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GWだ!!合宿だ!!
「牛タンじゃ!!!」
「違いマス」
ここがどこだって?
宮城だよ、宮城!!!
ひゃっほーい!!遊びに来た通行人名前さんだよん☆
はーるばるっきたぜ宮城!!
「牛タン、ずんだ、喜久福、ほや、笹かま、萩の月」
「全部食べ物じゃん」
「イエッス!!!」
合宿で着いてきたのかって?
んなわけないじゃん。
「宮城美味しいモノ多いから」
「お前の行動威力が凄くてお兄さんビックリ」
「あと、メル友が遊ぼうって」
「ハナちゃんだっけ?」
「うん」
前々からちょくちょく連絡し合っていたハナちゃん。
暇潰しにしていたホラーチャットで意気投合し、仲良くなった。
どうやら、ハナちゃんの知り合いにも霊的なヤバババな体験持ち主がいるらしく、今回ガチのヘルプがきた。
「………その背中の物の理由を聞いても?」
「護身用」
「いや……うん。まぁ大丈夫だとは思うけど、絶対中身出すなよ?特に街中で」
「流石にそこまで非常識じゃない」
トサカの気にしている物は、私の背中に背負ってる野球のバットケース。
中身?皆ならわかるだろ☆
「ってことで、合宿がむば」
「お前だけで本当に平気?」
「平気平気。
だから、目を離さないべき相手はこっちね」
ガシッと捕まえたプリン頭の幼馴染。
染めるの面倒だと、そのままにしてプリンなってしまっている。
「サンキュ」
「なに?」
「ゲームしながら歩くの駄目だって迷子なるよ」
「平気」
「………頼んだ」
「おう、任された」
この子、ゲームしながら歩くから人にぶつからなくてもいなくなる。
目を離すとふらふらーっと。
なので、まじで要注意。
しかも、本人迷子の自覚無いし、連絡したら私かトサカがどうにかしてくれると思っている。
きっと今回も迷子になるんだろうな……と思いながら駅で別れて目的地へGo!!
らんらんらーん、と初めて会うハナちゃんに心踊らせていた時代もありました。
「初めまして☆ハナちゃんでっす」
「チェンジで」
「ぶふっ!!!どんまい、ハナちゃん」
「貴方はだぁれ?」
「初めまして、俺は……まっつんで」
「まっつん!!アナタ、まっつんって言うのね!!」
「「突然のメイちゃん!!!」」
笑い崩れる大男2人。
笑いのツボ浅すぎね?そんなんで私の相手が務まるのかよ。
無事合流したらハナちゃん………男だった。
「チッ、かわゆい女の子だと思ってたのに」
「ネカマでごめんね」
「ハナちゃんネカマなの!!やだー」
「まっつんのそのノリやだー」
「…………」
「「冷たい目やめて下さい」」
ノリがなんか、友人らを思い出す。
友人らより、控え目だけど。
で、本題。
見た方が早いと連れて行かれたのはとある高校。明日から合宿があるらしく、午前中に部活を切り上げたのだが、ヤバババな本人は居残り中らしい。
「アレなんだけど」
「………うわぁ」
体育館を団子三兄弟よろしくひょっこり除き見る。
ハナちゃんが指差した先……
え、あれ生きてる人かな?
もはや見えないくらい真っ黒い靄に汚染?巻き付かれていてヤバババ。
元気に動いてるけどヤバババ。
「ネ?ヤバくない?」
「ハナちゃんって見える人?」
「うっすらとね」
「確かにありゃヤバいわ」
「え?なに?どーなってんの?」
「あの人真っ黒い靄で全く顔見えないわ。
どんだけ呪われてんの」
うへぇ、と顔を歪ませてしまう。
まじでヤバババだわ、と思っていました。
えぇ。
「えっ、呪われてんの?」
「多分ね。あの人嫌われたり妬まれたりしてる?」
「んー……まぁ、妬まれたりはしてるかもな」
「顔は、腹立つことにいいしネ」
「痴情のもつれか……バルスっ」
「「バルスっ!!」」
ケラケラ笑うこの二人、まじで心配してんのかな?一応部活仲間なのよね?
扱いの雑さ。
「あんなんでも一応俺らの大事な主将なんだヨネ」
「どーにかできねぇ?」
「どーにかって……」
あ、やばい目があったと思った瞬間にはソレが此方に飛びかかって来たので……
宝剣でぶっ叩いた。
「「えっ」」
「我が愛刀に切れぬもの無し」
「いやいやいや」
「え、マッテ?いやいや、マッテ?」
エクスカリバー之助により、見事に飛散したモノ。
うんうん、ヤバくなる前で良かった。
私でどうにかなるレベルで。
端から見たら、いきなりバールぶん回した人だもんな。
「持ってきて良かった」
「え?何でバール持ち歩いてんの?」
「しかもそれ何かお札貼ってあるヨ?」
「宝剣だから?」
あ、この子ヤバい……って顔しないでくれないかな?
自分でもわかってるから野球のバット入れるやつに入れて持ってきたんだよ。
相棒?釘ついてるから入りませんでした。
「あれ?マッキーにまっつん何してんの?」
なんやかんやありまして
ただいま、師匠に恋愛について学んでる。
「なるほど、キミは幼馴染との距離が近すぎてちょっとやそっとの事じゃ動じないんだね!!
けど、アオハルはしたいと」
「そーです、師匠!!」
「うんうん。師匠が優しく教えてあげるからね!!」
「………ノリノリダネ、師匠」
「よくフられるけどな、師匠」
「黙ろうね、マッキーまっつん!!
俺は今からこの子に恋愛というものがいかに素晴らしいかを教えなきゃいけないんだ……師匠として!!」
なんやかんやあって、なぜか恋愛相談になった。
師匠は数多の恋愛経験をし、もはや恋愛マスターと呼べる存在。
なので、ここ最近のドキドキやキュンッを聞いてみた。
「で、師匠!!アオハルとは?」
「ズバリ青春!!」
「そのまんまジャン」
「青春と言っても様々だよね。その中で甘く、酸っぱく、ほろ苦い思い……それがアオハル」
「「はいはい」」
「君の場合幼馴染のスペックが高すぎてそれに慣れちゃっているから、多少のドキッとする場面でも揺るがない………ならば!!」
「ならば!!」
「壁ドン☆だね!!」
師匠はドヤ顔で言い放った。
壁ドン……。
「不意打ち、いきなりにドキドキ、キュンッとすることが多いのなら!!
つまり、壁ドンなら必ずドキドキしてキュンッとなる!!」
「なるほど…壁ドンってどーすれば?
壁ぶち破ればいいですか?」
「どんな壁ドンだよそれ。俺やだよ」
「ぶち破ったらもはや恋も覚めちゃうヨネ」
「ちょっと来て」
体育館の壁に行き、壁を背に立たされる。
その真正面に師匠が立ち……いきなり片手でドンッと塞ぐ師匠。
顔の横に手をつき、ぐっと距離を縮めてくる。
「俺だけ見てなよ」
「これが……!!壁ドン!!」
「まったく効果ナイネ」
「師匠、効いてないよー」
なるほど。
世の女の子達はこれにキュンッとするのか……と、思っていたら
「こっの、クソ川!!」
「いっっ!!!」
目の前から師匠が消えた。
床で倒れる師匠の顔の横を足でダンッ!!!と踏みつける男前な方。
「自主練するって言ってたのに様子見に来たら何女子口説いてんだコラ」
「い……岩ちゃん、痛い…」
「……床ドン!!」
「いや、あれ違うカラ」
「あんなシチュに興奮するとかヤバいから」
ゲシゲシ師匠が蹴られている。
ハナちゃんとまっつんさんが隣に来て一緒に見守る。
仲裁?いや、しませんけど。
「そもそもさ、白髪くんのことどー思ってんの?」
「うざい」
「辛辣っ!!」
「けど、ドキドキするんデショ?」
「うん」
「じゃあさ、幼馴染くん達に彼女出来たらどーする?
今までみたいに遊べなくなって」
「寂しいけど、彼らが選んだ人なら……近づくの止めるかな。家族同士の付き合いはあるけど
人が嫌だと思うことしちゃいけないから」
「白髪くんに彼女出来たら?」
「………寂しい、かな」
なんだかんだ仲良くなれたのに
距離開いて遊べなくなるのは寂しいな。
「そっか」
「幼馴染にじっと見つめられてドキドキすんの?」
「しない」
「白髪くんは?」
「…した」
「んー……じゃあ、まだきっときっかけが足りないのかもな」
「どーゆー事?まっつんさん」
「ふとしたキッカケで、落ちるかもね」
こちらを覗き込むようににやりと笑うまっつんさん。
おう……よく見たら、スケベじゃね?この人。
「うわっ、ハナちゃんこの人スケベだ。
存在感がスケベだ。存在するだけでスケベだ」
「スケベ!!」
「酷くない?男はみんなスケベです」
「絶対学校の先生食べてる。
やだーマダムキラー?前髪と同類かよ」
「うちの学校おばあちゃん先生しかいねーわ」
「な……美人の女教師とか保険医は漫画だけだ」
ハナちゃんとまっつんさんの遠い目にドン引く。
男はやっぱそーゆーマニアックなのが好きなのか?
女教師とか保険医とイチャイチャしたいのか。
「ふとしたキッカケ、ねぇ…」
「幼馴染で慣れてるのに、違う男子にドキドキするならだいたい恋だろ」
「恋ってそんなもんなの?ハナちゃん」
「恋に理由なんかいらないんだよ」
「そーそー。気付いた時には落ちてるんだから」
師匠がどつかれている間
白髪を思い返す。
美形で、性格悪そうで
クレープ顔につけられて
おでん食われて
ヤベェ組織に誘われて
クズで
人を小馬鹿にする男
「あれ?白髪に惚れる要素どこかな?」
「顔がいいとこだけだな」
「ダネ」
最近は少し優しいなーと思ったりする。
然り気無く気遣いが……
「いや、あいつ失礼の塊だわ」
「うん。聞けば聞くほどキュンッの要素ないな」
「むしろ、相手がこの子にキュンッしてそう」
「わかる。
連絡のやり取りしていても男前なの、この子」
「ハナちゃん女の子だと思ってたからなー」
「ネカマでごめんなさい」
「焦らなくてもいーんじゃない?
まだ一年あるわけだし、青春はこれからだ」
ぽんぽんっ、とまっつんさんが頭を撫でる。
胸がホワホワ温かくなる……。
「アニキ…!!」
「ぶふっ!!!」
「あ、やば。電車の時間」
「もう?日帰り?」
「うん。とりあえず……萩の月と喜久福とずんだとほや買って帰らなきゃ」
「「ほ、や!!!」」
めちゃくちゃ笑われた。
ほやウマイじゃん。
見た目グロ……気持ちわ……良くないけど、ウマイじゃん。
ハナちゃんとアニキにオススメのお土産を教えてもらい、買い込んでお土産買い占めた。
日帰りは疲れたけど、楽しかった。
自称恋愛マスターの師匠?
さあ?尻蹴られてるのを最後に別れました。
アニキとは連絡先交換したよ。
アニキこそ、本当の恋愛マスターだと思いました。
あれ?作文?
「ってことで、お土産」
「甘いものばかりじゃないか」
「私パス」
「美少女、私が美少女に買わないわけないだろ」
そっ、と美少女に小さめの箱を2つ手渡す。
「なにこれ?」
「ほや」
「ほや?酢昆布じゃねーのソレ?」
「悟、ほや知らないのかい?」
「知らね」
「あ、うまい」
「だよね」
「くっさ!!硝子それなに!?海くさっ!!」
「悟、落ち着こうか」
「酒のアテだな」
「呑んだらダメだよー」
「まじくっさ!!」
「白髪黙ろうね」
アニキ、やっぱこいつに恋とかないわ。
あとがき
ほや美味しいよ。
好き嫌い激しく別れるけどね!!
夢主
ほやウマイ。エクスカリバー之助活躍!!
呪霊三級なら軽く祓えるはず。
ハナちゃん
メル友。ネカマ。
見えちゃう悩みの共有出来て嬉しくて
どんどん主将が変なのに飲み込まれるのが怖くなり、ヘルプ。
まさかバールでどうにかなるとは思ってなかった。
話し方の特徴がとらえきれずごめん。
アニキ
本当の恋愛マスター。
きっと今後いい助言してくれる。
話し方迷子その2。
岩ちゃん
最強の床ドンを魅せてくれる。
男前。
師匠
自称恋愛マスター。
蹴られて終了。
あれ?オイカワサンの出番!!
名前出したくなかったけど
恋愛マスターはこの人しかいないと思った。
「牛タンじゃ!!!」
「違いマス」
ここがどこだって?
宮城だよ、宮城!!!
ひゃっほーい!!遊びに来た通行人名前さんだよん☆
はーるばるっきたぜ宮城!!
「牛タン、ずんだ、喜久福、ほや、笹かま、萩の月」
「全部食べ物じゃん」
「イエッス!!!」
合宿で着いてきたのかって?
んなわけないじゃん。
「宮城美味しいモノ多いから」
「お前の行動威力が凄くてお兄さんビックリ」
「あと、メル友が遊ぼうって」
「ハナちゃんだっけ?」
「うん」
前々からちょくちょく連絡し合っていたハナちゃん。
暇潰しにしていたホラーチャットで意気投合し、仲良くなった。
どうやら、ハナちゃんの知り合いにも霊的なヤバババな体験持ち主がいるらしく、今回ガチのヘルプがきた。
「………その背中の物の理由を聞いても?」
「護身用」
「いや……うん。まぁ大丈夫だとは思うけど、絶対中身出すなよ?特に街中で」
「流石にそこまで非常識じゃない」
トサカの気にしている物は、私の背中に背負ってる野球のバットケース。
中身?皆ならわかるだろ☆
「ってことで、合宿がむば」
「お前だけで本当に平気?」
「平気平気。
だから、目を離さないべき相手はこっちね」
ガシッと捕まえたプリン頭の幼馴染。
染めるの面倒だと、そのままにしてプリンなってしまっている。
「サンキュ」
「なに?」
「ゲームしながら歩くの駄目だって迷子なるよ」
「平気」
「………頼んだ」
「おう、任された」
この子、ゲームしながら歩くから人にぶつからなくてもいなくなる。
目を離すとふらふらーっと。
なので、まじで要注意。
しかも、本人迷子の自覚無いし、連絡したら私かトサカがどうにかしてくれると思っている。
きっと今回も迷子になるんだろうな……と思いながら駅で別れて目的地へGo!!
らんらんらーん、と初めて会うハナちゃんに心踊らせていた時代もありました。
「初めまして☆ハナちゃんでっす」
「チェンジで」
「ぶふっ!!!どんまい、ハナちゃん」
「貴方はだぁれ?」
「初めまして、俺は……まっつんで」
「まっつん!!アナタ、まっつんって言うのね!!」
「「突然のメイちゃん!!!」」
笑い崩れる大男2人。
笑いのツボ浅すぎね?そんなんで私の相手が務まるのかよ。
無事合流したらハナちゃん………男だった。
「チッ、かわゆい女の子だと思ってたのに」
「ネカマでごめんね」
「ハナちゃんネカマなの!!やだー」
「まっつんのそのノリやだー」
「…………」
「「冷たい目やめて下さい」」
ノリがなんか、友人らを思い出す。
友人らより、控え目だけど。
で、本題。
見た方が早いと連れて行かれたのはとある高校。明日から合宿があるらしく、午前中に部活を切り上げたのだが、ヤバババな本人は居残り中らしい。
「アレなんだけど」
「………うわぁ」
体育館を団子三兄弟よろしくひょっこり除き見る。
ハナちゃんが指差した先……
え、あれ生きてる人かな?
もはや見えないくらい真っ黒い靄に汚染?巻き付かれていてヤバババ。
元気に動いてるけどヤバババ。
「ネ?ヤバくない?」
「ハナちゃんって見える人?」
「うっすらとね」
「確かにありゃヤバいわ」
「え?なに?どーなってんの?」
「あの人真っ黒い靄で全く顔見えないわ。
どんだけ呪われてんの」
うへぇ、と顔を歪ませてしまう。
まじでヤバババだわ、と思っていました。
えぇ。
「えっ、呪われてんの?」
「多分ね。あの人嫌われたり妬まれたりしてる?」
「んー……まぁ、妬まれたりはしてるかもな」
「顔は、腹立つことにいいしネ」
「痴情のもつれか……バルスっ」
「「バルスっ!!」」
ケラケラ笑うこの二人、まじで心配してんのかな?一応部活仲間なのよね?
扱いの雑さ。
「あんなんでも一応俺らの大事な主将なんだヨネ」
「どーにかできねぇ?」
「どーにかって……」
あ、やばい目があったと思った瞬間にはソレが此方に飛びかかって来たので……
宝剣でぶっ叩いた。
「「えっ」」
「我が愛刀に切れぬもの無し」
「いやいやいや」
「え、マッテ?いやいや、マッテ?」
エクスカリバー之助により、見事に飛散したモノ。
うんうん、ヤバくなる前で良かった。
私でどうにかなるレベルで。
端から見たら、いきなりバールぶん回した人だもんな。
「持ってきて良かった」
「え?何でバール持ち歩いてんの?」
「しかもそれ何かお札貼ってあるヨ?」
「宝剣だから?」
あ、この子ヤバい……って顔しないでくれないかな?
自分でもわかってるから野球のバット入れるやつに入れて持ってきたんだよ。
相棒?釘ついてるから入りませんでした。
「あれ?マッキーにまっつん何してんの?」
なんやかんやありまして
ただいま、師匠に恋愛について学んでる。
「なるほど、キミは幼馴染との距離が近すぎてちょっとやそっとの事じゃ動じないんだね!!
けど、アオハルはしたいと」
「そーです、師匠!!」
「うんうん。師匠が優しく教えてあげるからね!!」
「………ノリノリダネ、師匠」
「よくフられるけどな、師匠」
「黙ろうね、マッキーまっつん!!
俺は今からこの子に恋愛というものがいかに素晴らしいかを教えなきゃいけないんだ……師匠として!!」
なんやかんやあって、なぜか恋愛相談になった。
師匠は数多の恋愛経験をし、もはや恋愛マスターと呼べる存在。
なので、ここ最近のドキドキやキュンッを聞いてみた。
「で、師匠!!アオハルとは?」
「ズバリ青春!!」
「そのまんまジャン」
「青春と言っても様々だよね。その中で甘く、酸っぱく、ほろ苦い思い……それがアオハル」
「「はいはい」」
「君の場合幼馴染のスペックが高すぎてそれに慣れちゃっているから、多少のドキッとする場面でも揺るがない………ならば!!」
「ならば!!」
「壁ドン☆だね!!」
師匠はドヤ顔で言い放った。
壁ドン……。
「不意打ち、いきなりにドキドキ、キュンッとすることが多いのなら!!
つまり、壁ドンなら必ずドキドキしてキュンッとなる!!」
「なるほど…壁ドンってどーすれば?
壁ぶち破ればいいですか?」
「どんな壁ドンだよそれ。俺やだよ」
「ぶち破ったらもはや恋も覚めちゃうヨネ」
「ちょっと来て」
体育館の壁に行き、壁を背に立たされる。
その真正面に師匠が立ち……いきなり片手でドンッと塞ぐ師匠。
顔の横に手をつき、ぐっと距離を縮めてくる。
「俺だけ見てなよ」
「これが……!!壁ドン!!」
「まったく効果ナイネ」
「師匠、効いてないよー」
なるほど。
世の女の子達はこれにキュンッとするのか……と、思っていたら
「こっの、クソ川!!」
「いっっ!!!」
目の前から師匠が消えた。
床で倒れる師匠の顔の横を足でダンッ!!!と踏みつける男前な方。
「自主練するって言ってたのに様子見に来たら何女子口説いてんだコラ」
「い……岩ちゃん、痛い…」
「……床ドン!!」
「いや、あれ違うカラ」
「あんなシチュに興奮するとかヤバいから」
ゲシゲシ師匠が蹴られている。
ハナちゃんとまっつんさんが隣に来て一緒に見守る。
仲裁?いや、しませんけど。
「そもそもさ、白髪くんのことどー思ってんの?」
「うざい」
「辛辣っ!!」
「けど、ドキドキするんデショ?」
「うん」
「じゃあさ、幼馴染くん達に彼女出来たらどーする?
今までみたいに遊べなくなって」
「寂しいけど、彼らが選んだ人なら……近づくの止めるかな。家族同士の付き合いはあるけど
人が嫌だと思うことしちゃいけないから」
「白髪くんに彼女出来たら?」
「………寂しい、かな」
なんだかんだ仲良くなれたのに
距離開いて遊べなくなるのは寂しいな。
「そっか」
「幼馴染にじっと見つめられてドキドキすんの?」
「しない」
「白髪くんは?」
「…した」
「んー……じゃあ、まだきっときっかけが足りないのかもな」
「どーゆー事?まっつんさん」
「ふとしたキッカケで、落ちるかもね」
こちらを覗き込むようににやりと笑うまっつんさん。
おう……よく見たら、スケベじゃね?この人。
「うわっ、ハナちゃんこの人スケベだ。
存在感がスケベだ。存在するだけでスケベだ」
「スケベ!!」
「酷くない?男はみんなスケベです」
「絶対学校の先生食べてる。
やだーマダムキラー?前髪と同類かよ」
「うちの学校おばあちゃん先生しかいねーわ」
「な……美人の女教師とか保険医は漫画だけだ」
ハナちゃんとまっつんさんの遠い目にドン引く。
男はやっぱそーゆーマニアックなのが好きなのか?
女教師とか保険医とイチャイチャしたいのか。
「ふとしたキッカケ、ねぇ…」
「幼馴染で慣れてるのに、違う男子にドキドキするならだいたい恋だろ」
「恋ってそんなもんなの?ハナちゃん」
「恋に理由なんかいらないんだよ」
「そーそー。気付いた時には落ちてるんだから」
師匠がどつかれている間
白髪を思い返す。
美形で、性格悪そうで
クレープ顔につけられて
おでん食われて
ヤベェ組織に誘われて
クズで
人を小馬鹿にする男
「あれ?白髪に惚れる要素どこかな?」
「顔がいいとこだけだな」
「ダネ」
最近は少し優しいなーと思ったりする。
然り気無く気遣いが……
「いや、あいつ失礼の塊だわ」
「うん。聞けば聞くほどキュンッの要素ないな」
「むしろ、相手がこの子にキュンッしてそう」
「わかる。
連絡のやり取りしていても男前なの、この子」
「ハナちゃん女の子だと思ってたからなー」
「ネカマでごめんなさい」
「焦らなくてもいーんじゃない?
まだ一年あるわけだし、青春はこれからだ」
ぽんぽんっ、とまっつんさんが頭を撫でる。
胸がホワホワ温かくなる……。
「アニキ…!!」
「ぶふっ!!!」
「あ、やば。電車の時間」
「もう?日帰り?」
「うん。とりあえず……萩の月と喜久福とずんだとほや買って帰らなきゃ」
「「ほ、や!!!」」
めちゃくちゃ笑われた。
ほやウマイじゃん。
見た目グロ……気持ちわ……良くないけど、ウマイじゃん。
ハナちゃんとアニキにオススメのお土産を教えてもらい、買い込んでお土産買い占めた。
日帰りは疲れたけど、楽しかった。
自称恋愛マスターの師匠?
さあ?尻蹴られてるのを最後に別れました。
アニキとは連絡先交換したよ。
アニキこそ、本当の恋愛マスターだと思いました。
あれ?作文?
「ってことで、お土産」
「甘いものばかりじゃないか」
「私パス」
「美少女、私が美少女に買わないわけないだろ」
そっ、と美少女に小さめの箱を2つ手渡す。
「なにこれ?」
「ほや」
「ほや?酢昆布じゃねーのソレ?」
「悟、ほや知らないのかい?」
「知らね」
「あ、うまい」
「だよね」
「くっさ!!硝子それなに!?海くさっ!!」
「悟、落ち着こうか」
「酒のアテだな」
「呑んだらダメだよー」
「まじくっさ!!」
「白髪黙ろうね」
アニキ、やっぱこいつに恋とかないわ。
あとがき
ほや美味しいよ。
好き嫌い激しく別れるけどね!!
夢主
ほやウマイ。エクスカリバー之助活躍!!
呪霊三級なら軽く祓えるはず。
ハナちゃん
メル友。ネカマ。
見えちゃう悩みの共有出来て嬉しくて
どんどん主将が変なのに飲み込まれるのが怖くなり、ヘルプ。
まさかバールでどうにかなるとは思ってなかった。
話し方の特徴がとらえきれずごめん。
アニキ
本当の恋愛マスター。
きっと今後いい助言してくれる。
話し方迷子その2。
岩ちゃん
最強の床ドンを魅せてくれる。
男前。
師匠
自称恋愛マスター。
蹴られて終了。
あれ?オイカワサンの出番!!
名前出したくなかったけど
恋愛マスターはこの人しかいないと思った。