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ハイサイ!!
やぁやぁ、通行人名前だよ。
私は今!!どこにいるでしょーか!!
チクタクチクタクチクタク
ここ、ここだよ!!
ここにいるよ!!
「ビバ☆沖縄ガールっ!!」
バチコン、とウィンク決めたらジンベイザメたんに目を反らされた。
酷くなぁーい?
んで、何で沖縄かって?
そりゃ……美ら海水族館で働いてまーす
ここまで長い道のりでした……!!
高校卒業後は大学へ。
海洋生物の勉強の道はそりゃあまぁ大変でした……。
資格やら勉強やらお世話やら……とにかく勉強勉強勉強。
動物達と触れ合えるのは楽しかったが、それはそれ。
社畜のごとく働かされ、レポートや国家資格取るのに泣き、トラウマかな……。
うん、ほぼトラウマかな。
んで、無事に諸々の資格を手に、私は大好きな家族と幼馴染と友を置いて沖縄へ。
「今日も美人だぞーお前ら!!」
仕事は大変だが、なんだかんだ楽しくやってる。
高校の卒業旅行で沖縄に友人らと行き、この巨大水槽に惚れ込んだ。
時間を忘れてしまえる、幻想的な光景。
就職するときはめちゃくちゃラブアタックした。
ここで!!働きたいんです!!
ここで働かせてください!!と、頼み込んだ。
「本当、綺麗」
毎日見ていても飽きない光景。
けど、物足りない。
私にとって、学生の頃の心残り。
いきなり消えた友人は、あれから私に会うことも連絡を入れることも無かった。
そのまま携帯は授業中に水没し(しかも海)買い換えることになったので、連絡手段すら無くなった。
あの時の悲しみといったら……
沈み行く携帯に、私の心は死んだ。
東京は呪いが多いのも私を苦しめた。
私でも限界があり、日々強くなる呪いに私の力で守れるモノが微々たるものだと知った。
だから、離れた。
大好きなモノを壊さないために。
私のせいで、巻き込みたくなかった。
最強で居られた学生時代とは違い
弱く控えめになってしまった。
勉強漬けの弱っていた所に呪霊に襲われてみろ……いつもの動きはできないし、諸々のメンタルやられ、疲れ果て、嫌になり…私は逃げたくなった。
そんなときに思い出したのが沖縄だった。
彼が、沖縄で何があったのかわからない。
けど、沖縄に行ったらあの日に戻れる気がした。
私は私が思っていた以上に彼を気にしていて
自分の恋心に気付いた時にはもう遅かった。
思い出の残る東京よりも
あの日、約束した地に逃げた。
彼らと関わった1年は楽しかった。
無かった事にはしたくないのに
思い出の中に存在する場所を巡っても会うことは無くて……思い出ばかりが美化されていく。
記憶が思い出として過去となっていく…
それが辛くて、悲しくて…私は逃げた。
傷心中の私が見た水族館はとても綺麗で
水槽はどこか彼の瞳に似ていた。
差し込む光がキラキラと反射し
どこまでも深く、綺麗な青。
………女々しいとか言うな、そこ。
鈍感とかヤメテ。
メンタル情緒不安定だから。
23過ぎたあたりから、ぼちぼち友人らが結婚し、子供も出来ていくなか初恋を拗らせ沖縄に逃げたぼっちのこと虐めないで……。
あ、自爆。
自分で自分を滅したわ、今。
「さとるのバーカ」
一番馬鹿なのは、私なんだけど。
沖縄に住んで困ったのは台風。
本当死ぬかな?
あれ?今日が世界の終わりかな?
と思うことがある。
島の人々はとっても穏やかでいい人達ばかり。
服のまま海に飛び込んで騒ぐ日もあれば
砂浜を歩いて散歩する日もある。
海に潜って見上た太陽が好き。
一面青に囲まれ、包み込まれている感じが好き。
彼はここを通ったのかな?とか
写真と似た場所だな、とか
居るはずのない幻影を求めてしまう。
私はいつから彼をこんなにも好きだったのかと思うくらい焦がれているくせに
意地っ張りで可愛くない私が探すことを拒否している。
「うーみーはひろいーなおおきーいーなー」
お酒を飲める年になった。
結婚したり、子供が出来たり…家庭を持つ年頃になった。
家庭を持てば、散々馬鹿やっていた友人らも落ち着いた。
私だけが取り残された気分になるが、誰と付き合ってもチラつく面影に自信をなくす。
初恋は実らない。
そんな事を言われても、咲きもせず散もせず中途半端に育った芽が今もにょきにょき成長してジャングルを形成している私はどーしたら良いのか……。
「……ほんと、綺麗」
今日もよく働いた、とビールグビグビ飲みながら浜辺にいる私は不審者じゃないから!!
そこ!!通報しようとしないで!!
ちゃんとゴミも片付けるから!!
可愛らしく酎ハイなんて飲んでいられるか!!
そんな可愛らしい時期はもう過ぎましたー!!
「ヤドカリくんよ……知ってるかい?
拗らせた女ほど、面倒な事はないんだぜ」
そう。拗らせ女とは私のことよ!!
荒れ果てた時代もありました。
学生時代とか、ちょっとハメ外してしまったりしたが、まぁ……ね?
お酒って怖いよね(意味深)
まぁ、そのおかげ?でやっぱり彼が好きなのかもしれないと深みにはまり……拗らせてたわけだが……うっ、胸がイタイ…。
「生まれ変わったらヤドカリになりたい…」
みろよ。一面うじゃうじゃ仲間だらけだぜ!!
出会いたい放題だぜ!!
ポケモンゲットだぜ!!
「………はっ!!
炎タイプが好きな私が、いつの間にか水ポケ使いに……!!
お転婆人魚も夢じゃないな」
うんうん、と一人納得する寂しいやつ。
ねぇ、お願い。
通報やめて?不審者じゃないよ!!!
「うわぁ………やば」
うん、すんごいドン引いた声やめて。
ガチに傷つくやつだから。
誰だよ、と振り向けば
全身真っ黒で目元を包帯で巻いたヤベェ奴がいた。
思わずビール落とした。
「やっ」
え、怖い怖い怖い!!!!
目があったのかもわからないけど!!!!
なんか!!声、掛けてきてる?
いやいや、私にあんなヤベェ知り合いいねーし!!!
シカトだシカト。
たまーにいんだよな……旅行でウカれてナンパとかしちゃう奴。
そんなのに引っ掛かるの馬鹿だけだからな。
ビールの空き缶を袋に詰めて浜辺を歩く。
このまま帰って後つけられたら嫌だからな。
適当に歩いて時間潰そう。
「ねぇ、シカト良くないよ」
「もしもし?警察ですか?」
不審者に肩捕まれました。
これ、通報ですね……と、スマホで電話を掛けようとしたら、頭叩かれた。
見知らぬ人に叩かれて、真顔でキレそうになった。
「は?」
「うわっ、怖っ!!」
「馴れ馴れしいんですが不審者さん」
「どちらかと言えば不審者はオマエじゃない?
夜の海辺でブツブツお転婆人魚とか怖すぎるだろ」
「そっくりそのままブーメラン打ち返すわ。
自分の格好鏡で見ろよ。
頭の中年中ハロウィンかよ」
なんだこのデカイ不審者。
まじ通報すべきかな……と思っていたが、なんだかこのやり取りが懐かしい。
まさかな、と思って改めて見上げれば
白銀の髪が逆立っていて目元には包帯。
真っ黒な上下。
首が痛くなるほど高い背。
腹立つくらい長い足。
「相変わらず口悪いね。
そんなんじゃいき遅れるよ」
人の神経逆撫でする発言。
うん、なんだろ……
私のここ数年の拗らせてたものがスッと冷えていく感じ。
思い出は美化されるって本当だね!!
あれ?おかしいなぁ……
「私の数年間返せよクソモヤシ」
「何の話?」
ねぇ、本当私コイツの事好きだったのかな?
やっぱ今世紀最大の勘違いじゃない?
思い出が美化して勘違いしたんじゃない?
あれれ〜?おかしいなぁ。
「で、今更何の用?」
「冷たいね。せっかく会いに来てやったのに」
「いらないんですけど」
「超多忙な僕が時間の合間合間に探して、やっと見付けたと思ったら沖縄とか意味わかんね」
「………僕?」
え、この俺様何様悟様だった奴が何言ってんのかな?
俺様の美形に酔いなぁ!!とばかりにサングラス外してたナルシシストどこいった?
私よく理解できないなぁ。
僕?僕……僕?
は???
「ってか探してた……ってなんで?」
「んー」
「今更過ぎる。
最初に連絡絶ったのお前らじゃん」
誰に連絡しても繋がらない。
忽然と消えてしまった存在。
「友達と思ってたの私だけだったんだろ。
住む世界が違うしね」
「………悪かったと思ってるよ」
「謝って済んだら警察いらねーんだよ」
「そんな怒られる事したかな?
カリカリしてるとお肌に悪いよ?生理?
もうシワ消えない年頃だよ?」
「見た目だけじゃなく性格のクズさもパワーアップしたのか。まじクソだな」
「口の悪さパワーアップしてない?
やだやだ。これだから酔っ払いは」
はー、やれやれ。
なんて飽きれ出すこの白髪。
まだ一缶も飲んでないのに酔わないっつーの。
なんだか昔よりイライラするこの男とこれ以上話してられないと背を向けて歩き出す。
やっぱこの男に惚れてたとか勘違い勘違い。
はい、お疲れ様ー。解散!!
「着いてくんな」
「やだ。僕忙しいのに名前探して会いに来たんだから」
「知らんわ。東京で他の女探して乳くりあってろ」
「トゲトゲしいなぁ。
そんなに僕や硝子が会いに行かなかったの寂しかったの?」
「寂しかったに決まってるじゃん!!!」
友達だと思っていた。
確かにそっちの世界を拒んでいたのは私だが、簡単に切られるほど薄情な関係ではないと思っていたのに……。
「拒むなら約束なんてしないでよ!!
いきなり連絡も付かず、会えず、何もわからないまま切られて大丈夫だと思ってた?
私は……っ!!」
カッと、なって叫んだが……もう、終わった事。
たとえ今会いに来た所でまた仲良しなんて戻れるわけがない。
突然消える可能性のある相手を待つのも、期待するのも疲れてしまったのだから。
「私が話す事なんてもうない」
「寂しかったのか」
「さようなら。元気でやりなよ」
「ねぇ、沖縄に居るのは僕との約束だったから?」
白髪の質問には答えず、砂浜を歩く。
どこまでも追いかけてくる音にイラつき、砂を掴んでぶん投げる。
注意
※良い子も悪い子も真似しちゃダメだぞ☆
「は?っざけんなし!!
なんだそのバリアー!!」
「はい、残念」
「チートかよ!!」
砂をかけてもかけても手前で止まり、当たらない。
え、この数年でこの白髪は人辞めたのかな?
ゴリラから宇宙人にレベルアップしたの?
髪の毛逆立ててサイヤ人なの?
こちらの体力だけが減っていく。
25歳からの身体の老化は急加速で進むのです。
ゼーハーと、呼吸を荒く四つん這いになっていれば、目の前に呆れた顔で長い足を折り畳み、膝に腕をついてしゃがんでる白髪。
「馬鹿じゃん」
「くっそぉ……っ!!バルスっ!!」
「オマエ馬鹿だったのは今更だったね」
「山犬に喰われてしまえ」
「無理。僕最強だから勝つし」
「駆逐されろ」
「僕最強だから負けないよ」
最強最強うるせーな!!
厨二病は高校生までですよ!!
大学行ったらもう成人なんだからしっかり!!と頭の心配されるよ!!
……と、思っていたのだが
ふと違和感を持つ。
「前髪は」
「………」
「あんたら、二人で最強だって言ってたじゃん」
白髪の空気が変わった。
あの頃、何かと俺ら最強だし、と言っていたのに……。
じっと、こちらを見る白髪は表情を変えない。
「アイツはいない」
「………死んだの?」
「いや、今もどっかで生きてんじゃないかな?
ただ、僕とは道を違えた」
「…そっか」
「聞かないの?何があったのーって」
「聞いた所であんたが答えるとは思ってない。
白髪と道を違えた……。
それが、良くない意味なことはわかる。
性格はアレだったが、真っ直ぐな印象がある前髪が道を違えた……。
真っ直ぐな人間を歪ませてしまう何かがあったことくらいわかる。
「………ねぇ」
「ん?なに?」
「そのダッサイ包帯取ってよ」
「えー」
「じゃなきゃ不審者で通報してやる」
普通に不審者だからな、その姿。
街中それで歩いてるとか、不審者以外の何者でもないよ。
「取ればいーじゃん」
「は?」
「取りたきゃ自分で取りなよ」
「チートで防がれるだろ。無理じゃん」
「防がないから、ほら」
え?なにこのノリ?
自分でやれよ。
ほらほら、と顔近付けてニヤニヤしてるこの白髪に再び砂をかけるが、やはりチート能力発動した。
「オマエさぁ…」
「すまん。そのニヤニヤ顔いと腹立たし」
「そのノリいらないよ」
ぐっ、と近付いてきてズラされた包帯から覗く青に目を奪われる。
ずっと、思い出の中から必死に思い出していた彼の色。
彼を思い出にしたくなくて、常に求めていたものが目の前にあり……その顔に手を伸ばした。
「綺麗」
「名前、僕の目好きだよね」
「うん。
好きだよ……好きだった」
あの頃、伝えられるくらい
私が恋を理解できていれば良かった。
欲を言えば
恋だと自覚させて溺れるほど手放さないで欲しかった。
「好きだったんだよ」
悟が。
顔から手を離して立ち上がる。
砂をほろって彼を見下ろす。
「何しにここまで来たのか知らんけど
会えて良かった」
今度こそ記憶を思い出にしてあげよう。
逃げて幻想を追うのを止めて
私も一歩を踏み出さないと。
恋人のいない三十路手前はガチの心配をされる。
そろそろ幼馴染達の心配も胸が辛いの。
「じゃあね、悟」
さようなら………と、綺麗に別れようとしたのに
頭をわし掴まれてそのまま唇を奪われた。
何事かと目を見開く私に対し、青い瞳が私を射ぬく。
「なに勝手に自己解決しようとしてんだよ。
言ったろ。
忙しいこの僕が、名前を探して会いに来たって」
「………は?なに?は?」
「鈍感も一周回ると悪意だよね」
「ちょっ!!やめっ」
ちゅっちゅちゅっちゅと、顔中に唇を寄せるこの男を引き剥がそうとしても離れない。
えっ、まじなんなのこのゴリラ?
岩なの?岩石なの?鋼タイプ?
「やめない」
青い瞳に射ぬかれるたび、身体中に熱が。
唇を避けて額、瞼、頬、鼻、口元、耳などなど…いたるところにキスをされれば、恥ずかしいどころじゃない。
キャパオーバーもいいところだ。
「好き。僕は今でも名前が好きだよ」
「………は?嘘だろ」
「嘘なら探すわけないじゃん」
「連絡っ、してこなかったし繋がらなかったじゃん!!」
「携帯壊れて買い換えた後は任務漬けの毎日で連絡する暇無かったんだよ」
「たかがメール一つも?美少女も前髪もいたのに?」
「………距離置こうとは思ったけど
やっぱ名前いないと静かだし…
連絡した頃には電話も繋がらなかった」
海の藻屑となったからな。
「わざわざ後輩に頼んで居場所突き止めて会いに来た僕を褒めていいよ」
「………え、犯罪…」
「引くなよ、失礼な奴」
さっきからちゅっちゅちゅっちゅと、それやめてくんない?
どんだけちゅっちゅちゅっちゅすんの?
あと、普通に居場所調べられる後輩の存在が怖い。
普通は出来ないぞ?
えっ、探偵なの?
大丈夫?その人黒い組織に巻き込まれたりしてない?
……いや、こいつらが黒い組織だったわ。
「名前は?もう僕のこと好きじゃないの?
僕との口約束の沖縄に居るくらい僕のこと意識してるくせに?」
「は?自惚れんな」
「照れ隠しなら可愛くねーよ?それ」
「三十路に片足突っ込んだのに可愛くなくていーし。
今更じゃん」
素直になれれば、拗らせてない。
「なぁ」
「………な、に」
「素直になったら僕をやるから
名前を僕にちょーだい」
「………なに言って」
「僕は名前が好き、オマエは?」
こちらを覗く青い瞳。
……少しくらい、素直になってもいいかな。
「………………き」
「ん?聞こえない」
「……好き。悟が、好きだよ」
「よく言えました」
噛み付くようなキスをされる。
痛いくらい抱き締められて
お互いに舌を絡めて
私は背伸びして首へと腕を回す。
「沖縄遠いからこっち戻れば?」
「え、やだ。
ここ気に入ってるし、呪霊少ないし」
「は?ふざけんなよ」
「ふざけてないから。
私のパラダイスだぞ」
ってゆーか、この人学生の頃より顔幼いんじゃ?
なんなの?美形なの?ご馳走です!!
二人で手を繋いで浜辺を歩きながら帰る。
「そーいやあんたホテル?」
「いや、予約してない」
「は?どーすんの?」
「名前の家泊まる気満々だったんだけど?」
「嘘だろ」
「えっ、僕お外に放り投げられんの?
折角両思いなのに?酷くなーい?」
「まじ黙れ。泊まってもいいけど……布団からはみ出るんじゃ?」
どう考えても、シングルの布団じゃはみ出しそう。
デカイもんな……いや、デカくなりすぎだろ。
「あ、薬局近くにある?」
「コンビニはあるけど薬局は無い」
「えー、エッチできないじゃん」
「は?お前……最低かよ」
付き合って数分後にヤル話って……おや?
ん?両思いだけど……付き合ってるのか??
「私ら付き合うの?」
「………オマエがそこまで馬鹿だとは思わなかった」
「言われてないし」
「あの流れならわかるだろ」
大きなため息をつかれた。
すんごい馬鹿を見る目を向けてくる。
それが彼女を見る目かよ。……彼女。
「あーぁ、手練れな実力知りたかったのに」
「何の?」
「経験豊富なんだろ?昔言ってたじゃん」
「昔?」
「縄も外も後ろも経験あるって」
「は?ないし」
「は?」
そんな危ないプレイは生まれて一度も経験ありませんけど?と頭を傾げて……ふと、思い出す。
「あぁ、友人の経験談の話か」
「はぁ!?」
「美少女とわざとそう聞こえるように話したから」
「まじかよ……」
「なにガッカリしてんだクズ野郎」
「って事は、仕込めるって事だよね」
「うわ……ヤバい。近寄らないで」
ブンブン手を振ってもガッチリ捕まれてて離れない。
おい、嘘だろ。
「離さないよ。もう、2度と」
繋いだ手にキスをされる。
あまりにも穏やかな顔で笑うから……
なぜか此方が照れてしまう。
「………」
「おっ、照れてる?照れてるの?かっわいー」
「うるさいっ」
繋いだ手は、温かくて
くだらないことで笑えるのが嬉しくて
隣に居て安心感があった。
私の遅れたアオハルは
どうやらここから始まるらしい。
あとがき
完結!!
一番長い作品になったなぁ。
気紛れに始めた作品ですが、ハイキュー!!とのクロスオーバーで……いかがだったでしょうか?
何人か幼馴染を気付いてくれて、良かったです。
あえて名前出さずに頑張ってましたが……オイカワサン……www
暴れ出る及川力に負けました(笑)
ハイキュー!!の夢も書きたいんですが……何かあまり思い浮かばなくてwww
この通行人シリーズでハイキュー!!側を中心とした作品を作るか……いや、駄目だ。
悪ふざけのネタが思い浮かばない(笑)
夢主がどんどん奇行種となる一方だ(笑)
元々は、呪術師とか関係無い普通の子が、学生っぽいさしすとの絡みを書きたかったんです。
が!!!
ノリノリで悪ふざけしていたら……学生っぽさは出せた?がヤバい女子高生が誕生した。
通行人らしく、一方的に見かける呪術師達の話を書こうとしたらヤバいくらいじゃないと呪術と絡めないか……と思っていたら悪化した(笑)
けど、書いていて楽しかったです!!
ラストはだいたい25、26くらいだと思ってください。
大学とかの設定は適当なので…ねwww
フカクツッコマナイデ。
最後までご覧いただきありがとうございました!!
自粛は楽しくサイトを読み漁ろう!!
コロナに負けるな!!
コメント頂けたらめっちゃ喜びますwww
やぁやぁ、通行人名前だよ。
私は今!!どこにいるでしょーか!!
チクタクチクタクチクタク
ここ、ここだよ!!
ここにいるよ!!
「ビバ☆沖縄ガールっ!!」
バチコン、とウィンク決めたらジンベイザメたんに目を反らされた。
酷くなぁーい?
んで、何で沖縄かって?
そりゃ……美ら海水族館で働いてまーす
ここまで長い道のりでした……!!
高校卒業後は大学へ。
海洋生物の勉強の道はそりゃあまぁ大変でした……。
資格やら勉強やらお世話やら……とにかく勉強勉強勉強。
動物達と触れ合えるのは楽しかったが、それはそれ。
社畜のごとく働かされ、レポートや国家資格取るのに泣き、トラウマかな……。
うん、ほぼトラウマかな。
んで、無事に諸々の資格を手に、私は大好きな家族と幼馴染と友を置いて沖縄へ。
「今日も美人だぞーお前ら!!」
仕事は大変だが、なんだかんだ楽しくやってる。
高校の卒業旅行で沖縄に友人らと行き、この巨大水槽に惚れ込んだ。
時間を忘れてしまえる、幻想的な光景。
就職するときはめちゃくちゃラブアタックした。
ここで!!働きたいんです!!
ここで働かせてください!!と、頼み込んだ。
「本当、綺麗」
毎日見ていても飽きない光景。
けど、物足りない。
私にとって、学生の頃の心残り。
いきなり消えた友人は、あれから私に会うことも連絡を入れることも無かった。
そのまま携帯は授業中に水没し(しかも海)買い換えることになったので、連絡手段すら無くなった。
あの時の悲しみといったら……
沈み行く携帯に、私の心は死んだ。
東京は呪いが多いのも私を苦しめた。
私でも限界があり、日々強くなる呪いに私の力で守れるモノが微々たるものだと知った。
だから、離れた。
大好きなモノを壊さないために。
私のせいで、巻き込みたくなかった。
最強で居られた学生時代とは違い
弱く控えめになってしまった。
勉強漬けの弱っていた所に呪霊に襲われてみろ……いつもの動きはできないし、諸々のメンタルやられ、疲れ果て、嫌になり…私は逃げたくなった。
そんなときに思い出したのが沖縄だった。
彼が、沖縄で何があったのかわからない。
けど、沖縄に行ったらあの日に戻れる気がした。
私は私が思っていた以上に彼を気にしていて
自分の恋心に気付いた時にはもう遅かった。
思い出の残る東京よりも
あの日、約束した地に逃げた。
彼らと関わった1年は楽しかった。
無かった事にはしたくないのに
思い出の中に存在する場所を巡っても会うことは無くて……思い出ばかりが美化されていく。
記憶が思い出として過去となっていく…
それが辛くて、悲しくて…私は逃げた。
傷心中の私が見た水族館はとても綺麗で
水槽はどこか彼の瞳に似ていた。
差し込む光がキラキラと反射し
どこまでも深く、綺麗な青。
………女々しいとか言うな、そこ。
鈍感とかヤメテ。
メンタル情緒不安定だから。
23過ぎたあたりから、ぼちぼち友人らが結婚し、子供も出来ていくなか初恋を拗らせ沖縄に逃げたぼっちのこと虐めないで……。
あ、自爆。
自分で自分を滅したわ、今。
「さとるのバーカ」
一番馬鹿なのは、私なんだけど。
沖縄に住んで困ったのは台風。
本当死ぬかな?
あれ?今日が世界の終わりかな?
と思うことがある。
島の人々はとっても穏やかでいい人達ばかり。
服のまま海に飛び込んで騒ぐ日もあれば
砂浜を歩いて散歩する日もある。
海に潜って見上た太陽が好き。
一面青に囲まれ、包み込まれている感じが好き。
彼はここを通ったのかな?とか
写真と似た場所だな、とか
居るはずのない幻影を求めてしまう。
私はいつから彼をこんなにも好きだったのかと思うくらい焦がれているくせに
意地っ張りで可愛くない私が探すことを拒否している。
「うーみーはひろいーなおおきーいーなー」
お酒を飲める年になった。
結婚したり、子供が出来たり…家庭を持つ年頃になった。
家庭を持てば、散々馬鹿やっていた友人らも落ち着いた。
私だけが取り残された気分になるが、誰と付き合ってもチラつく面影に自信をなくす。
初恋は実らない。
そんな事を言われても、咲きもせず散もせず中途半端に育った芽が今もにょきにょき成長してジャングルを形成している私はどーしたら良いのか……。
「……ほんと、綺麗」
今日もよく働いた、とビールグビグビ飲みながら浜辺にいる私は不審者じゃないから!!
そこ!!通報しようとしないで!!
ちゃんとゴミも片付けるから!!
可愛らしく酎ハイなんて飲んでいられるか!!
そんな可愛らしい時期はもう過ぎましたー!!
「ヤドカリくんよ……知ってるかい?
拗らせた女ほど、面倒な事はないんだぜ」
そう。拗らせ女とは私のことよ!!
荒れ果てた時代もありました。
学生時代とか、ちょっとハメ外してしまったりしたが、まぁ……ね?
お酒って怖いよね(意味深)
まぁ、そのおかげ?でやっぱり彼が好きなのかもしれないと深みにはまり……拗らせてたわけだが……うっ、胸がイタイ…。
「生まれ変わったらヤドカリになりたい…」
みろよ。一面うじゃうじゃ仲間だらけだぜ!!
出会いたい放題だぜ!!
ポケモンゲットだぜ!!
「………はっ!!
炎タイプが好きな私が、いつの間にか水ポケ使いに……!!
お転婆人魚も夢じゃないな」
うんうん、と一人納得する寂しいやつ。
ねぇ、お願い。
通報やめて?不審者じゃないよ!!!
「うわぁ………やば」
うん、すんごいドン引いた声やめて。
ガチに傷つくやつだから。
誰だよ、と振り向けば
全身真っ黒で目元を包帯で巻いたヤベェ奴がいた。
思わずビール落とした。
「やっ」
え、怖い怖い怖い!!!!
目があったのかもわからないけど!!!!
なんか!!声、掛けてきてる?
いやいや、私にあんなヤベェ知り合いいねーし!!!
シカトだシカト。
たまーにいんだよな……旅行でウカれてナンパとかしちゃう奴。
そんなのに引っ掛かるの馬鹿だけだからな。
ビールの空き缶を袋に詰めて浜辺を歩く。
このまま帰って後つけられたら嫌だからな。
適当に歩いて時間潰そう。
「ねぇ、シカト良くないよ」
「もしもし?警察ですか?」
不審者に肩捕まれました。
これ、通報ですね……と、スマホで電話を掛けようとしたら、頭叩かれた。
見知らぬ人に叩かれて、真顔でキレそうになった。
「は?」
「うわっ、怖っ!!」
「馴れ馴れしいんですが不審者さん」
「どちらかと言えば不審者はオマエじゃない?
夜の海辺でブツブツお転婆人魚とか怖すぎるだろ」
「そっくりそのままブーメラン打ち返すわ。
自分の格好鏡で見ろよ。
頭の中年中ハロウィンかよ」
なんだこのデカイ不審者。
まじ通報すべきかな……と思っていたが、なんだかこのやり取りが懐かしい。
まさかな、と思って改めて見上げれば
白銀の髪が逆立っていて目元には包帯。
真っ黒な上下。
首が痛くなるほど高い背。
腹立つくらい長い足。
「相変わらず口悪いね。
そんなんじゃいき遅れるよ」
人の神経逆撫でする発言。
うん、なんだろ……
私のここ数年の拗らせてたものがスッと冷えていく感じ。
思い出は美化されるって本当だね!!
あれ?おかしいなぁ……
「私の数年間返せよクソモヤシ」
「何の話?」
ねぇ、本当私コイツの事好きだったのかな?
やっぱ今世紀最大の勘違いじゃない?
思い出が美化して勘違いしたんじゃない?
あれれ〜?おかしいなぁ。
「で、今更何の用?」
「冷たいね。せっかく会いに来てやったのに」
「いらないんですけど」
「超多忙な僕が時間の合間合間に探して、やっと見付けたと思ったら沖縄とか意味わかんね」
「………僕?」
え、この俺様何様悟様だった奴が何言ってんのかな?
俺様の美形に酔いなぁ!!とばかりにサングラス外してたナルシシストどこいった?
私よく理解できないなぁ。
僕?僕……僕?
は???
「ってか探してた……ってなんで?」
「んー」
「今更過ぎる。
最初に連絡絶ったのお前らじゃん」
誰に連絡しても繋がらない。
忽然と消えてしまった存在。
「友達と思ってたの私だけだったんだろ。
住む世界が違うしね」
「………悪かったと思ってるよ」
「謝って済んだら警察いらねーんだよ」
「そんな怒られる事したかな?
カリカリしてるとお肌に悪いよ?生理?
もうシワ消えない年頃だよ?」
「見た目だけじゃなく性格のクズさもパワーアップしたのか。まじクソだな」
「口の悪さパワーアップしてない?
やだやだ。これだから酔っ払いは」
はー、やれやれ。
なんて飽きれ出すこの白髪。
まだ一缶も飲んでないのに酔わないっつーの。
なんだか昔よりイライラするこの男とこれ以上話してられないと背を向けて歩き出す。
やっぱこの男に惚れてたとか勘違い勘違い。
はい、お疲れ様ー。解散!!
「着いてくんな」
「やだ。僕忙しいのに名前探して会いに来たんだから」
「知らんわ。東京で他の女探して乳くりあってろ」
「トゲトゲしいなぁ。
そんなに僕や硝子が会いに行かなかったの寂しかったの?」
「寂しかったに決まってるじゃん!!!」
友達だと思っていた。
確かにそっちの世界を拒んでいたのは私だが、簡単に切られるほど薄情な関係ではないと思っていたのに……。
「拒むなら約束なんてしないでよ!!
いきなり連絡も付かず、会えず、何もわからないまま切られて大丈夫だと思ってた?
私は……っ!!」
カッと、なって叫んだが……もう、終わった事。
たとえ今会いに来た所でまた仲良しなんて戻れるわけがない。
突然消える可能性のある相手を待つのも、期待するのも疲れてしまったのだから。
「私が話す事なんてもうない」
「寂しかったのか」
「さようなら。元気でやりなよ」
「ねぇ、沖縄に居るのは僕との約束だったから?」
白髪の質問には答えず、砂浜を歩く。
どこまでも追いかけてくる音にイラつき、砂を掴んでぶん投げる。
注意
※良い子も悪い子も真似しちゃダメだぞ☆
「は?っざけんなし!!
なんだそのバリアー!!」
「はい、残念」
「チートかよ!!」
砂をかけてもかけても手前で止まり、当たらない。
え、この数年でこの白髪は人辞めたのかな?
ゴリラから宇宙人にレベルアップしたの?
髪の毛逆立ててサイヤ人なの?
こちらの体力だけが減っていく。
25歳からの身体の老化は急加速で進むのです。
ゼーハーと、呼吸を荒く四つん這いになっていれば、目の前に呆れた顔で長い足を折り畳み、膝に腕をついてしゃがんでる白髪。
「馬鹿じゃん」
「くっそぉ……っ!!バルスっ!!」
「オマエ馬鹿だったのは今更だったね」
「山犬に喰われてしまえ」
「無理。僕最強だから勝つし」
「駆逐されろ」
「僕最強だから負けないよ」
最強最強うるせーな!!
厨二病は高校生までですよ!!
大学行ったらもう成人なんだからしっかり!!と頭の心配されるよ!!
……と、思っていたのだが
ふと違和感を持つ。
「前髪は」
「………」
「あんたら、二人で最強だって言ってたじゃん」
白髪の空気が変わった。
あの頃、何かと俺ら最強だし、と言っていたのに……。
じっと、こちらを見る白髪は表情を変えない。
「アイツはいない」
「………死んだの?」
「いや、今もどっかで生きてんじゃないかな?
ただ、僕とは道を違えた」
「…そっか」
「聞かないの?何があったのーって」
「聞いた所であんたが答えるとは思ってない。
白髪と道を違えた……。
それが、良くない意味なことはわかる。
性格はアレだったが、真っ直ぐな印象がある前髪が道を違えた……。
真っ直ぐな人間を歪ませてしまう何かがあったことくらいわかる。
「………ねぇ」
「ん?なに?」
「そのダッサイ包帯取ってよ」
「えー」
「じゃなきゃ不審者で通報してやる」
普通に不審者だからな、その姿。
街中それで歩いてるとか、不審者以外の何者でもないよ。
「取ればいーじゃん」
「は?」
「取りたきゃ自分で取りなよ」
「チートで防がれるだろ。無理じゃん」
「防がないから、ほら」
え?なにこのノリ?
自分でやれよ。
ほらほら、と顔近付けてニヤニヤしてるこの白髪に再び砂をかけるが、やはりチート能力発動した。
「オマエさぁ…」
「すまん。そのニヤニヤ顔いと腹立たし」
「そのノリいらないよ」
ぐっ、と近付いてきてズラされた包帯から覗く青に目を奪われる。
ずっと、思い出の中から必死に思い出していた彼の色。
彼を思い出にしたくなくて、常に求めていたものが目の前にあり……その顔に手を伸ばした。
「綺麗」
「名前、僕の目好きだよね」
「うん。
好きだよ……好きだった」
あの頃、伝えられるくらい
私が恋を理解できていれば良かった。
欲を言えば
恋だと自覚させて溺れるほど手放さないで欲しかった。
「好きだったんだよ」
悟が。
顔から手を離して立ち上がる。
砂をほろって彼を見下ろす。
「何しにここまで来たのか知らんけど
会えて良かった」
今度こそ記憶を思い出にしてあげよう。
逃げて幻想を追うのを止めて
私も一歩を踏み出さないと。
恋人のいない三十路手前はガチの心配をされる。
そろそろ幼馴染達の心配も胸が辛いの。
「じゃあね、悟」
さようなら………と、綺麗に別れようとしたのに
頭をわし掴まれてそのまま唇を奪われた。
何事かと目を見開く私に対し、青い瞳が私を射ぬく。
「なに勝手に自己解決しようとしてんだよ。
言ったろ。
忙しいこの僕が、名前を探して会いに来たって」
「………は?なに?は?」
「鈍感も一周回ると悪意だよね」
「ちょっ!!やめっ」
ちゅっちゅちゅっちゅと、顔中に唇を寄せるこの男を引き剥がそうとしても離れない。
えっ、まじなんなのこのゴリラ?
岩なの?岩石なの?鋼タイプ?
「やめない」
青い瞳に射ぬかれるたび、身体中に熱が。
唇を避けて額、瞼、頬、鼻、口元、耳などなど…いたるところにキスをされれば、恥ずかしいどころじゃない。
キャパオーバーもいいところだ。
「好き。僕は今でも名前が好きだよ」
「………は?嘘だろ」
「嘘なら探すわけないじゃん」
「連絡っ、してこなかったし繋がらなかったじゃん!!」
「携帯壊れて買い換えた後は任務漬けの毎日で連絡する暇無かったんだよ」
「たかがメール一つも?美少女も前髪もいたのに?」
「………距離置こうとは思ったけど
やっぱ名前いないと静かだし…
連絡した頃には電話も繋がらなかった」
海の藻屑となったからな。
「わざわざ後輩に頼んで居場所突き止めて会いに来た僕を褒めていいよ」
「………え、犯罪…」
「引くなよ、失礼な奴」
さっきからちゅっちゅちゅっちゅと、それやめてくんない?
どんだけちゅっちゅちゅっちゅすんの?
あと、普通に居場所調べられる後輩の存在が怖い。
普通は出来ないぞ?
えっ、探偵なの?
大丈夫?その人黒い組織に巻き込まれたりしてない?
……いや、こいつらが黒い組織だったわ。
「名前は?もう僕のこと好きじゃないの?
僕との口約束の沖縄に居るくらい僕のこと意識してるくせに?」
「は?自惚れんな」
「照れ隠しなら可愛くねーよ?それ」
「三十路に片足突っ込んだのに可愛くなくていーし。
今更じゃん」
素直になれれば、拗らせてない。
「なぁ」
「………な、に」
「素直になったら僕をやるから
名前を僕にちょーだい」
「………なに言って」
「僕は名前が好き、オマエは?」
こちらを覗く青い瞳。
……少しくらい、素直になってもいいかな。
「………………き」
「ん?聞こえない」
「……好き。悟が、好きだよ」
「よく言えました」
噛み付くようなキスをされる。
痛いくらい抱き締められて
お互いに舌を絡めて
私は背伸びして首へと腕を回す。
「沖縄遠いからこっち戻れば?」
「え、やだ。
ここ気に入ってるし、呪霊少ないし」
「は?ふざけんなよ」
「ふざけてないから。
私のパラダイスだぞ」
ってゆーか、この人学生の頃より顔幼いんじゃ?
なんなの?美形なの?ご馳走です!!
二人で手を繋いで浜辺を歩きながら帰る。
「そーいやあんたホテル?」
「いや、予約してない」
「は?どーすんの?」
「名前の家泊まる気満々だったんだけど?」
「嘘だろ」
「えっ、僕お外に放り投げられんの?
折角両思いなのに?酷くなーい?」
「まじ黙れ。泊まってもいいけど……布団からはみ出るんじゃ?」
どう考えても、シングルの布団じゃはみ出しそう。
デカイもんな……いや、デカくなりすぎだろ。
「あ、薬局近くにある?」
「コンビニはあるけど薬局は無い」
「えー、エッチできないじゃん」
「は?お前……最低かよ」
付き合って数分後にヤル話って……おや?
ん?両思いだけど……付き合ってるのか??
「私ら付き合うの?」
「………オマエがそこまで馬鹿だとは思わなかった」
「言われてないし」
「あの流れならわかるだろ」
大きなため息をつかれた。
すんごい馬鹿を見る目を向けてくる。
それが彼女を見る目かよ。……彼女。
「あーぁ、手練れな実力知りたかったのに」
「何の?」
「経験豊富なんだろ?昔言ってたじゃん」
「昔?」
「縄も外も後ろも経験あるって」
「は?ないし」
「は?」
そんな危ないプレイは生まれて一度も経験ありませんけど?と頭を傾げて……ふと、思い出す。
「あぁ、友人の経験談の話か」
「はぁ!?」
「美少女とわざとそう聞こえるように話したから」
「まじかよ……」
「なにガッカリしてんだクズ野郎」
「って事は、仕込めるって事だよね」
「うわ……ヤバい。近寄らないで」
ブンブン手を振ってもガッチリ捕まれてて離れない。
おい、嘘だろ。
「離さないよ。もう、2度と」
繋いだ手にキスをされる。
あまりにも穏やかな顔で笑うから……
なぜか此方が照れてしまう。
「………」
「おっ、照れてる?照れてるの?かっわいー」
「うるさいっ」
繋いだ手は、温かくて
くだらないことで笑えるのが嬉しくて
隣に居て安心感があった。
私の遅れたアオハルは
どうやらここから始まるらしい。
あとがき
完結!!
一番長い作品になったなぁ。
気紛れに始めた作品ですが、ハイキュー!!とのクロスオーバーで……いかがだったでしょうか?
何人か幼馴染を気付いてくれて、良かったです。
あえて名前出さずに頑張ってましたが……オイカワサン……www
暴れ出る及川力に負けました(笑)
ハイキュー!!の夢も書きたいんですが……何かあまり思い浮かばなくてwww
この通行人シリーズでハイキュー!!側を中心とした作品を作るか……いや、駄目だ。
悪ふざけのネタが思い浮かばない(笑)
夢主がどんどん奇行種となる一方だ(笑)
元々は、呪術師とか関係無い普通の子が、学生っぽいさしすとの絡みを書きたかったんです。
が!!!
ノリノリで悪ふざけしていたら……学生っぽさは出せた?がヤバい女子高生が誕生した。
通行人らしく、一方的に見かける呪術師達の話を書こうとしたらヤバいくらいじゃないと呪術と絡めないか……と思っていたら悪化した(笑)
けど、書いていて楽しかったです!!
ラストはだいたい25、26くらいだと思ってください。
大学とかの設定は適当なので…ねwww
フカクツッコマナイデ。
最後までご覧いただきありがとうございました!!
自粛は楽しくサイトを読み漁ろう!!
コロナに負けるな!!
コメント頂けたらめっちゃ喜びますwww