけないじゃん。今だって僕のところがオマエの帰る場所だろ」
「時々実家にも帰らせていただきます」
「迎えに行くので帰って来てもらいます」
お互いに顔を見合わせて、笑う。
いつか、一緒に住めるなら
相手はあなたがいい。
私の帰る場所。
あとがき
幼馴染トリオ。
ネタ提供をいただけたので、幼馴染トリオを全面に。
ハイキュー!!の最新刊ネタバレ若干入ってます。
研磨が一軒家持ちとか、YouTuberとか。
ちなみにクロの現役選手…って件は捏造してます。確か本誌にまだクロ出ていなかったはずなので……。
……見逃したかな?いや、見逃してない…はず!!(笑)
もう、駄目だ。
ちょっと無理。
いや、ちょっとどころかかなり無理。
やつがいない今がチャンスなんだ……!!!
頑張ってくれ、私の身体!!
そっと書き置きを残して痛む身体を引きずってどうにか飛び出した。
"実家に帰らせていただきます"
ヘローヘロー
みんなのアイドル、通行人名前ちゃんだよ!!
今どこにいるかって?
実家だよ。
「嘘言わないで」
「実家と変わらないじゃん」
「俺の家」
「26で一軒家持ち羨ましい……」
「はいはい」
研磨のおうちですが、研磨居るところは私の実家です。
誰がなんと言おうと実家です。
ゴロゴロと転がりながらゲームしている研磨の膝に頭を乗せて見上げる。
「なに」
「髪の色だいぶ抜けたね」
「そうだね」
「また染めないの?」
「目立つ」
「似合ってて可愛いのに」
「26で可愛いとか無理」
ゴロゴロして、研磨のゲーム見て、ご飯作って、ゴロゴロしていたらなぜかクロが来た。
「ただいま……って、オマエらの距離感」
「おかえり」
「おかえり。で、なに?」
「名前来てるっていうから顔見せに」
ご飯なに?って普通にご飯食べ出すクロ。
「ウマイけど煮付けじゃなくサンマの塩焼きが良かったデス」
「なら食うな。
私は研磨のために作って研磨のために出したんだから」
「ボクに厳しくないデスカ?」
「いきなり来て文句言う奴は知らん」
来るとわかっていたからご飯は多めに作ったが、あとは保存できるようになんやかんや作りおきしておく。
ひょっこりと片付けがてらキッチンを覗くクロは驚いた顔をしている。
「名前、なんだよそれ」
「研磨の保存食」
「は?」
「作りおきしておけばすぐ食べれるでしょ?」
「おま……!!そーゆーことが研磨!!!
お前が自炊能力無いとは思ってたけど……
来たらいつもウマイ飯食ってると思ったら!!」
「名前が来てしてくれる時はね。
普段はストック無くなったら適当に食べてるよ
」
「羨ましいからボクの分もお願いします!!」
「彼女に刺されるだろ」
誰が彼女と同棲の家行くかバーカ。
「………なぁ、昔っから疑問だったけど
なんで君ら結婚しないの?
研磨の面倒見れるの名前しかいないだろうし、研磨だって名前なら気楽じゃん」
「えー、だってねぇ?」
「お互い恋人いるのにするわけないじゃん」
「は?」
「私は実家に帰って来てるだけだし」
「兄妹で結婚とかあり得ない」
「ねー」
「うん」
ガシッ、とクロに肩を捕まれた。
「ボク、聞いてませんが?」
「「言ってないから」」
「そーゆーとこ!!
君たちボクを蔑ろにするの良くない!!」
研磨、彼女いるんだよ。
私?彼女と面識あるよ。
だって引き合わせたの私だし。
ゲーム好きでYouTuberしててたまたま大学一緒だったのをきっかけに、彼女が研磨の事べた褒めするから、引き合わせたら発狂された。
そして土下座しながら研磨に告白したのはもう……研磨とドン引いた。
私もなかなかヤバイと言われたが、この彼女もなかなかぶっ飛んでた。
はい、いわゆる同族ですがなにか?
だからか、研磨も流すとこ流すし、可愛がるとこ可愛がってたら……まぁ、いい感じにおさまったのである。
普段は大人しくてゆるかわなんだ……けど、ゲーム実況とかするとキャラ変わる。
関東の水族館に働いているから帰って来たら遊ぶし、研磨の家いたら来るし。
まぁ、なんだ?
私研磨の女神(ドヤァ)
「うん。研磨の事情はわかった。
名前は?沖縄の人か?」
「クロも会ったことあるよ」
「は?俺?」
電話が鳴って、見れば私だった。
おや、珍しいこともあるもんだ。
ひとまず作りおき中断して電話にでる。
「もっしもーし」
『やっほー!!名前ちゃん元気!?
今東京帰って来てるってマッキーから聞いたから一緒にどう?』
「は?その声……及川!?」
『えっ!?だれ?及川さんの事知ってるの?
いやぁー人気者は困っちゃうね!!
けど、今聞こえたの男の声?名前ちゃんの彼氏?今お邪魔だった?』
「師匠テンション高くないですか?
今は幼馴染会の最中でーす」
『幼馴染会かー。
なら、暇してたら連絡ちょーだい!!
名前ちゃんと恋ばなしたいし』
「ははっ!!
師匠いつ結婚するんですか?」
『ヤメテ!!俺は今、バレーが恋人なの!!』
「こないだの人と駄目だったんですねー。
駄目になるたび呼び出すのやめてくださーい」
『世界の及川さんだよ!!』
「あと、私彼氏出来たんで」
『えっ!?』
「じゃあ」
『ちょっ、まっ!!!』
切ればぽかんとしたクロ。
え、なに?
再開再開。
「お前……及川と知り合いとかどーなってんの?」
「学生の頃知り合ってから、ちょくちょく恋ばなしてたらお互い失恋するたび泣きながら慰めあった自称恋愛の師匠です」
「及川は、まぁ……え、まって。
慰めあったって及川と……」
「変な想像やめて。
ハナちゃんとかまっつんさんや岩ちゃんもいたから」
「あぁ、そっか…女子もか」
「全員男だけどね」
「研磨、シッ」
「………名前チャン?」
なぜかクロに説教くらった。
おかしい。友達と失恋話に盛り上がっただけじゃん。
私以外男だけど。
「はぁ……。
で?俺の知ってる奴だっけ?」
「まぁ、顔見知りではあるかな」
「赤葦?」
「付き合っていたこともあるけど」
「あんのかよ!!!!」
「大学の時だよね」
「うん。やっぱ友達のがいいね、って清く別れたけど」
「嘘だろ!?何で俺知らないの!!」
このままだと私の恋人話赤裸々に話されそう。
研磨にはよく愚痴って泣いてたから全て知ってるけど。
クロはその場にいなかったからなぁ。
「学生時代に遊んでた白い人だよ」
「白い……あの背のデカイ?グラサンの?」
「うん」
「は?どーゆー事?」
連絡つかないって言ってたじゃん、と溢すクロ。
「俺のとこ来て名前探してるって」
「悟、研磨のとこにも行ったんだ」
「名前が住所そのままだったからじゃん」
「なるほど。そーいやそのままだったな」
「は?なんで?」
「一時期、研磨のとこで二人暮らしだったからね」
「………まじか。なんで俺知らないの!?」
「彼女と同棲してたからじゃない?」
言ってなかったっけ?と思って二人で頭を傾げる。
レポート地獄真っ最中で、研磨とのあはんな日々を想像するならまったく違うから。
泣いて泣いて研磨を困らせてた毎日です。
「そーいえばなんかの番組で名前テレビ出てたよ」
「嘘でしょ」
「お酒の席で学生の頃の約束引きずって沖縄にいるって」
「オーマイッガ!!!!」
そーいやなんかインタビューされたわ。
水族館でも面白いおねーさん☆としてインタビューされてたが、その他にもたまたま来た人になんやかんや溢した気がする。
その結果、男に酷い目にあって身一つで逃げてきたと噂なった。
「そのあとかな?
名前から付き合ったって連絡きたの」
「後輩使って探したって言ってたけどあの人」
「あー、やりそう」
「………ボク、ついていけないのですが」
「まぁ、そんなわけで私悟と付き合ってる。
今も悟のとこに泊まってる」
「ア、ソウ…」
クロが拗ねだした。
いや、クロに隠し事してたわけじゃないもん。
ちゃんと報告したもん(今)
「そういえば今日帰らないの?」
「………帰らない」
「なになに?喧嘩でもしたのか?」
「クロ、そのニヤけた顔今すぐ引っ込めないとまじビンタね」
「辛辣!!」
ちゃんと書き置きしてきたから大丈夫。
ちょっと身体を休みたいので、本当ごめんなさい。
「クロってさ、現役で選手だよね」
「まぁな」
「性欲ってどーなの?」
「ぶっ!!」
「研磨はほら、ごらんのとーりだけど」
「俺は普通だよ」
「クロ、朝までデキたりする?」
これ、わりとまじな話ね。
私ちょっと普通が混乱してんの、今。
「明日帰る身としては、今夜くらいゆっくり休みたい」
「今日来たときゾンビかと思った」
「必死に歩いてきた私をゾンビ扱いヤメテ」
「顔もなかなかゾンビだった」
「酷すぎる」
えーいっ、と研磨の口に今作った金平をつめる。
ウマイ、いただきましたー!!
「悟も私もお互い拗らせていた自覚はあるから触れ合うのは苦じゃないんだけど……
普通ってなんだっけ?ってレベルなんだよね。
体力の差かなって思ってるんだけどどう思う?」
「えーっと……」
「足腰立たないって普通なの?
朝まで体力持つの?」
「………ヤメテクダサイ」
「照れんな27歳」
クロって若干乙女だよね。
下ネタを言うことはないし、参加もしないけど研磨ならスルーだぞ。
だから、自分から興味深く聞いてたくせに、照れんな。
「………」
「………」
「………」
「ちなみに、どんなプレイ?」
「クロ、そーゆーとこだよ」
「だから言わないんだよ」
「ゴメンナサイ」
どっちにしろ休みで帰って来るときは、研磨のお世話しに帰ってくる気でいた。
彼女?
あの子に料理させんな……!!!!!
あの子、自作の料理YouTubeで食べてて炎上したからね。
絶対研磨に食べさせないで。
「冗談はさておき、うまくやってんのか?」
「まぁ、それなりに」
「泣かされたら言えよ」
「啼かされるのは?」
「下ネタしつこいよ」
「すまーん」
おかずの作りおきも終わったので、クロの背中に突撃すれば、変な声出された。
「ボク、現役選手!!」
「はいはい」
「っとに、お前は……」
「構ってあげなきゃ拗ねるくせに」
「だからって加減しろよ」
三人でゴロゴロしつつ、懐かしい話に花を咲かせる。
研磨がYouTube生配信するっていなくなったから、クロと突撃した。
画面が酷いことになった。
やっていたのがホラー実況だった。
クロが叫んで抱き着いてきたので黙らせた。
画面にwwwと大草原の嵐だった。
「名前、手伝って」
「えっ、いいの?」
「うん」
真顔で研磨とゾンビ倒していく私。
後ろでクロがめちゃくちゃ叫んでいた。
画面大草原だった。
研磨の生配信が終わったしさぁ、寝ようとしたらチャイムが鳴った。
こんな遅くに誰だ?と出れば悟がいた。
逃げようとしたが捕獲された。
「なんで逃げんの」
「身の危険を感じた」
「誰だったー?って………あ」
「こんばんは。回収しにきたの?」
「こんばんは。
書き置きに"実家に帰らせていただきます"ってあったから、こっちだと思って」
「悟、わざわざなんできたの」
「スマホに掛けても繋がらないからだよ、ばか」
「すまーん。ゲーム実況してた」
悟の腕のなかに捕獲されているから動けない。
さーて、どうしようかとクロと研磨を見ても助ける気はないらしい。
「名前、バイバイ」
「ちぇっ。研磨もクロも元気に身体大事にしてね」
「うちの子、あんまり虐めないであげて」
「努力はするよ」
荷物取りに行って、玄関で研磨とクロをハグする。
また連休できたら来るよ、と言って手を振った。
「仲いいね」
「実家って言ってよく研磨のとこだとわかったね」
「名前が幼馴染大好きなのは昔っからよーく知ってるから」
「そーかな?」
「そーだよ。
ちなみに僕迎えに行かなかったら泊まってたの?」
「もちろん」
「………辞めろとは言わないけど、できるなら僕の家にいてよ」
「じゃあ抱き潰すのやめて」
次の日辛いんだからな、と睨めばきょとんとされた。
「運動不足じゃない?」
「現役選手に聞いたら驚かれたよ」
「やったね」
指を絡めて並んで歩く。
学生の頃のようで、あの頃とは違う関係。
「悟」
「なに」
「もう少しだけ、自由にさせてね」
「?」
「悟が許してくれるなら、悟の家に帰るから」
「………もう、本当さぁ」
「駄目?」
「駄目なわけないじゃん。今だって僕のところがオマエの帰る場所だろ」
「時々実家にも帰らせていただきます」
「迎えに行くので帰って来てもらいます」
お互いに顔を見合わせて、笑う。
いつか、一緒に住めるなら
相手はあなたがいい。
私の帰る場所。
あとがき
幼馴染トリオ。
ネタ提供をいただけたので、幼馴染トリオを全面に。
ハイキュー!!の最新刊ネタバレ若干入ってます。
研磨が一軒家持ちとか、YouTuberとか。
ちなみにクロの現役選手…って件は捏造してます。確か本誌にまだクロ出ていなかったはずなので……。
……見逃したかな?いや、見逃してない…はず!!(笑)